東京で生まれ育ち、お菓子メーカーでの販売職を経て、ワーキングホリデーでオーストラリアへ。その後ニュージーランドにも渡り、約5年間を海外で過ごしたMiwaさん。
海外でバリスタとして働く中で心惹かれたのは、朝からコーヒーを片手に会話を楽しみ、人と人が自然につながっていく日常でした。
現在働くのは、LINNASが手掛ける「S-TOKYO」の1階にあるカフェ。
「S-TOKYO」は、世界中を旅しながら働くデジタルノマドの方々など、さまざまな人が行き交い、交流するコミュニティ拠点です。
「用がなくてもふらっと来ちゃう。気づいたら隣の人としゃべっている。そんな場所をつくれたら」
Miwaさんのこれまでのストーリーと、LINNASで働く中で感じていること、これからつくっていきたい場所について話を聞きました。
「ここにしかない」と言われると、ワクワクする
——まず、これまでのご経歴を教えてください。
東京出身で、社会人3年目までずっと東京に住んでいました。
学生時代は部活をメインにやっていて、高校・大学ではフェンシングを7年間続けました。
高校の授業にフェンシングがあったのがきっかけなんですけど、「なんか面白そうだな」と思って(笑)
大学も少し珍しくて、お酒をつくることを学ぶ、「醸造科学科」に進みました。
多分全国でも珍しい学科で、酒蔵の跡取りの子もたくさんいましたね。
菌の研究をしたり、ワインやビール、日本酒をつくったり。醤油や味噌についても学びました。
「ここにしかない」と言われると、すごくワクワクしちゃうんです。
昔から、好奇心のままに直感で生きてきたところがあるのかなと思います。
「英語を話せたら」——お菓子メーカー販売職から海外へ
——大学卒業後は、どんなお仕事を?
卒業後は、お菓子メーカーに就職して、東京の百貨店で3年間販売をしていました。
呼び込みをしたり、直接お客様とお話ししたり。
「お客様第一」という、本当に“ザ・販売サービス業”のような環境で、とにかくがむしゃらにお客様と向き合った経験は、今にもつながっていると思います。
百貨店なので海外からのお客様も多く、英語で話しかけられることも結構ありました。
そのたびに「英語を少しでも話せたら、もっと伝えられるのに」「何か助けられるのに」と思うようになって。
もともと人生で一度くらいは海外に住んでみたいという気持ちもあったので、「じゃあ海外に行こう」とワーキングホリデーでオーストラリアへ行きました。
最初は1年のつもりだったんですけど、結果的にはオーストラリアに4年。その後ニュージーランドにも1年。私の感覚では本当にあっという間でしたね。
朝、コーヒーを飲んで誰かと話す。そんな日常を日本でもつくりたい
——海外でバリスタになったのは、どんなきっかけだったんですか?
「どうしたらオーストラリアの文化に溶け込めるんだろう」と考えた時に、目に入ったのがコーヒーでした。
オーストラリアでは、朝からコーヒーを飲んで、みんなとしゃべることが生活の一部になっていて。見ていてすごく楽しそうだったんですよね。
その文化を自分でも経験したくて、バリスタになりました。
ニュージーランドでもカフェで働いたんですけど、そこではさらにお客さんとの距離が近くて。
スタッフがお客さんの名前も、いつも飲むコーヒーも覚えているんです。
そういう経験を通して、人とのつながりや、何気ない会話、ちょっとしたことで人が喜んでくれることを学んだ気がします。
向こうでは、仕事へ行く前に一度ゆっくりコーヒーを飲んで、周りの人としゃべってから一日を始める人も多くて。
自分の時間をつくって、調子を整えて、コミュニティの人たちとつながる。
帰国してからも、そんな場を日本でつくれたらいいなと思っていました。
「ここなら自分らしく働ける」S-TOKYOとの出会い
——帰国後、数あるカフェの中からS-TOKYOを選んだ理由は?
日本に帰ってきてからも、カフェでは絶対に働きたいと思っていました。
販売も接客も好きだったし、自分の武器になっていたコーヒーと英語を使った接客も続けたかったので。
色々なカフェがある中で、「S-TOKYO」はコミュニティの中にカフェが組み込まれている。
上のコワーキングを利用している方も来るし、近くで働いている会社員の方も、観光客も来る。
さまざまな層や国籍の方が行き来する「コミュニティの場」であることに、すごく魅力を感じました。
私は旅行も好きなので、それぞれの文化を共有したり、その人の話を聞いたりすることも好きなんです。
——実際にLINNASの方と会ってみて、どんな印象でしたか?
面談は代表のAkiさんとマネージャーの方と、すごくカジュアルな雰囲気でした。
そこでいろいろお話させていただいて、経歴だけじゃなくて、ちゃんとその人自身を見てくれているなと感じました。
「ここなら自分の個性も活かしてもらえそうだな」と、働く前から思えたんです。
実際に働いてみても、仕事なんですけど、会話をしながらコミュニティをつくっていくことが、今もすごく楽しいですね 。
振り返ると、本当に「ここを選んで良かったな」って思います(笑)。
挨拶だけでも立ち寄れる。お客さんも一緒につくるカフェ
——実際に働いてみて、S-TOKYOらしさを感じるのはどんな時ですか?
