エンジニアにとって大切な、新たな技術の習得。クイックでは、「実際に手を動かし、具現化力を高める」という目的のもと、『Engineer BootCamp(以下、BootCamp)』という名称で、プロダクト開発を疑似体験する場を設けています。
BootCampの特徴は、「今、学びたい技術」などを自分たちで考え、自由に開発を行うこと。少人数のチーム(クラン)に分かれて、半期ごとに成果物をリリースするというゴールに向かって活動を行っています。通常の業務では使っていない技術を学んだり、異なるポジションを体験して視点を養うなど、主体的にスキルを伸ばす機会として開催されてきました。
▼過去のBootCampの様子は、こちらの記事でレポートしています。
https://www.wantedly.com/companies/quick/post_articles/877534
https://www.wantedly.com/companies/quick/post_articles/936836
今回の記事では、中間発表会の様子をレポート。「今期はどんな技術にアンテナを立てているの?」「エンジニアたちの雰囲気ってどんな感じ?」といった現場の空気を、ぜひ感じ取ってください。
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~当日の流れ~
- 開会の挨拶/トロフィー返還
- 各クランの成果発表(全5クラン)
- 投票/優秀賞の発表
- エンジニアリングマネージャーから締めの挨拶
目次
▼クランⅠの発表
図書管理ツール『Lim Re:born』
▼クランⅡの発表
ゲーム感覚でランチレビューを投稿!『FFA』
▼クランⅢの発表
「行きたい」を可視化するグルメマップ『楽々忠敬』
▼クランⅣの発表
AIを使った社内コンシェルジュアプリ
▼クランⅤの発表
喫煙者のお悩みを解決『KemuLog』
▼投票/優秀賞の発表
▼中間発表会を終えて
▼クイックのテックリードの募集
▼エンジニアリングマネージャーの記事はこちら
▼エンジニアイベントについての記事はこちら
▼その他職種の募集はこちらから
■ クイックの社員インタビュー はこちら
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■ クイックのカルチャー はこちら
▼クランⅠの発表
図書管理ツール『Lim Re:born』
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クランⅠからは、図書管理ツール『Lim Re:born』の発表がありました。こちらは、もともと社内にあったツールを再現、発展させたもので、書籍の貸出・返却状態の管理や、書籍検索、詳細データの閲覧などが可能なツールとなっています。
今回の開発では、まずは旧ツールの機能を再現するという方針のもと、機能の優先度付けを実施。中間発表会の時点で「書籍の登録・編集」や「貸出・返却」「書籍タイトル検索」「貸出履歴の閲覧」「ユーザー権限の管理」機能を実装しています。
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採用している技術スタックは、メンバーが理解を深めたいと希望しているものを軸に、「Next.js」や「Prisma」などを選定。
メンバー各位、開発で試行錯誤するなかで新しい技術とも親しくなれたようで、「Next.jsとPrismaを使って少しモダンな人になれた」「モダンFE開発の片鱗が見えた」といった感想が出ていました。
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メンバーからの「やりたい!」という声に対して、「それ、やってみよう!」と前向きに捉えて開発に向き合ってくれたことが印象的だったとのこと。着実にステップアップに繋がっているようです。
中間発表会では旧ツールの機能再現がメインでしたが、今後は書籍データの最新化や、返却の催促機能の追加、ISBNコード等からの書籍データの自動取得などを実施予定。再現の範囲から、付加価値を創出する段階へ移行するとのことです。
▼クランⅡの発表
ゲーム感覚でランチレビューを投稿!『FFA』
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クランⅡが開発したのは、ゲーム感覚でランチレビューを投稿できるサービス『FFA(Food Frontier Akasaka)』。某有名ゲームシリーズ好きが多かったことから、この名前になったとのこと。
もともとは「ランチマップ+ゲーム要素のあるコミュニケーションツール」を予定していたそうですが、メンバーの一時離脱などの影響で計画を見直したとのこと。限られたリソース内で実現可能な範囲を見極め、柔軟にスコープの見直しや役割変更を行った判断には、会場からは「こういった判断も重要」「英断」との声が上がりました。
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技術スタックの構成は、「Vue.js」「Tailwind CSS」「Laravel」「Terraform」「MySQL」。「触っておきたい」「自社のプロダクトのベースになっている開発環境を理解しておきたい」といったメンバーの声をもとに技術を選定しています。
AWS上でWebアプリケーション基盤を構築し、ECS Fargateを中核として高可用性と効率性を追求した設計にしたとのことです。
