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「つくる」ことに向き合うのが好き。UXデザイナーが見ている景色

ニューロマジックの仲間を紹介!
入社14年目、ディレクターやプロジェクトマネージャーも経験し、現在はUXデザイナーとして活躍している飯川光明さん。

UXデザインのみならずUIデザインの勉強会も開催しており、幅広い経験を持つ飯川さんに、UXデザイナーのお仕事について語ってもらいました!

ーーニューロマジックに入社した経緯を教えてください

2007年2月に入社したので、もう14年目になりますね。大学院を修了後、1社目の就職で、以来ずっと当社にいます。
就職前は仙台で文系の大学院生をやっていました。本当は研究職につきたかったのですが、それで食べていける見通しが全然たたなかったんですよね。

元々デザイン関係は学業とは別に独学でやっていて、音楽イベントのポスターやフライヤー、CDジャケットのデザインやWebサイトのデザインをやっていました。ある時期から、とある仙台のバンドの専属デザイナー兼スタッフになって、その頃にイベントを通じて仲良くなった東京のバンドが、現在COOを務めている木村くんのバンドでした。

その後、私が手伝っていたバンドが解散することになり、その解散ライブに木村くんも来てくれていて。打ち上げで一緒にビールを飲みながら、木村くんは最近なにしているの、と聞いたら、東京のWebの会社(ニューロマジック)に就職したのだと聞いて。とても楽しそうに話をしていたのを見て興味がわき、自分もぜひ!と紹介してもらったんです。

面接にはかなり緊張して向かったのを覚えています。でも、築地のオフィスにスーツを着て行ってみたら、代表の黒井さんは白いTシャツにGパンというフランクな感じで現れて。面接のあとは居酒屋につれて行かれました(笑)。今よりだいぶゆるかったですね。


ーー入社当時のお仕事〜現在のお仕事について教えてください

ディレクターだった期間が長いですね。途中、プロジェクトマネージャーに肩書きを変えていましたが、プロジェクトの牽引役というより、制作物品質に責任をもつ立場としてのディレクターに肩書きを戻しました。「つくる」ということに向き合うのが好きというか、自分の性分にあっているように感じています。

プロジェクトマネージャーからディレクターに戻った頃からですが、社内で俗人化していた情報設計の領域のスキルについて、分解したりメソッド化したりできないものか意識的に向き合うようになって、あれこれ勉強し直すようになりました。これが今、あちこちで活かせているなと感じています。

現在はサービスデザイナーと並走して、サービス設計とデジタルデバイスの体験設計をうまくつないで形にしていくところを主軸として活動しています。が、それ以外のところにも手を伸ばしがちというか。UIデザインも自分でやってたりしています。あれこれ担当しすぎて忙しくしていることが多いです(笑)。

UXデザイナーは、複数の専門性の越境者

ーーUXデザイナーのやりがいはどんなところでしょうか?

UXに関する技術や方法、スタンスというのは、まだ各々が試行錯誤してやっている段階から脱していないように感じています。言い換えると、工夫や改良の余地や、新しい視点を持ち込むチャンスはまだあるように見えます。自分なりに新しい道を切り開いていけることは、この領域にたずさわることの大きな魅力なんじゃないでしょうか。

これは私の考えですが、「UX」についての手法やスタンスがなかなかわかりやすくならないのは、当事者のもともと専業としていたドメインだけでは成立できなくて、スキルが複数の専門分野にまたがる必要があるからではないかと思っています。自分の得意領域の外に出ていかないといけなくなって、そこで、それぞれの状況や個性に応じた独自性が生まれているような印象を覚えています。

「UXデザイン」というのは、プロダクトやデバイスのユーザビリティ研究の延長で生まれた言葉とされていて、つまり、その出自が工学的な領域にあります。他方で「UXデザイン」が大事にする人間中心設計にとっては、どちらかというと人間の心にアプローチする人文科学的な手法が重要そうに見えます。定性的な調査によるユーザー属性とコンテクストの理解というのは、文化人類学や社会学、心理学といった学問分野の専門領域に蓄積された知見に学ぶことが多いはずなんですね。だから、出自からして越境せざるをえない背景がある。

ところで、実は私は学生時代に学んできた学問分野というのが、文化人類学、社会学、宗教学、哲学やメディア論、記号論といったものだったのですが、最近これが実務とつながりまくっていて、なかなか頭の整理が追いつかない状況です。まさか今更こんなことになるとは、と思いながら、とても楽しくやっています。


ーー飯川さんはUIデザインの勉強会も行われていますが、始めたきっかけはなんだったのでしょうか?

