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【CEOインタビュー】創業ストーリー『LINNASがあるってことは、その街はきっと面白い』を目指して

今回はLINNAS Design代表の松下に創業ストーリーやこれからの展望についてインタビューを行いました。

コロナ禍はチャンス

東京生まれの松下。以前働いていたホテルベンチャーの会社が金沢へ店舗出店したことをきっかけに、2017年ごろから出張で足を運ぶようになった。

地元のコミュニティにしっかり関わり向き合いながら、場を育てていたという。しかし、それは突如中断となった。コロナ禍によって、前会社の金沢店舗の撤退が決まったのだ。


「そのまま終わらせることもできたけれど、僕自身はこの街にすごく愛着がありました。事業の面でも、観光地としてのポテンシャルが非常に高いと考えていたので、『まだやれる』と思っていましたね。そこで不動産オーナーさんと交渉し、撤退したホテルの次の運営者として、LINNAS Kanazawaを始めることに決めました。」

コロナ禍で起業。しかも当時、甚大なダメージを受けていた観光業での起業とあって、周りからは当然心配の声も上がったらしい。しかし松下はそこに可能性を見出した。

コロナ禍はむしろ、新しいことに取り組むチャンス。自分の中では好機を見つけられているけれど、他の人たちはまだ気づいていない。その差にもポテンシャルがあると感じました。」

窮地に立たされたところからがスタート

「逆境をチャンス」と捉えられる、松下の強いメンタリティの根底には、自身がバックパッカーとして世界中を旅した経験があるそうだ。

「世界64カ国を訪れたなかでは、窮地に立たされることもありました。あらゆる交通手段が絶たれて、どうしたら次の場所に進めるのか。ネットにも情報がない。そうなったところからが勝負!そこからが、旅のスタートなんです。」


「一般的には行くのが難しいと言われている場所でも、いろんな人に話を聞いて、助けてもらって次に駒を進めていく、みたいなことは何度も経験してきました。この『旅人マインド』が根底にあるんじゃないかなと思っています。」

旅人ならではの、粘り強く実行するマインドセットが、LINNAS Kanazawaを着実に前進させてきた。

チャレンジし続けた2年間

2021年4月に開業したLINNAS Kanazawa。この2年間を、松下に振り返ってもらった。

「この場所があったからこそ、色んなことにチャレンジできました。例えば、LINNAS主催で行ってきたイベント。イベントを打つこと自体を目的にせず、(イベントをすることで)社会にどんな価値を生み出すことができるかにこだわって企画してきました。コロナ禍だからこそ、新しい取り組みや価値観を打ち出すことで注目してもらえたし、我々の取り組みに賛同してくれる方達にもたくさん出会えました。」


例えばこんなイベントが行われてきた。北欧発祥のSDGsスポーツである「Plogging」。ゴミ拾いをしながらジョギングするアクティビティである。LINNAS Kanazawaでは、宿泊ゲストや地元の参加者を交えて、みんなで朝の金沢の街を走る。

観光客が増えると、観光客は街の人にとって「街を消費していく存在」と捉えられてしまうこともある。しかしこの取り組みを、LINNAS Kanazawaがイベントとして行うことで、観光客とも地域とも良好な関係を築くことができる。オーバーツーリズム問題に一石を投じる催しだ。

Hyggeなライフスタイルを体験できる場所

松下は、LINNAS Kanazawaを「宿泊施設ではなく、街のなかの小さな複合施設」と表現する。単なる宿泊機能に留まらず、先程紹介したようなイベントの開催や、シャアキッチンでの料理、フィンランド式のプライベートサウナ、ラウンジスペースで仕事もできたりと、様々な過ごし方ができる場所なのだ。

私たちが考えるこれからのライフスタイル『衣食住働遊』を、この場所を通じて様々な形で提案しています。そんな滞在の軸となるコンセプトは”Hygge(ヒュッゲ)”。デンマーク語で『居心地のいい時間、ほっとする空間』というような意味の言葉です。」

松下は北欧のエストニアという国に住んでいたことがある。当時の暮らしと金沢の暮らしの共通点が”Hygge”だったようだが、日本でインテリアの文脈などで一般的にイメージされる「北欧風」とは違うようだ。

あえてHyggeをコンセプトとして設定している理由を聞いてみた。


「LINNASが北欧らしい内装であるとかではありません。例えば、シェアキッチンでゲスト同士で食材の交換をしたり、お酒のシェアをしたり。仕事の合間に街を歩くと、川や緑などの自然を身近に感じられたり。そんな時にゲストは『Hyggeを感じました』と教えてくれます。」

「日常にある豊かさって、当たり前であればあるほど感じられにくいものです。でも、Hyggeがコンセプトであることで、滞在の中でゲストがHygge(=暮らしの中の豊かさ)を見つけやすくなります。」

例えばワインやコーヒーのテイスティングノートのように、〇〇のようなフレーバーだと言われることで、飲んだ時によりその味を感じられることがある。コンセプトのHyggeは、言わば金沢滞在のテイスティングノート。ゲスト自身で感じ取りながら、旅を楽しんでもらえたらという思いの元、設定された。

ホテルが提供したい価値の解釈に、余白を持たせるコンセプトの在り方だ。


『面白い街』に、LINNASが旗を立てていく

松下に、LINNASの今後の展望についても聞いてみると「『LINNASがあるってことは、その街はきっと面白い』と思ってもらえるホテルブランドにしていきたい!」という答えが返ってきた。

「僕たちにとっての『面白い街』とは、深掘りしがいがある街。工芸や食、アートなど、切り口は色々あるのですが、何よりもその地域に住む人たち自身が街に誇りを持っていると、面白みを感じます。」


「例えば金沢はすごく職人気質な街という印象で、食も工芸も素晴らしいものが多く、街の人もみんな目が肥えている。でもその深い魅力は、街の外に出きっていないと思います。そこに深掘りしがいがあります。LINNASはただ泊まれる場所というより、街の魅力を伝えることができるリアルなメディア。街のディープな魅力へ通じる扉の鍵を、ゲストに渡す役割を担っていると思います。」

いつか世界中の『面白い街』に、LINNASが旗を立てていく。それを見た世界中の旅人が、その街の扉を開けにやってくるだろう。

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