常連のお客さん同士が、自然につながっていく時ですね。
普段お話ししていると、その人の好きなことや趣味も分かってくるので、「この二人、合いそうだな」と思ったら自然と話をつないだりして。
そこから仲良くなっていくのを見るのは、すごく嬉しいです。
あとは、カフェに用事がなくても、前を通った時に挨拶だけしに立ち寄ってくれるお客さんもいます。
日本だと、何も買わないのに声だけかけるのは申し訳ないかな、と思うこともあるじゃないですか。でも、ここではそんなの関係なくて、「ちょっと挨拶しよう」と気軽に立ち寄ってくれる。
そういう瞬間は、日本っぽくないというか、まだ海外にいるような気持ちになります。
自分もこのカフェに溶け込めているんだなと思うし、お客さん自身もカフェに巻き込めているような感覚があります。
私だけじゃなくて、みんなでつくっている感じがしますね。
——お客さんとの距離もかなり近いんですね。
近いと思います。
季節限定のメニューを考える時も、「これとこれだったら、どっちがいいと思いますか?」って、普通にお客さんに相談したりします(笑)。
そうすると、お客さんもちゃんとこのお店のことを考えて答えてくれる。
そういうところにも、距離の近さを感じますね。
「やらない方がいい」ではなく、まず挑戦させてくれる。
——自分のアイデアを仕事に反映できる環境ですか?
そうですね。
ミーティングでAkiさんに、「こうしたいんですけど」と相談すると、まずは「いいじゃん」と受け止めてくれるんです。
飲食の仕事をしていると、これまでの経験から「それはうまくいかないと思う」「やらない方がいい」と、最初から止められることもあると思います。
でも、ここでは大きなリスクがない範囲であれば、まずは挑戦させてもらえる。
実際にやってみて、うまくいかなかったとしても、その経験から学ぶことができると思うので、そういった挑戦の機会をいただきながら、自分自身も成長していけたらいいなと思っています。
もちろん、最終的な決断が必要な時には、しっかり決めてくださいます。
大きな組織だとなかなか難しいと思うんですが、LINNASでは直接相談して、一緒につくっていける。それが、この会社ならではなのかなと思います。
——スタッフの中では、どんな役割を担っていますか?
ほかのスタッフから相談を受けることもあって、マネージャーやAkiさんから「みんなどう思ってるかな?」と聞かれることもあります。
人の話を聞いたり、想いを汲み取ったりすることは自分の長所だと思っているので、その強みを今の仕事で活かせているのは嬉しいですね。
「その子がいると、この色がある」一人ひとりの個性を生かすホスピタリティ
——LINNASでは、接客についてどのように共有しているんですか?
S-TOKYOでは月に1回ミーティングがあって、ホスピタリティについてもみんなで共有しています。「こういう時には、こういう一言を添えるといいよね」という、正解ではないけれど、行動のガイドになるものがあります。
LINNASのホスピタリティの軸として、Be Humble、Be Unique、Be Braveというものがあって。
謙虚な気持ちを持つこと。LINNASらしさや、その地域らしさを大切にすること。そして、自分から一歩踏み出して挑戦すること。
同じ軸を持っていても、スタッフは一人ひとりすごく個性があります。
いつ来てもいい接客だけど、「その子がいると、この色があるよね」っていうプラスアルファがある。
スタッフを見ていて、「すごく上手になってるな」とか、「温かい一言を添えられてるな」と感じると、心がほっとしますね。
用がなくても来られる、安心できてワクワクする場所へ
——これから、S-TOKYOでどんな場所をつくっていきたいですか?
理想は、用がないのにふらっと来ちゃったり、気づいたら隣の人としゃべっちゃったりするような場所です。
カフェだけじゃなくて、上のコワーキングのメンバーとも話したり、イベントをしたりするので、フロアを越えて交流が生まれたらいいなって。
東京に来た時に、「あのカフェに寄ってみよう」と思ってもらえる場所にしたいです。
ゆくゆくは自分でもカフェをやりたいと思っているので、今はカフェづくりや空間づくりを、もっと突き詰めていきたいです。
イメージしているのは、すごくカジュアルなバルみたいな場所。年齢も性別も国籍も関係なく人が行き交って、気づいたら誰かとしゃべっている。
でも、しゃべりたくない人は、その人なりに自分の時間を過ごせる。
ただガヤガヤしているだけじゃなくて、その空間にいることに安心できたり、ワクワクできたりする場所にしたいんです。
「あのカフェ、なんかユニークだったな」って記憶に残るようなホスピタリティと空間をつくっていけたらと思っています。
——貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございました。