ラクーンでは、「S資格者成果発表会(ラクーン社内のスペシャリストたちが自分自身の専門分野について発表する会)」を開催しています!
そこで今回は、「S資格者成果発表会レポート#1」と題して、発表当日の様子をお届けします!
記念すべき第1弾は、グローバルMDの中吉さんです!
目次
北京・アメリカ留学から複数社を経てラクーンへ
グローバルMD(GMD)ってどんな仕事なの?
MDは金脈を見つけて仲間と掘ることを繰り返す
手芸ジャンルという金脈を7人の仲間と掘り当てた
よく学んでたくさん失敗することが信頼につながる
世の中のありとあらゆるものを成長の糧にしよう
北京・アメリカ留学から複数社を経てラクーンへ
中吉「今回は『大事にしたい日々の習慣』というテーマでお話をさせていただきたいと思います。私は現在、ラクーンコマースで海外事業、特にSD exportに関する仕事をしていて、北米などを担当しています。
そのバックグラウンドには、大学時代、北京の大学に1年間交換留学した経験やアメリカに留学した経験があります。
留学先で修士号を取るなど社会人になりたくなくて抗っていたのですが、ついに観念して2016年4月に就職しました(笑)
1社目は世界中に拠点を置く金融系の大手IT企業で、法人営業を担当していました。ここで社会人の基礎スキルや営業のノウハウ、大企業の中で個人としてどう働くかを学びました。特に印象的だったのは、ノルマを達成することへの執着心が身についたことです」
中吉「そして2018年7月、スポーツ業界で働きたいという思いからスポーツエンターテインメントの企業へ転職し、スポーツリーグの立ち上げに携わりました。
7〜10人目の小さな会社で、試合会場の設営、チームと選手の契約、会員システムやファンクラブの立ち上げなど、わからないこともとりあえずやるという環境でした。ここでゼロから作り上げる経験を積むことができました。
2020年5月にパソコンやスマホの周辺機器メーカーに転職し、事業開発部門でOEM生産やアライアンスなどを担当しました。ここで学んだのは、何でも必ず形にするということです。既存のスキームがないものを作っていくため、開発部隊や上層部、パートナーなど、さまざまな関係者に頭を下げたり時には強く交渉したりして、とにかく成り立たせることに全力を傾けました。
そして2021年1月、ラクーンに入社しました。グローバル戦略部で、ずっとグローバルMDという仕事をしています。最近、2025年5月頃にカスタマーマーケティング部に異動しました」
グローバルMD(GMD)ってどんな仕事なの?
中吉「グローバルMD(GMD)とは、商品の仕入れや販売戦略をグローバルな視点で統括し、企業の商品ポートフォリオを最適化する役割を担う専門職です。ラクーンはBtoBなので、主にBtoBの卸しの分野で活動し、企業が取り扱う商品やサービスのマーチャンダイジングに関する戦略的な決定を行います。市場調査から販売後まで全ての計画を管理する重要な仕事です」
MDは金脈を見つけて仲間と掘ることを繰り返す
中吉「ここまで教科書的に説明してきましたが、私なりの解釈をまとめてみたいと思います。簡単な図にしてみたのですが、まずは情報収集から始まります。
例えば、社内データを分析したり、ユーザーの声を聞いたり、ウェブで検索したり、他の人の意見を参考にしたり、日常会話から『これいいかも』というヒントを得たりします。そうやって考えを重ねていくと、『金脈』のようなものを発見できるんです。何かアイディアが生まれてくる。『これやってみたらいいんじゃない?』というアイディアを、ここでは『金脈』と表現しています。ゴールドラッシュの画像を使ったのはそのイメージです。
金脈が見つかったら、次はどう掘っていくかを考えます。ただ、一人で掘るのはなかなか難しい。そこで、一緒にやってくれる専門性のある仲間を集めていきます。みんなそれぞれ専門性や得意分野があるので、そういう人たちを集めて一生懸命取り組んでいくと、最終的に実行と成果が生まれてくる——これが大まかな流れです。
この流れを繰り返し続けていくことが、仕事の内容になります」
手芸ジャンルという金脈を7人の仲間と掘り当てた
中吉「2024年6月頃、SD exportやアメリカの流通額をどう伸ばすか、日々頭を悩ませていました。成功していたインフルエンサー施策は引き続き活用する、送料対策もしっかりやる、ということは決まっていましたが、何か一つ足りない。プラスアルファが必要だと感じていました。
当時、文具・食器・キャラクター商品という3つの柱が販売の大きなボリュームを占めていました。ただ、これらはいずれどこかで頭打ちになる。だから、新しい柱を1つ、2つと増やして、売れる商品の幅を広げることが重要だと考えました」
中吉「いろいろリサーチを重ねた結果、手芸ジャンルに可能性を見出しました。選定の軸は3つです。(1)その時点で程よい流通額がある、(2)長期的な成長の兆しが見える、(3)短期的にも伸びている。
これらの条件を満たすジャンルを探して試行錯誤した結果、『これだ!』と確信しました」
