京大卒。文系出身なのに、どうしてエンジニアに?ベンチャー企業のスタートアップにJOINした理由とは? #お祭りエンジニア兼マネージャー~はっしー~の場合
取締役であり、オマツリジャパンのエンジニアを統括する橋本淳央(はしもと あつお)<通称:はっしー>にインタビュー。自身もエンジニアとして日々、オマツリジャパンのWEBサイトをグロースさせている彼が、「お祭りで日本を盛り上げる」ために取り組んでいることとは?物作りが好きなのに、文系出身で、今はエンジニアという異色の経歴を持つ彼が、どの様にオマツリジャパンと出会ったのか?ITを活用しお祭りのイノベーションを進める理由を紐解く。
エンジニアとしての信念。誰のためのイノベーションか?大切なのは本質を見失わないこと。
社内MTGの様子。社員同士はあだ名で呼び合うのがオマツリジャパンの社風。左から:はっしー、イケちゃん、ナムちゃん。
“キライなんですよね。見た目だけ、形だけで、やること自体が目的になっているやり方が。”と、はっしーは言う。もともとケーブルテレビ会社に勤務していた彼は、常に「お客さまありき」で物事に取り組んできた。デジタル化は当たり前、騒がれているAIやらIoT、ロボットもそろそろ聞きなれたころであろう。キラキラした未来が世間では語られる昨今、彼は技術はあくまでも手段のひとつと言い切る。“受け手不在、形だけ新しいことをすることはイノベーションとは言えないのではないか?”と。
“WEBに固執していないんです。今はWEB中心に開発、運営をしているけど、近い将来、情報を得る方法が、いわゆるGoogle検索のようなやり方からガラっと変わってしまうかもしれない。僕らがやりたいのはWEB運営じゃないんです。お祭りのことをできるだけ多くの方に知ってもらい、楽しんでもらいたい。そのためにどういう技術を採用するか。技術ありきだと、ちょっと違うなーって気がしちゃう。”
常に物事の本質を見失わず、「相手ありき」で考える彼ならではの発想だ。
“TVがまさにそうだと思うんです。今はTVからスマホへと映像を視聴する媒体が移り変わっている。TVという箱ありきで考え、そこにこだわるばかりにせっかく良い番組を作っても届かなくなってしまう。もったいないですよね。ようやく最近はテレビ番組のネット配信も増えてきたようですが。”
そんな考えをもつ彼が、オマツリジャパンの開発を一手に引き受け、エンジニア達を取りまとめながら自らもエンジニアとしてWEBサイトを日々グロースさせている。なぜ彼がこのような考えを持つようになったのか?はっしーのこれまでの半生を振り返りながら考察してみたい。
小さい頃からものづくりが好き。なのに、なぜ京都大学の経済学部へ進学?
2019年春の合宿にて。この時は三浦市で1泊2日の合宿を行った。★合宿のレポートはコチラ
京都大学経済学部を卒業した彼は、新卒でケーブルテレビ統括運営会社に就職。その後、オマツリジャパンにJOINするわけだが、この経歴を見ただけでも異色という印象を受ける。「どうして京都大学に進んだんですか?どうして経済学部を選んだのですか??」と質問しても、はっしーの答えはこうだ。“いや、なんとなく” (感じ悪~い 笑)
はっしーは大学はおろか、企業に対しても関心が薄かったようだ。そもそもサラリーマンに興味はなかったと言う。京都大学に進むことでOBとのコネを作りたいとか、そういうビジョンは描いてなかったらしい。元来、本質を重んじる彼にとっては、大学の知名度とか、勤務する企業の規模などは所詮「上辺だけ」のこと。どこでするか?よりも何をするか?が大切で、外見よりも中身。
そもそも、小さい頃から彼はものづくりが好きな少年だった。「ではなぜ、技術系の学科に進まなかったのですか?工学部とか。」と質問してみた。
はっしー曰く“高校時代に先生から「ITバブルはそろそろはじけるぞ。これからは使われるより、使う側になれ」と言われたんですよね。この言葉をきっかけに文転したんです。”なるほど…それで経済学部だったのか…と、合点がいった。そもそも、彼にとっては経済学部だろうが、工学部だろうが、所詮は「上辺」のことであって、本質ではないのかもしれない。理系とか文系とか、そんな分類すらナンセンスなのかもしれない。それでも“なんとなく”で京都大学に合格してしまうはっしーは、スゴイ。
“打ち込み系”の作曲から映像の編集、プログラミングまで。デジタル寄りのモノづくりに没頭した学生時代。
神田祭でお神輿を担ぐはっしー!大迫力!!
