そもそも「なぜ360度フィードバックをやるのか」、社内にその答えを持っている人は多くないかもしれません。
私たちは今回(通算3回目)の360度フィードバックを始めるに当たり、スタッフ宛の告知の冒頭に、「360度フィードバックは「一人ひとりが自己成長していくために、自分を客観的に認識する」ことを目的にしています」と書きました。今日は、この言葉に光を当てて考えていきます。
360度フィードバックは自己成長のためにやるの?
みんなの声を反映したプロジェクトにしていきたいので、週一回行われている各チームミーティングの中の30分を使って360度の説明と意見交換の場を持ちました。
3回行った意見交換の場では、新システムの説明のあと、フリートークで進めました。そこには、「フィードバックが怖い」「書いた側、受け手でそれぞれ感じ方、受け止め方が違う」「回答に責任を持ってほしい」などのコメントが出ました。
これまでは、フィードバックを受け取ることが負荷の人、書くことが負荷の人もしました。今回の方法では、「受け取らない選択」「フィードバックしない選択」も選べます。その選択を周りを気にせずに素直に選べるといいなと思っています。
人はなかなか他者に評価されることから逃れられません。「チャレンジ・バイ・チョイス」で周りを気にせず、自ら選択できる環境づくりを進めたいのですが、なかなか難しいですね。
フィードバックリテラシーはどうしたら育つのか
人は他者と比べたり、他者を気にしたりします。だからフィードバックにはリスクもあります。フィードバックの受け取り方、伝え方のどちらもうまくできるようになれば、フィードバックは素敵なギフトになり得ます。
でも、いま私たちは「こうしたらフィードバックがうまくなる・うまく受け取れる」という方法を見つけられていません。いきなり育つものでもないので、回を重ねればフィードバックに慣れていく過程でうまくなるのかもまだよくわからないのです。
成長しなければならないプレッシャー
「フィードバックは単にフィードバックとして受け取れればいい」そんな話がミーティングの中ででました。成長のためではなく、自分を客観視するためのものとしてフィードバックがあれば、他者を気にしたり、成長に対するプレッシャーがなくなるのではないか。成長したい人は自ずと成長するし、わざわざ「成長のため」としなくてもよいのではというふうに話が進みました。
この数年、PAJではMBOや360度フィードバック、年俸を自分たちで決めるなど、いろいろな取り組みを試みてきました。その中で私が感じていたことは、「常に成長をしなければならない」というプレッシャーでした。成長しなければこの組織で価値がないと思って苦しんでいたのです。そんな思いもミーティングで話しました。
「人はその人のままでいい」と言うと美しいですが、そこに違和感を感じる人もミーティングにはいました。人はその人のままでよくて、何もしなくてもそのままでよいのか、そういう迷いは、「アドベンチャーを通して人の成長に寄与する」ことを掲げているPAJとしてはどうなのか。このあたりは、またもう少し先で考えてみたいです。
「自己成長」を削除!
話し合いの末、PAJの360度フィードバックの目的から、「自己成長のため」という文言を削除することになりました。
単に文字を削除するだけですが、大きなことだなと思います。そこには「自分のことを知るための材料」が置かれるだけになるということです。それを受け取るも受け取らないも自分次第。
いよいよ、プロセス①「自分のフィードバックをしてもらいたい人を指名する(最大5名まで)」が始まります!今回はフィードバックを受け取りたくない人は指名しないことを選ぶことができます!