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数々の職種を経験して38歳でエンジニアに―“事業家”として見据える技術者像

※この記事は、2020年12月8日にナイル株式会社の採用オウンドメディア「ナイルのかだん」に掲載したものです。Wantedlyから弊社を知ってくれた方にもぜひ読んでもらいたい記事であるため、転載しました。

メディアテクノロジー(MT)事業本部で、アプリ情報メディア「Appliv」に続く事業の柱となる広告運用サービス「ピタッとROAS」の開発マネージャー・福本洋介。社会人歴は20年を超え、さまざまな職種を経験しているものの、実はエンジニア歴は6年目といいます。そんな彼が今、開発の現場で過去の経験をどのような形で活かしているのかについて、話を聞きました。

福本洋介(ふくもと ようすけ)
ナイル株式会社
メディアテクノロジー事業本部 開発マネージャー
大学卒業後、新卒で入社した企業で営業職を経験。その後、着メロの楽曲制作や社内システム構築、サービス企画を担当したのち、シリコンバレーのスタートアップ企業に触発されて38歳でエンジニアにジョブチェンジ。現在はピタッとROASにまつわるシステム開発のマネジメントを担当している。エンジニアとして企画ができ、経営側との架け橋にもなれる自他共に認めるハイパーゼネラリスト。

シリコンバレーで受けた衝撃が、エンジニア転身のきっかけに

――福本さんは開発マネージャーとしてナイルに入社されましたが、現在はどのような業務を担当されていますか。

2020年の7月に入社して、今は「ピタッとROAS」というスマホアプリの広告運用効果を最大化するサービスの開発と、運営側の負荷を減らすシステムづくりに携わっています。社外のメンバーも含め、8人ほどのエンジニアを取りまとめています。

――実はエンジニア歴が浅いと聞きました。

そうなんです。本格的にエンジニアを目指したのは38歳の頃でした。エンジニアの仕事を本格的に始めて5~6年といったところですね。

――キャリアを重ねていく中で、なぜエンジニアを目指すことになったんでしょうか。

子供の頃に遡るのですが、父親が新しいモノ好きで、小さいときには家にパソコンがあったんです。それでプログラミングに初めてふれたのは小学生のとき。パソコン雑誌にゲームのプログラムが載っていて、それを見ながら作品を作っては遊んでいました。社会人になってからも、システムに関わる業務には就いていたので、エンジニアとしての素養はゼロではなかったんです。

――エンジニアになる前はどのようなお仕事をされていたんですか。

新卒でCADシステムの会社に就職して、建設業など図面を引く企業向けに営業していました。その後、通信カラオケのサービスを提供している会社に転職して、楽曲制作の仕事に就いたんです。携帯電話で着メロが流行っていた頃ですね。

――楽曲制作!

以前から、趣味でMIDI(パソコンや電子楽器などでつくった曲の演奏データ)を使って曲づくりをしていたんです。その流れで…(笑)。

そのときも、作った曲のデータをやりとりするために社内のネットワークシステムを自前で構成していたので、プログラミングとは何かと縁があったんです。当時の通信技術は今と比べたらシンプルで、趣味の範囲でもそれくらいのことはできたんですよね。なので「エンジニアとして飯を食う」ことは、頭にありませんでした。

とはいえ、社内では「システムがわかる人」として認識されて、システム部門で社内インフラを整備したり、サービス企画の部署にいたときは、社内の担当者と外注先のシステム会社のあいだに入って調整役を任されたりしていました。

――本格的にエンジニアとしてのキャリアに舵を切ったのには、何かきっかけがあったんですか。

サービス企画部にいたあるとき、開発中だったアメリカのユーザー向けアプリの反応を、現地で確かめてくることになったんです。1ヵ月半ほどアメリカに滞在して、そのあいだにITベンチャーとのコネクションを築くためにシリコンバレーにも足を運びました。そこで、ものすごい衝撃を受けたんです。

――どうしました。

向こうでは、プロトタイプをまず作って、そこから積み上げていく――いわゆるアジャイル型開発が定着していました。このやり方だとどんどん試せるから発想がクリエイティブになるし、進化のスピードが驚くほど速い。自分の組織が典型的なウォーターフォール型だったこともあって、本当に驚きました。

私は昔から物づくりが好きなので、そのシリコンバレーのやり方に納得したし、自社のやり方に「このままでいいのか」と危機感を覚えたんです。画期的な開発プロセスを知ってしまったことで、「モノ起点の開発」をしてみたいと、エンジニアになることを決心しました。そして、ポイントサイトの運営会社で経験を積んで、ナイルと出会い、今に至ります。

エンジニアも「事業家」の視点を持つ

――入社前は、ナイルにどのようなイメージを持っていましたか。

前職では、Applivをヒントにサイトを作ったことがあったんです。ユーザーにアプリを紹介してダウンロードしてもらい、喜んでもらうことにおもしろさを覚えました。さらに、Applivで培ったものを土台にして、「ピタッとROAS」など新しいサービスへと発展していく姿勢も魅力的で。
先ほども言った通り、シリコンバレーのように次々と新しいものを生み出していくことに憧れていましたから、ナイルでエンジニアを募集しているのを見つけた瞬間にエントリーしました。

でも正直なことを言うと、少し不安もありました。「ナイルのかだん」や代表のブログに目を通したら、錚々たるメンバーばかり登場するので、自分は果たして通用するのだろうかと。
「ナイルのかだんではみんながナイルのいいところを話しているけど、それって本当なの?盛ってるんじゃないの?」と、ちょっと疑っていましたね(笑)。でも入ってみたら、本当にその通りでした。

ナイルのエンジニアについて「話を聞いてみたい!」と思った方はこちら

――それは良かったです!

