こんにちは!日本農業の広報の宮﨑です!
今回のnoteは先日YouTubeでも公開させていただいた、Foodison×日本農業によるオンラインイベントの模様をお送りします📣✨
非常に濃い内容となっておりますので2回に分けてレポートしていきたいと思います!
早速ですが、これを読んでくださっている皆様。
日本の一次産業の現状をご存知でしょうか?
わたしたちが普段口にする食べ物は、一次産業の農業や漁業から成り立っているにも関わらず、就業者数を見るだけでもその減退の様子がうかがえます…🥲(以下参照)
農林漁業の就業者数は2022年で約205万人。
統計が発表されている期間中最多である1952年(1,689万人)と比較すると約1,400万人も減少しています(※1)。
※1:総務省統計局 「労働力調査」
このような状況下で、一次産業の変革に挑む企業として、2022年12月に東証グロース上場した株式会社フーディソン代表取締役CEOの山本徹氏と、同取締役CFOの内藤直樹氏を招き、日本農業代表取締役CEO内藤、取締役COO河合の4名によるトークイベントを開催しました。
第一弾となる今回のレポートは、日本農業・河合がモデレータとなり、一次産業でさらなる拡大を目指す2社の代表であるフーディソン・山本氏と日本農業・内藤が、「ミッション達成のために上場する理由」について語りました。創業から事業拡大の過程、上場を目指した先にある一次産業の未来――。業界の開拓者たちが熱く議論します🔥🔥🔥
一次産業で上場を目指したわけとは
河合:では、1つ目の大きな問いとして、今回、フーディソンさんは上場を果たしています。日本農業はこれから上場を目指すというところで、作りたい世界において、なぜ最終的に上場を目指して、さらにそこからどのような世界を作っていきたいのか、お聞きできればと思っています。
山本氏:この水産業界は、よくよく見てみると、1~2兆円と規模が大きい業界ですが、「そもそも価格決定プロセスがおかしいのではないか?」と。「続けていけないほどのレベルってどんなレベルなのだろう」と。
細かいところは端折りますが、商流に問題があると物流にも問題が出てくるというのがあり、生鮮食品で物流に問題があると一日リードタイムが長くなるといった問題も出てきて、品質にも影響が出てきます。商流にも物流にも改善の余地があるのではないかと考えたのがきっかけです。
では、そもそも、なぜ上場するのか、お話させていただくと、本当に運良く縁があって、一回目に起業した時にその会社が上場するという経験をしました。
介護というマーケットが新たに生まれたタイミングで情報のインフラを作っていく。そして、その業界とともに健全に発展していく。その過程で上場して、ユーザーも、事業者も投資家も含めて、ハッピーになっていくようなサイクルを回すということを間近に見ることができたと思っています。
自分で(フーディソンを)起業するとなった時に、自分の人生を超えて、自分の寿命を超えて、残り続けるような、世の中的に大きな意味のある会社をせっかくだから作りたいなっていう思いがありました。上場の基準を超えられないぐらいだったら、長期で会社を人に引き継いで渡していくことはできないのではないかという思いがあり、その志レベルから、上場は必須で通り抜けなきゃいけないと思いました。
河合:悩んだことはあったのか、なかったのか。それとも、「この道だ!」「この領域だ!」というのは、ずっとブレずにやっていけたものでしょうか?
山本氏:決めてからは一切ブレなかったですね。
やればやるほど、他の人がやらない理由というものがどんどん分かってくるので。
しかも、積み上げていけるということも確信できましたし。
特にテクノロジー文脈でいくと、大きな境界線があるじゃないですか。
農業もそうだと思いますが、水産で働く人たちとITで働く人たちの間にとても差がある。両方をマネージメントできることによるバリューはやればやるほど感じます。魚ってやればやるほど奥が深くて難しくて、人がやらなくて難しいことに時間をかけていくことにとても意味を感じているので、どんどん深まっている感覚はありますね。
河合:はじめに資金調達をして、創業間もない時にどのようなことをして、解像度を高められましたか?
