中高生の頃からだっぴに関わり、現在は高校生・大学生・社会人とそれぞれに立場が変わった若者3人が鼎談!それぞれに過去を振り返りながら、「若者と大人がつながる」について深めます。
登場する若者たち
ゆうな:現在高校生。中学生のときにだっぴに参加。
あやめ:現在大学生。高校生のときにだっぴに参加。
いずみ:現在社会人。高校生のときにだっぴに参加。
だっぴの中で印象的だったシーンは?
【ゆうな】
だっぴで「目標に向かっていく時にどうするか?」という問いがあって、私は「トンネルの先が見えないと頑張れない」という様な答えを出したんですけど、同じグループの大学生は「先が見えない方が頑張れる」みたいなことを言われてて。近い年代でも真逆の考えが出るのが新鮮でした。真逆なんだけどどっちも否定されないのが凄く嬉しかったのを覚えています。
【あやめ】
高校の中では、自分の意見を言うタイミングが多くはないよね。
【ゆうな】
たしかに、皆で力を合わせて行こうみたいな考え方が多いですね。出る杭は打たれるじゃないけど。一人だけ勝手なことしたら、何か言われるんじゃないかと思ってたんですけど、だっぴでやっていく中で好きなことしていいんだなぁと思ったんです。それで「私、こういうボランティアやってるよ、いいよ」って他の人に言えるようになったし、ボランティア団体を作ろうかなって思うことができた。色んな価値観を聞くっていうのはすごい大事なんだなって思います。
【あやめ】
印象的なシーンは色々あるんですけど、一番は高校生で「だっぴ50×50」に初めて参加した時。家族でも先生でもない、私が知らない種類の大人がいた。世界が広がった感じがしたんですよね。自分が知らないことが、岡山にもあるんだなーってショックだったような気がする。高校は近い偏差値の人が集まってるから、似たような人としか出会ってなかったんだなぁって。だから、だっぴに参加して、大学生になったら誰かの視野を広げることしたいって思って、だっぴいいなって思ったんですよ。
【いずみ】
だっぴには高校生の時に初めて参加しました。何となく大学受験して教員目指せたらいいなみたいに思ってた高3生だったんですけど、真剣に自分たちのことを話してる大学生・大人がいるっていうのが初めての経験で、凄いなって感覚がありました。高校生活に戻ると、そこにある日常とだっぴでの出来事が全然違うから、どっちが本当なんだろう?みたいな感じがありました。
大学進学で鳥取に行き、鳥取でも中学生や高校生にだっぴを届けたいと思って、その仕組みを勉強すべく、大学3年生の時に1年間休学してだっぴにインターンしました。
若者と大人がつながる意味を考える
【あやめ】
大人とつながったなっていう印象はありますか?
【ゆうな】
めちゃめちゃあります。私は中学・高校でだっぴに参加してたんですけど、学校では同じような人が集まって同じような会話をしてる。多様な経験と価値観をもつ大人の人たちから話を聞いて、考え方が変わったり、何か始めようって決意する人も多いかなって思います。小さな世界の中でしか生きていない私にとっては、その外の世界に触れて、未来に対する希望が湧く。
【いずみ】
高校生の時にだっぴで会った方と今もつながってて、この間もオンラインで会ったんです。家族ではないけど、こういう関係でずっとつながってるのは魅力的だなって思う。
【ゆうな】
その場限りかもしれない大人って、逆に相談しやすいと思いました。普段高校生が相談できる相手は友達や親、先生くらいだけど、実際はどれも相談しにくいこともあります。1回きりかもしれない人だからこそ話せることがある。しかも、だっぴの参加者はバックグラウンドがはっきりしてる方ばっかりだから安心できる。結構大きい話になるんですけど、大人とつながれる機会があれば、中学生の自殺率下がると思うんですよ。
色んな人に相談できる環境をもっと整理できたら良いのになあとずっと思ってます。
【いずみ】
あと僕は、大人側も若者とつながる価値を見出してもらえると嬉しいなって思います。大人が頼られるだけの存在っていうのは、少しモヤモヤするので(笑) 一緒に学ぶ姿勢みたいなところに行き着くのかな?大人も若者に相談していいんじゃないか、とか。
【ゆうな】
これまでは相談に乗ってくれていた大人の人が、反対にこっちを頼ってくれることもあって、その”お互い様”の関係は嬉しいですね。
【あやめ】
私は、色んな大人とつながることで「色んな生き方があっていいことを知っている状態」になることは大切だと思う。自分が正解だと思っている生き方以外にも正解があると知ることで、自分が許される、前向きに生きやすくなる、みたいな。
「つながる」を問い直す
【いずみ】
そもそも、みんなにとっての「つながる」ってどういうイメージ?理想的な「つながる」って何だろう?
【ゆうな】
私は、「この人すごい気が合う」「この人の考え方好きだなー」って思った人に名刺もらったり、SNSでつながってという気軽な感覚です。例えそこから何も進展がなくても、「その時のつながり」としてずっと残るものだと思っていて。今まで会った人は全員つながりみたいなイメージです。
【あやめ】
私は、今後も何かあったら相談したいと思える関係性を作っているのを「つながり」と呼んでいて。その場限りの関係も重要だと思うけど、親友とまでいかなくても信頼できる誰か、「その人がいれば大丈夫」という存在であってほしい。その誰かを見つけるためにも、色んな人とつながっていく行動は大切だとは思う。
【いずみ】
俺はどっちかって言うとゆうなちゃんの方に近くて。会った人全員とつながりたいけど、一方でその関係性をどうやって維持していくかは難しいよね。緩くても途絶えない関係性をつくることを考えたい。
【あやめ】
あと、私は大人とか年齢にこだわりはないのかもしれない。年齢関係なく、人と人として考えると、人と人がつながるって、お互いの異文化がぶつかることだと思う。そこから、社会的に価値のある何か、あるいは二人の間で意味がある何かが生まれるのかも。それが人の命を救うとか、人の将来を変えるとか、そういう価値になるのかもしれないですね。
【いずみ】
お互いにいる世界はそれぞれ違うから、すれ違わないように理解しようと歩み寄ることは重要かも。
【ゆうな】
それは若者とか大人とか、そういうの関係なく「人同士の関係」って感じしますね。
【あやめ】
お互いが違うという前提で話をするっていう受け皿の広さは、「こういう視点もあるんですね!」みたいな新たな発見や視野を生むうえで大切なことかもしれない。
若者と大人とのつながりについて話してみて
【あやめ】
人とつながることについて、自分が許されるという点に私は注目していて。「こうじゃなきゃいけない」をちょっと緩めることができるから生きやすくなる、幸せになるを助ける可能性があるんだっていう発見がありました。つながりから、何か次の一歩が生まれるかもしれないし、すぐには生まれないかもしれない。でも、それでいい。
【ゆうな】
知ってるけど、同級生や親じゃない、めちゃめちゃ身近にいる人じゃない人と話せるの、いいなって思いました!あと、高校生同士でも「人同士の関係」で話すことができたら、お互いの考え方が広がっていきそうだなと思いました。
【いずみ】
自分の高校の時も振り返れて、色んな学びがありました。自分は大人の立場にどんどんなっていくんですけど、大人であればあるほど寛容さみたいなものを持つのが難しい気がしていて。そのために何が必要かを具体的に言うことは今は難しいけど、何かしたいなっていう感覚になりました。ありがとうございました。