中吉「そこで、実際にお客様にヒアリングしました。日本の手芸ジャンル製品を扱うコミュニティは存在するのか、日本製の手芸商品にニーズはあるのか。
ヒアリングの結果、日本製品は海外でブランドが確立していて、コミュニティもしっかりしている。ニッチではあるものの、成長の可能性があると判断しました」
中吉「あとはロードマップに沿って仲間を集め、金脈を掘っていくという流れになります。全体としては約半年で計画を進めていきました。まずは2024年8月から10月にかけて、7人のメンバーを集めて金脈を掘り始めました。
最初は企業の獲得と、商品ラインナップを充実させることから始めました。真夏の暑い中、2ヶ月かけて皆さんに営業に出かけてもらったり、商談に同行してもらったりしました。そしてある程度商品が揃い、ページも整ったら、次はプロモーションです。
デザインチームや技術チームの力を借りて、オンラインワークショップの企画、インフルエンサーの起用、常設の特集ページ作成などを進めました。
手芸ジャンルの魅力を段階的に見せていき、最後に1月・2月の大型セールで一気に獲得する——そんなストーリーを描いていました。広報チームにも協力してもらい、皆さんの力を借りながら、この流れで実行していきました」
よく学んでたくさん失敗することが信頼につながる
中吉「情報収集をして、金脈を見つけて、仲間を集めて、掘っていく。
ただ、皆さん(特に若い世代の方)が疑問に思うのは、『アイディアってどうやって出てくるの?』ということではないでしょうか。
アイディアがうまく出てこないという声は、僕もよく聞きます。
僕が思うのは『練習あるのみ』です。アイディアがたくさん浮かぶようになりたいなら、普段からインプットの量を増やしていくこと。いろんな角度からインプットする習慣を身につけると、どんどん良くなっていくんじゃないかと思っています」
中吉「皆さんも普段の仕事を想像しながら、私の問いかけに心の中で答えてみてください。
ミーティングや他の人のプレゼンを聞いているとき、皆さんは一生懸命耳を傾けていますか?話を理解しようとしていますか?さらに、『自分だったらこうするな』とか、自分をその物語の主人公にして物事を考えたりしていますか?
例えば、RBS(ラクーン社内のシステム)、Backlog(プロジェクト管理ツール)、Redash(データ分析ツール)、スーパーデリバリーの画面など、いろいろなツールやサービスがありますが、隅々まで触ってみたりしていますか?
『あれ、ここってどうなってるの?』と、知らないことを積極的に聞いてみたり、調べたりしていますか?自分に問いかけてみてください」
中吉「積極的に学んでいますか?そもそも普段からニュースや書籍を読んでいますか?今はすごく便利で、知らないことがあればYouTubeなどでいろいろ教えてくれます。そういう動画など、自分の知識を広げるものを積極的に取りに行っていますか?
仕事をする上で食わず嫌いをしていませんか?『ちょっと面倒そうだな』と思って、仕事を振られないように息を潜めていたりしませんか?上司に『これどう?』と言われたときに、『すみません、苦手なので』と言って避けている仕事はありませんか?
皆さん、自分に聞いてみてください。心当たりがある方は、せっかくのインプットをする機会を自ら棒に振っていると僕は思います」
中吉「こういったことをしっかり実践していく——諦めずに、面倒くさがらずに学び、インプットを増やしていくと、ミーティングや雑談などで他の人が話しているときに『あれ?これってこうやってやってみればいいんじゃない?』『ここを探したらヒントや答えが出てきそう』『私だったらこうしてみるかな』と思い始めるようになるんですね。
そうすると、思いついたことを話したくなる。性格的に思いついたことを話すのが難しいという人は、ファシリテーターをガン見してみるといいと思います。そうしたら『おお、なんかある?』みたいに聞いてくれたりすると思うので。
そうすると、今度はちょっとやってみたくなっちゃったりするんですよね」
中吉「やってみたくなったら、今度はたくさん失敗しましょう。成功も失敗も経験したことがないのって、私はあまり良くないと思うんですよね。失敗を改善することで良い施策を実施でき、みんなに信頼されていきます。
そうすると、どんどん他の仕事も任されるようになる。そうするとまた失敗しましょう。そしてまた失敗を改善していく。やがて信頼されるようになり、他の仕事もどんどん任されます」
世の中のありとあらゆるものを成長の糧にしよう
中吉「いろいろとお話させていただきました。皆さん、どう思われましたか?もし『ちょっとあまり聞いてなかったな』という方がいらっしゃったら、こういうチャンスを逃さないよう、とりあえず話を聞いてみてはどうでしょうか。
世の中に無駄なものなんて存在しません。ありとあらゆるものを自分の成長の糧にできたら、あなたは誰よりも信頼される社会人になれると思うし、少なくとも私はあなたを信頼します。以上、私のS資格者発表でした。ご静聴ありがとうございました」
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