DCON2025 豊田工業高等専門学校 "NAGARA"が企業評価額7億円で最優秀賞受賞
「日本から世界へ新しい技術を生み出していくことは重要であり、その主役は高専生」様々な社会課題の解決、地方産業の活性化に向けたプロダクトとビジネスプランが集結し、社会課題の解決からエンタテインメントまで多様な提案が出揃う「第6回全国高等専門
https://dcon.ai/news/20250510001/
“やりたいことに専念して、人と人とのつながりを最大にする”
この言葉を掲げ、介護業界の記録業務をAIで支援する「NAGARA介護」を開発する株式会社NAGARA。
創業者でありCEOの岡田一輝が語るのは、介護とテクノロジーを「人と人のつながりを最大化するための手段」として再定義する挑戦だ。
私が「NAGARA」を立ち上げたきっかけは、高齢者と介護士、人と人とのつながりを最大にすることで、社会に大きなインパクトを与えられると感じたからです。
創業の経緯は6年前にも遡ります。
高専に入学した当初、私はプログラミングが得意ではありませんでした。そんな中で気づいたのは、同じ教室の中でも「技術を使いこなせる人」と「そうでない人」の間に大きな情報格差があるということでした。
しかし、日本全体で見れば、自分はまだ「技術を使える側」にいる。そう思ったとき、「AIなどの最先端技術は、社会の多くの人にまだ届いていないのではないか」と感じました。
そこから“デジタル格差”というテーマに強い関心を持ち始めました。
留学を経て、海外では日本よりもデジタル活用が進んでいる現実を目の当たりにし、「日本は取り残されている」と痛感しました。
そんな時、私の祖父が要介護になり、趣味もできず鬱気味になってしまったのです。ところが、私がプレゼントした任天堂の「Wii」を通して再び笑顔を取り戻しました。
この経験から、「デジタルが苦手な人でも、テクノロジーは幸せを届けられる」と確信しました。
そしてたどり着いたのが介護現場です。初めて訪れた施設では、介護士さんが人差し指でタイピングをしながら、パソコンに向かって記録を作成していました。その姿を見て、「これでは人手不足は解決しない」と強く感じました。
しかし彼らは、「利用者と直接話して“ありがとう”と言われる瞬間が一番うれしい」と話してくれました。
だからこそ思いました。
“優しいテクノロジーで、事務作業の時間を「介護に専念できる時間」に変えよう。”
その想いで「ながらかいご」を事業化しました。
人手不足が叫ばれている一方で、現場ではデジタル化によって“紙よりもパソコンに向き合う時間が増えている”という現実がありました。
実際私たちが介護施設に赴いてヒアリングを実施したところ、介護士の業務時間の約33%が記録・共有作業に割かれていることが判明しました。
人手不足を解消したい、ケアに専念できる時間を増やしたい、介護業界にいる方の思いとは裏腹に、
介護士が利用者に向き合う時間は、デジタル化によって改善されていない。
そこに、私は強い課題と違和感を覚えました。
私たちのミッション・ビジョンは「やりたいことに専念できる社会を実現する」そして「人と人とのつながりを最大にする」ことです。
介護士の多くは、利用者と向き合い、「ありがとう」と言われることに喜びを感じます。
しかし現実には、記録作業や事務処理が膨大で、時間の多くがそこに奪われている。
経営者も本当は現場のケアに専念できる時間を作りたいのに、業務効率化が進まない。
この状況を変えるには、テクノロジーを“自然に恩恵を受けられる形”で届けることが必要だと感じました。
その結果として「やりたいことに専念できる時間」が増え、介護士と利用者のつながりが深まる。
そんな社会を実現するために、私たちは“デジタルを意識しなくてもデジタルの恩恵を受けられるプロダクト”を作っています。
私は「必ずこの介護業界を変える」という覚悟を持っています。
その決意を形にするため、「期待を超えます」と宣言し続けています。
理由は2つです。
1つ目は、社会に大きなインパクトを与えるには“圧倒的な成長速度”が必要だからです。
そのために、私は周囲への宣言を通して自分自身のハードルを上げ、常にそれを超え続けることで日本一の成長速度を実現します。
2つ目は、仲間にも同じ想いを共有したいからです。
「期待を超え続ける」という言葉を発信することで、チーム全体に「自分も挑戦しよう」という文化が生まれる。
私はその循環が、組織を強くし、ユーザーに最高の体験を届ける原動力になると信じています。
それは全国の高専間でのビジネスコンテスト「DCON2025」で優勝したときです。
顧客の前で何度もプロダクトを見せ、「本当にすごい」と言っていただく中で、「これを社会実装しなければ意味がない」と感じていました。
投資家や起業家の方々から「この事業には社会を変える力がある」と言葉をいただいた瞬間、自分の描く未来が現実になると確信しました。
そのとき、初めて「期待を超えられた」と感じました。
私は「日本一の成長速度を出す」「期待を超える」文化を根付かせるために、
「とりあえず始める。始まったら終わる。」という言葉を大切にしています。
これは「ながらかいご」を始める前の高専時代からの合言葉で、「とにかく始めてみればやり切れる。一番難しいのは始めること」という意味です。
まず動くこと。
この姿勢をチーム全体に伝えることで、メンバーが自分ごととして課題に挑み、改善を重ねていく文化が生まれました。
一番苦しかったのは、資金調達を始めたときです。
何もわからない状態で挑戦し、投資家から「再現性がない」「事業として弱い」と厳しい言葉をいただきました。
夢見た社会が遠のくようで、本当に辛かったです。
実はすぐにオファー自体はいただいたのですが、私は「指摘は改善のチャンス」と捉え、あえて30社以上の投資家を回りました。
その過程で事業の解像度が上がり、自分たちの強みも明確になりました。
「どんなに苦しくても、夢に真摯に向き合えば必ず道は開ける。」
その信念が、今の自分を支えています。
現在は「株式会社NAGARA」のカルチャーづくりに力を入れています。
豊田高専の仲間で始めた会社ですが、介護業界を変えるにはもっと多様な視点が必要です。
今は新たな仲間の採用を進め、共に文化を作る段階にあります。
「とりあえず始める」「自分ごとで考える」といった行動指針を浸透させ、どんな規模になってもブレない組織を目指しています。
3年後、「ながらかいご」を“決定版の介護ソフト”として確立させたいと考えています。
現時点でも使いやすさには圧倒的な自信がありますが、まだ対応しきれていない業務領域もあります。
後発だからこそ、すべての業務をカバーする“完全版”を目指しています。
「介護ソフトといえば『ながらかいご』」
そう言われる存在になることが、3年後の目標です。
私にとって「NAGARA」は、人生そのものです。
この会社をつくるために多くを選び、多くを捨ててきました。
それでも私は、社会を変えるという夢に向かって全力で走り続けます。
10年、20年先も、この理念を信じて行動し続ける。
だから「NAGARA」は、私の人生そのものなんです。
岡田の言葉の端々から伝わるのは、「テクノロジーで人と人とのつながりを最大化する」という信念。
彼にとって“NAGARA”とは事業ではなく、生き方そのものである。
次世代の介護を担う若きリーダーが描く未来は、ただの効率化ではなく、「人が人らしく向き合える社会」なのかもしれない。
今回は、株式会社NAGARAのCEO、岡田へのインタビュー記事を作成しました!
今後はほかの役員のインタビュー記事も公開していきます。
今回の記事を読んで少しでも弊社に興味を持っていただけたのなら、ぜひ下記リンクより私たちとお話ししましょう!