はじめに
こんにちは。株式会社エヌケーエナジーシステム 代表の野田です。
前回のストーリーでは、コレタを創業した背景についてお話ししました。
今回は、私たちが作っているプロダクト「コレタ for Sales」について、ビジョンやロードマップなどをもう少し詳しくお伝えしたいと思います。
「そもそもデジタルセールスルームって何?」「普通のSFAやCRMと何が違うの?」という疑問を持たれる方も多いと思うので、そのあたりを中心に書いていきます。
営業の「見えない時間」問題
まず、私たちが解決しようとしている課題からお話しします。
営業活動には「見えない時間」があります。
提案が終わり、資料を送った後。顧客の社内で何が起きているのか、営業担当者には見えません。
資料は見てもらえたのか。 社内の誰に共有されたのか。 上司の反応はどうだったのか。 競合と比較検討されているのか。 そもそも検討は進んでいるのか、止まっているのか。
すべてがブラックボックスです。
だから営業担当者は、何度も「その後、いかがでしょうか?」とメールを送ることになる。相手にとっては催促に感じるかもしれない。でも、状況がわからないから聞くしかない。
この「見えない時間」が、営業の生産性を下げ、顧客との関係にも微妙な距離を生んでいると感じていました。
「電話営業」の限界
もう一つ、見過ごせない変化があります。
従来の営業スタイルといえば、電話でアポイントを取り、訪問して提案するのが王道でした。でも今、この前提が崩れつつあります。
そもそも電話に出てもらえない。 リモートワークで会社に人がいない。 知らない番号からの着信は無視される。
特に若い世代ほど、電話というコミュニケーション手段自体に抵抗があります。「電話で営業される」こと自体がストレスになっている。
それだけでなく、何かを検討するとき、まず自分で調べるケースが圧倒的に増えています。Webサイトを見て、資料をダウンロードして、比較検討して。営業に会う前に、ある程度の判断を終えている。
つまり、顧客は「営業に売り込まれる」のではなく、「自分のペースで情報収集したい」と思っている。
この変化に対応できるツールが必要だと考えました。
既存ツールでは解決できなかった理由
「それ、SFAやCRMで解決できるのでは?」と思われるかもしれません。
たしかに、SFAは営業活動を記録・管理するには優れたツールです。でも、SFAが管理しているのは「営業側の情報」なんです。
訪問した、提案した、見積もりを出した。これらは営業担当者が入力する情報であり、顧客側で何が起きているかはわかりません。
一方、MAツールは顧客の行動を追えますが、基本的にはマーケティングフェーズ、つまり商談化する前の段階がメインです。
提案後、商談が進行している段階で「顧客が何を考えているか」を可視化するツールは、実はほとんど存在しませんでした。
海外では急成長している領域
実は、デジタルセールスルーム(DSR)は海外では急速に成長している領域です。
グローバルのDSR市場は、2024年時点で約12億ドル(約1,800億円)。これが2033年には36億ドル(約5,400億円)まで拡大すると予測されています。年平均成長率は約13%。SaaS市場の中でも特に注目されているカテゴリです。
世界的な調査会社Gartnerは、「2025年までにB2B営業の80%がデジタルチャネルで行われる」「2026年までにB2B営業サイクルの30%がデジタルセールスルームで管理される」と予測しています。
Fortune 1000企業の3社に1社が、2024年にDSRへの予算を前年比30%以上増やしたというデータもあります。
なぜこれほど成長しているのか。
背景にあるのは、先ほどの述べた「買い手の変化」です。
現代のB2B購買担当者は、営業に会う前に自分で情報収集を済ませたいと考えています。Gartnerの調査によると、「購買担当者の多くは、できれば営業担当者を介さずに購買プロセスを進めたい」と回答しています。
つまり、海外では「営業が売り込む」から「買い手が自分で選ぶ」へのシフトが急速に進んでいる。DSRは、この変化に対応するためのインフラとして認知されているのです。
一方、日本ではどうか。
正直なところ、まだDSRの認知度は高くありません。「デジタルセールスルーム」という言葉自体を知らない方も多いと思います。
だからこそ、チャンスがある。
海外で実証された市場が、日本ではこれから立ち上がる。私たちは、その波の先頭に立とうとしています。
デジタルセールスルームという選択
そこで私たちが作ったのが、デジタルセールスルーム「コレタ for Sales」です。
一言でいうと、営業と顧客が「同じ部屋」で商談を進められるオンライン空間です。
具体的には、こんなことができます。
1. 資料・情報の集約 提案資料、議事録、見積もり、FAQ、タスク。商談に関わるすべての情報を、1つの「ルーム」に集約します。メールの添付ファイルを探し回る必要がなくなります。
