当社では、「人の健康データを預かる企業」として、日頃からコンプライアンス強化に取り組んでいます。
その一環として、管理職を対象にコンプライアンス研修を実施しました。
医療に関わる企業として、法令やガイドラインの理解・遵守は非常に重要です。医療業界には、薬機法や医療広告ガイドラインをはじめ、多くの規制があります。それらを正しく理解し、誠実に事業を推進することが、お客様との信頼関係を築いていく上での、大切な姿勢だと考えています。
研修について
研修の冒頭では、クイズ形式からスタート。
コンプライアンスの違反によって企業に生じるリスクや近年の違反件数の増加など、具体的に示されました。
参加者からはその想像以上の件数の多さに、コンプライアンスを遵守することの重大性を再認識する声が上がりました。
会社にとってのコンプライアンス
「会社は法人として、人と同じように権利・義務・責任がある」
そのために、企業は社会に存在するひとつの主体として、ステークホルダーに対して様々な責任を果たすことが求められています。利益を追求するのだけではなく、「当たり前のことを当たり前に守る」姿勢がより重要になっています。
加えて現代社会においては企業や社会的責任を果たし、環境や人権に配慮した取り組みを行うことが、ESG(環境・社会・ガバナンス)を重視した投資の対象となり、競争優位性や業績向上につながるともいわれています。中長期的な目線でみると、社会的責任の遂行は経済合理性とも両立し得るという考え方が浸透してきています。
そのために当社においても、今後「社会へどのように貢献していくか」という視点が、ますます大切になると考えています。
認識のズレが起こすリスクとは
「紙に口頭で伝えられた図形を描く」というアクティビティを行いました。
シンプルな指示であっても、実際に描いてみたところ、描きあがった絵は人によって全く違うものに・・・
これこそが「認識のズレ」というもの。日常生活においては、大きな問題にならないものの、会社間の契約となれば話は別です。
このわずかな「認識のズレ」が、大きな損失につながる可能性があります。
そのため、契約書を作成・締結することは非常に重要だといわれています。
取引先の信用を確認するスクリーニングの役割をもつほか、双方の合意内容を明確にし、証拠として残し、リスクをコントロールをするためのものです。会社を不測のトラブルや損失から守り、事業継続を支えるために極めて重要な機能を担っています。
また社員が日常的に申請する社内稟議も同様に重要です。
稟議は単なる上司への報告だけではなく、関係部署との情報共有、合意形成、意思決定のプロセスの可視化を行うための仕組みであり、組織として適切に機能していくために不可欠なプロセスであるということを学びました。
グループディスカッションでは、「日々稟議や契約書にといて、これまで問題だ」「リスクかもと感じたことはありますか?」というテーマをもとに、それぞれチームで話し合うことになりました。
意見が共有される中で、一番多かった意見としては、「コンプライアンスとビジネスのバランスの問題が難しい」という点です。承認期限が短いために、承認者が内容を十分に理解しないまま進んでしまっているのではないか、早く契約を結ばないと、相手先に迷惑がかかると考え、稟議のフローを理解せずに申請をあげてしまい、結果として承認に時間がかかってしまった、などの課題があがっていました。
また、稟議を申請する立場、承認する立場、それぞれの悩みや気になる点などが共有されて、どのように稟議に対して日々対応されているのかが明らかになりました。
管理職としての役割
違反が起こる背景や要因はさまざまです。
「知らなかった」「認識が違っていた」といった過失や、営業プレッシャーによる故意の判断などが考えられます。
だからこそ管理職には、
・不正が起きにくい労働環境をつくる
・メンバーが相談しやすい雰囲気をつくる
といった役割が求められます。
ここでのディスカッションは「社内で発生しているコンプライアンス上の問題を、どのように解決すべきか?」という点が議論されました。
解決策には、
「社内のGPTなどで“このルールは合ってる?”と、気軽に聞けるようにしたい」
という面白いアイデアも多数でてきました。
また、営業部のメンバーからは、
「医療機関に渡す資料が、ガイドラインから外れていないか」
「最新の法令情報をキャッチアップするには、どう仕組み化するべきか」
など具体的な質問もあがり、改善への前向きな意見交換が行われました。
さらに、各部署やチームだけでなく、会社全体でコンプライアンスの重要性について考える必要があることも確認されました。どのようにすれば、みんながルール違反をせず、気持ちよく仕事を進められるかについて、多様な意見を共有することができました。
参加者のコメント
「契約の考え方から不正のトライアングルについて知ってはいたが、改めて学び直すことができた。ディスカッション形式で、議論を深め、他の方の知見を聞くことができたのは有意義な機会であった」
「個々人の経験からのコンプラ違反(未遂)のエピソードを聞いて、自分が気づかずに違反をするケースを知ることができてよかった」
また講師の谷口氏からも、
「参加者の皆さまが真摯な姿勢で研修に臨み、高いコンプライアンス意識を感じることができました。業務に即した具体的な課題や対策に議論がおよび、法令遵守の徹底や企業倫理の向上に向けた更なる取り組み強化の契機となることを確信しております。」
とのコメントをいただいております。
今後どのように活かしていくか
今回の研修では、コンプライアンス違反が起こる背景やリスクについて改めて理解するとともに、社内での具体的な課題や解決策について活発な議論が行われました。各部署だけでなく会社全体でルールを守る意識を高め、安心して働ける環境づくりが重要であることを再確認することができました。
今後も、社会やお客様に対して「信頼される企業であり続けるための土台」として、全社でコンプライアンス意識を高めていく取り組みを推進していきたいです。
最後に | プリメディカでの研修について
当社では、正しく予防医療を普及していくために、さまざまな研修制度を整えています。
今回のコンプライアンス研修は、その中の一つとして、管理職クラスを対象に実施しました。
新卒・中途にかかわらず、入社したメンバーには安心して働いてもらえるように。
そして、一人ひとりが高いコンプライアンス意識を持ち、予防医療を責任をもって広げていけるように。
こうした思いから、当社では定期的に研修を行い、組織としての基盤強化に取り組んでいます。
今後は、他の研修制度についても別の記事でご紹介していく予定です。
“安心して働ける環境”と“自分の力で予防医療を前に進める経験”のどちらも手に入れたい方、ぜひエントリーをお待ちしております!
【講師紹介】株式会社Oyster 代表取締役 谷口 香津郎氏
キーエンス、青年海外協力隊、ボストンコンサルティンググループなどを経て株式会社Oysterを設立。
同社はコンプライアンス研修に特化したeラーニングシステム「OneCompliance」を開発・提供している。