「人を大切にしないで、何を大切にするんだ。」
これが、株式会社PMAのモットー。
何か、とっても大切なことを言っている気がするけど、どんな想いが込められていのか。社員の皆さんへのインタビューを通して紐解いていきます。最終回は、これまでインタビューを担当してきた"いっくん"こと渡邊さんに、2023年新卒入社の木下がお話を伺います。
まずは渡邊さんのプロフィールをご紹介します。
東京都の下町出身。大学で教育学を学び、卒業後は新卒として東京都の公立中学校教員として勤務。担当する国語科の授業でキャッチコピーを書く単元を扱ったときに、名作と言われるコピーに惹かれるとともに、生徒から出る自由な発想に面白みを感じ、コピーライターという職に興味を持つ。教員として勤務しながら、宣伝会議主催のコピーライター養成講座(基礎・上級)を受講。2022年3月に当時の卒業生を見送り、同年4月にPMAへ入社。
―それではよろしくお願いします!さっそく一つめのご質問。PMAに入社しようと決意した一番の理由はなんでしたか?
得られる経験の幅広さに魅力を感じたからです。
実は私も、入社のきっかけは人のつながりなんです。大学時代に所属していたサークルの先輩がPMAにいて。卒業してからも懇意にしてもらっていたんですが、何かの機会に「転職を考えている」という話をしたところ、「コピーが書ける人を探している」と声をかけてもらったのが最初でした。
初めてオフィスを訪れたときは、面接…というより面談のような形式で、今までどんな仕事をしてきたのか、どうしてコピーライターを志すようになったのか、そんな話をラフにさせていただいた記憶があります。
社長からPMAについて改めて説明を受けたときは正直、コピーを書く以外にもたくさん仕事があって大変そうだ…と思ったのですが、逆に言えばそれだけ経験が積めるということだなと。面談時に社長から「企画立案からクリエイティブ制作まで様々なことを経験したコピーライターと、コピーを書くことしかしていないコピーライターとでは、書くコピーが異なる」という話をされたんです。コピーライター養成講座で講義を受けていた頃も、登壇される偉大な先輩方は「この広告のこのコピーを書きました」というよりは、「こういうクライアントの課題があって、その解決のためにこういう戦略を練って、その先にこういうコピーを書いたんです」というような話をされていて。それを考えると、コピーを書くだけのコピーライターではなく、戦略と戦術を考えた上でコピーを生み出せるコピーライターになれる機会ってそうそうないのでは?と思いました。
新卒から教員として働き、小学校入学からずっと「学校」という場を中心に生活していた自分にとっては、市場の分析、競合調査、企画立案、提案…等々、PMAで仕事をするとなると初めての経験だらけでした。だからこそ、この会社で働けば、その初めてを一気に経験して吸収し、視野が広いコピーライターになれるチャンスだと感じたのが、入社の決め手になりました。
―ご縁によって出会ったPMAは、理想のコピーライターになれる場所だったんですね。
―差し支えなければ前職を退職した理由をお聞かせいただけますか?
「先生を辞めた」と聞くと、学校という職場のブラックさに耐えられず辞めたのではないかと思われるかもしれませんが、そうではなくポジティブな気持ちでの退職でした。
幸い、勤めていた学校は職場環境的に恵まれていました。熱意ある若手と、サポートしてくれるベテランという環境でした。子どもたちのために何ができるか?を真剣に考えて実行する人に囲まれ、刺激を受けながら仕事をしていました。ただ、働く中で「ずっと学校の中にいるだけでいいのだろうか?」と思い始めたのも事実でした。進路指導をするのに、学校を中心とした生活しかしてきていない自分の指導では足りない視点もあるのではないか、と。年数を経るごとに、これくらいの成績ならこの辺りの進学先かな…などと自然と考えられるようになったのも、経験を積めていると思うこともできますが、逆に言えば考えが定型化してきているような気がして。自分の視野を広げてみたいと思い、転職を考え始めました。
―教師からマーケティング業界への転職にはそのような背景があったのですね。では、入社後はどんなお仕事をされていますか?
大まかに言うと企画立案、進行管理、クリエイティブディレクション、コピーライティングが主で、上流から下流まで、様々な領域の仕事を担当しています。
企画立案では、企画コンセプト・テーマの設計をすることがあります。訴求点を見出し、コンセプトを設計してワードに落とすという工程が、コピーライティングの手順と似通っていて、知見が活きています。
その商品やサービスが持つ強みは何なのか、それはユーザーにとってどのような価値を持っているのかを、市場全体ややクライアントの分析をしながら企画を考えています。この段階で考えたコンセプトが、その後のクリエイティブや施策の方向性を左右するので、重要な部分を担わせてもらっていると感じています。
クリエイティブディレクションでは、実際に企画立案で考えたコンセプトをクリエイティブに落とし込みます。使うビジュアルは、フォントは、全体のトンマナは…と、考えるべきことが非常に多いです。コピーライティング養成講座を受講していた際には当然コピーライティングのみを考えていて、言葉でどう伝えるかを考えていましたが、それだけでなくデザインも合わせてメッセージを伝えるにはどうすればいいのかを考えるのは、最初はなかなか慣れず苦労しました。
ただ、そこで考え抜いておけば、完成したクリエイティブを提案するときに、なぜそのクリエイティブになったのか?が明確に話せるようになります。ただの自己満足のクリエイティブではなく、「課題を解決するためのデザイン」として提案できれば、クライアントにも納得してもらえますし、ひいては消費者の行動変容を促すことにつながります。
―ただ企画を考えたりクリエイティブを制作すればいいわけではないんですね。
―そんな日々の中で、特に印象的だったお仕事はありますか?