2. 顧客の行動を可視化 顧客がいつルームにアクセスしたか、どの資料を何分見たか、誰が閲覧したか。これらがリアルタイムでわかります。「見てもらえたかな…」という不安がなくなります。
3. 適切なタイミングでのアプローチ 顧客が資料を見たタイミングで通知が届きます。「今、検討してくれている」とわかれば、最適なタイミングでフォローできます。
4. 社内共有の促進 顧客の社内で、誰に共有されたかもわかります。決裁者が見てくれているのか、現場担当だけで止まっているのか。商談の進み具合を構造的に把握できます。
顧客にとっても嬉しいツール
ここで強調したいのは、デジタルセールスルームは営業だけでなく、顧客にとっても嬉しいツールだということです。
従来、顧客が情報を得るには営業に連絡するしかありませんでした。「あの資料をもう一度送ってほしい」「詳しい仕様を知りたい」「上司に説明する資料がほしい」。そのたびに営業とやり取りが発生する。
デジタルセールスルームがあれば、顧客は24時間いつでも必要な情報にアクセスできます。
深夜に検討を進めたいとき、週末に上司への説明資料を準備したいとき。営業を呼ばなくても、自分のペースでサービスやソリューションを深く理解できる。
これは、先ほど触れた「電話営業の限界」への答えでもあります。
顧客が求めているのは、売り込まれることではなく、自分で納得して意思決定すること。デジタルセールスルームは、その「自分で調べたい」というニーズに応えるツールなのです。
「売り込む」から「一緒に進める」へ
デジタルセールスルームの本質は、単なる可視化ツールではありません。
私たちが目指しているのは、営業と顧客の関係性を変えることです。
従来の営業は、どうしても「売り込む側」と「売り込まれる側」という構図になりがちでした。情報の非対称性があり、営業は顧客の状況がわからないまま、一方的にアプローチするしかなかった。
デジタルセールスルームがあれば、営業と顧客が同じ情報を見ながら、一緒にプロジェクトを進められます。
資料を共有し、課題を整理し、タスクを確認し、次のステップを決める。まるで社内のプロジェクトを進めるように、社外の相手と協働できる。
これが、私たちの考える「社外コラボレーション」の第一歩です。
急成長するプロダクト
ありがたいことに、コレタ for Salesは急速に成長しています。
2025年秋には、国内最大級のIT製品レビュープラットフォーム「ITreview」が主催する「ITreview Grid Award 2025 Fall」において、デジタルセールスルーム部門で最高位となる「Leader」を受賞しました。
この賞は、ユーザーからの満足度と認知度の両方が高い製品に贈られるもの。つまり、実際に使っているお客様から高い評価をいただいているということです。
「営業×AI」といえばコレタ。そう言っていただけるポジションを確立しつつあります。
実際、既に中小企業から大企業まで、幅広い企業様にご利用いただいています。
この成長の背景には、「社外コラボレーション」という課題が、多くの企業にとって切実なものだったということがあると思います。私たちの仮説は間違っていなかった。
営業から始める理由、改めて
前回のストーリーでもお話ししましたが、なぜ「営業」から始めるのか、改めて整理します。
理由1:原体験があった 私自身、カオナビで営業・CS支援に関わる中で、顧客とのコミュニケーションの煩雑さを痛感していました。この課題を解決したいという強い想いがあります。
理由2:すべてのビジネスは「売る」から始まる 営業はどの会社にも存在します。BtoB、BtoC、大企業、スタートアップ。業種や規模を問わず、ビジネスは「売る」ことから始まります。普遍的な領域だからこそ、ここで成功すれば大きなインパクトを生めると考えました。
理由3:拡張性がある 営業で培った「社外コラボレーション」の仕組みは、カスタマーサクセス、パートナー連携、ベンダーマネジメントにも応用できます。営業はゴールではなく、出発点です。実際すでに上記シーンでの利用実績も多く出ています。
目指す未来
コレタ for Salesは、まだ道半ばのプロダクトです。
今後は、商談動画の解析機能や、SFA/CRMとの連携強化など、営業活動をさらに支援する機能を拡充していきます。
そして、いずれは営業だけでなく、あらゆる社外コミュニケーションをカバーするプラットフォームへ。
メールが普及して30年以上。社外とのコミュニケーションは、そろそろアップデートされるべきだと思っています。
その変革を、私たちが起こしていきたい。
最後に
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
コレタでは、この挑戦を一緒に進めてくれる仲間を探しています。
新卒、インターン、中途、問いません。 「社外コラボレーション」という領域に興味がある方、営業DXに課題感を持っている方、急成長するプロダクトに関わりたい方。
まずはお気軽にカジュアル面談でお話ししましょう。 ご連絡お待ちしています。
株式会社エヌケーエナジーシステム 代表取締役社長 野田 和也