こんにちは。
Pros Cons代表の安部です。
前回は自社製品開発事業をなぜやっているかについて投稿をしましたが、
今回は少し趣を変えて、コアラのマーチを使った教師なし学習モデルを作ったときの様子のレポートを書きたいと思います。
渋谷オフィスにて……
安部「教師なし学習を簡単に理解してもらうためには、分かりやすいデモンストレーションを行いたいですね」
エンジニア「工業製品とか、金属とかが比較的デモしやすくて良いです。」
安部「それだと普通すぎるので…食品…」
エンジニア「食品?」
安部「そう、食品。同じ商品でも形状や焼き具合、印字の濃度も少しずつ違う…コアラのマーチはどうでしょう。しかも教師なし学習は、多品種少量生産が多い食品ラインに適用できればビジネスとの相性もすごくいい。」
エンジニア「なるほど、やってみましょう!」
ということでコアラのマーチの図柄判定でデモンストレーションを作成することにしました。
異常品を検知するためには、ある程度の量の正常品を覚えさせる必要があります。
公式HPによると、コアラのマーチは全365絵柄があるとのこと。
ということは同じ絵柄を複数個用意するためには、相応のパック数を用意する必要があります。
23個/箱くらい入っていて、ダブリが出る確率は…
というわけで、やってきました驚安の殿堂。
今回購入したコアラのマーチは30箱。
積んでみるとこんな感じです。
そしてここからは怒涛の仕分け作業。
同じコアラのマーチがあれば、並べるという絵合わせをしていきます。
慣れない作業にへとへとのCTO。
作業すること4時間…
やっと仕分け終了!!
並べてみるとこんな感じに。
途中で(割れなどで)食べてしまったものを除くと、
計680個のコアラのマーチを仕分けしました。
結果、5個以上ダブっていたのは、
・エイエイオーマーチくん(5個)
・大笑いマーチくん(5個)
・コアラのワルツちゃん(5個)
・自転車コアラ(5個)
・「だいすき」コアラ(5個)
・じゃんけん「チョキ」マーチくん(5個)
・35thコアラ(5個)
・ピッチャーコアラ(5個)
・ラブレターコアラ(5個)
・チャイニーズコアラ(5個)
・もちつきコアラ(5個)
・鼻血コアラ(5個)
・インドサリーコアラ (5個)
・リュックコアラ(5個)
・歯みがきコアラ(6個)
・レーサーコアラ(6個)
・ペアコアラ(6個)
・ロシアマトリョーシカコアラ(6個)
・バイバイコアラ(7個)
・「TEL171」コアラ(7個)
の20つ。
想定以上にダブっていました。
今回のケースでは最多だった「TEL171」コアラですが、これは何の番号だろうか?と思って調べてみると、171は災害用伝言ダイヤルの番号でした。
2009年に発売された缶に入った保存食『コアラのマーチ ビスケット』で生まれた絵柄で、災害用に保存しておくとともに、災害用伝言ダイヤルの存在も知ってほしいとパッケージに『171』の説明を付けたそうです。
その流れで本家のコアラのマーチでも2011年2月8日から絵柄に採用されたそうで、2011年3月の東日本大震災の際には171の重要性を早くから啓蒙していたとして、話題になった絵柄でもあります。
そんなロッテさんへ敬意を表して、「TEL171」コアラを有り難くデモンストレーションに使わせてもらうことにしました。
ペーパーを下に敷き、工場の検査ラインを擬似的に再現します。
こんな感じで台を固定して撮影。
そして、撮影した動画に当社教師なし学習アルゴリズムを適用し、判定をした動画がコチラ。
こちらの例では、375フレームの"正常"を覚えさせ、それと合わないものを"異常"としてヒートマップで表現しています。青が正常、赤が異常として表示されます。
現在、当社では自社開発をした独自の画像認識技術「Gemini」のうち、
教師なし学習アルゴリズムをモジュール化し、簡易UIを備えて製品化をしようと考えております。
これらのプロジェクトを一緒に進めて行きたいとワクワクするあなた!
是非ご応募お待ちしております。
求人はコチラ。
自社製品開発についての記事「「Gemini」技術を使った教師なし外観検査モジュール!!」はコチラ。
※撮影に利用したコアラのマーチはスタッフで美味しく頂きました