オンタイムデリバリージャパン株式会社
久郷有加(2021年4月入社/ロイヤルカスタマー)
新卒入社。滋賀県出身。やりたいことはまだない。それが見つかったときに、進むべき道を自由に選択できる自分になっておくために、成長機会の多いオンタイムデリバリージャパンに入社。入社1年目の仕事は、企業の人材採用を支援する営業。入社2年目から、企業の人材採用を長期的にサポートするロイヤルカスタマー部門に異動。
期待に応える受け身の子。
逃げることが嫌いな子どもだった。ピアノや水泳などの習い事を、辞めたいとも言わなかった。できないから逃げたと思われることが恥ずかしく、周囲の期待に応えないことで迷惑をかける気がした。
中学時代はバレーボール部に入部。先輩や監督から期待をかけられて、2年生のときにキャプテンになった。高校でもバレーボール部に入部したが、スポーツ推薦で優秀な選手を集める強豪校だった。
久郷のような一般入学のメンバーがレギュラーになることは至難の業。推薦入学の選手は練習時間が1日6時間。一般入学の久郷は1日2時間。さらに1年生がボールに触れられる時間は1日30分。ほかの時間は筋トレばかり。1年間、自分一人だけがユニフォームをもらえなかった。
戦力外から、エースへ。
「鍛えたら、いい選手になれる」。
肩を落とす久郷に、監督は期待の言葉をかけてくれた。同じアタッカーのポジションを同級生だけで5人が狙っている。2年生でレギュラーにはなれなかったが、諦める気持ちもない。まずはベンチ入りを目標とした。2年生のうちに、エースの交代選手としてベンチに入れるようになった。
「このレベルならできるよね」と言われれば、その上を行きたくなる。2年生の1年間努力し続けた久郷の背中には、エースナンバー4番が輝いていた。
ユニフォームをもらえない、レギュラーにもなれない。それでも腐らずに筋トレで身体をつくり、期待に応えようとした結果だった。「やっぱりエースは有加しかいなかったよね」。仲間の言葉が自信となった。
悪い知らせ。
久郷は指定校推薦で大学に入学し、マネジメントやマーケティングを学べる経営学部に入った。チームづくりの経験から人を育てる仕事や、アイデアで人の役に立つ仕事に就くことを、ぼんやりとイメージしていた。
新卒の就活では、やりたいことが見えていなかった。ただ、大手企業ではなく、成長できるベンチャー企業を志望。やりたいことが見つかった時に、その道を選べる自分になりたいからだ。志望職種は営業。人の役に立って「あなただからお願いしたい」と期待される仕事がしたかった。
選考を受けたベンチャーは30社。大学4年生の9月に、通信関連企業に内定をもらった。内定承諾の決め手は、優しく面白い先輩たちと一緒に働きたいと思えたことだ。
残りの大学生活を楽しんでいる1月末、内定先から連絡が入った。
「会社が倒産します」。
なりたい自分になるための出会い。
4月の入社式まであと2か月。ベンチャーの倒産に直面してもなお、入社したくなるベンチャーに出会った。おしゃれなオフィス、若手社員の活躍、経営者との距離の近さ。オンタイムデリバリージャパンの求人情報を見て、好印象を持った。
面接で代表の関口や先輩たちと対面し、若手が成長する機会があることを知った。先輩たちとチームで楽しく働きながら、なりたい自分になれることへの希望が膨らんだ。
2021年4月。久郷は、企業の人材採用を支援する営業としてキャリアをスタートさせた。配属は、メンバー5人の大阪支店。代表の関口は言った。「大阪支店を大きくして、グランフロント大阪に入りたいよね」。それはそのまま、久郷の夢となった。
腐らずに前を向く。
新人の目標は、1日1件商談の機会を得ること。でも、入社半年間、1週間で1件しかとれなかった。商談の機会がなければ受注もできず、個人もチームも目標を達成できない。同期は順調に商談経験を積んでいく。辛かった。
自分を支えたのは、諦めずエースのポジションを目指したバレーボール部の経験。久郷は商談の機会を得るために電話をかけ続けた。商談で話すことがなくなるほど、電話口でもしっかり提案した。
結果が出始めたのは10月。初受注を決めた。グループ売上900億円を超える派遣会社大手の商談には関口が同席し、新規受注を獲得。後に10案件の採用支援を任された。
「大型案件だね。久郷のおかげで取引が大きくなっている」と関口。どんなときでも前を向く久郷は、いつしか苦境から抜け出していた。
打倒、上司。
1年間の目標を達成できたとは言えない。初受注できたのも上司のサポートがあったからだ。ただ、1件1件の仕事に対する関口や上司の期待を超えようとしてきた。「やるやん」「1発合格」。そんな賞賛がうれしかった。
上司は、2022年4月から名古屋支店に異動。久郷は上司が担当していたクライアントを引き継いだ。クライアントは、上司の提案やサポートの質を高く評価している。質を落とせば、クライアントを失望させてしまう。
「打倒、上司」。
この心意気でクライアントに関わっていきたいという久郷の気持ちは、上司への精一杯のはなむけだ。
大阪支店も大きなオフィスに移転。夢のグランフロントに、一歩近づいた。久郷は営業からロイヤルカスタマー部門に異動し、クライアントの人材採用を長期的にフォローすることになった。「あなただからお願いしたい」と期待されることで取引は継続する。久郷はなりたい自分に近づいている。