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緊急取材!最先端の「介護×AI」に迫ります!

こんにちは。メディクルードの廣松です。

2月は祝日が2日もあって嬉しいのですが、財務経理チームで武者修行中の身の上としては、その分平日の業務が溜まっていく感覚があり、複雑な気分になることがあります(笑)

さて突然ですが先月1月14日、メディクルードを筆頭としたプレスリリースが出されました。

「映像エッジAI」を活用した介護AIソリューションの導入に向けた検証環境の構築および実証実験を開始
 ~医療・福祉、IT、通信分野を融合し、介護の未来に向けて協業~

👆読んでいない方はぜひともチェック!!

メディクルードとしてプレスリリースを出すこと自体初めてなうえ、メディクルードの他にはドコモやパナソニックの系列会社が並ぶなど、かなり大規模なプロジェクトに思われます・・・。

国内のみならず、台湾のメディアにも取り上げられるなど注目度の高いこちらのプレスリリースについて、これはぜひとも記事にするしか無いと思い、社長の神成に突撃インタビューいたしました!


株式会社メディクルード社長:神成裕介
これまでの社員インタビューでは社長のイメージとして「仕事が恐ろしく速い」「気遣いが物凄く行き届いている」と言った声が挙がっています。

取り組みの具体的な内容は?

廣松)では早速インタビューに入っていきたいと思います!こちらの取り組みなんですけど、そもそも具体的にどういったことをやっていくのでしょうか。

社長)簡単に言うと、来る超高齢社会に向け、介護現場において実証実験を始める、ということですね。

今回の取り組みを大雑把に話すと「介護現場に映像を識別するAIを入れる」ということになります。
今回それをやるに至った背景としてはAIが民主化されてきたこと、そして今あるアセットの活用をしたいことの2つが挙げられます。

廣松)なるほど。まずはAIの民主化について詳しくお聞かせください。

社長)現在はDXとかロボティクスとかAIとかIoTといったことがが叫ばれている時代で、特にAIの分野はどんどん進化してきています。

これまで、AIは誰もが使えるような状況にはなっていなかったのですが、段々と手の届く存在になり始めています。インターネットの黎明期は一部の人しか使いこなせていなかったのが、今では皆が使えるようになっているのと近いですね。

民主化が進んできたことによって、AIを安い価格で介護業界に入れられる可能性が上がってきました。もちろん、高額の投資をしてアルゴリズムを作れば出来ることはたくさんありますが、それは介護という業界においては現実的ではありません。

AIというのは基本的にはアルゴリズムです。誰かがアルゴリズムを作るのに、お金がかかるんです。転倒を検知する、誰かが入ってきたことを検知する、とすればそれを検知する仕組みを作っていくのにお金がかかります。

一方で、今はいろんなアルゴリズムのメーカー、AIベンチャーがありますが、まだまだ活用しきれていないものもたくさんあります。介護領域専用のものを一から作ろうとすると高額なお金がかかってしまうので、今既にあるアルゴリズムをそのまま使ったり、あるいは仕様改善して、介護分野に適用させたりしていくと安く活用できるかもしれないと思い、それを実証してやっていこうとなったのが今回のプロジェクトの発端です。

廣松)アセットの活用とはどういうことでしょうか。

社長)ローコストで運用していくための視点としては、他には今あるものを活かしていくということが挙げられます。

一時期、世相によって介護施設に防犯カメラをつけるのが盛んになっていた時期がありました。Genki Group内の施設では半分以上が設置されていて、特に近年できたところはほぼほぼ設置されていますね。

しかし、今の防犯カメラの役割はただの記録にとどまっています。それではもったいないので、単なるカメラからAIという能力をつなげてより活用できないかと考え始めたのがきっかけです。

カメラ×AIでできることは?

廣松)カメラ×AIで一体どんなことができるのでしょうか?

社長)今すぐできるのは転倒検知、そしてその発報かなと思います。転倒したのをすぐにスマホで確認できるとか。この辺りは実証実験の中でも第一弾にあたるところですね。それが応用されると、夜勤で宿直室で寝ている間にラインで通知が来て、そのまま宿直室のモニターから確認することが出来るようになります。

それから侵入検知。夜間帯に部屋から出てきたら「侵入区域に入りました」ということで発報されるようにできます。今現場では、夜間にトイレに入ったまま出てこず、朝発見されるというのが結構あったりするんだよね。なので将来的には入って10分出てこなかったら発報するといったことも出来ます。

例えばサ高住(サービス付き高齢者住宅)と呼ばれる施設では宿直さんが50人に対して1人しかいないですし、介護を手伝っちゃいけないんですよ。一人だと到底見きれないような状況下で検知するのに使えるかなと思います。

👆開発中の画面です。

あとは将来的にやりたいなと考えていることとして誤薬の検知が挙げられます。ご利用者さんに飲んでもらう薬を準備するのは介護施設の職員なのですが、そこで誤った薬が出されてしまうと生死に関わることもあります。高血圧の人に血圧上げる薬を飲ませてはいけないとか、この飲み合わせは良くないとかそういったことですね。これに対して、カメラで物体検知して、正しい薬かどうか判定することは可能であるはずです。

それから組織上のマネジメントの問題からすると、体温計×カメラと勤怠管理とをつなげることもやりたいなと思っています。例えばメディクルードの勤怠認証システムは指の静脈ですが、それを顔認証にすることもできますよね。そうして顔の状態を蓄積していって、ストレス検知が出来たら面白いですよね。

例えば介護の施設って10人にしろ100人にしろ、管理者とスタッフの1on1での面談ってしづらいんですよ。夜勤を含めた三交代制などで、下手したら一週間会わないなんてこともあります。そうなったときにマネジメントするのってとても難しいはず。だから何かいつもと違うことをアラートしてくれるだけでもありがたいと思うんですよね。

👆写真左:実際に取り付けられたカメラ 👆写真右:カメラから得られる映像

なぜこの取り組みをやっているのか?