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計画変更はあったものの、デモ版の完成度は高く、「ゲームっぽさ」を前面に押し出したデザインは会場からも好評。「3つの勢力に分かれて、侵略地(登録した店舗)の数を競う」というゲームデザインになっており、口コミを登録・閲覧できるほか、訪問履歴や訪問数ランキングを確認できるようになっています。
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これから使いそうな技術に触れて基盤づくりができたほか、普段担当できない「サービス画面のデザイン」に挑戦でき、刺激を得られたとのこと。ただし、そのぶん実績不足で実装に想定以上時間がかかり、時間確保が課題になったようでした。
ブラッシュアップに向けて、時間の捻出やメンバー間の連携など、チーム運営まわりがどう改善されるか楽しみです。
▼クランⅢの発表
「行きたい」を可視化するグルメマップ『楽々忠敬』
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クランⅢが開発したのは、社内メンバーが行きたいお店を知れるグルメマップ『楽々忠敬』。現在地周辺の店舗の表示や、店舗の詳細情報の表示に加え、お店に対してメンバーが「行きたい!」とリアクションを残せるアプリになっています。
「誰が行きたがっているか」を今後表示できるようにするそうで、コミュニケーションの起点になる可能性を秘めています。ちなみに、前期のBootCampで開発したイベント幹事のサポートアプリ「楽々幹事」の姉妹アプリで、ゆくゆくは統一も考えているそうです。
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開発環境は、標準環境に加えて、マップ情報・店舗情報を連動させるためのホットペッパーAPIやGoogle Map APIを使用。
今回は「ブラッシュアップ期間もあるし、トライしたい技術を使えるような拡張性の高いアプリケーションを開発しよう!」という目標のもと、技術スタックを選定したとのことです。
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「トライしたいこと」の一環としてAIの活用も掲げており、AIがおすすめ店舗を探してくれる機能も実装予定だそう。マップ画面右下のキャラクター(忠敬くん)をクリックすると、現在地近辺の店舗を紹介してくれる……はずなのですが、実演時は未実装。こちらも期末までに完成するのか注目です。
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デモ版では、何回クリックしても同じお店を紹介し続ける忠敬くんに、会場からは「サボっている」との声が(笑)
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ちなみに、今回の発表会では発表時間が終わりに近づくとBGMが流れ出します。音楽にあわせて、オーディエンスが手を降って登壇者を煽っていくスタイルです。
▼クランⅣの発表
AIを使った社内コンシェルジュアプリ
クランⅣが開発したのは、手軽に社内情報を探すことができるコンシェルジュアプリ『ICHIRO』。これまで社内の問い合わせページやチャットなどを一つひとつ回って調べていた手間の解消を目的としています。
今回の活動では「Amazon Bedrockの知見を深めたい」という希望のもと、AIを使用したコンシェルジュアプリの開発に挑戦しました。チャットで質問をすると、社内ドキュメントの内容をベースにコンシェルジュが回答してくれる仕組みになっています。
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ICHIROさんが、あなたのお悩みを解決します。
ちなみに、アプリ名の『ICHIRO』は、クイックの社長の名前からとったもの。
社長の川口さんは、クイック社員にとってとても身近な存在。よくオフィス内を歩き回っているので会話することが多く、ランチや会食の機会も多いので、親しみを込めてネタにされています。そんな社長への愛とリスペクトから生まれたのが、今回のコンシェルジュアプリなのだそう。
「社長の人格をコンシェルジュに設定しているので、いつでも社長と楽しく会話できます」という機能説明に、会場では笑いが溢れました。
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社長の人格を設定したはずが、口調がおかしなことに。様々なドキュメントを読ませた結果、そちらに人格が引きずられてしまったとか……。
デモでは、チャットの質問に対して的確に回答するなど順調に動作しており、中間発表までの目標であった「チャット画面から実際に会話が行える」「Bedrockに社内情報を学習させる」ことに成功。
プラスアルファで「ファビコンの作成・設定」や「チュートリアル画面の実装」「フロントのデプロイ自動化」なども行えており、開発はかなり順調に進んでいました。
スキーマ駆動開発を採用して意思統一や役割分担の効率化を図ったほか、メタバース上で会話できるアプリ「Gather」を使うことで、リモート勤務でも物理オフィスに近い感覚で気軽に話せるようにするなど、メンバー間の連携を強める工夫が成功に繋がったようです。
