皆さん、こんにちは。
ニュートン・コンサルティングの浜です。
私は、2021年4月に新卒で入社し、今年3年目を迎えたコンサルタントです。
そんな私は、入社から1年も満たない頃に、内部監査チームにアサインされました。
本日は、日々お客様とプロジェクトを進める傍ら、社内で行っている「見える化チーム」の活動をご紹介したいと思います。
内部監査ってなんだろう?
そもそも、「内部監査」とはなんでしょう。
皆さんはどのようなイメージを持っていますか?
私は、「難しくてよくわからない」というのが一番初めの印象でした。
堅苦しくて難しそう。よくわからないし、興味はあるけどこんなの自分にできるはずがない。
日本内部監査協会(IIA)が定義する「内部監査」を見てみましょう。
内部監査とは、「組織運営に価値を付加し、組織体の運営を改善するために行われる独立的かつ客観的なアシュアランス及びコンサルティング活動」を言い、組織の経営目標の効果的な達成に役立てることを目的として実施します。経営目標を達成するために必要不可欠なガバナンス、リスクマネジメント及びコントロールについて、その妥当性・有効性の評価を行います。
尤もらしいことが書かれていますが、新卒1年目の私は、どうしても腹落ちができませんでした。
しかし、内部監査「見える化」チームにアサインされ、1年が経過したころには、この印象がガラッと変わっていたのです。
- 内部監査の活動っておもしろい!
- 会社を良くできる。役に立っている実感を得られる!
- 内部監査の考え方が、お客様のご支援にも役立てられそう!
ついには、「来年は事務局として活動してみないか」というご提案に飛びつき、今年は内部監査「見える化」チームの事務局のメンバーとして、監査メンバーの活動をサポートする立場になっています。
入社1年に満たない新卒2年目が、どうしてここまで前向きに内部監査の活動ができたのか。
その理由は、ニュートン流内部監査「見える化」の工夫にあります。
ニュートン流内部監査「見える化」チームとは
ニュートンでは、内部監査のことを「見える化」と呼び、監査員を各部門から数人ずつ選出しています。
さて、ここで質問です。ニュートンでは敢えて内部監査ではなく「見える化」と呼ぶのはなぜでしょうか?
命名者である弊社副社長に確認したところ、2つの理由を教えてくれました。
1つ目は、内部監査という言葉に、堅苦しく尊大な印象を受けてしまう可能性を避けるため。2つ目は、本質的な機能をチーム名にすることで、監査側も被監査側の双方に対して意識啓発にしたいという狙いから。
そもそも「見える化」とは製造業で活用されてきた「目で見る管理」の手法から派生した言葉です。仕事における課題を常に見えるようにすることで、インシデントが発生してもすぐに解決できる環境を実現し、さらにインシデントが発生しにくい環境を実現するための取り組みといえます。
このように、会社の役に立つための本質的な活動を行うチームとして、見える化チームはその名前に大きな期待が込められているのです。
「見える化」チームの活動は3つ
そんな見える化チームにアサインされた監査員は通常業務と並行して、年間24時間程度の所定工数内で、一から内部監査について学び、秋に本番監査を実施します。最小限の負担で、最大限の効果を発揮できるような仕組みを構築しています。
私が1年目に監査員として実施した「見える化」の活動は大きく3つです。
①フォローアップ監査
②テーマ監査
③本番監査
ニュートンでは①②をプレ監査と呼びます。勉強会とプレ監査で監査員としての基盤を固めてから、③の本番監査に臨みます。
本章では、それぞれの活動について簡単にご紹介します。
1 フォローアップ監査(2月~5月)
フォローアップ監査とは、前年度の監査で指摘したもののうち、まだ担当部門が対応を完了していないものに対して是正処置がうまく機能しているかを監査するものです。
見える化チームにとって初めての監査活動となるこの機会に、監査における考え方、実施方法の基本を学びます。
2 テーマ監査(5月~8月)
テーマ監査とは、その年のトレンドや監査方針に基づき、社内のルールや活動が機能しているかを監査するものです。
ここでいう監査方針は、会社としての監査の方向性を定めたものになるので、社長をはじめとする経営陣にトップインタビューを実施し、そのインプットを元に見える化チームで作成します。会社の方針と齟齬がないようにするのがポイントです。