少年の頃から、はっしーはデジタル寄りのものづくりに夢中だった。テレビが好きでラジオが好きで、放送や音楽が好きな少年だった。自らを“「メディアっ子」だった”と振り返る。
小学生の頃は、家族で撮影したホームビデオの映像編集。“ケーブルテレビという存在を知ったのもこの頃”だと言う。中学生の頃にはホームページを作り、小室哲哉全盛期だった高校時代にはいわゆる<打ち込み系>の音楽を作曲してきたはっしー。そこにイベント好きや旅行好きも相まって、フェスにも積極的に参加していた。大学時代はアルバイト先でメディアの立ち上げにも携わり、プログラミングを実務の中で学んだ。所属していた放送サークルでは番組の制作や、なんと音声の配信システムまで自分でプログラミングして作ってしまう。
“中学生の頃に初めてホームページを作って…大学時代も知り合いの紹介で京都から東京までアルバイトしに行っていました。ちょうどWEBメディアを立ち上げるタイミングだったので、プログラミングはもちろん自分で記事を書いたりもしましたね。”はっしーの技術は机の上で学んだものではなく、現場で実践的に身につけたもの。自ら手を動かすことを知っているからこそ、はっしーはエンジニアの気持ちが理解できるのだと思う。
新卒入社したケーブルテレビ会社。イノベーションはユーザーのためのもの。“使われないと意味がない”
神社での取材時、参拝の記念に御朱印をもらい、はしゃぐはっしー。
「はっしーにとってものづくりの良さとは何ですか?」と質問してみた。
“自分で自分が好きなものを作るということも楽しいですが、せっかく作るなら受け手にどう感じて貰いたいか?というところも含めて設計したいと思っています。なぜやるのか?なぜこれが必要だったのか?しっかり本質を踏まえてモノづくりをしたい。なので冒頭で話したような「やることありき」はキライなんです。”
このような考え方の下、はっしーはものづくりに取り組んできた。ここで一つ、はっしーの「受け手ありきのものづくり」のエピソードを紹介したい。
“ケーブルテレビに就職してからのことですが、1年に1度、社員全員でパーティーが開かれるんですね。そこの演出を担当した時のことです。テレビ番組の様な企画をやろうということで、クイズ番組の様な演出を考えました。セットもこだわって設営しましたし、回答用の光るボタンとか、回答者の手元にもちゃんとモニターを用意しておくんです。
それで、問題の順番もちゃんと盛り上がる様に出題順を考えておくんですね。クイズ番組って「ポイントが高い最終問題を正解した人が優勝!」というパターンがよくあると思うんですが、それだとせっかく獲得した得点が無駄になってしまうし、やってるほう、見てるほうも醒めちゃう…なので、配点のシミュレーションを行って、最初から最後まで盛り上がれるようにちょうどよい配点で進行するように考えておくんです(笑)”
なるほど、相手の受け取り方含めてものづくりをするということはこういうことなのか…と腹落ちした。決して作り手の自己満足で終わらせない。そしてアプローチの方法が極めて左脳的だ。直感やフィーリングで動いたりしない。ただ、このように左脳型であるからこそ、“左脳の発想方だと事実や経験の延長でしか考えられなくなっちゃう気がするんです。アイデア出しするようなときは、できるだけ感覚的に「面白い」と思えるかどうかってことを意識するようにしています。「お笑い」も大好きです。”とのこと。誰よりも人の心の機微を大切にしている。
お祭りに協賛する側から、お祭りを支援する側へ。
月1回程度のペースで定期的に開催される「お祭りサポーター定例」での一コマ。この時の討論のテーマは“外国人向けの盆踊り居酒屋”にどうすれば集客できるか?というもの。皆真剣な表情!お祭り好きのサポーター達から様々なアイディアが出された。
前職のケーブルテレビ時代は、お祭りに協賛する側だったと言う。
“ケーブルテレビの八王子局に勤務していた時に、地元のお祭りに協賛していました。うちわを配ったり、ブースを出したり、お祭りの同時中継をやったり。副調整室にいてお祭りの生放送のテロップ出しをやったこともありますね。ここは色んな所から上がってくるお祭りの映像が同時に観れる特等席ですよね(笑)”
お祭り協賛企業としての業務の他、番組に出演したり、営業をしたり…八王子局では色々な業務をこなしていたと言う。“視聴者の方にインタビューした際「TVで見るより(実物は)大きいのね~」と言われたこともありました(笑)” (写真で伝わらないかもしれませんが、はっしーは長身!)