給料と評価のリアルな関係」の記事もおもしろいですよね。あと、ナイルは「事業家集団」を掲げていますが、そこにも本気を感じます。MT事業本部では「事業家ガイドブック(※)」を使ったワークショップをやっていて、組織のことを考える機会もある。理念や行動指針って作ることがゴールになってしまいがちですけど、ナイルの場合は一人ひとりがちゃんと実践していて感動しました。エンジニアも「事業家」としてシステム開発にあたるカルチャーには共感しますね。

※事業家ガイドブック…ナイルの全社員に配布される、事業家に求められるマインドセットや行動姿勢をまとめた冊子。

――これまでのキャリアが役に立っていると感じることはありますか。

営業で培われたコミュニケーション力や、システム部門で鍛えられた合理的な判断力、企画側に立ってエンジニアと交渉してきた経験が、融合する形で発揮できていますね。

例えば、企画をする人は自分たちのアイディアや要望が忠実に再現されることを望んでいて、一方のエンジニアは長く使えるシステムになるように今後の拡張性を想定している――どちらの考えも重要な観点ですから、高いレベルですり合わせていくことが求められる場面は多いです。
両者が協力してより良いサービスを提供する上でも、建設的な議論を経て着地点を見出していくことがカギになるので、そこをうまくバランスをとって調整していくスキルは役立っていると思います。

“人間らしい”エンジニアと働きたい

――テレワークが前提になってから入社されましたが、マネージャーとしてメンバーとコミュニケーションをとるにあたって、困ったことはありましたか。

最初からオンラインでのマネジメントで、初めてオフィスに出社したのは入社2ヵ月後。メンバーとはそこで初めて会ったので、「あ!首から下がある!」って思いました(笑)。今はこうして笑い話にしていますが、入社した当初は不安でいっぱいでした。リモートだと雑談もできないし、うまくマネジメントできるのかなって。でも結局は杞憂に終わりましたね。

――うまくいった秘訣は…。

社内でDiscord(ボイスチャットアプリ)を採用していて、そこで対面と遜色ないレベルでコミュニケーションがとれたんです。そのときに、「あれ、俺ってエンジニアだったんだよな。ツールの力を信じればいいんだよな」って腹落ちしました。
オフラインで顔を合わせたときは、やっと会えた喜びを噛みしめつつ、オンラインの良さも実感しながらマネジメントできていますね。リアルで築いたオープンな雰囲気はオンラインでも作ることができるはずだって。

メンバーも総じておもしろいことが好きだから、チャットのコミュニケーションでもどんどん話が広がっていくんですよ。技術とは関係ない話に限って盛り上がったりするんですが、その中でも気付きや発見が多くて、気になったキーワードはメモにストックしています。いつかここから新しい企画やサービスが生まれる気がしてならない。それぞれが豊かな個性を発揮しているので、一緒に働いていて楽しいです。

――今後、ナイルではどのようなことにチャレンジしていきたいですか。

究極はシステムの自動化ですね。人が人にしかできないことによりリソースを割けるように、手動で運用している部分を限りなく自動化していきたい。その土台づくりが今の段階だと捉えています。

このことを踏まえると、“人間らしい”エンジニアとぜひ一緒に仕事したいですね。現場では仕様を考える場面もたくさんあります。そこで、「人の思考や行動は何に基づくのか」「人は本来どうあるべきなのか」といった、人の営みの根源と向き合うことが大事になってくるはず。特に人の視点から機械学習エンジニアを志した人などは、楽しめるのではないでしょうか

技術をひたすら追求する、仕様に沿ったプログラムを作ることに喜びを感じるタイプはあまり向いていないかもしれません。逆に、言われた通りに作ることに飽き飽きしている人や、ビジネスとの結び付きを実感できなくてモヤモヤしている社内SEなどは、新たな可能性を見出せる気がします
その根底にあるのが、MT事業本部ならではの「全員企画・全員自走」の方針。自分のアイディアを活かしてシステムを開発していきたい能動的なエンジニアは大歓迎です!

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※この記事は、2020年12月8日にナイル株式会社の採用オウンドメディア「ナイルのかだん」に掲載したものです。Wantedlyから弊社を知ってくれた方にもぜひ読んでもらいたい記事であるため、転載しました。
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