先述の通り、社内で情報設計領域のスキルが俗人化していると感じていて。この領域のスペシャリストはいるのですが、その人たちの後続がなかなか育たなかったんですね。

そこについて、わたしが自分自身でできることを考えてみたいと思い、情報設計、UIデザイン、UXデザインについて、自分なりに色々と勉強していきました。実案件で試行錯誤する機会にも恵まれまして、社内でも色々と発信していく機会が増えていきました。

あるとき、インタラクションデザイングループ(WEBデザイナーやエンジニアなど、実制作担当が所属するグループ)から、UIデザインをテーマにして語ってほしいという依頼をもらいまして、そこで社内のデザイナー向けに私が概観している状況と課題感をまとめて紹介したところ、みんな凄く興味を示してくれて。これが勉強会立ち上げのきっかけとなりました。

ここから、ニューロマジックのUIデザインの幅が少しづつ広がっていければと期待しています。


ーー飯川さんから見たニューロマジックの魅力はどんなところですか?

学習の再現性を意識した社内プロジェクトがいくつか走っていまして、自分の能力を伸ばしたいと考えていらっしゃる方にとってはよい環境だと思います。
つい先日は、UXデザインについて学習できる社内大学的なプログラムがスタートしました。意欲的な方であれば、短期間で多くのことを学ぶことができる環境が整いつつあります。

魅力というと、社員のヒトがいい、というのは、ほかでも言われていますね。
相手と自分の価値観や背景が異なることを前提に、互いの立場を尊重したコミュニケーションをできる人ばかりです。

ちょっと話がそれるのですが……以前に「空気を読め」の「空気」を英語に翻訳すると「Invisible Law」あるいは「Uncontrollable Justice」になる、というのをどこかで読んだことがあります。私はオタク気質の理屈屋で、価値観が周囲とフィットしないことが多い人間でした。なので学生時代は企業でスーツを着て働く自分をイメージしようすると、そんな「空気」のなかでうまくやっていける気がしなくて、絶望的な気持ちになったものでした。
ですので、ニューロマジックにこれてよかったと本当に思います(笑)。

自分で考え、アウトプットする機会を増やすことが大切

ーー様々な案件に携わられている飯川さんですが、ご自身が成長できたと感じた案件があれば教えてください

私は社歴が長いほうですから、自分の成長について振り返ると、プロジェクト単位では枚挙にいとまがありません。
ですので、ちょっとご質問から角度をずらした回答をさせてください。

私の場合は、自分が考えたことを言葉でアウトプットすることが増えた結果、成長が急に加速したように感じています。社内のチャットやブログなどのスペースでアウトプットを増やしたことから顕著になったように思います。

少し抽象化してお話しします。インターネットのおかげで、ヒトはさまざまな「知識」に簡単にアクセスできるようになりました。しかし、自分にとって、外にある「知識」はそこにあるだけでは、なかなか大きな価値を発揮しない。「知識」は自分の頭の中に入れることで価値が生まれるチャンスができる。

目の前の課題や問いに向き合っている状況で、自分の意識の中で新しい知識の組み合わせを試していく、この過程で「知識」は新たな「知恵」や「見識」に昇華していきますが、これが意味や価値の生成に大きく貢献していくように見えます。

具体的な話に戻りますと、私には読書をする習慣はあったのですが、これについて自分の視点で捉え直して、自分の言葉で語る、という機会はこれまで少なかったように思います。
これを文章化する習慣ができてから、成長速度が上がったような実感があります。知識を頭に入れるだけでなく、自分なりに頭を使ってアウトプットする機会を増やすことが重要なんじゃないかと感じています。


ーー仕事をする上で大切にしていることを教えてください

いくつかありますが、その中のひとつを取り上げてみますね。

とくに制作現場にあって、プロダクトの受託開発は、工場的なウォーターフォールの分業形態をとることが多いと思いますが、これには弊害があると思っています。というのは、ウォーターフォールの工程は、制作者から「意味」をうばって「作業者」にしてしまいがちだからです。

アジャイル型のスクラム開発プロジェクトを経験したことがある人はわかると思うのですが、うまくいっているスクラムでは、プロジェクトの目指す大きな意味の中で、自分が担っていることの意味とその役割を理解している状態をつくることができます。