本社に異動してからは、新商品開発や中長期での事業戦略を担当。また、先にエピソードとして紹介したイベントでのクイズ番組の企画~仕切りを担当したのもこの頃だ。
そんなある時、はっしーが勤務していた会社がケーブルテレビ大手と合併することになる。社員数の桁が変わるという大きな変化だ。もともとサラリーマンとして働くことに興味のなかったはっしーは、自分が組織の一員として歯車の一つになることに違和感を覚えたのだろう。転職を考えるようになったのはこの頃からだという。
ベンチャーのスタートアップにJOIN。これまでの経験を全て活かせる環境がそこにあった。
はっしーがオマツリジャパンにJOINする直前の写真。左から共同代表:やんまー、代表:優ちゃん、取締役:はっしー。オマツリジャパンではいつもポロシャツを着ているはっしーが、スーツを着ているのは新鮮! ★オマツリジャパンの創業ストーリーはコチラ
はっしーがオマツリジャパンと出会ったのは、2015年。まだ法人化する前のことだ。もともとイベントが好きなはっしーがたまたまボランティアスタッフとして関わった音楽フェスで、オマツリジャパンのサポーターの一人と知り合う。“その人からオマツリジャパンを紹介されて。最初は軽い気持ちで「近場でワークショップが開かれるし、行ってみようかな~」というノリだった”という。また当時を振り返って、“決して熱心なサポーターの一人ではなかった”とも語る。“そもそも、お祭りサポーターになりますとは一言も言っていないうちにサポーターになっていた”らしい。(え?!)
その後、オマツリジャパンがビジネスコンテストへ応募し、資金調達を実現。そして法人化というタイミングではっしーの勤める会社が合併。転職を考えるように。こんな偶然が重なることってあるだろうか。
当初はっしーは色々と転職先を探していたが、“なかなか「これだ」と思う会社が見つからなかった”という。これまで培った経験の一部は活かせても、経験の全てを活かせる環境ではなかったからだ。
商品開発や、中長期戦略、イベントの企画・運営、WEBプログラミング…はっしーのこれまでの経験を余すことなく活かせるのは、オマツリジャパンしかなかった。条件が重なったとはいえ、はっしーはJOINするべくしてオマツリジャパンにJOINしたのだ。
ここで「サラリーマンが嫌いなら、独立しようという考えはなかったのですか?」と疑問をぶつけてみた。“僕はサブの立場であってこそ、能力を発揮できると思っています。会社の顔として人を惹き付けるカリスマ性は僕には無いと思っているので。代表の優ちゃんがあってこその僕なんです。”とはっしー。
もともとケーブルテレビとお祭りとの関係は深く、長い。日本で初めてケーブルテレビで自主放送(NHKや民放ではなく、ケーブルテレビが独自に放送するチャンネル)を始めたのは郡上踊りで有名な岐阜県の郡上のケーブルテレビだった。開局記念番組でも踊りが中継されていたのだそう。現在でも各地のお祭り会場でケーブルテレビの撮影クルーを見かけることは珍しくはない。それくらい密接な関係を持つお祭りとケーブルテレビ。はっしーがオマツリジャパンにJOINしたのは、運命だったのかもしれない。
アナログvsデジタルって構図はもう終わり?単に祭りをデジタル化したいワケではない。
とある機能改修を思いついてから2時間で実装してしまった!「俺ってスゴイ!」と、思わず自分で自分を褒めるはっしー(笑) 改修後はより業務をスムーズに進めることが可能に。ありがとうございます!
こうしてオマツリジャパンの法人化のタイミングでJOINしたはっしーは、取締役として、そしてエンジニアとしての役割を担い、現在に至る。ここからは具体的に今はっしーが取り組んでいることついて聞いてみようと思う。今後、何を見据え、何を実行していくのか?
はっしーのミッションは「お祭りをイノベーションする」こと。ただ、お祭りの関係者にはデジタルな技術に強くない人も多い。ここで“受け手不在、形だけ新しいことをすることはイノベーションとは言えないのではないか?と語ったはっしーの言葉をもう一度検証してみよう。デジタルに弱い相手でも「相手ありき」のイノベーションは実現するのか?