製薬会社の商品のLP制作の案件に携わった際、ブランドのメインメッセージとなるコピーを書いたことが印象に残っています。
市場分析やクライアント分析を徹底的に行い、商品が持つベネフィットがユーザーのどんな生活を作り上げるのかを考え抜いてコピーを作りました。クライアントへの何度かの提案を経て最終的に決まったコピーは、担当の方に「まさしくこれだと思います」と言っていただくことができました。
その商品のプロモーションとして、ブランドムービー制作の提案もしたのですが、その際にご一緒したパートナーからも、「このコピーなら作りたい映像がすぐに浮かんでくる」と言っていただき、上がってきた絵コンテは自分が思い描いていたストーリーと合致していました。
コアとなる要素を誰にでもわかりやすく伝えられるようなコピーがあると、クライアントやパートナーへの提案がスムーズになり、その先のクリエイティブまで一気通貫したものが作りやすくなると実感しました。言葉で企画に一本の筋を通して説得力を持たせられることを学んだ経験になりました。
―なるほど。自分が作ったものがいろんな方から褒められ、その結果スムーズな仕事ができたというのは大きな成功体験ですよね。
―教師と現在のPMAでの仕事では、やっていることがかなり異なると思うのですが、PMAでの仕事において特に「成長できたな」と感じる瞬間ってありますか?
1枚の広告のためだけではない、もっと大きな役割を持つコピーがあることを実感できたのは、ひとつ大きな成長を感じた瞬間だったと思います。
以前、ある県のイノベーションハブ施設の立ち上げにあたって、施設のデザイン・設計とサービスシステムの構築を提案する案件に参加したことがあります。私は施設の名称・コンセプトを考える担当となりました。
一見すると、名前を考えるだけの仕事ですが、その名称・コンセプトによって、施設のデザインもサービスの内容も変化します。それまでは商品プロモーションのためのコピー制作に携わることが多く、もちろんそういったコピーもデザインや施策に影響を与えるものなのですが、すでに決まっている商品コンセプトになぞらえて制作することパターンが主でした。
一方、施設の立ち上げですから、どういう施設を作り上げるのかは提案次第。ほとんどゼロから自分たちで描いていくにあたって、その指針となる言葉を生み出す経験ができたのは、入社半年の私にはとてつもなく大きな経験になりました。
あとは、「なんとなくこれがいいと思う」という感覚だけで仕事をせずに、データや分析結果をもとに論理的に考えることと、加えて、PMAが大事にしている「誰かの、何のために」を意識するようになりました。クライアント、ひいてはその先の消費者や社会のためになるような施策を考えるように努めています。案件の途中で思考が迷子になった時も、原点である「誰の、何のためなのか」に立ち返るようにすると、考えが整理され、自分でも腹落ちした状態で提案できるようになります。
*渡邊さんのコピーが使われたworksの一部をご紹介!
https://www.pma-j.com/works/craft-colas-sake-key-visual
https://www.pma-j.com/works/tabeyasai
https://www.pma-j.com/works/craftgingerale
―「誰かの、何かのために」を一貫させることの重要さを感じますね!
―それでは最後の質問です。PMAで働くことの面白み、魅力を教えてください。
現在のPMAはフルタイムメンバーが10名と、決して多くはない人数ですが、規模の大きい案件をいくつも取り扱うので大変なときもあります(笑)。だからこそ幅広い経験を積むことができていますし、考える力がつくチャンスがいっぱいあります。
短い時間でいかに効率的に動くか、誰と動いたらベストな仕事ができるか、自分の仕事の質を高めるために考えるべきことがたくさんあって、それはどんな仕事にも生きる力だと思います。
加えてPMAでは、やりたいと主張したら案件に参加させてもらえることも多いので、自分で成長の機会をつくりやすいと思います。そういうコミュニケーションを上司と取れる時間があるので、自己実現に意欲的な人は向いている環境ですね。
ーありがとうございました!
「誰かの、何かのために」という、良いことだとはわかりつつも抽象的でわかりづらいことを、PMAがどう仕事に落とし込んでいるのかが具体的にわかるインタビューでした!
社員へのインタビューはここで一段落。次回は打って変わって、メンバーのライフイベントからPMAを紐解く記事を更新予定!お楽しみに。