「仕事って、部活みたいなもんだと思うんです」
そう語るのは、ワンピース20周年イベントでクリエイティブリーダーを務めた、ブランドsanpo kuschel(サンポクシェル)ディレクターのりなちゃん。
普段はブランドのものづくりを牽引しながら、社内横断型の大規模プロジェクトの中核を担ってきました。
けれど、最初から「やります!」と手を挙げたわけではありません。
はじまりは、ちょっとした“声かけ”と“おもしろそう”という直感でした。
今回は、当社の20周年記念イベントでクリエイティブリーダーを担当し、普段はブランドsanpo kuschelのディレクターを務めるメンバーりなちゃん(長井梨奈)のインタビューをご紹介します。
メンバー紹介
◆名前:長井梨奈
◆あだ名:りなちゃん
◆役割:ブランド『sanpo kuschel(サンポ クシェル)』ディレクター
◆入社時期:2016年7月
「まさか、自分がリーダーになるなんて」
「イベント、手伝えることあったらお願いね」
20周年記念イベントプロジェクトメンバーにそう声をかけられたのが、20周年プロジェクトに関わるきっかけでした。
当初は「空いてる時間にちょっと手伝うくらいの感じ」でスタートしました。
ところがプロジェクトが進む中、気づけば中核メンバーになってました(笑)
途中で何度か白紙になったり、メンバーの離脱、大量のタスク、迫るスケジュール。
「あ、これ、抜けれへんわ…」って思ったんですよね。やるしかないな。と腹を括りました。
でもまさか自分が「クリエイティブリーダー」を任されるとは思っていなかったです。
正解のないクリエイティブを、言葉で伝える難しさ
——クリエイティブリーダーとして最もチャレンジングだったことは?
そもそも「リーダー」という役割自体が、私の中で「マジか」という感じだったんです。クリエイティブな部分で言うと、普段のディレクター業務とは全然異なりました。
いつもなら阿吽の呼吸で動けるsanpo kuschelチームとは違い、20周年は社内横断プロジェクト。普段仕事を一緒にしない他ブランドのメンバーに、曖昧なニュアンスを含んだ“クリエイティブの意図”をどう伝えるか。しかも、タイトなスケジュールの中で、何度も修正が発生する。これが一番難しく、悩みました。
——具体的にはどんなことが大変でしたか?
特にLPの制作では、短期間でお願いするにも関わらず修正を入れなければいけない場面があって。このタイミングで修正をお願いしたら、「ええ!?このタイミングで?」ってなるだろうなっていうのも分かっていたし、それでも言わないと進まない。
“嫌われ役”を引き受ける覚悟を持ち、それでも少しでも気持ちよく対応してもらえるように、どう伝えるか、どう動いてもらうか。他のメンバーにも相談したり、本当にいろいろと考えました。これが自分の中の判断軸を育てていくことにつながったんじゃないかと思っています。
sanpo kuschelで長年やってきて、1伝えたら分かってくれる環境は、一緒に作ってきたチームだからこその良さもあるものの、「ぬるま湯」に慣れていたんだなって、自分自身を反省しました。
学んだこと、変わったこと
——このプロジェクトを通して、普段の業務に活かされたことはありますか?
「伝え方」や状況の把握、は今まで以上に意識するようになりました。
20周年イベントプロジェクトは、メンバーがそれぞれの通常業務との掛け持ちで進んでいたので、メンバーによって状況がバラバラだったんです。「服の交換会」を担当している石田さんはイベント開催の関係で、1週間・2週間とプロジェクトの方に参加できないこともあったり。今このメンバーはこういう業務や状況だから、フォローに回った方がいいなとか、同じチームではないからこそ意識はしていたものの、もうちょっと気にかけていればもっとスムーズにできたことが多かっただろうな、と思います。
このプロジェクトを通しての気づきを、今、事務所・在宅勤務や時短勤務のメンバーが混在するsanpo kuschelチームで実践しています。
プロジェクトチームの時よりかは、いつも一緒に業務をしているメンバーなので把握もしやすいですし、先回りしての対応が今まで以上にしやすくなりました。
——働き方や考え方で変わったことはありますか?
基本的に私、「なんとかなる」と思っているんですよ。この考え方ってできない方も多分いらっしゃると思うんですけど、「なんとかなる」と思うことで、腹くくって、何とかしている、というのもあるとは思うのですが、、、。
その考え方がより強くなった感じはあります。本当に今回は難しいんじゃないかと感じたり心が折れることも多々あった中でやりきったこからこそ「やっぱりいけるじゃん」みたいな(笑)。
自分ができないと思っていても、そのなんとかなる精神で一緒に走ってくれるメンバーがいればできるな、と。
部活みたいに、仲間と何かをやり遂げたい
——20周年という節目を通して、会社の魅力をどう感じましたか?
