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名も無いプロトタイプシステムをPMF達成に導くまで!現場の声を吸収し、絶えず進化させています

こんにちは。広報担当の小森です。

今回はオプティマインドで取締役副社長兼COOを務める斉東志一さんに、弊社サービス「Loogia(ルージア)」の立ち上げ期の開発秘話について紹介してもらいます。Loogiaの開発背景や、開発で苦労した点などを詳しくお聞きしています。これを読めば、Loogiaの全てが分かること間違いなし!

自己紹介をお願いします。

高校までは大阪府大阪市に住んでおり、大学への入学を機に愛知県名古屋市へ移り住みました。小さい頃から物を作ることが好きで、建築士を目指して名古屋大学工学部社会環境工学科へ入学しました。大学で学ぶに連れ、建物だけではなくダムや橋脚などより大きい物大きい構造物を作りたいと思うようになり、最終的には交通インフラを含めた都市全体の開発計画に携わることができる都市計画の専攻に進むことにしました。学業以外では、幼少期にフィギアスケートを習っていたこともあり、大学ではアイスホッケー部に入部しました。卒業後も社会人チームに所属するほどのめり込んでいました。また、地方都市と公共交通に関して学ぶ傍ら、同じ部活の友人とWebブラウザを介して遠隔のドローンを制御する「DroView」と言うサービスを開発し、様々なビジネスコンテストに出場していました。その内の一つキャンパスベンチャーグランプリの授賞式で代表取締役の松下と初めて出会い、オプティマインドに参画することとなりました。オプティマインドでは主にプロダクトのデザイン・設計・開発に携わっています。

Loogiaの立ち上げ期について教えてください。

まず、Loogiaが生まれる以前のお話からさせていただきます。

オプティマインドが強みとする「組合せ最適化」という技術は、与えられた制約条件の中で、目的とする価値を最大化する解を探すという特性上、規模が大きいほど問題が複雑になり、また数%の改善で非常に大きな効果が得られます。よってBtoCではなくBtoBサービスが得意です。実際、今のオプティマインドのビジネスモデルもBtoBまたはBtoBtoCが主力です。創業当時はビジネス経験のない学生だけの会社で、営業に非常に苦労したと聞いてます…この辺りの詳しいお話は、ぜひ弊社松下のコラムにて。


月商5万円から始まった学生起業の紆余曲折ストーリー〜「組合せ最適化」をビジネスに活かすまで | CULTURE
こんにちは、オプティマインドで代表を務めます松下です。 今回、創業期から今に至るまでの経緯をお話させていただきます。 岐阜高校を卒業後、名古屋大学情報文化学部の自然情報学科に進学しました。大学1年生の時に「数理情報学1」という講義があり、そこで柳浦先生(現弊社技術顧問)が「組合せ最適化の研究をしてます」と言いながら紹介をはじめました。 ...
https://www.wantedly.com/companies/optimind/post_articles/180510


私がオプティマインドに参画したタイミングでは、組合せ最適化の技術を活用したサービスではなく、学生という立場を生かしたtoC向けのサービスにピボットしていました。ここからLoogiaが生まれるまでの約1年半はピボットの連続と辛い受託開発を行っていました....この辺りの詳しいお話も、ぜひ弊社松下のコラムにて。笑

ここからようやくLoogiaが生まれる直前の話になります。

まず、当時松下と私の2名だった会社のメンバーが高田(現弊社CTO:複数車両の配送計画を専門で研究)と郭(現弊社VPoE:宇宙物理学専攻)の2名が加入し4名になりました。その裏で、ECの増加、働き方改革などによって宅配ドライバーが不足し、宅配クライシスと呼ばれるほど社会問題化していました。オプティマインドの開発リソースの増強と社会からのにニーズがうまく噛み合ったタイミングでした。すぐさま日本郵便様とサムライインキュベート様主催のオープンイノベーションプログラム「POST LOGITECH INNOVATION PROGRAM」に、まだLoogiaという名前も付いていない状態のプロトタイプのシステムを引っさげて応募しました。結果は応募企業100社以上の中からまさかの最優秀賞。すぐさま東京都内郵便局と名古屋市内の郵便局の計2局でのテスト運用が開始しました。これが最初のLoogiaの誕生です。



PLIPでの最優秀賞が、Loogia誕生のきっかけとなったんですね!ちなみに、最優秀賞獲得の要因は何でしょうか?

