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寒さと疲れに染み入る肉まん

Photo by Fitsum Admasu on Unsplash

ある時、ちょっとしたご縁で、チャリティーリレーマラソンに参加することになりました。1周2kmのコースをリレー形式でつなぎ、走った距離に応じて大会から寄附をするというものです。

当社でも全国から多くのライフプランナーが参加しました。マラソン経験があるわけでも、日ごろから走り込んでいるわけでもなかった私ですが、前年末の忘年会の席で声をかけいただき、「2kmなら気合で走ります」と参加の意思を表明しました。

多少体力には自信があり、直前はジムで走り込んで準備したものの、やはり素人です。軽い気持ちで2周連続(4km)を走り切ると、あまりの疲労感でしばらくベンチから立ち上がることができませんでした。

エネルギーの補給よりも休憩を優先したかった私は「売店に行くけど、何か欲しいものある?」というメンバーのお誘いを丁重にお断りし、ただただベンチに座り込むという情けない状態でした。

そんな私に売店から帰ってきたMさんが「はい。」と差し出してくれたのはホカホカの肉まんでした。みんなで売店に行ったのに、私だけ何もないのは気の毒だと思い、買ってきてくれたのでしょう。肉まんが大好物の私は、Mさんの優しさも加わり、本来であれば飛び上がって喜びたいところでした。

ところが、あいにくその余裕がありません。嬉しいのに気持ちを表現しきれないもどかしさ・・・どうしてもちょっとずつしか食べ進めることのできないもどかしさ・・・

そんな私の様子を気にしている様子のMさんに、せめて言葉で伝えたいと思い「私、肉まん大好きなんです!!」と言うと「そんな気を遣わんでええよ」とほほ笑んでくれました。やや困ったような微笑みに、より一層の優しさがにじみます。

2月の冷たい空気に、肉まんとMさんの温かさが沁みました。

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