「失敗していい」は半分ウソです。失敗は、血肉に変えるのである。
スタートアップでは、よくこんな言葉を聞きます。
「失敗してもいいから、まずは挑戦しよう。」
私も、この考え方はとても大切だと思っています。
新しいことに挑戦すれば、思ったようにいかないことは必ずあります。最初から完璧にできる人なんていません。営業でも、採用でも、マーケティングでも、プロダクトづくりでも、最初は誰だってうまくいかない。
だからOrange Moonでも、失敗したこと自体を責めたいとは思っていません。
むしろ、何もせずに立ち止まっているより、まず動いてみる人の方が圧倒的に伸びると思っています。
ただ、ここで一つだけ伝えたいことがあります。
「失敗していい」という言葉は、半分だけ正しい。
もう半分は、少し違うと思っています。
なぜなら、失敗は、ただ経験しただけでは成長にならないからです。
私は現場で、よくこう言っています。
「失敗を血肉に変えるのである。」
少し強い言葉に聞こえるかもしれません。
でも、これは私がかなり本気で大事にしている考え方です。
失敗は、誰にでもあります。
商談でうまく話せなかった。
お客様の質問に答えられなかった。
展示会で思うように足を止めてもらえなかった。
資料を作ったけれど、意図が伝わらなかった。
社内で任された仕事が、期待通りに進められなかった。
こういうことは、仕事をしていれば必ず起きます。
特にスタートアップでは、まだ決まりきった正解がないことも多いです。誰かが作った完璧なマニュアル通りに動けば成果が出る、という環境ではありません。
だからこそ、挑戦すれば失敗します。
それは当たり前です。
でも、その失敗をただの「うまくいかなかった出来事」で終わらせてしまうのか。
それとも、自分の中に取り込んで、次の行動を変える材料にできるのか。
ここに、大きな差が出ます。
例えば、営業でお客様にうまく価値を伝えられなかったとします。
そこで、
「今日はダメでした。」
「ちょっと相性が悪かったです。」
「お客様の温度感が低かったです。」
で終わってしまうと、その失敗は失敗のままです。
もちろん、そういう日もあります。落ち込むこともあると思います。
でも、そこで一歩だけ踏み込んでほしい。
なぜ伝わらなかったのか。
最初の質問が浅かったのかもしれない。
相手の課題を聞く前に、サービス説明に入りすぎたのかもしれない。
機能の話をしてしまって、導入後の変化をイメージしてもらえていなかったのかもしれない。
相手が本当に困っていることではなく、こちらが話したいことを話していたのかもしれない。
そうやって振り返ると、次に変えられることが見えてきます。
次は、最初にこの質問をしてみよう。
次は、資料のこのページから入ってみよう。
次は、事例の伝え方を変えてみよう。
次は、話す量を減らして、お客様に話してもらう時間を増やしてみよう。
この「次はこうしてみよう」が生まれた瞬間に、失敗はただの失敗ではなくなります。
それは、自分の成長の材料になります。
私は、それを「血肉に変える」と呼んでいます。
これは営業だけの話ではありません。
資料作成でも同じです。
最初から完璧な資料を作れる人はいません。
「この表現だと伝わりづらい」
「ここはもっと短くした方がいい」
「この順番だと読み手が迷う」
「この言葉は少し抽象的すぎる」
そうやって指摘を受けることは、誰にでもあります。
大事なのは、指摘されたことに落ち込むことではありません。
もちろん、悔しい気持ちはあっていいと思います。
でも、その悔しさを次にどう活かすか。
一度指摘されたことを、次の資料では最初から意識できるようになる。
前回よりも、読み手の立場で考えられるようになる。
言葉の選び方や、構成の作り方が少しずつ変わっていく。
そうやって、仕事の精度は上がっていきます。
成長している人は、失敗しない人ではありません。
失敗したあとに、ちゃんと変わっている人です。
Orange Moonは、完成された人だけを求めている会社ではありません。
むしろ、これから成長したい人にとって、大きな打席がある会社でありたいと思っています。
ただし、打席に立つ以上、空振りすることもあります。
思いきり振った結果、外すこともある。
自分ではいけると思った提案が、全然刺さらないこともある。
良かれと思ってやったことが、少しズレていることもある。
でも、それでいいと思っています。
大事なのは、空振りしたあとです。
なぜ空振りしたのか。
次はどこを見て振るのか。
バットの振り方を変えるのか。
そもそも狙う球を変えるのか。
そこまで考えられる人は、必ず伸びます。
失敗を失敗のまま放置しない人は、強いです。
私自身も、これまでたくさん失敗してきました。
経営の判断を間違えたこともあります。
採用でうまくいかなかったこともあります。
お客様への伝え方が足りず、後から反省したこともあります。
もっと早く動けばよかった、もっと違う言い方をすればよかったと思うことも、何度もあります。
だからこそ、失敗する人を上から責めたいわけではありません。
失敗しない人間なんていないからです。
ただ、自分の失敗に向き合うことから逃げてしまうと、同じ景色を何度も見ることになります。
逆に、たった一つの失敗でも、きちんと向き合えば、それは一生使える経験になります。
「あのとき、こうすればよかった」
という痛みは、次の判断を助けてくれます。
「あのとき失敗したから、今回は先に確認しよう」
と思えるようになります。
「あのとき伝わらなかったから、今回はもっと相手の前提を聞こう」
と動けるようになります。
こういう経験は、本を読んだだけでは身につきません。
自分で動いて、失敗して、悔しい思いをして、それでももう一度考えた人だけが得られるものです。
だから私は、失敗を血肉に変えてほしいと思っています。
最近は、AIによって仕事の進め方も大きく変わっています。
分からないことは、すぐに調べられる。
文章も、資料のたたき台も、アイデアも、以前よりずっと早く作れる。
知識にアクセスするハードルは、どんどん下がっています。
だからこそ、これから差がつくのは「知っているかどうか」だけではありません。
知ったあとに、自分の行動を変えられるか。
ここだと思っています。
AIに改善案を出してもらうことはできます。
誰かにフィードバックをもらうこともできます。
本や記事から学ぶこともできます。
でも、最後に行動を変えるのは自分です。
昨日と同じやり方を続けるのか。
それとも、少しでも変えてみるのか。
この小さな違いが、半年後、一年後には大きな差になります。
Orange Moonで一緒に働きたいのは、失敗しない人ではありません。
最初から完璧な人でもありません。
うまくいかなかったときに、ちゃんと悔しがれる人。
その悔しさを、次の行動に変えられる人。
指摘を受けたときに、防御ではなく改善に向かえる人。
自分の失敗を、自分の成長の材料にできる人。
そういう人と働きたいと思っています。
挑戦すれば、失敗はあります。
でも、失敗は恥ずかしいものではありません。
恥ずかしいのは、失敗したことではなく、そこから何も変えないことです。
失敗してもいい。
でも、その失敗を置いて帰らないでほしい。
ちゃんと持ち帰って、考えて、次の行動に変えてほしい。
そうやって自分の中に取り込んだ失敗は、いつか必ず強さになります。
「失敗していい」は、半分ホントで、半分ウソです。
失敗してもいい。
挑戦した結果なら、それは歓迎したい。
でも、本当に大事なのはそのあとです。
失敗を、ただの失敗で終わらせないこと。
振り返り、考え、次の行動を変えること。
そして、自分の血肉にしていくこと。
Orange Moonは、そうやって成長していく人に、大きな打席を渡せる会社でありたいと思っています。