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2006年に創業した私たちマーケットエンタープライズ。
2015年の東証マザーズ上場までの経緯と、これからのマーケットエンタープライズについて弊社代表の小林に語ってもらいました。
はじめに
私たちマーケットエンタープライズは、2015年に東証マザーズに上場し、現在12期目を迎えた企業です。
そんな弊社がメンバーに対して何よりも求めるもの。
それは「Win Winの関係が築ける商売を展開し、商売を心から楽しむ主体者集団で在り続ける」という企業理念への共感です。
私の考える「主体者」とは、常に現状に満足せず、変化を恐れず、事業を推進し、挑戦できる人物像のことです。弊社には、この企業理念のほかにME10ケ条という行動指針があるのですが、それを体現できる人ともいえます。
そして、「主体者」として一人ひとりの価値観や成長意欲を尊重している弊社には、経営理念やビジョンに共感し、その実現に向けて切磋琢磨しながらも、様々な思いを胸に抱くメンバーが自然と集まっています。
賢い消費を支える新たな時代の商社=最適化商社!
そんな弊社のビジョンに共感している人はもとより、成長ベンチャーで自らエンジンとなって働きたい人、IT×リアルで新しいサービスを築き上げたい人、マーケティングで力を発揮したい人、海外事業へ挑戦したい人、もっとリユースを身近にする企業で働きたい人、管理部門などで成長ベンチャーを支えたい人、コングロマリットグループの社長を目指す人…。
元々、多岐にわたる人財を受け入れてきた弊社ですが、創業期のフェーズを過ぎ、今後、アーリーベンチャーからミドルベンチャーへと駆け上がり、リユースを中心とした国内外のコングロマリットグループ(複合企業体)として成長していくためには、人財は一層多様化していくことになるでしょう。
▲弊社エントランスにて
起業までの経緯
10代の頃からフリーマーケットで小遣いを稼いでいた私は、根っからの商売人だったのかも知れません。いつの頃からか、漠然と「将来は経営者になりたい」と思うようになっていました。
しかし実際には、流行に乗っかっただけの日々を無為に過ごしていたのでしょう。20歳を迎える頃には、根拠のない自信はあるものの、何にも本気になっていない自分に対する焦りや、モヤモヤした気持ちが次第に大きくなっていきました。
その頃、エイチ・アイ・エスの澤田秀雄氏やソフトバンクの孫正義氏のような≪起業家≫が注目されるようになり、マスコミを賑わせていました。こうした先輩方の姿を見て「自分も何かチャレンジしたい」と起業を意識するようになりました。
自分を変えるには「まず行動すること」。様々なビジネスを学ぶために20種類以上のアルバイトを次々と経験したほか、日本経済新聞を読みあさったり、簿記の勉強や株式投資をしたり、経済や金融の知識を貪欲に吸収しました。
また学生イベントや大掛かりなパーティーの企画、バックパッカーとなって、海外でターコイズのアクセサリーを仕入れては、フリーマーケットやネットで販売するなど、「商売」も手掛けるようになっていきます。
ところが、ビジネスはそんなに甘いものではありません。生涯を賭ける覚悟もなく、片手間でやっていたのですから、当然、経験や実力の不足から壁にぶち当たります。社会経験の必要性を思い知った私は、就職して経験値を上げてから、再度起業にチャレンジする道を選ぶことにしました。
最短で自分が成長できて、経営ノウハウを学べる。あるベンチャーの投資会社を選んだのはそんな理由でした。フランチャイズパッケージから通信機器や不動産まで、多様な商材を扱う仕事は泥臭くも得難い経験ばかりでした。 そして「Win Winな商売がしたい」「主体的な組織で仕事がしたい」という気持ちが抑えきれなくなり、23歳になった私は100万円を握りしめて独立。「WinWinの関係が築ける商売を展開し、商売を心から楽しむ主体者集団で在り続ける」を企業理念に掲げ、社名の由来を「市場創出」とするマーケットエンタープライズを創業したのは、2006年7月7日大安吉日のことでした。
創業から現在まで
創業当初に手掛けたのは、乾電池のリユース事業でした。使い捨てカメラが全盛だった当時、カメラの中に入っていた乾電池は、電池容量をほとんど残したまま捨てられ、写真プリント店では、その廃棄処理に1本数円のコストがかかっていました。
「商売になるかもしれない」と、早速写真プリント店から使える電池だけを譲り受け、電池残量を確認したうえで、100本単位で法人向けに販売してみると、画期的な安さが受け、玩具メーカーやリモコンの修理業者、ラジコンメーカーなどから注文が入るようになりました。仕入れはタダ同然なので利益率は100%近く。単価は低いものの利幅は大きく、法人にまとめて販売することで徐々に軌道に乗っていきました。
次に着目したのはフリーマーケットの運営です。学生時代から自分でも出店するほどのフリマ好きなうえ、リユース乾電池をフリマで販売していたこともあり、縁があったのです。当初は出店者から参加費をいただく一般的なやり方でしたが、その後、企業から費用を頂いて、運営を受託するビジネスモデルへと転換することになります。