”アナログなものにデジタルは難しいって発想自体がアナログですよね(笑) ”と、はっしーは言う。既存の概念をひっくり返すような言葉に驚いた。はっしーは続けて、‟単に受け手に魅力がない、受け手に使いづらいものを押しつけてる発想なんじゃないかって。受け入れられるように技術を変えていくことが大事なんだと思います。アナログ・デジタルの構図ではなく、受け入れられるか受け入れられないか。”…なるほど。はっしーにとっては、どうすれば相手に受け入れられるか?ということを含めて設計し、イノベーションしていくということなのだろう。
‟これから先、生まれてすぐにスマホに触れている世代が市場を作っていくんです。彼らから見たら、僕らの方が「アナログ」だとか「デジタルリテラシーが低い」って思われちゃうかもしれないですしね(笑)”
その通りだと思う。今の当たり前は、次世代の当たり前とは限らない。はっしーが少年の頃に大好きだったTVは、今や映像を視聴する媒体が移り変わっていることによって視聴されなくなりつつある。目まぐるしく技術が革新していく一方で、淘汰されていく技術もあることを体験しているはっしーだからこその言葉だろう。
どんなイノベーションを計画中?実現間近なお祭りの未来とは?
オマツリジャパン初となるブランディングムービーを撮影した際の一コマ。カツ君(公共営業担当)に法被を手渡すはっしー。撮影は2年に一度開催される神田祭開催中に神田明神境内で行われた。★ブランディングムービーの紹介記事はコチラ
変化していく時流の潮目を見極めながら、はっしーは日々イノベーションを進めている。「…ところで、具体的にはどういうことをやっているんですか?」と質問してみた。
”さっきから本質、本質言ってますけど、もちろん新技術には常に目を光らせています。企業として新しいものに取り組むことは、社会的な注目を集めることもできますし、エンジニアにとってもモチベーションになる。リスクをとってゴリゴリ取り組んでいくということは今のところないですが、市場の変化には遅れないようにしないといけないなと思っています。波に乗り遅れたら僕らの想いは市場には届かなくなる。”と、はっしーは言う。むやみに流行りを追いすぎてもいけないが、乗り遅れても行けない。ここが難しいところだろう。スマホ対応に追いつけなければ、どんなに良いWEBサイトであっても閲覧されなくなってしまうのと同じ。だからと言って本質を見失い、見た目だけ、形だけで、やること自体を目的に進めてしまっては本末転倒だ。
‟具体的には、お祭りに限らず旅行業界全般の技術動向には注目しています。旅行の計画から予約、当日の楽しみ方、過ごし方で今後大きな変化が起きるんじゃないか…そう考えています。また、外国人旅行者の取込という面でも技術の助けが必要だと思っています。旅×お祭りの分野には力を入れていきたいですね。”
コト消費全盛期にあって、インバウンド観光客の誘致にも国を挙げての取り組みが行われる昨今、お祭りの観光活用や外国人旅行者の受け入れ態勢の整備には、イノベーションの力が不可欠だ。個人の視点で見れば、お祭りを旅行プランに組み込み、お祭りを楽しむことはもちろん、周辺の観光や宿での滞在も楽しめたらステキ。地元の人とコミュニケーションを取ったり、お祭りを体験出来たらもっと楽しそう♪
はっしーのやっていることは、キラキラしているけれど、地に足がついていて現実的だ。決して絵に描いた餅で終わらせない。デジタルとアナログの二軸で語れないお祭りイノベーションは、常に技術も、受け手も変化する日々の中で、「現時点での最適解は何か?」という問いに対する答えを探して行くことだと思う。それは常に多方面にアンテナを張り、技術ありきで完結しないことだ。はっしーは言う、“イノベーションはどこから生まれるか分からない。”と。
次世代の「当たり前」を作る。イノベーションはどこから生まれるか分からない。
(^_-)-☆はっしーの誕生日を祝った際の一コマ。この時のプレゼントは、いつもポロシャツを着ているはっしーに、色とりどりのポロシャツを贈った。オマツリジャパンでは皆の誕生日を楽しくお祝いしている。★代表:優ちゃんの誕生日祝いの様子はコチラ
その他にも、今現在取り組んでいるお祭りイノベーションについて、はっしーに語ってもらった。
