※今回インタビューにお答えいただく江上さんは写真左から二番目です。
※江上さんのこれまでのインタビューは下記よりお読みいただけます。
<自己紹介>
<SaaSプロダクトづくりの全貌〜前編〜>
江上さん、今回は『後編』ということで本日もよろしくお願いいたします!
ー早速ですが、前回のインタビューでエンジニアチームは複数のチームで構成されていると聞きましたが、詳しく教えてもらえますか?
ここではプロダクトとして最も大きい、モチベーションクラウドのチームについて説明させて頂きます。モチベーションクラウド以外のプロダクトや、社内向けの管理画面を担当しているチームも別途あります。
まず、モチベーションクラウドの開発チームは5つのチームに分かれています。
1つ目は僕が所属する『性能改善チーム』です。このチームでは1万人を超える大企業のお客様が快適にモチベーションクラウドをご利用いただくためにアプリケーションの性能改善を行っています。
2つ目は『新規機能開発チーム』です。前提として顧客が使いづらいプロダクトは顧客の離脱も多くなるため、より安全かつ簡単にご利用いただけるようにモチベーションクラウドの機能を開発することをミッションとしています。
3つ目は前回のインタビューでお話しした『顧客対応チーム』です。コンサルタントなどの現場と連携し技術面から顧客のサポートを行っており、顧客に不安を抱かせないことをミッションとしています。また、顧客からの問い合わせに対して、ログやデータベースを確認し原因調査を行ったり、データ修正やプログラム修正なども行ったりもしています。
そして4つ目は『SREチーム』です。このチームは主にエンジニア向けのチームです。モチベーションクラウドはAWSのクラウドを利用していますので、AWSの整備を中心にデプロイの高速化や、僕たちが開発するアプリケーションのテスト環境の構築を担当しています。ミッションはエンジニアの開発生産性の向上とプロダクトのセキュリティ強化です。
最後の5つ目は『データチーム』です。データを整理・分析しサービスや利用プロセスを改善するチームです。扱うデータは契約情報や顧客のIR情報、コンサルタントの行動データ、モチベーションクラウド上の行動データなど様々です。現在はモチベーションクラウドの解約理由の分析を中心に行っており、残念ながら解約に至ってしまった原因を把握し、未然に解約を抑止するための予測モデルを構築しています。
※リンクアンドモチベーションのデータエンジニアについては、東山のインタビューで詳しく紹介しています。ぜひご覧ください。
上記5つのチームでリンクアンドモチベーションの開発チームは構成されています。その中で僕が所属する『性能改善チーム』の話をします。
おかげさまでモチベーションクラウドを大企業様にも利用してもらえるようになりました。今まではベンチャー企業様をメインターゲットとしていたため問題にならなかった箇所も、大企業様のデータを用いた場合には上手く動作しない箇所が発生します。そのため大企業様でも快適に利用できるようにするため、プロダクトの性能面で問題になる可能性を調査し、その問題点を事前に解決するためにチームが立ち上がりました。
正直なところ成長しているサービスなので問題点は複数あり、課題が絶えず積み重なっている状態です。一方で今の日本のSaaSプロダクトの中でも、大企業様向け対応に着手できるまで成長しているプロダクトは指で数えるほどしか無いと思うので、貴重な機会だと捉え日々改善しています。
ーエンジニアリングマネージャー兼テックリードとしてご活躍している江上さんの一日を教えてもらえますか?