これにより、初めから利益を確保できるうえ、出店を無料にしたことで、予想以上に出店者も集まり盛況でした。そこでこの取り組みを、地域住民へのサービス還元や賑わいの創出といった、企業のCSR(社会的責任)活動の一環として提案したところ、大ヒット。当時36都道府県で延べ800開催という、日本で一番、広域でフリマを開催する企業になっていました。
数々のフリーマーケットを主催しながらも、出店する方を観察していると、家庭に眠る日用雑貨や洋服の売買は盛んですが、個人取引のフリマでは本当に売りたい高額な品物や、大型の商品などを持ち込んで売り買いは保証がなかったり、物理的に運べなかったりとなかなか成立していないことに気がつきました。
インターネットの力を使って新しいリユースの業態が作れないだろうか、と始めたのがネット型リユース事業です。
そして2013年、ネット型リユース事業が起動に乗ってきたタイミングで、フリマ事業を事業譲渡し、より大きな成長の見込めるネット型リユース事業へ全社のベクトルを合わせ注力することを決断したのです。
ネット型リユースとは、ネット上で商品の売却依頼をユーザーから受付し、その後、商品を買い取り、EC(電子商取引)サイトやネットオークションを通じて販売する、いわばネット専業のリユースショップです。 サービス開始以来、家電製品、フィギュア、楽器、カメラ、ブランド商品にと、売却ニーズがある分野に絞った専門サイトを続々とオープンし、現在では26サイトの買取メディアを展開しています。また、事業の拡大と同時に、リユースセンターの全国への拠点展開をし、商材やエリアの拡大を進めてきました。
インターネット上で、リユース品の売り買いをするのは不安も付きまといます。それが、高額な商品であったり、大型の商品であれば尚更でしょう。商品を実際に見ずに概算の金額をお伝えする事前査定や、商品購入時の動作をすべて保証するなど、安心感の提供にも注力しました。
このように、乾電池、フリマ、さらにネット型リユースという各事業において、オンリーワンの事業モデルによって市場に風穴を開け、事業を軌道に乗せながら、徐々に市場規模が大きく、より成長性のある土俵へと主軸を移してきたのです。
現在、国内12拠点にて事業展開しており、毎月約5万人、累計で160万人のお客様にサービスをご利用いただいています。
そして、販売の実店舗を持たずにEC(電子商取引)にてリユース品の売買を行う新しいサービスとしても受け入れられ、2015年6月17日には東証マザーズへの上場も果たしました。
▲東証マザーズ上場時
これからの展望
現代は、大量生産、大量消費の時代が過ぎ去り、消費に賢さを求める時代となりました。商品やサービスを利用する際に価格を比較することは日常となり、時には売ったり買ったりしたり、シェアしたりと。 『もったいない』『エコ』『賢い消費』といった消費者マインドの変化により、リユース業界は年率約8%という高い成長率で市場規模が拡大しています。
加えて、EC市場は年率約10%を越える伸び率で急成長しています。全消費に占めるECの割合は日本ではまだ約4.75%程度といわれており、今後大きな伸び代があります。 労働人口の減少などにより、国内の様々な既存産業の市場が縮小していく中、私たちが手掛ける【リユース×EC】の市場は、まだまだ成長過程なのです。
まずは、ネット型リユース事業の拡張として3つの方針を掲げています。
1.エリア拡大
現在、全国に9拠点あるフルフィルメントなリユースセンターを全国に広げていきます。政令指定都市20都市への展開を検討しています。
2.商材拡大
弊社でこれまで取り扱っていなかった商材開拓を開始します。リユースの市場は、マーケットサイズが年率8%拡張しますが、シェア10%を占めるような企業がありません。多種多様な商材をこれからも取り扱っていきます。
3.ターゲット拡大
富裕層に特化した「プライベイトバイヤー(https://www.marketenterprise.co.jp/pb/)」というサービスを展開しています。
また、日本の価値ある商品を海外の方向けに販売する越境ECへの取り組みも本格化していきます。 これまでのリユースの業態では売り買いではリーチ出来なかった層の方へもサービス提供を広げていきます。
2016年には弊社初の子会社となる株式会社MEモバイルを設立。
2017年には「所有」と「シェア」に続く第3の選択肢としてWebで完結する総合宅配レンタルサービス「ReReレンタル(https://www.rere.jp/rental/)」をリリースしました。
更には、趣味をこれから始めたい人を対象にした、さまざまな趣味とともにそのハウツーを紹介するおウンドメディア「ビギナーズ(https://www.rere.jp/beginners/)」の運用も始めています。
昨今、国内市場の成熟化により、商品は機能的な価値を提供するだけでは消費者に選ばれにくくなっており、コトを重視する消費動向、すなわち「コト消費」に移っているといわれます。商品・サービスによって得られる「体験」に価値を感じる傾向のため、従来の消費以外の選択肢が広がっているといえます。
このような背景から、マーケットエンタープライズでは「コト消費」の一つと考えられる「趣味」に焦点を当て、オウンドメディアとなる「ビギナーズ」を開設することとしました。
ネット型リユース事業以外にも、今後もIT×リアルの領域で培ってきたノウハウや、インフラ、システムを活かし、新しいサービスを順次提供してまいります。