STORY | メディクルード
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メディクルードが所属しているGenki Groupは、医療・介護福祉・教育領域に加えて様々な法人で構成されています。
今回は、私が半年ほど前から一緒にお仕事をさせていただいている、株式会社G.com foods(2022年12月設立)の高橋さん、大野さんにお話を伺いました!同社は、"食"を主軸にGenki Group内で新しいことに挑戦しています♪
「グループ内にこんな会社があるんだ」「"未来のあたりまえを創る"とはこういうことか」「考え方が素敵だな」と思っていただけると嬉しいです!
1)G.com foods高橋さん、大野さんの紹介
2)会社設立の背景・目的は?
3)主な事業内容を教えてください!
3-1)給食システムの改革
3-2)新しい栄養士像の確立
4)大切にしていることは?
5)現在の課題は?
6)今後の展望
株式会社G.com foods 代表取締役社長
特別養護老人ホーム、保健センターなど経験したのち、NPO法人にこにこmama'sを立ち上げ。埼玉県全市町村63キーマン、埼玉県衛生推進委員、鴻巣保健所管内栄養コンサルタント協会代表、埼玉県こどもの居場所づくり元アドバイザー。約8年間の地域の食・栄養に関わる活動を経て、さらなる社会・地域課題解決のために会社を設立し、鴻巣市議会議員としても活動。
株式会社G.com foods 取締役 最高執行責任者 管理栄養士 公認スポーツ栄養士
㈱レオックで委託給食、介護老人保健施設(120床)にて施設管理栄養士を勤めたのち、国立健康・栄養研究所にて国民健康・栄養調査業務に従事。2018年より国立スポ―ツ科学センターにてトップアスリート・成長期アスリートの栄養サポート・指導者講習等を担当。2023年より現職。給食・栄養士革命プロジェクトリーダー担当。
高橋さん
私がGenki Groupとつながるきっかけとなったのは、開催していた地域(こども)食堂の活動でした。
当時、Genki Groupの学校である関東福祉専門学校をお借りして地域食堂を開催していました。その取り組みを、地域貢献活動を行なっているGenki Groupのフラワーコミュニティ放送の方が目に留めてくださり、私たちの活動をGenki Groupの会長に紹介してくださったんです。
その後会長とのご縁をいただき、「地域のしあわせの駅をグループとして担っていきたい」という想いをお聴きしたことがきっかけで、一緒にお仕事をさせていただくことになりました。
会社設立目的は、5年後・10年後を見据えた、安全で安心な食事を持続的に提供できる体制づくりです。さらに、介護予防も含めて、まずはグループの利用者様から"食の力"で笑顔と幸せを届けていきたいと考えています。
👆地域(子ども)食堂「まちのごはんやさん」開催の様子です♪
大野さん
G.com foodsでは、給食・栄養士革命プロジェクト*を始動し、給食システムの改革と新しい栄養士像の確立に取り組んでいます。
*東京医科大学病院 栄養管理科科長 宮澤靖 先生に顧問として指導していただきながら進めています。
私たちが目指しているのは、5年後、10年後も美味しくて安全な食事を提供し続けられる体制をつくることです。
管理栄養士の本来の役割は、ご利用者様一人ひとりの健康状態に合わせて栄養アセスメントを行ない、栄養バランスのとれた食事を通じて健康を支えることです。
しかし現場では、その役割が十分に果たせなくなるリスクが高まっています。
日本では急速に高齢化が進み、厨房スタッフの年齢層も高くなっています。これからその方たちが引退すると、厨房の運営を支える人材が不足してしまいます。加えて、物価上昇による食材費の高騰が給食の運営を圧迫しています。
実際、委託会社の経営が大変厳しくなっている現場も目の当たりにしています。今後さらに人手不足が進むと、安全管理の手順が疎かになり、食事の安全・安心が損なわれる恐れもあります。
こういった状況で、給食を外部の業者に依頼する「委託」が難しくなり、施設が自ら運営する「直営」に切り替わると、管理栄養士が食事提供に時間を奪われ、ご利用者様の栄養管理が疎かになるリスクもあります。
だからこそ、今のうちに給食提供と栄養管理を、安全かつ効率的に運営できる仕組みをつくる必要があります。将来的にはグループ内で給食運営を内製化し、スケールメリットを活かしていくことも目指しています。顧問の宮澤靖先生がよくおっしゃっているのは、「今できているから次の1手が出る」ということです。現場が人手不足で崩壊してからでは、次の1手どころではありませんよね。
だからこそ、"今"効率的なシステムをつくり、将来も変わらず、安心・安全で美味しい食事を提供し続けられる体制を整えることを目標にしています。
