こんにちは。
MOON-X Japanイノベーションテクノロジー部で部長をしている、ken-chanです。
共創型M&Aによって、複数のブランドを仲間に迎えながら急成長を続けるMOON-X。ブランドが増えるごとに、ECプラットフォームや物流システムも増え続けます。
この記事では、単一ブランドの最適化では絶対に味わえない、事業ポートフォリオ全体を支えるプラットフォーム設計の醍醐味と、今まさに僕たちが向き合っているリアルな挑戦についてお話しします。
「カオス」を構造化する設計にワクワクする方は、ぜひ最後までお付き合いください!
共創型M&Aとは 参画するブランドや社員の強み・経験・ノウハウを最大限に活かし、MOON-Xの経営資源や専門人材と掛け合わせていくことで、ONE Teamとしてブランドのさらなる飛躍と持続的な成長をともに目指すアプローチです。
ken-chan MOON-X Japanイノベーションテクノロジー部 中央大学卒業後、株式会社日立製作所に入社し、通信制御系の大規模プロジェクトの設計・開発に従事。2016年に神田通信工業株式会社に入社後、ハズキルーペの国内・海外テレビ通販の開発責任者に就任し、1ヶ月半の短期間でECサイト構築、その他国内・海外のコールセンター、営業、業務支援システム等多数のサービスの立ち上げを経験。2020年11月にMOON-X株式会社にTechnology部のマネージャーとして入社。
目次
- はじめに
- 単一ブランドでは経験できない「プラットフォーム設計」の面白さ
- 具体的な取り組み例
- ① 事業の心臓部の移行
- ② 全ブランドを繋ぐ共通データ基盤の構築による、データドリブンな意思決定の実現
- ③ ブランド事業が増えても成立する業務基盤をつくる
- 今、MOON-Xにジョインしてほしい理由
はじめに
MOON-Xは、共創型M&Aによって複数のブランドを仲間に迎えながら、独自のビジネスモデルで急成長を続けてきました。その度に、ECプラットフォーム、物流システム、CRM、データ基盤、業務フローといったシステムや設計すべきものが増えていきます。その中で解くべき課題も増えていきますが、僕たちはその複雑性こそが面白いと考えています。
現在、グループ内では以下のようなシステムが並行して稼働しています。
- ECプラットフォーム基盤: 4種類以上
- 受注管理システム(OMS): 4種類以上
- 倉庫管理システム(WMS): 5種類以上
ブランドごとに最適化されてきた結果、商品管理の考え方も、受注の流れも、在庫の持ち方も異なります。同じ「在庫」や「売上」という言葉でも、システムごとに定義や更新タイミングが違います。それが僕たちの向き合っている今の環境です。
ただ、これは整理できていない技術的負債ではなく、それぞれのブランドが成長してきた歴史そのものです。僕たちの仕事は、単に古いシステムを新しくすることではありません。
「ブランドが増えるほど強くなる企業グループ」を、技術で成立させること。
それが僕たちのミッションです。
単一ブランドでは経験できない「プラットフォーム設計」の面白さ
一般的な事業会社であれば、売上を伸ばす、機能を追加する、パフォーマンスを改善する、コストを削減する、といったテーマが中心になります。もちろんそれも非常に面白い仕事です。
しかし、MOON-Xには別の面白さがあります。それは「ブランド事業が増え続けること」を前提にシステムを構築する必要があるという点です。つまり、単一サービスの最適化ではなく「事業ポートフォリオ全体を支えるプラットフォームの設計」が求められるのです。
全体を俯瞰し、共通化すべき要素、個別最適として維持すべき要素、そして将来的な資産として再利用可能にする要素を見極め、全体を支えるアーキテクチャを設計すること。
事業ポートフォリオそのものを設計の対象にできるというスケールの大きさは、共創型M&Aを推進するMOON-Xだからこその醍醐味と言えるでしょう。
具体的な取り組み例
①事業の心臓部の移行
今まさに進んでいる大きなプロジェクトのひとつに、あるブランドのEC基盤移行があります。一見すると「ECカートシステムの移行」ですが、その実態はビジネスの根幹に関わるプロジェクトです。
カートシステムの裏側には、定期購買顧客、CRM、決済、受発注・配送・在庫管理、会計、顧客との接点、各種業務オペレーションが複雑に絡み合っています。そのブランドの売上の大部分を支える基盤であり、数万人〜数百万人規模の顧客データや定期購入情報も含まれているため、事業の心臓部と言っても過言ではありません。
