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Legal Techで法務従事者の明るい未来を作りたい法務経験者の話

皆さん初めまして。
すべての合意をフェアにする、MNTSQ(モンテスキュー)の阿部です。

この投稿は、いわゆる「入社エントリ」というもので、司法浪人後にやっとのことで企業法務の職に就いて5年間のキャリアを積んできた私が、何を思ってCLM(契約ライフサイクルマネジメント)のAI SaaSを提供する会社に転職し、入社後1か月でどんな感じで働いているかを紹介します。

特に、転職を検討されている法務職の方やLegal Tech分野に興味がある方の参考になれば幸いです。

〈自己紹介〉

司法浪人からの就職

私は、もともと弁護士を目指しており、法科大学院を卒業して、司法試験を受験していました。
講義やゼミは好きだったのですが、どうも一人でしこしこと短答対策したり何時間も答案書いたりすることが性分に合わず、司法浪人をしても結果を出すことができませんでした。
まだ何年かは受験できたのですが、社会から取り残される感覚に耐え切れず、30歳手前にして初の就職活動を始めました。

司法試験は諦めたものの、「せっかくだから法律を生かした仕事を!」「でも、パラリーガルは弁護士と近すぎて卑屈になりそうだうからイヤ!」という発想で、企業法務一択で就職活動しました。
が、社会人経験もフレッシュ感もない私が、すんなり採用されるわけもなく、就職活動は半年ほど紆余曲折を経て、なんとかデジタル広告を取扱うベンチャー企業で、法務としてのキャリアをスタートすることができました。

企業法務

私の最初の業務は、社内に山のように積まれた紙の契約書をデータベース化することでした。数千部はあったであろう契約書を一枚一枚スキャンし、相手方や期間、自動更新・中途解約の有無などをデータベースに打ち込んでいくというひたすら地道な作業をする日々が続きました。

そんな地道な作業と並行しながら、先輩法務部員の契約書作成のヒアリングに同行したり、簡単な契約書のレビューが自分にも回ってくるようになりました。成長中の企業だったので、事業拡大のスピード感とともに、気が付けば、新規サービス立ち上げの相談、利用規約のドラフティング、債権回収、商事法務、社内規定管理、子会社への週1常駐、後輩社員のマネジメントなどなど、短期間で順調に法務関連のいろいろな業務に携わっていくことができました。

そしてMNTSQへ…

そのベンチャー企業で法務を5年間経験したのち、2022年8月1日付で、MNTSQにLegal Professional(※)として入社しました。MNTSQに入社した理由はまた後述しますので、先にMNTSQの紹介をさせてください。

※Legal Professional:
プロダクトにどんな機能を実装すれば価値を提供できるかユーザー目線に立って検討し、その機能に必要なアルゴリズム開発のためのマニュアルを定義(契約書のどの文言をどういう情報として拾う必要があるかを言語化する)していく役割です。

〈MNTSQとは〉

MNTSQは、「すべての合意を、フェアにする」 ために、「テクノロジーで契約のインフラをつくる」 ことを目的として働くプロフェッショナル集団です。

もう少し法務経験者なりの解釈をいれると、
MNTSQは、長々とした契約交渉から関係者を解放することで社会の生産性をあげるために、だれでも一瞬でフェアな合意(※)をできるような「理想の契約業務」を追究しています。
その理想の契約業務を実現するプロダクトをつくるために、「必要な課題を自律的に提案し、解決し続けていく」専門家たちが集まった会社、だと捉えています。

※フェアな合意:
ここでいうフェアな合意というのは、すべての条件を中立にする、という形式的なものではなく、法務的な知見がないことや両者のパワーバランス等を原因とした不合理な条件が含まれず、一方当事者に不利益な条件があってもお互いにそれを理解して受入れた上での合意をいいます。

世の法務パーソンも、日々、業務の品質向上や効率化の検討をしていると思います。
ただ、法務パーソンは基本的に最低限のリソースのなかで様々な業務に追われているので、なかなかそうした検討も捗らないのではないでしょうか。