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ただ、盛りだくさんだったが故に発表時間はオーバー気味に。オーディエンス一同、手を降って、タオルを振り回して煽っていきました(笑)
▼クランⅤの発表
喫煙者のお悩みを解決『KemuLog』
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クランⅤが開発したのは、喫煙できるお店を調べられる情報マップ『KemuLog』。「喫煙したくても、世の中の喫煙情報が曖昧すぎるし、なんなら嘘の情報が載っている」という愛煙家の声から生まれたWebサービスです。
「せっかく活動するなら、楽しいものを掲げて、半年間モチベーションが続くものを作りたい」という想いのもと、フィールドワークや喫煙者へのヒアリング、アンケートを実施し、実際に使える「喫煙ができるお店マップ」を開発しました。
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今回のサービスでは、地図上に喫煙できるお店がピン留め表示されるほか、選択すると「喫煙できる時間帯」や「店の回転率(ゆっくりできるか)」「喫煙可能なタバコの種類」などの詳細情報が閲覧可能。とことんユーザーファーストの視点で、リアルに知りたい情報が網羅されています。
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便利かつ完成度が高かった『KemuLog』ですが、発表したベテランのエンジニアから、「ドメインはローカルホストっていうんですけどね」との告白が。あたかもドメインを取っているかのように毅然とプレゼンしていたので、参加者全員から笑いの総ツッコミも。
使用技術は、Vue.jsを使う事が多いチームメンバー構成だったので「React」「Tailwind CSS」を軸に選定。また、ワイヤーフレーム制作や画面デザインなど、普段の業務では担当できないものの興味があった分野にも挑戦しました。
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一方で、「お気に入り登録機能」など中間発表時点では実装できていない機能があったり、経験のあるメンバーが実装を担当する役割分担になってしまったりと、課題もあったそう。期末の最終成果報告会に向けてどう改善されるのか、乞うご期待です。
▼投票/優秀賞の発表
全クランの発表を終えて、次は審査の時間。今回は参加者全員が審査員となり、最も良いと感じたクランと個人に投票し、優秀賞が決まります。
投票後、結果発表までの時間は、しばしご歓談タイム。飲み物片手にお菓子をつまみつつ、自由に談笑していました。
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マネージャー陣が一番ノリが良かったりします。
そして、優秀賞の発表へ。中間発表会のMVPは……社内コンシェルジュアプリ『ICHIRO』を開発したクランⅣ!
トレンドの技術スタックを多数取り入れてチャレンジしていた点や、実用性の中にも「楽しさ」があるデザイン、役割分担によって開発を着実に推進していた点などが、総合的に評価されました。
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クランⅣのみなさん、おめでとうございます。
個人MVPもあわせて発表され、各クランで象徴的な活躍をした人たちが選ばれました。
受賞の決め手は、活動をリードしたことや、新しい技術に果敢に挑んでチームを牽引したことなど。普段の業務ではリードを担当していないメンバーも活躍しており、今後に繋がる経験を積めたようです。
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個人MVPのみなさんも、おめでとうございます。
▼中間発表会を終えて
最後にエンジニアリングマネージャーの桃原から、今回のBootCampの総括がありました。
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「各クラン、工夫を凝らしたアプリ等を開発しており、見ている側も学びがありました。AI関連のアルゴリズムを考えることも面白いですし、クランⅡのようにゲーミフィケーションの考え方を取り入れて楽しませるという視点も面白かったです」
「一方で、諸事情で仕様を削らないといけないといった決断の部分も体験できたと思います。多くの知見が得られたと思うので、ぜひBootCampで得た知見を普段の業務にも活かしてください」
という桃原のコメントのように、普段の業務では取り入れられない技術や視点を用いた開発ができる点は、業務とは別軸の活動であるBootCampならではの良さ。普段の役割にとらわれず、チームを率いる経験や、プロジェクト進行における重要な判断を下す経験を積める点も、メンバーの成長に繋がっています。
今回の学びも踏まえて、期末の最終報告会までにどうレベルアップしていくのか? 実装予定の機能は無事開発できるのか? 引き続きご注目ください!
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最後はMVPのクランⅣにちなんで「4」のポーズで記念撮影!
最後までご覧いただきありがとうございました!
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