山本氏:我々は、魚の知見もなければ、顧客もサプライヤーも何もないというところからスタートでした。私の知り合いの経営者が野菜の直売所を経営していて、そこの一角で魚を売らせてもらうところから始めました。
世の中って、欲しているタイミングで、必要な手が差し伸べられるなって。
10年間振り返ってみて思うのですが、起業する直前のタイミングの時に、「野菜の直売所やるんだけど、地域から魚欲しいってニーズがあって、やってくれない?」と言われたんですよね。
埼玉の奥地で、なかなか大変な環境でしたが、出店するというところまできて、そのおかげでサプライヤーと繋がりを持てました。長崎県の漁協さんとも繋がり、それをもって飲食店向けに紹介し始められることに繋がっています。
河合:なんだか熱くなりますね。
内藤:今柱になっている事業以外で、始めたけど、消えていったビジネスもけっこうあったりするのですか?
山本氏:めちゃくちゃあります。
新しいことに対する探索はとても興味が湧いてしまいます。だからto C向けのデリバリーもやりましたし、判断はしっかりして撤退もします。たぶん10近く新たなことをやって、手仕舞いしている事業もあると思います。
マーケットの大きさと、非効率の大きさがビジネスチャンス
河合:日本農業の内藤さんは、そもそも創業した時に山本さんのように上場は意識していたのでしょうか。事業が先か、上場が先かのような話や、上場を意識した後にどういうところから手を付けていきましたか?
内藤:農業界はこれまで縮小のゲームで戦っていて、減反とかに代表されるようにマーケットは伸びないから、サプライを増やしたとしても単価が落ちるだけ。みんなで縮小均衡しましょう、みたいなゲーム。
我々は輸出を前提に、マーケットは生産性を上げればぐっと伸びるもので、多くのお金と多くの優秀な人材をバリューチェーンの各所に投入して改善していきましょうという戦略です。
それを考えると、上場を前提にすると、エクイティファイナンスもできるし、資本増強して大規模に投資をしますと計画して、実際にそれを実行する際には融資が出るので、上場を前提としてエクイティファイナンスをすること、上場を前提としてストックオプション等も発行して優秀な人を入れるということは理にかなっているので、上場を目指してきましたというのが今の答えです。
起業した時は上場が何かとかはあまりよく分かってなくて。
ただ、当然分からないものを分からないまま意思決定するのは気持ち悪いので、上場とは何か、真面目に考えなきゃいけないと思い、さまざまな先輩に聞きにいきました。
今となっては、この第一次産業の農業とかでなかなか上場企業がいなかったり、農業というと、世の中の皆さんが、「農業やっているんだ?」とか、ちょっと意外な目で見られたり。私からすると、山本さんも先ほどおっしゃっていたように、この業界ってものすごくマーケットは大きいけれども、非効率がとにかくいっぱいあって、マーケットの大きさと非効率の大きさって、要はビジネスチャンスだと思う。真面目にビジネスとしてすごく良いと思うんですけど、それがなかなか世の中から見られていない。
「農業って、本当はビジネスとしてものすごく良いんだぞ」ということを世の中に証明するためにも、上場はすごく大事だと思います。結果を残していれば、より多くの優秀な人材が入ってくると思います。
日本農業がちゃんと結果を残せば、起業家の第一想起が農業になるなど、もっともっとこの業界は面白くなるし、ワクワクするな、と今思っています。
河合:この業界にいると、会社を起こして、事業を伸ばして、周りからの声が出てきて、やりがいというか、会社がやっていることの使命感みたいなのは、後から付いてくるというのは、私自身も実体験として感じますね。内藤さん、はじめはどのようなところから手掛けたかというお話もお願いします。
内藤:はじめは、一人前に、とりあえず「日本農業」という社名を付けて、日本の農産業を輸出するべきだというのを主張していました。輸出となると、ミニマムの取引がコンテナになる。まあまあ規模が大きくて、仕入先と売り先をとにかくあたって、その2つを人力でマッチさせるという行為をやりました。
入り込んだからこそ見えてくる課題
内藤:創業が11月だったので、りんごをまずやろうとマーケットとか見て決めて、最初のりんごのトランザクションが決まったのが3月とかなので、4ヶ月ぐらいかかりました。
我々を面白がってくれる青森の大きい会社さんと、タイの大きい輸入業者さんを繋げて、商流が動き始めたっていうのが最初で。
商売が動き始めると、バリューチェーンのさまざまなものが当然見えてきて。輸出した時に米国産や中国産と比べて、なんでこんなに日本のりんごの価格が高いのだろう。それは、選果のレイヤー、さらに買うためのレイヤーで、こういう課題があるからなんだと。我々がりんごを売って、こんなにもおいしいりんごなのに、あまりタイでの売れ行きが良くないのは、店頭で日本産のおいしさが消費者に伝わってないのではないか、それを伝える必要があるのではないかとか、課題がどんどん目に入ってくるので、そこからとりあえず(りんごを)作ってみようと。
とにかくやっていくと、商売として成り立ち得るもの、難しいもの、こう改善すべきものというのが出てくるので、改善したり、やりたいけどやめたりとか、試行錯誤してバリューチェーンを作ってきたというような感じです。
山本氏:面白いですね。当時は青森のりんごとタイの商流っていうのは、まだ確立されたものがなかったから、そういう入り方ができたのですか?
