「AIスタートアップなら、すべてを自動化するべきだ」 そう考えるのが一般的かもしれません。
しかし、株式会社プレラナのアプローチは逆です。 私たちは、プロダクトの設計において「人間による介入(Human-in-the-Loop)」を意図的に、かつ戦略的に組み込んでいます。
本記事では、あえて私たちが完全自動化を目指さず、あえて「泥臭いオペレーション」を構築するロジックを解説します。
■ 現場では「90%の精度」では、仕事にならない
現在の生成AIは非常に優秀ですが、業務レベルでの精度は「80〜90%」程度で頭打ちになることが多々あります。 残りの10%は、ハルシネーション(嘘)や、文脈の取り違えといったエラーです。
趣味で使うなら90%で十分でしょう。 しかし、私たちが支援しているのは、建設、不動産、労務といった「ミスが許されない」実業務の現場です。 「90%合っている給与計算」や「たまに間違っている安全書類」には、1円の価値もありません。
顧客が求めているのは、信頼できる「100%の完了(Outcome)」だけです。
■ 「最後の10%」を埋めるコスト
この「最後の10%」を技術だけで埋めようとすると、開発コストと期間は指数関数的に跳ね上がります。 あらゆる例外ケースを学習させ、複雑なガードレールを設ける……それは、スタートアップにとって賢いリソース配分とは言えません。
そこで私たちが採用するのが、Human-in-the-Loop(人間介在型)モデルです。
- 90%の作業: AIが超高速で処理する。
- 10%の仕上げ: 専門知識を持つ「人間(オペレーター)」が確認・修正し、責任を持つ。
これにより、「AIのスピード」と「人間の信頼性」をいいとこ取りし、顧客に対して「100%の成果物」を即座に届けることが可能になります。
■ オペレーションこそが「最強の教師データ」になる
さらに、このモデルには副次的なメリットがあります。 人間が修正したその履歴(ログ)自体が、「極めて質の高い教師データ」になるという点です。
「どこでAIが間違え、どう人間が直したか」。 この泥臭いデータを蓄積し、モデルに再学習(フィードバック)させ続けることで、AIの精度は95%、98%……と限りなく100%に近づいていきます。
最初から完全自動化を目指す競合が足踏みしている間に、私たちは「人とAIのハイブリッド」で走り出し、現場のリアルなデータを独占的に集めきることができるのです。
■ 求む、「仕組み」を作れる人
だからこそ、プレラナには「コードを書ける人」だけでなく、「オペレーションを設計できる人」が必要です。
- AIと人間の役割分担をどう設計するか?
- 人間の確認フローをどう効率化するか?
- そのプロセス自体を、どうSaaS(SaS)としてパッケージ化するか?
これは、エンジニアリングとビジネスの中間に位置する、非常にクリエイティブな仕事です。
「技術」と「泥臭さ」を組み合わせて、勝てるプロダクトを創りたい方。 プレラナで、その設計図を一緒に描きませんか?