トレンドは、外部環境やそれに伴う社内の業務環境の変化、新たな企画やガイドラインの発行等、世の中の様々な情報から、自社の目的達成に影響を与えうるものがあれば、インプットとします。
3 本番監査(9月~10月)
本番監査 は、②でも挙げた監査方針や、これまでの監査結果も踏まえ、監査対象となる社内のルール全体に 監査を行うものです。
フォローアップ監査やテーマ監査はピンポイントな事象に対する監査であるのに対し、本番監査は監査対象となるルールの全項目を網羅できるように監査を行います。
③の本番監査を除き、これらの活動は原則、毎月1回実施する見える化定例会の中で実施します。1時間の定例会の中で、チームごとに監査の内容と手法を決定して実行、翌月に報告をする、という流れです。
具体的には、以下のようなスケジュールで進めました。
2月 フォローアップ監査①準備
3月 フォローアップ監査①結果報告&フォローアップ監査②準備
4月 フォローアップ監査②結果報告&テーマ監査①準備
5月 テーマ監査①結果報告
6月 テーマ監査②準備
7月 テーマ監査②結果報告
8~9月 本番監査準備
10月 本番監査実施(1DAY)
このように、段階的に監査の難易度や関与度を向上させ、かつ実施時間を限定することで、最小限の負担で最大限の効果を発揮できるような仕組みとなっているのです。
「見える化」活動を一回りして、現在。
ニュートン流内部監査「見える化」活動に監査メンバーとして参加した1年目に感じたことは大きく2つありました。
1. 「見える化」の活動は、会社にも自身のスキルアップにも役立つ
監査では、監査メンバーが疑問に思った社内ルールや遵守状況について、社内の状況を確認するために社内アンケートやインタビューを実施します。そのうえで担当部門に対し、現状の説明、課題だと感じることを確認して頂き、是正処置をとるかどうかを検討してもらいます。
この活動の中で、担当部門や社内の関係者から「このような視点で考えたことはなかった」「こういうデータはとても助かる」といった声をいただいたり、監査結果を受けて社内ルールが改善されたりしたときは、まさに「役に立つ活動ができている」と感じました。
また、活動を通してトップの視座や監査活動の基本を学ぶことで、自分がコンサルタントとしてお客様のご支援をする際に必要な視点も身に着けることができました。
これらのことから、会社にも、自身のスキルアップにも非常に役に立つ有意義な活動だったと実感しています。
2. 1年やってみたけれど、活動の中でわからない部分がかなり多かった
初年度の活動は、年間を通して、残念ながら属人的な活動になっていた印象が非常に強かったです。全体の進行はもちろんですが、一つ一つの監査の進め方や考え方について、チーム内で経験のある人から逐一説明を受けて進めていました。これがマニュアルになっていれば、確認した上で分からないポイントを整理すればよかったのですが、昨年はマニュアルの整備が済んでいなかったこともあり、右も左もわからないところから、口伝で教わる非効率な状態でした。
上記のような実体験を踏まえ、事務局としてアサインされた2年目は、これらの課題解決の役に立ち、より実効性のある活動にしたいという思いで活動をしています。中でも私が力を入れたのは、マニュアルのアップデートです。これまでは口伝で引き継がれてきた部分もあった見える化の活動について、意義や実施事項を明確にすることで、監査メンバーの理解を促進し、主体的に活動してもらえるようになったのではないかと思います。
現在導入中の施策の効果は現在も検証中ですが、監査メンバーからのアンケートには前向きな意見も多く、良い成果が出せているのではないかと感じています。
見える化チームに初めてアサインされたときは、こんな難しそうなことは絶対にできないと思っていた自分も、活動を通して内部監査への理解が深まり、誰かに自分の言葉で説明ができる程度には成長できたと実感をしています。
まだまだ不勉強な部分も多くありますが、この経験を活かし、ご支援を通じて皆様のお役に立てるよう日々精進してまいります。
内部監査と聞くと、難しくてベテランや専門知識のある方が担当するイメージがあるかもしれません。ニュートンでは、知識がない状態からでも学びながら実施することができ、若手では滅多にない経験を得る機会があります。
ちなみに、ニュートンはこの独自の「見える化」システムのお客様への導入支援もおこなっております。自社の内部監査の刷新、それに加えての社員のスキルアップ、全社の一体感の醸成などをお考えの方は、是非一度ご相談ください!