自分が貢献している「意味」にちゃんとつながっていることは、その人の生産性に大きく関わることだと思っています。

モチベーションマネジメントの文脈でよく使われる例え話があります。
こんな話です。

レンガを積むヒトが二人いる。
片方は暗い顔を、もう片方は明るい顔をしている。
「何をしているんですか」と問うと、
暗い顔をしているヒトは「レンガを積んでいます」と答え、
明るい顔をしているヒトは「教会をつくっています」と答える。

自分が携わっている活動に「意味」を感じることができるかどうかは、人の活動の生産性につながることです。

ですから、最近はどのようなプロジェクトでも、担当スタッフにできるだけプロジェクトの背景や目的、依頼したいことの意義や意味を伝えることを大事にしたいと考えるようになりました。

プロジェクトに参加するスタッフたちに「レンガを積んでいる」のではなく「教会を作っている」と感じてほしいと思って、そのように工夫したいと考えています。
言うは易しで、反省することも多かったりしますが……。


ーー飯川さんの今後の展望を教えてください

ぼんやりしていますが、大きくは2つの流れをイメージしています。

ひとつ目は、実務家として、今後も多くのプロジェクトで価値を生む動きをしていきたいと考えています。

ふたつ目は、自分がかつて学んでいた学問領域に最近の実務が接近してきました。これをうまく紐付けて何かを結実させたいと考えているところです。
それがどんな形をとるのかまでは、まだ見通しが立っていないので、これから考えていきたいです。


ーーどんな人と一緒に働きたいですか?

相手に向き合った「対話」ができる人が望ましいです。

我々は多くの場合、さまざまなスタッフと一緒にプロジェクトを成し遂げなくてはいけません。関わるスタッフ間のコミュニケーションの共有の仕方は、個々人の生産性に大きなインパクトがあります。相手が受け止めやすく、そして相手の意見を引き出すコミュニケーションができる、というのはとても素晴らしい能力だと考えています。

さて、それ以外には……今のところはビジョンがありません。

どんな人と仕事をすると面白いことになるのかは、やってみるまでは意外とわからないからです。一緒に働いてみたら、思いがけない共感や、思いがけない組み合わせのアイデアが生まれるかもしれません。
面白いアイデアや偏った愛を持ち込んでくれる人は大歓迎ですね。

ニューロマジックは「得意なことを生かしながら様々なことを経験できる」環境

ーーUXデザイナーを目指している人に一言お願いします

「UXデザイナー」は、複数の専門性の越境者であることが求められていると思っています。理想を考えると、マスターしなくてはいけない領域はビジネス、デザイン、エンジニアリングに加えて、自然科学や人文科学の複数の学問領域にもまたがるはずです。完璧を求めれば際限がなく、必要なスキルの体系だった定義も、現時点では難しそうだなと思っています。
と、高すぎるハードルを掲げてがっかりする必要もないでしょう。そんな完璧超人はほとんどいません。

実際のところ、デザインやエンジニアリングなど、自分がそれまでドメインを置いてきた専門領域を足掛かりに、他の領域についての知識と経験を積み上げていこうとしている人々が、この肩書きを名乗っているのが現状なんだと想像します。

プレイヤーたちが互いの専門性を補完しつつ、求められるの能力を広げることと深めることのバランスを取りながら伸ばせばよいのではないでしょうか。

それ以外で、個人的に大事そうだなとよく思うこととしては、次のようなことがあります。

  1. 抽象的な事柄を言語化していく能力。
    扱う対象たちの意味を抽象化しなくてはいけない場合が多く、ぼんやりしたものを言葉に固定して、ステークホルダーとそれを共有することで、これを足掛かりとして次の思考へ前進させる、ということがとても大切です。
  2. プロセスや手法、アウトプットについて試行錯誤し、向上させていこうとする姿勢。
    何か決まったフレームの技術を身につけて繰り返し行使するだけではなく、柔軟性が求められます。
  3. 興味があるところ面白がって広げていったり、深掘りしていける意思と行動力。
    UXデザインに限らず多くのことに通じることですが、探究心を持ち続けることが大事です。

現在の社内のサービスデザイナー/UXデザイナーたちはそれぞれ得意領域が違っていて、お互いを補完するような仕事の仕方をしています。ですから、協力しながら互いに学ぶことがとても多いです。「得意なことを生かしながら様々なことを経験できる」環境といってよいと思いますので、きっと学べることもやりがいもありますよ。

これからのニューロマジックを背負っていくUXデザイナーの方とお会いできるのを、楽しみにしています。

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