障がいのある人が、必要に応じて福祉サービスを自分で選択して生活できる環境をつくるためには、本人とその家族が幼いころから社会や福祉サービスと関わりを持つことが重要だと私たちは考えています。
子どものためのサービスを充実させ、そして親御さんへのサポートも行うことで、家族全体に良い影響があるのではないかと考えます。
福祉サービスは、サービスを利用する人の幸福、ひいてはその家族をはじめその人に関わる人たちの幸福に繋がるものでなければなりません。また、「一時しのぎ」のものではなく、課題を本質的に解決するものであるべきだと考えます。本人が自分らしく社会で生活していけるよう、まだ目には見えていない課題を事前に認識し、本人、家族、私たちがチームとして取り組むことで、本人にとっても家族にとっても、生活が広がるのではないかと考えます。
従来の福祉には「預かる」という概念があり、自宅で介助を受けている人を、その家族から離すことが家族の休息になると言われてきました。ガイドヘルパーとの外出も、家族に休息が必要だから、との理由で行われることもありました。
しかし、本人にとっては突然現れた他人と見知らぬ地に出かけ、食事をし、やっと夕方に帰宅するという、精神的にも肉体的にも負荷がかかる一日だったかもしれません。ヘルパーが本人に楽しんでもらおうと提案したことが、逆に本人の負担になっているかもしれません。
子どもの頃から、自分の思いを伝えたり、人の話を理解したり、自分で選んだりする力を身につける。成長するにつれて社会の中で家族以外の人との繋がりをもち、自分の時間を誰とどのように過ごすかを選んで実行できる。気の合う人と好きなところに出かけたり、新たなチャレンジをしたり。自宅で一人好きなことをしたり、時には気の進まない付き合いもあったり。家族のために使う時間もある。
本人だけでなく、家族も、その人に関わる人もともにそんな暮らしを目指す支援をしていきます。
つづく