すごくみんな個性豊かで、なんやかんやありますけど、コンセプトに向かって動いているんだなということを感じました。
それぞれが担当する業務や役割が違うから互いにわかりにくい時もあるんですが、ワンピースが掲げているコンセプトを軸に、それぞれが本気。
プロジェクトメンバーも各々が得意とすることも違い、視点・視野・視座が違うからこそ創り上げれたと思います。また、イベント当日は特にいつも一緒に仕事をしていない他のブランドとも合同でショップを出したんですが、他のブランドのメンバーの接客の熱量がすごくて、本当にお客さんが好きなんだなっていうのを見てて伝わってきました。
メンバーそれぞれが得意とすることや強味が違うけど、コンセプトに向かって本気になっているメンバーが集まっていて、だから面白いし、互いに得意や強味をもっと発揮できたら絶対強いじゃん、と思いました。
ひとりひとりがズバ抜けた力やスキルを持っていなかったとしても、本気でやっている人たちが集まれば強くなるんだなというのを実感したので、この良さを活かしていきたいですね。
——りなちゃんにとって「働く」とは何ですか?
お金が欲しいとかそういうのじゃないんですよね。(もちろん必要ですが(笑))
仲間と何か一緒にやり遂げることが好きなんだと思います。
その時々によって一緒にできる人が違うからこそ、その時に一緒になったメンバーと成し遂げていく、というのが好きなんです。
部活みたいな感覚かもですね。私はバレー部だったんですけど、優勝するためにみんなでこう練習してやっていくじゃないですか。その感覚に近いのかもしれない。ついでにお金ももらえている、みたいな。
本気でやりきったからこそ得られる、達成感や心が震える瞬間が仕事の醍醐味なんだろうな、と思っています。
私たちが目指しているのは、理想のおばあちゃん像
——働く女性として、働くママとして、大切にしていることは?
まだまだできていないことも多いけれど、自分の中では意志を貫くということを大事にしています。違うものは違うって言いたいし、そこは貫きたい。
働くママとしては、子どもとの時間を最近は特に大事にしたいなと思っています。下の子が反抗期で学校に行っていない時もあるから子どもの心にもちゃんと寄り添いたいですね。ディレクターという役割をしていると急ぎの案件や仕事とプライベートが溶け込むようなことも多いですが、仕事の時、家族との時間、それぞれを集中して過ごしたいと思っています。休みの日は子どもたちに全時間を使う、というようにしています。子どもたちにも、ママ本当に楽しそうに仕事しているな、と思ってもらえるような自分でありたいと思っています。
——今後目指していることは?
sanpoというブランドは、ただ“服を売る”ことを目的にしていません。
届けたいのは、“豊かさ”のある暮らしです。
健康で、自分らしくおしゃれをして、何事も楽しんでいる人が溢れかえったらいいなと思っています。
どんなおばあちゃんになりたい?って聞かれたら、私も元気でやりたいことをやっているおばあちゃんでいたい。
そんなことを考えて、実は、実験的に「栽培」を少し初めています。
このことについても、またWebサイトなどでお知らせできることを楽しみしています!
ファッションのこと、健康のこと、食のこと。
sanpoを通して、「豊かに生きる」ことを広げていきたいです。
今この瞬間を楽しみながら、その先の未来を見据えて、行動していきますので、一緒に楽しんでもらえたら嬉しいですね。
さいごに
りなちゃんの話を聞いて印象的だったのは、最初は軽い気持ちで参加したプロジェクトが、腹を括ることで結果的に大きな成長と気づきをもたらしたということです。
りなちゃんの口癖は、「なんとかなる」。
でもそれは、ただの楽天主義ではありません。
彼女の「なんとかなる」は、自分を鼓舞する言葉であり、行動の裏付けでもあります。
「なんとかなる」精神で困難を乗り越え、仲間と一緒に何かを成し遂げることに喜びを見出し、長期的な視点で自分らしい生き方を描いている彼女。
まずは目の前にある小さなチャンスに手を伸ばしてみる。そこから思いがけない展開や成長が待っているかもしれません。
そして何より、自分が本当に大切にしたいもの、目指したい未来の姿を描くこと。