廣松)今年の年頭所感で、社長は「(今年の目標において)特に私が、大事にしたいのは、『楽』という言葉です。様々な工夫やテクノロジーにて、業務の効率をあげて、楽をすること。時間を短くしていくことも非常に大事です。」と話していましたが、今回の取り組みはそことも繋がる話かなと思います。こういったことに取り組まれている理由を改めてお聞かせください。

社長)日本はこれから超高齢社会に突入していきます。そうなると当たり前ですが介護領域においてもサービス供給者側の人が減ってきます。

日本は良くも悪くも介護保険が発達しているので、国の基準で「介護は(介護職員または看護職員と入居者の割合を)1:3でやりなさい」ということが決まっています。しかし実際は、Genki Groupでも平均1:2.2~2.3です。上手く回しているところで2.5とか2.8とか。でも1:3に近づくほど現場としては人手が足りないなという感覚になってきます。

1:3に近づけることができればその分人件費は下がる。それは利益を確保するっていうこと以外に、介護職員一人に対する分配の比率を増やせるということでもあるので、本来は介護施設・介護職員双方にとってやりたいことなんですよね。

そして、それだけじゃなく、将来的には明らかに人口構造変わってきて1:3ですら回せない時代が来ると思います。介護保険自体がが1:5とか1:8でもいいよとなる可能性はかなり高いと思っています。介護保険としてもテクノロジーの導入によって質が担保されるなら人数を増やしてもいい、と変わるはずです。

だけど、だからといって現場の人に「人が足りないんだから1:3 でやりなさいよ」とは言えないじゃないですか。なので経営する側がうまく回るようにシステムを作っていく必要があります

廣松)今回の取り組みもその「人が少なくても回るシステムづくり」の一つというわけですね。

社長)今回はもともと僕らがずっとやってきたことの第二ステップにあたります。

まず第一ステップとしてテクノロジーを使わなくても出来る部分の改善を推し進めてきました。例えば週休3日制なんかはそうです。シフトの調整を日中の忙しい時間に人を増やしたり、常勤非常勤の割合を変えたりして、どう割合を1:3に近づけていくかみたいなことですね。

そして第二ステップとしては、いかにテクノロジーを使って楽になるか、ということを考えていく必要があります。センサー入れてみたりとかロボットスーツ入れてみたりとかそういった部分にフォーカスする時代になってきているので、早いうちに実証をしていこうとなりました。

目的はあくまで、人が少なくなってきたときでも今と同等あるいはそれ以上の質の高いサービスを提供することで、今回の取り組みはその手段の一つです。

人がやるべきことは人にやってほしいし、人じゃなくても良いものは徹底的に人じゃないものに代替していきたいと思っています。現場の介護職員の方には人だからこそできることが集中してほしいです。そしてそれは介護職員が1番やりたいことなんですよ。おじいちゃんとかおばあちゃんとかとのコミュニケーションを増やしたり、生きがいを叶えたりとか。絶対その方が楽しいでしょう。

廣松)手段としては他にどんなことをやっていくのでしょうか。

社長)例えば臭気センサー。これはベッドで排泄物の臭気を感知したらアラートがなるようなシステムです。すぐさまおむつの交換をしてあげられること自体もメリットですし、定期的に介護職員さんが回るのを無くせるというのもメリットかなと思います。

それから眠りスキャンと呼ばれるもの。睡眠状態をトラッキングすることが出来ます。すると眠りが浅いときに起床介助をすることができ、ご利用者さんにとっても嬉しいことであると同時に、起床介助の時間短縮にもなります

もっと単純な話でいうとドライヤーを性能のいいものに変えるといったことも入ります。最近とある施設でドライヤーをすべて高性能のものに変えたのですが、それでデイケアでの入浴介助が1日約20分短縮されました。その20分を認知症ケアの取り組みに使うとかもっと別のことに使えるようになるわけですよね。こうしたことを一つ一つ積み重ねていく必要があります。

繰り返しになりますが、人が少なくてもいかに良い介護を提供できるか、というのが大事です。介護は常に楽しくある必要があります。 現場のスタッフにとって、作業をやって疲れたということが満足度になるのではなく、ご利用者さんに喜んでもらうことが満足度になるようにしたいですね。

神成社長、突然の取材に対応いただきありがとうございました!

インターンシップでも伝えている、事業をやるのに必要なのはスキルではなく、その前段となるマインドが大事である、ということを改めて感じられた良い機会でした。

続いての記事はGenki Groupの教育領域、浦和学院へのインタビュー記事となっております。お楽しみに!

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