内藤:その当時は、青森からタイへは全くものが出てない段階でしたね。
青森の方たちも、実は台湾向けに手掛けていて、「タイかあ」みたいになりますし。タイの会社さんも、「日本のりんごって何だ?」というような状況で、価格がどうとかよりも、業者さんの前で日本のりんごを持っていって、バッと切った時に、蜜がジュワ~って出てきて、「これが日本のりんごだ、食べてみろ!」と。そうすると「めっちゃおいしいじゃん!」と。これまでなかった商流だったので、幸いにも面白がってくれる人がいました。
山本氏:そういうバリューチェーンに入り込むとラーニングが始まるので、その時繋がってない、需要はあるけど繋がってないバリューチェーンを小さくても見つけるっていうのはとても大事ですよね。
内藤:ものを動かさないと解像度も上がらないし、いつまでも絵に描いた餅になっちゃいますね。流通から入るっていうのは、ある種、この業界で鉄則といえば鉄則かもしれないですね。
山本氏:「食」は身近だけど、「食ビジネス」は実は全然身近じゃないっていうのがあって。あと、私もそうですし、内藤さんがおっしゃったのを聞いて、そうだなと思うのが、食のビジネスの課題って特定しにくい。
しかも、参入できるレベルにブレイクダウンして、事前に把握するとかっていうのは、やってみないと分からないから、とてもハードルが高いということを再認識しました。身近のようで身近じゃない。
内藤:至るところで、色々知ると、めちゃくちゃ部分最適されているなと思うけれども、直感的に「なんで?」と思うことがけっこうあるじゃないですか。
当たり前といえば当たり前ですけど、豊作になると単価が落ちて儲からなくなったり、逆にめちゃくちゃ不作の年って儲からないかというと単価がガーンと上がるので、結局、豊作だろうが不作だろうが売りがあんまり変わらなかったりで、粗利率が他の要因で決まったりとか。
単純に言えば、卸業者さんを通さずに小売と取引したほうが絶対にミドルマンを排除できるから単価が高いと単純に思うけれども、場合によってはそれが逆転することも。直感と、一つ目の「おかしいな?」を深掘りしていくと、「なるほど最適化されている」となり、その先のところに辿り着かない。そこがこの業界の面白いところですね。
山本氏:やっているから、見えているんですよね。その先の未来っていうのが。
それがこの自分の、「深くハマっています」と言っていた部分、まさにそうだなと思うんですけど、外から見ていたら、絶対に分からないなという感じはしますね。
内藤:おっしゃる通りですね。
河合:ありがとうございます。この先は、フーディソンの内藤さんも交えて第二部のほうに進んでいこうと思います。
第一段はここまでです!
ここまでお読みいただきありがとうございました✨
課題を見つけるのが難しい食×ビジネスの領域で「なんで?」とどれだけ深掘りして課題を特定できるかが大事なんですね😤
続く、第二弾は、株式会社フーディソン 取締役CFO 内藤直樹氏も加わり、一次産業での新たな価値創出の必要性や2社の組織・文化について深掘りします👀お楽しみに~!
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