僕の一日は『性能改善チーム』の朝会から始まります。その後、テックリードとして各チームの設計レビュー、全社現場効率化プロジェクトのミーティングに入ります。
全社現場効率化プロジェクトとは、元々テクノロジー企業ではなかったリンクアンドモチベーションの業務効率を改善するプロジェクトです。例えば、全社共通のExcelフォーマットなどを利用した業務を効率化するために、アプリケーションの開発やサービスの導入を行い、現場の生産性向上を図るプロジェクトです。
江上さんはエンジニアリングマネージャー兼テックリードとして活躍中
この日はミーティングだけでほぼ埋まっていますが、開発等で自分の時間を確保したいときはスケジュールをブロックし、時間を取るようにしています。
前編でもお話しましたが、リンクアンドモチベーションでは要件定義にエンジニアも関わっています。この日の予定では既にシステム設計に入ってますが、システム設計の前に要件定義のミーティングも行われます。要件定義においてはプロダクトマネージャー(PdM)が叩き台を作成するケースが多いです。叩き台をもとにみんなでアイディアを出しながら、影響範囲の調査を行い、最終的に要件を決めます。開発の優先順位に関してはPdMが、開発チームだけでなく営業部やコンサルタントの意見も収集し、最終的に開発の優先度を決定しています。
また僕の場合、家事や育児もあるので、リモート環境である現在は19時以降は予定を入れないようにしています。リモートでない場合は水曜日は早く帰る日と決めて19時以降は予定を入れていません。開発チームには家庭がある方も多く、リモートでなくても18時には帰宅する人もいます。自分のライフワークバランスを重視してくれるいい会社だなぁと手前味噌ながら思っています。
ーリリースのお話があがりましたが、リンクアンドモチベーションのリリースサイクルや開発フローについてお話を聞かせてもらえますか?
はい、リリースは週2回実施しています。以前は、開発後すぐにリリースしていましたが、現在は関係者が多いこともあり、定期的にリリースするように変更しました。いつ、どのような機能がどのタイミングでリリースされるのかを他部署の同僚にも認識してもらう必要があるため、リリース日時を固定しています。
開発フローは、各チームで異なります。全チーム共通なのは水曜日に振り返り・プランニングをおこなうことと、全体共有会があることです。
『性能改善チーム』は期初にある程度の計画を立てつつ、1週間スプリントでプランニングや振り返りを行っています。もちろん、朝会も実施し、チーム内でその日の開発タスクの認識合わせを行っています。1つ1つのタスクは数日で終わるタスクが多く、実装が終わったものから順次テストしてリリースしていきます。
一方で、『新規機能開発チーム』では影響範囲なども確定させやすいため、先に計画を引き切ることが多いです。PdMとEMが主導となり他のエンジニアと共に要件定義を確定させます。その後、主担当のエンジニアが設計を行った後に、テックリードの僕と、各チームのエンジニアで設計のレビューを行います。設計が確定したら見積り、実装に移ります。実装からはテスト、リリースという流れになりますので『性能改善チーム』とは異なる開発フローになります。
なぜそのような開発フローを構築しているかと言うと、リンクアンドモチベーションのプロダクトづくりは関係者が多いので、事前にリリースする時期を現場へ提示する必要があります。また、現場から顧客へリリースの通達後、リリース内容に変更事項があった場合は、巻き戻すコストが多大になってしまうため見積もりの精度や確度を高めるように努めています。
ー最後に江上さんからWantedlyの読者へメッセージをお願いします!
僕が今後やっていきたいことをお伝えできればと思います。リンクアンドモチベーションの開発チームは組成されてまだ1年半程度のフレッシュなチームです。そのため、良くも悪くも比較的ルールが少ない状態です。よって、ルールが少ない分、自由度が高く動ける一方で開発ルールや制度・風土などはまだまだ改善の余地があります。開発組織を初期段階から構築し、アップデートすることに興味がある方にきていただけると嬉しいです。
また、システム面ではアーキテクチャーを変更し、プロダクト横断の共通基盤をつくりたいとも考えています。理由は、リンクアンドモチベーションのBtoB向けプロダクトには『モチベーションクラウド』、『コミュニケーションクラウド』、『チームワーククラウド』の3つプロダクトがありますが、それらのプロダクトを連携し組織データから個人の行動データを共通化することで、より高い顧客体験を実現させたいと思っています。実際に現在はデータ分析基盤の開発を進めています。
プロダクトの連携や共通基盤の構築に興味があるエンジニア、技術的なチャレンジしたいエンジニアの方は是非カジュアルに一度お話しできればと思います。
最後にリンクアンドモチベーションの開発チームの特徴は、大手企業ならではの安定した事業基盤がありつつも、開発に関してはスタートアップのように大きな裁量が与えらえるところです。捉え方次第になりますが、大手企業でスタートアップのような挑戦をしたいと考えているエンジニアの方には適している職場環境だと自負していますので、我こそはという方は是非ご応募頂けると幸いです。
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