効率化のための社内開発を依頼しても、「売り上げに直結するものではない」と後回しにされがちで、「よし、それなら、自分たちだけでやろう」と、手元のスプレッドシートや既存の案件管理ツール等で試行錯誤しても、エンジニアリングに明るい人は少ない世界なので、色々な壁にぶつかってしまうことが多いかと思います。そうなると、もはや、ある程度の非効率には目をつぶって「これまでのやり方」でやむなしと考えてしまっている法務部が多いのではないかなと…。

MNTSQは、そうした未だ正解のない「理想の契約業務」とはなにかを本気で考え、その理想の契約業務を実現させるために必要なプロダクト機能は何か、そのプロダクト機能を開発するために必要なものは何か、を全社員が向き合って最適解を模索しています。(ざっくりとしたMNTSQプロダクト概要はこちらから)

〈転職経緯〉

転職活動開始

上記の通り、私はベンチャー企業で5年間、一通り契約法務、商事法務、知財法務や後輩指導を経験したところで、若干の停滞感を覚えて転職活動を始めました。(他にも業務量がとんでもないことになっているのに法務人員が増えない等、会社に対する不満もありましたがw)

5年程度で法務を極めたとは微塵も思っておらず、まだまだ成長できる余地があると考え、転職活動を始めた頃は、法務としてのキャリアを伸ばしていく方向で、異業種の法務職の募集を探していました。

ただ、「異業種の法務」で探していても、特に自分自身に好きな業界や気になる会社があるわけでもなかったので、「転職の軸」というものがなく、採用ページやスカウトを見ては、「待遇いいなぁ」「英文契約書が多いのはちょっと大変そうだなぁ」「本格的にマネジメント始めてみたいなぁ」くらいの感想は抱くものの、ピンとくるものがないまま、漫然と転職活動を続けていたところ、MNTSQからのスカウトメールを受け取りました。

プロダクトの開発や顧客対面に携わるという、考えてもいない職種でのスカウトだったので「面白い仕事のスカウトがくるもんだなぁ」と思い、最初はスルーしていたのですが、なぜかものすごく心に引っ掛かるものがあり、他の会社の採用ページをみても、「このまま法務を続けるのとMNTSQとどっちが楽しそう?」といつの間にか転職の基準として考えていました。

自分が本当にやりたいことは何か

その引っ掛かりがどこから来るものか、本当に転職してやりたいものは何だろうか、と悩んでいたときに、「やりたいことの見つけ方」的な書籍を参考に、自身の過去の業務を棚卸しました。

前職では、『法務部の残業量を減らせないか』という永遠のテーマがあり、そのために、法務部内のナレッジをもっと有効活用して業務を効率化できないか、各メンバーの工数把握をしてどこになぜ時間がかかっているかを洗い出せないか、という視点から、法務部内の業務改善を検討していました。

ただ、ナレッジを検索性のある形にするのが難しく、結局手動で検索タグやまとめシートを作ろうというような決着になったり、
工数を見える化するためにさらにメンバーの工数がかかってしまったり、
そもそも法務の業務は、外的要因や担当者の経験値で大きく左右されるため数値化しづらい、
ということで、ほとんど上手い成果が出せずに挫折した経験がありました。(このときに、Legal Techの導入も検討しましたが、当時抱えていた課題を解決しようとするプロダクトを見つけることができませんでしたし、これは今でも世の中にはまだ存在していないんじゃないかと思っています)

時間さえあれば、新規事業の相談にもっと寄り添ったり、事業部からの満足度を高める法務業務を提供できるのに、と常に口惜しい気持ちを抱いていましたし、上記の法務部内の業務改善の検討ですら、時間のない中でのアウトプットだったので、「もっと時間があれば、もっと負担がかからないやりかたで業務改善ができたかもしれない」ということが心残りだったことを思い出しました。

