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社長インタビュー 女子高生起業し現在27歳。10年間の経験と今後のビジョンを赤裸々にお話します。

オリナス株式会社 代表取締役、大関綾。17歳で起業して10年。今だから話せる経験や想い、今後のビジョンについて。

ー17歳で起業した大関さん。きっかけは何でしたか?

最初に経営者になりたいと思ったのは、小学4年生のときですね。両親が離婚したのがきっかけで、母親を楽にさせてあげたいという思いがあったんです。社長になればお金を稼げるんじゃないかと。叔父が会社をやっていて、自分がやりたいこと仕事にした方が楽しいんじゃないかと感じていたのもあって、その時は漠然と経営者になりたいと考えていました。

中学生になって高校進学を考えるタイミングで担任の先生から、どの高校に行くかという前に「将来何をやりたいか、どうなりたいか」を考えなさいと言われて、小学生の時に考えていた経営者になるというのを思い出したんです。でもアルバイトすらしたことがない自分に何かできることがあるのか?と思って叔父に相談したところ、ビジネスオーディションというものがあることを教えてもらいました。ちょうどその時に募集していた神奈川のビジネスオーディションに応募して、事業のアイディアはそれから考えました。

その時は、自分のように将来起業したい中高生は多々いるのではと考えていたので、企業の研究開発に学英が参加するというのを事業として提案しました。企業としては若い人の視点が取り入れられる、中高生は社会経験が積めるので。結果として2つ賞をいただいたんですが、その時にメディアからのインタビューの中で「3年以内に起業をします」と宣言してしまったので、一気に現実感が増してしまったという(笑)そんな流れで高校に入ってから起業しました。

ーまわりの友達は普通に学生生活を送っている中で、ひとり社会人に交じって経営者の道に進むのは抵抗はなかったんですか?親御さんからの反対は?

学校は通いながらやってましたし、それまで働いたことがなかったので、逆にイメージが沸かなかったんです。まわりが崖と分かってると進むのは怖いけど、真っ暗な中だと怖さを感じないのと一緒です。経営者になると大変という感覚もなくて、現実感がなかったんですよね。

ちなみに進学した私立高校では、起業はおろかアルバイトすらも禁止されていたので、1年後に公立高校を受験し直したんです。滑り止めもなくて、落ちたら中卒になってしまう!という状況だったので、流石にその時は母親にも反対されました。ただもう商品開発とか起業準備は進めてしまっていたし、周りも巻き込んでいたので、引き下がろうにも引き下がれなかったんです。反対を押しきって高校2年生の時にアパレルの会社を設立したんですが、知識も経験もなかったので、今となってはよくあんな状況で起業したなと思います(笑)

ー最初は事業として何をしたんですか?

クールビズが流行りだした頃で国内のネクタイのメーカーが倒産したというニュースなんかもあって、締め付けず暑くないネックウェアを売ってました。中学生の時からウェブ制作を趣味でやっていたのでまずはECで売り出してみたんですが、その時はwebマーケティングなんていう概念がなかったので、全く売れなかったんですね。やっぱりリアルが大事だなと思ったので、メディアにプレスリリースを送りまくったり、百貨店にアプローチしたりしました。でもメディアは全然取り上げてくれなかったんですが、大丸の山本社長が注目してくださって、百貨店に置いていただけることになりました。百貨店って検針がすごく厳しいので最初に口座を開くのが大変なんですが、最初に大丸さんが決まったおかげでその後他の百貨店にも置いていただけるようになりました。メディアもWBSのトレたまに始まり、徐々に取り上げてもらえるようになりました。

ー私だったら、テレビ出たよー!って学校で自慢して回ると思うんですが(笑)学校の友達の反応はどうだったんですか?

実はメディアに積極的に出るのが苦手で、自慢に聞こえるのも嫌だったので、周りの学校の友達は会社を経営していることも知らなかったんです。ただ「付き合いが悪い奴」だと思われてたと思います(笑)でもある日、めざましテレビに出演させていただいたんですね。朝だから学校の友達が見てて、「今朝テレビ出てたよね!?」と言われたことはありますw

ー友達はびっくりしますよね。ちなみにがっつり受験期だったと思うのですが、大学進学は考えなかったのですか?