もし移行に失敗すれば、売上だけでなく、顧客体験も業務オペレーションも大きな影響を受けます。そのため技術的に正しいだけでは不十分で、事業として成立する移行を設計する必要があります。
整理したバックエンド要件は100項目以上に及びます。しかし、本当に難しいのは項目数ではなく、それぞれの要件の裏に現場の業務や顧客との約束が存在することです。移行時には約1.5日のシステム停止を想定しながら、事業影響を最小化する設計を進めています。
ここで重要なのは、カート移行そのものではありません。「次のブランド事業がジョインした時にも使える共通レシピ(プラットフォーム)を作ること」です。ある単一ブランドの成功にとどまらず、グループ全体の再現性を作るための基盤を築いています。
②全ブランドを繋ぐ共通データ基盤の構築による、データドリブンな意思決定の実現
もうひとつ、取り組んでいるのがデータ統合です。
共創型M&Aを通じてブランドポートフォリオを拡大してきた僕たちにとって、ブランドごとに物流会社も倉庫も異なり、言葉の定義やデータの持ち方が違うのはごく自然な状態です。
ただ、経営や事業側が必要としていることは、バラバラなデータそのものではなく、スピード感のある「意思決定」のための判断材料です。
- 今、在庫はいくつあるのか
- どの商品が伸びているのか
- どこで欠品リスクが発生しているのか
- グループ全体で見ると何が起きているのか
こうした問いに対して、誰もが同じ数字を見ながら意思決定できる状態を作りたいと考えています。それができなければ、ブランド横断での意思決定も、成長への投資判断もできません。
しかし現実には、ブランドごとにデータの持ち方も更新タイミングも異なります。だからこそ、ブランド横断で利用できるデータ基盤を構築しています。
本当に面白いのは、「最初からマルチテナント(複数ブランドの追加)を前提に設計すること」です。後付けで対応するのではなく、ポートフォリオ全体を支える基盤を最初から考え、仕込んでいく。ここにアーキテクトとしての醍醐味があります。
作りたいのは、ブランドが増えるほど強くなるプラットフォームの土台としてのデータ基盤です。
③ブランド事業が増えても成立する業務基盤をつくる
ブランドが増えると、システムだけでなく業務も増えます。これまでは各ブランドがそれぞれのやり方で成長してきました。
それが強みでもある一方で、グループとして大きく成長していくには、ブランドが増えていくにつれて「誰が見ても同じ数字になること」「同じ品質で業務が回ること」「新しいブランドがスムーズに組み込めること」が重要になります。
単なるツール導入ではなく、複数ブランドを支える共通基盤をどう設計するのか。ブランドごとに異なる業務フローやデータ構造を整理しながら、どこを共通化し、どこを個別最適として残すのかを考える仕事です。システムを作るというよりは、「事業の共通言語を作る仕事」に近いかもしれません。
統一するだけではなく、目指しているのは、あくまで「ブランドが増えても成立する仕組み」づくりです。
今、MOON-Xにジョインしてほしい理由
ここまでECカート移行、データ統合、業務基盤整備とさまざまな話を挙げましたが、本質的にはすべて同じテーマ、「ブランドポートフォリオの拡大を、強さに変えるプラットフォーム」を作る挑戦です。
あるブランドで生まれた成功体験や仕組みが、別のブランドや次に仲間になるブランドでも再利用・活用できる。個別最適の成功体験を、グループ全体の資産に変えていくためのプラットフォームを作っています。
そして今は、まだまだ伸び代だらけ。正直、未完成な部分もたくさんあります。 これまではブランドごとの最適化を積み重ねてきましたが、これからはグループ全体の最適化を考えるフェーズに入ります。
つまりこのタイミングで迎える方は、完成したシステムの運用者ではありません。次の10年を支える基盤を、ゼロから一緒に設計していく存在です。
完成された環境で最適化を続けるより、まだ誰も正解を持っていない課題に「設計の力」で立ち向かいたい。そう思える方には、きっと最高に面白い環境です。少しでもワクワクした方は、ぜひ一度カジュアルにお話ししましょう!
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
※ この記事は、2026年7月14日にnoteに投稿した記事の転載です。
元記事はこちら:https://note.com/moonx/n/n78952ca9810d