結局はこの失敗体験から、あの時に成しえなかった業務改善を、今度は日本中の法務に提供できるんじゃないかと思い、『本当に自分がやりたいのはこれだな』と、スカウト返信期限の最終日にエントリーボタンを押し、そして、今に至っています。

転職を決めた要素はいろいろありますが、もし、転職してバリューが発揮できなかったとしても、法務として培ってきた専門性が数年でなくなるわけではないし、最悪法務に戻ればいいや、と腹をくくれた(むしろ、リーガルテックに精通した法務という意味では市場価値が上がるかもしれない、くらい開き直ってました)ことが、恐れずチャレンジできた一番の理由かもしれませんw

〈入社1か月で感じたこと〉

ベンチャーっぽくない

実際に入社してみて率直に思ったこととしては、創業3年くらいの若い会社ですが、あまりベンチャーっぽくないです。
「ノリでとりあえずガンガン進めて行きましょう!ウエーーーイ」というような(ちょっと古めな)ベンチャー感はなく、地に足がついているというか、着実に全員で前に進もうという感覚があります。

必要な情報資産は最新の状態ですべて一つにまとまっており、On Boarding一つとってもドキュメント化・タスク化されていて、私自身、この一か月、「これから何をしたらいいかわからない」という状況がほとんどありませんでした。
業務に関しても必要最低限のことは探せば書いてあるし、困ったら聞けばいい環境があるから、とりあえずやってみよう、と動き出すことができます。
但し、情報はありすぎる場合もあるので、取捨選択していかないとつらいところはあります。(が、捨てたら捨てたで不安になるので、うまくバランスをとることに慣れるまで時間がかかりそうだなという感覚です。)

社長の熱量

あとは、特に社長の熱量が心地よいですw
軽く質問したら、こちらの疑問点をキャッチアップしてくれたうえで、さらに未来の話を付け加えて熱弁してくれるし、お客さんとの商談や社内 MTGにも積極的に参加してくれるので、この人についていけば大丈夫だなと思えるし、逆に、この人の熱量についていけなくなったらこの会社にはいられないだろうから頑張らなきゃなと思わせる両面がある気がします。

あと、リクエストをしなくても、ちょっとした業務に対して、すごく早くフィードバックをくれるし、ふとした時にポジティブな声をかけてくれるので、入社して一か月の「やれるかな…」という不安を上回る「やってやる!!」という気持ちが沸いてきます。

相互フィードバック

現状、50人程度の規模の会社なので、お互い顔と名前は一致して、とてもフレンドリーな環境ですが、決してなれ合いや依存のような関係にはなっていないと思います。
各々が、プロフェッショナルとして、見て見ぬふりや、意見があるのに黙っているということは厳禁とされており、メンバー間でフィードバックし合うことも求められています。
何を言ってもまずは受け止めようとしてくれるので、心理的安全性も高く、適宜手厚いフィードバックをもらえるため個人としても成長できる環境だなと思っています。

〈まとめ〉

法務はよく車のブレーキにたとえられますが、本来、法務がなすべきことはブレーキをかけるだけでなく、自社の事業や業界について、事業部以上にしっかり理解し、関連する法律を把握したうえで、なるべく早めに危ない障害物がない方向にナビゲートすること、そして、道が開けたらアクセルを踏んで事業推進の後押しをすることができる、やりがいのある楽しい仕事だと思っています。(大部分が前職の上長の受け売りですが)

法務が、事業や人に寄り添った対応に適時適切に工数を投下できるように、MNTSQで法務の自動アシスト機能となるようなプロダクトとなるようなものを作っていきたいなと思っています。

法務から転職してどんな感じだったかについては、もっと細かく具体的にお伝えすることもできますので、もしご興味が沸いた方はぜひお気軽にご連絡ください。
いまのところ転職は考えていないけど、「MNTSQというプロダクトに興味がわいたぞ」という方がいらっしゃれば、こちらからお問い合わせいただければ幸いです。

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