こういう仕事をしていると、年齢問わず色々な知り合いから医療や薬について質問を受けることが少なからずあります。先日尋ねられたのは、「おススメのおくすり手帳アプリ、あったら教えて」というもの。私自身はアプリではなく、いわゆる紙製のおくすり手帳を使用しているため、身近な家族に聞いてみたところ、同年齢の夫も紙製、大学生の長男はアプリ派でした。ちなみに長男がアプリを使う理由は、紙製の場合、持っていくのをつい忘れるからだとか。
一方、私がアナログの紙製おくすり手帳を使用しているのには、いくつか理由があります。まず、各種アプリで既にスマホがパンパンに近い中、これ以上なるべくアプリは増やしたくない。お蔭様で今のところ病気知らずのため、そもそも薬の服用機会があまりない・・・などです。また紙製の方が「後から見返したとき、わかりやすそう」という、やや食わず嫌いなイメージも。
実際、勤め先薬局の患者様を見ても、アプリよりアナログのおくすり手帳を使用されている方が圧倒的に多い印象です。中にはパケ理由?で「あえて紙製」を選ぶ方もいそうですね。今どきのおくすり手帳といえば、人気アニメキャラから美術館の絵画シリーズまで驚くほどバラエティに富み、お洒落なものが多いですし。一方、若い世代中心に、ほぼ何でもアプリ!の生活に慣れている方は、おくすり手帳もやはりアプリ派なのかもしれません。
勤務先薬局では、調剤後に患者様のおくすり手帳にシールも貼っているのですが(※但し「シールは自分で貼るから、貼らないでほしい」という患者様もいらっしゃいます。もちろんその場合は貼りません。ご自分でシールを貼る方は、貼り方一つにもこだわりの跡が見え、それはそれは素晴らしいです)、皆様の手帳を手にするたび、その種類の多さや手帳へのこだわり、細かいメモ記録などに驚くばかり。ご自身の健康管理、病気治療に対する思いなども伝わってきます。
薬局スタッフの立場から、また医療的安全の観点からすると、おくすり手帳にシールを貼る傍ら、
「あれ?!〇〇のお薬も飲んでたんだ」
「ほかの薬局では、××科の薬を処方してもらってるのね」
等の気付きに恵まれることも。他にも入力・調剤前に「この患者さん、ジェネリックで大丈夫だっけ?」「前回どちらのお薬でご用意したかしら?」と確認したいとき、おくすり手帳持参の方であれば、まずは手帳の中身を照らし合わせるケースも実際多いのです。新患であれば他局での過去調剤歴を見ることもありますし、ヘルプ薬剤師から見れば、はじめましての患者さんについてちょっと確認したいことも・・・そんなとき、やはり紙製のおくすり手帳は重宝します。アプリ版だと、患者様ご本人にしかわからず、私達薬局スタッフ側では気付くことのない内容もありそうですよね。
話を元に戻すと、先の質問をしてきた知人の場合、かかっている大学病院では「おくすり手帳アプリ前提で、薬が処方されるため、アプリ選びに悩んでいる」のだそう。アプリを自分で入れにくい高齢者などの場合、一体どうしているのでしょうか・・・。紙版もアプリも、両者それぞれにメリット・デメリットがあるかと思いますが、特にアプリの場合は「使う人にとって使いやすい、使うことのできる」作りや仕様が求められるでしょう。私達mediLabが作るプロダクトも、同様の視点を忘れず「薬局現場にとって使いやすい、使うことのできる」ものを心掛けてまいります。
<2025.10.2 調剤大好きC子>