‟旅行×お祭りという切り口で今考えていることは他にもいくつかありますが…今のオマツリジャパンのWEBサイトは、「旅前」の情報サイトにとどまっているので、「旅中」「旅後」のこともやっていきたいと思います。せっかく行ったのにお祭りだけしか楽しめないのはもったいないですからね。観光地の情報であるとか、飲食店の情報は出していきたいなぁと。航空券の手配だとか、宿の手配もやっていきたい。”
はっしーはお祭り好きだが、旅行好きでもある。自身も積極的に旅行を楽しむ中で、自身の体験をベースに色々な気付きや「もっとこうしたい」という思いがあるのだろう。ちなみに、オマツリジャパンには福利厚生の一環として「お祭りサポート制度」がある。これは休みの日にお祭りに出かけた場合、交通費が半額補助されるというもの。社員の皆が積極的にこの制度を利用してお祭りに出かけている。
‟IoT×お祭りで言えば、お祭りの集客力ってすごいものがあって、近所の小さいお祭りでも万単位の人が簡単に集まっていたりするんですよね。ここを活かして企業が新商品のサンプリングを行う…という事例も増えている。なので、お祭りの混雑状況だとか、もっと言えばお祭りにどんな属性の人が集まってきているのか?そういったことが分かればもっとマーケティングの場としての活路が見いだせる。また、事故防止の観点からもこれはぜひイノベーションしたいところですね。”
‟あとは…決済サービス。お祭りの屋台って買うと手がふさがっちゃうじゃないですか。インバウンドの観光客にとっても、日本の小銭って分かりにくいと思うんですよね。なのでスマホ決済出来たら便利だなぁと。衛生面から見ても、小銭を使わない方がいいかもしれないですしね(笑) また、決済サービスを利用することによって、正確な売り上げのデータが得られるというのもメリットが大きいですね。”
IoT、決済サービス…など、考えていることは多岐に渡る。またAIもすでに導入しているんだとか。“画像認証サービスを検討中です”と、はっしー。お祭りの画像認証サービス…どんなものが出来るのか楽しみだ。
「相手を信じて、任せる」ことが、マネージャーとしてのスタンス。
月1回程度のペースで定期的に開催される「お祭りサポーター定例」にて。意見を述べるはっしー。
最後になるが、はっしーのマネージャーとしての一面についても紹介しておきたい。
はっしーのマネジメントは、まず「相手を受け入れる」ことから始まる。担い手も人であり、受け手もまた人。自分だけでは成り立たない。相手がいないと始まらない。そのことを最も大切にしているのが、マネージャーとしてのはっしーだと思う。
相手を信じ、任せることを基本スタンスとし、決して押し付けるようなことはしないしガミガミ言わない。(ここ重要!)当然、自身もエンジニアだからこそ、技術レベルや納期、優先順位などを意識したコントロールができる。はっしーの下で働くエンジニアは、困ったらいつでも相談できるという安心感がある。
また、多様な働き方も受け入れている。事実、はっしーの下で開発を行うエンジニアはほとんどが他にも仕事を抱えるフリーのエンジニアだ。オフィスに顔を出すことはめったにない。働く場所や時間もエンジニアのパフォーマンスが発揮できるのであれば、いつどこで仕事をしてもOKだ。“会社の制度がパフォーマンスを妨げるのであれば、制度を変えますし、制度を作ってもいい。”とはっしー。
押し付けずにガミガミ言わない反面、「あーしろ」「こーしろ」とも細かく言わない。自分の頭で考え、能動的に進められる人でないと、はっしーと一緒に働くのは難しいかもしれない。
今回は、文系出身でありながら、エンジニアとして、マネージャーとして取り組むはっしーに、過去・現在・そして未来を語ってもらった。インタビューを通して見えてきたのは、「本質からブレない一貫性」だ。技術ばかりを追うのでなく、まだまだアナログな環境下にあるお祭りを、お祭りの主催者や協賛企業、参加者といった様々な「相手」を受け入れて尊重しながら、「お祭りで日本を盛り上げる」ために、どのようにイノベーションを進めて行くべきか?日々考えながら、一つ一つ取り組んでいる。
それは決して「はじめに技術ありき」では実行、実現できないイノベーションだ。ある意味ハードルはとても高いかもしれない。作業完結する人には向いていない環境だ。でも、「やりたい」という想いを持っていれば、いくらでも挑戦できる環境だ。
オマツリジャパンのビジョンに共感し、一緒にお祭りを盛り上げるために力を貸してくれる、枠にとらわれない、やんちゃなエンジニアのあなた、はっしーと、私たちと一緒に働きませんか??