具体的には、従来の「クックサーブ」方式から「ニュークックチル」システムに移行し、厨房が今より少ない人数でも、安全で効率的に運営できることを目指しています。
ニュークックチルでは、盛り付けと再加熱だけで済むため、施設内での本格的な調理が不要になり、調理師や栄養士に限らず、他のスタッフや海外の方々にも活躍の場が広がります。これにより、人材不足を解消し、より効率的で柔軟な運営が実現できます。
👆クックサーブとニュークックチルの違い
新しい栄養士像の確立にも注力しています。
この会社のいいところは、型にはまらず、常に新しいことに挑戦しているところだと思います。私たちが目指しているのは、従来の栄養士像にとらわれない、地域とのつながりを深める新しい栄養士像の確立です。
私がさいたま市の介護予防のための個別支援会議に助言者として参加する中で、地域に住む高齢者の"食"に関する課題を多く感じています。管理栄養士は献立作成や栄養管理などで施設内にとどまってしまいがちですが、もっと地域に出て行き、他職種と連携することで、食を通じて社会に貢献できると感じています。
現在は、プロジェクトメンバー*とともに、管理栄養士の業務ラダーの構築、それにともなって社内の教育制度や採用基準の見直しを進めています。同時に、グループで統一した知識を持てるよう、Genki Groupの栄養士に向けたテーマ別の勉強会を開いています。現場で働く栄養士たちが一貫した考え方とスキルを身につけ、より専門性の高い仕事ができるようサポートしていけることにやりがいを感じています。
*プロジェクトメンバーはGenki Group社員(管理栄養士含む)で構成されています!
👆給食・栄養士革命プロジェクトのメンバー(一部)です!(左から、山田さん、松本、宮澤先生、大野さん、高橋さん)
高橋さん
私が大切にしているのは、食や栄養を通じて人々を笑顔にし、幸せにすることです。食事は単なるエネルギー補給ではなく、心を豊かにするものだと思っています。だからこそ、食べることの楽しさや、食を通じた幸せを届けることが一番大切だと考えています。その中で、私たちがどんな形でお手伝いできるかを常に考えています。
また、栄養士としての専門性を活かすことも非常に大事です。地域(こども)食堂を運営していた際には、ライフステージに合わせて栄養バランスを考えた食事を提供したり、栄養相談室を設けて地域の人たちと直接やり取りをしたりしていました。さらに、簡単に作れるレシピを提案するなど、食を通じて人々の健康をサポートしてきました。このように、地域の「かおの見える栄養士さん」を目指し、専門性を活かしつつ、その知識や経験をより多くの人に届けることを大切にしています。
大野さん
私は常に専門職として根拠をもって行動することを心がけています。栄養の知識が健康にどうつながるのか、また、食がどれだけ楽しみを生み出すかという点を、しっかりとした根拠をもって伝えたいと思っています。それが私たちの仕事の信頼性を高め、施設のご利用者様や地域の人々に喜ばれる食を提供する力になると考えています。
👆左)「かおの見える栄養士さん」として地域に出向く高橋さん / 右)施設のご利用者さんと餅つきをされている大野さん
高橋さん
今進めている給食革命プロジェクトは、先を見越した取り組みなので、現場での理解を得るのが難しいところもあります。「今大丈夫だから大丈夫」と思ってしまいがちなのですが、私たちはもっと先を見据えて動かなければいけません。厨房の人手不足も進んでいるなかで、これからも安心、安全、美味しい食事を提供するために給食事業をどう回していくかを考えなければならないのです。
1年目は自分たちだけで進めていたのですが、現場の課題が見えてきて、宮澤先生に顧問に入ってもらい、現場の意見も少しずつ取り入れるようになりました。これからは意識改革のために、動画などを使って、もっと理解を深めてもらうための取り組みもしていきたいです。
👆関東エリアの栄養士が集合し、勉強会を行ないました♪
大野さん
今後、G.com foodsはGenki Groupの食の未来を作るために、頼ってもらえるような存在になっていきたいと考えています。食事や栄養に関することで困ったら、どんな小さなことでも相談できる場所があれば、それがGenki Groupの役に立つと信じています。
また、社会的に持続可能な事業を目指していきたいです。地域にしっかり貢献して、対価をもらえる事業を確立していくことが大事です。給食システムの改革を進めることで、社会への影響力も大きくなり、栄養士の専門職としての存在意義を高めることにもつながると感じています。
以上、株式会社G.com foodsのご紹介でした!食から未来のあたりまえをつくる取り組みが楽しみです✨
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