実は一度大学には入学しているんですが、1週間で辞めました。事業で手が回らなかったというのもありますし、社債も発行していたし、会社を始める時に無償で手伝ってくれた人がいたというのもあって、もう事業の方をやるしかないという状況だったんです。大学は落ち着いたらまた入り直すこともできるので、事業の方に集中することにしました。

ーその後、事業はどうなったんですか?

借金が増え続けて3日後の会社がどうなるか・・という状況の中で、アパレルという在庫を抱えるビジネスモデルに限界を感じたことと、アパレルという事業をどうしてもやりたかったわけではなかったですし、私にはtoCの事業よりもtoBの事業の方が向いているというのも感じていたので、その時の役員に事業譲渡しました。

今だから言えることかもしれませんが、正直それまでの会社経営って健全じゃなかったって思います。辛いことしか思い出せなくて。自分で作った商品を目の前でいらないと言われることも辛いし、応援すると言ってくれた人に社債を買ってくれと頼みに行くのも辛いし、それを断られて音信不通になってしまったり、社内でマリオネットと言われたりなんかして。

ーそんなことがあったんですね。。何もない状態からまた始められたわけですが、そこから今の事業に至った経緯というのは?

なんとか売上を作らなければならなくて、中学生の時から趣味でやっていたweb制作を仕事にすることにしました。最初はクラウドソーシングのサービスで仕事を受けながら営業にも行きまくり、徐々に企業からお仕事をいただけるようになっていきました。当時Instagramが流行りだしてきた頃でInstagramの企業活動が進むと確信していたので、Instagram運用も始めて更に引き合いをいただけるようになりました。その中で企業様から「撮影はできますか?」とかプラスアルファのオーダーをいただけるようになって、メニューを広げていったんですが、今でも「クライアントからの要望になるべく応えられるように動く」というスタンスは変えていません。

ー現在の主力事業であるwebマーケティングの事業の将来性についてはどのように考えていますか?

今の流れでいくとwebがなくなることはないですし、紙媒体からwebに、バーバルからビジュアルにという流れは引き続き続いているので、領域としては更に拡大していきます。動画・VR・ARの市場が伸びていくと重要になるのがクリエイティブだと思っていて、ただ作れるというのではなく、見た人がちゃんと理解できるクリエイティブを作る必要があると思っています。それができる企業とできない企業には、まだまだ乖離があると感じているので、弊社はそこをサポートできる企業であるべきだと思っています。

ーどん底から再起し、設立10年を迎えられた、その転機になったことって何かあったんですか?

色々あるんですが、人との出会いに救われたと思います。女性社長って華々しく見えるので「すごいですね!」とよく言ってもらえるんですが、実情はそうではないということをよく分かっていて。借金もあるし、会社の見通しも立たず、能力も追いついていない。どん底の時は、3か月後に自分が生きているのか死んでいるのかも分からない、自殺したいとさえ思ったこともありました。その時にある経営者の方との出会いで、自分の弱みを見せることの大切さを教わりました。勿論社長なので責任は取る必要があるのですが、いつも「華々しい女性社長」である必要はなくて、時には社員を含め他の人に頼るというのも大切なことなんだと気づいたのが転機でした。

ー5年後に上場という目標を掲げていますが、どんな会社にしていきたいですか?

日本社会特有の縦割りとか上下関係というのは不要だと思ってます。ある意味ファミリーじゃないですか、家族よりも時間を多く過ごすわけですから。クライアントからお金をいただいている以上、仕事には厳しくやっていく必要があると思っていますし、そこを妥協するつもりはないのです。ただ、家族のように人間性に共感して働ける会社にしたいと思っています。

ー最後に、会社の経営についていつも「利益体質の会社にする」というのを大関さんが意識されている印象があって、そこについての考えを教えてください。

これは経営者によっても考え方って違うと思うので一概には言えないのですが、「虚業をしない」というのはモットーです。アパレルの事業をやっているときに、資金調達をして会社を無理に大きく見せても意味がないと感じていて。日本で会社をやるというのは、日本という社会に活かされているということだと思うんですよね。きれいごとじゃなく社会貢献ができている必要があると思っていて、赤字を出している会社は他から補填してもらっている、他から支えてもらってるということなんだと思います。勿論、資金調達をして5年後に大きく売上が跳ねるんですという計画であればそれで良いんだと思いますが、弊社はそういう体質の事業ではないので。メンバーやその家族のお給料をこの会社から払える、そんな本質的な経営を続けたいと思っています。

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