コスト、ルートの質、両面から見た "現場での使いやすさ" だと思います。Loogiaがリリースされる以前からも配送計画を扱うシステムは存在していました。しかし、昔から存在するサービスはオンプレミスでの提供で、初期導入コストやハードウェアのメンテナンスコストが高く、決して手軽なものではなく大企業以外には中々普及しづらいものでした。それに対して、Loogiaは最新の学術論文をベースとした高性能な最適化アルゴリズムをWebブラウザ経由で簡単に利用できるようSaaS形式で提供したことで、設備投資を必要としません。まずは1拠点のみ、まずは1ドライバーのみで使ってみよう、という選択が取れるようになりました。

また、Loogia以外の配送計画システムによって計算された計画はそのまま利用するものではなく、計算結果をベースに人間が修正を加える前提で提供されました。配送先の特性や混雑状況、または、車の停車可能位置など、システムには渡されず、人間にしか考慮できない要因がたくさん存在したからです。つまり、実際に走れるルートをそもそも期待されていなかったのです。これではいつまでたっても業務の属人化は解消されず、ノウハウや情報もデータ化されることはありません。この現状を目の当たりにし、人間が修正を加える必要がなく、システムが計算した結果をそのまま信頼し配送できるソリューションを提供することが不可欠だと、それがLoogiaが目指すべきソリューションだと思いました。

GPSで計測した走行データから、ドライバーの走行速度の解析、車両の駐車位置候補の解析、現場での作業時間の解析など、配送計画のシステムにデータ解析と学習の仕組みを統合したサービスとしてLoogiaをリリースしました。クラウドサービスにすることで走行実績はオプティマインドのクラウドサーバーに集積され、その実績データを解析し、今まで考慮することが困難な情報をシステムが学習していくというデータ循環の仕組みを備えたラストワンマイルの配送計画サービス「Loogia」が完成しました。


最優秀賞の反響はどうでしたか?

POST LOGITECH INNOVATION PROGRAMでの最優秀賞の受賞がメディアに取り上げられたこともあり、物流に課題を持つ多くの企業の方からご相談を受けることが非常に多くなりました。宅配業、酒販業、食品卸業、介護事業、自動販売機補業、家具配送業、プロパンガス事業など業界は多岐にわたり、様々な要望を頂きました。

リリースしてからは優先順位を引きながらもひたすらこの要望に答えてきました。例えば、

・出発してから最初の配送先までと、最後の配送先から戻ってくる時だけ高速道路を使いたい

・配送先に対して左付けに駐車したい

・ドライバーの帰着時間を均等化したい

etc...

Loogiaが出したルートは実際に走れるよね、人が考えたよりいいルートができてるねと言われるまで、今後も改善を進めていきます。


Loogiaの開発で苦労した点を教えてください。

Loogiaをリリースした後に、様々なフィードバックがユーザーから返ってきました。それらをどう優先順位付けしてプロダクトに盛り込むのかがもっとも苦労しました。というか、今苦労しています。

ソフトウェアを開発しているエンジニア各自が自分が今開発している新機能または、改善がどんな課題を解決し、どれだけ重要で、さらには契約数の増加、チャーンの低下など事業としてのKPIにどの程度影響を与えるのかまで、肌で感じて欲しいと思っています。


今後の目標について教えてください。

今後はLoogiaをより不確実性を考慮できるようなシステムにしていきたいと思っています。

配送計画は基本的に1日分の計画を朝、または前日の夜に作成します。Loogiaは道路の混雑状況や、駐車場所の空き状況、現場での作業時間など、計画作成時にできる限り正しく予測できるようにデータ活用による学習の仕組みを構築しています。しかし、予測の誤差や想定外のアクシデントは必ず発生するので、これらに対応していく必要があります。

また、熟練のドライバーの中には、出発時には楽観的な予測を元に組んだルートを実際に運転しながら状況に応じて修正していくといった方法も取られる方もいらっしゃいます。もしかしたら、ラストワンマイルの配送計画という不確実性の高いものに対して、事前に計画を確定して、それを変更できないというのは非常にナンセンスなのかもしれません。

さらには、配送中に急遽新しい集荷先が割り込んだ時、お客さん都合で時間指定が変更になった時など、計画の修正が余儀なくされることは当たり前のように起こります。常に現在の状況と作成した計画を照らし合わせながら、今の計画に問題はないか?もっといい計画に修正できないか?そう行った検証をドライバーさんが配送を行っている間ずっと連続的に行うようなシステムに進化させていきます。

ドライバーの方には、訪問先でのサービスと運転に専念して頂き、どの順番に配送すべきかは完全にLoogiaに任せてもらえるようになることを目指しています。

斉東さん、有難うございました!!


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このストーリーが気になった方は、ぜひ弊社メンバーへ会いにきてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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