2025年10月にLINNASにジョインし、INOVA Kanazawaのスタッフとして働くShioriさん。
高校生でのアメリカ留学、オーストラリアでの動物看護師の勉強、下着メーカーでの接客販売、外資系バルブメーカーでの営業、そして手話の勉強——数え切れないほどの挑戦を重ねてきました。
「人と人との出会い」、そして「どう生きるか」に、いつも真剣に向き合ってきたShioriさん。将来、自分の手で「人と人が出会う、職場でも家でもない場所」をつくるために選んだ次の挑戦。それが、LINNASでした。
「英語アレルギーが治らないなら、行くしかない」
——これまでのご経歴を教えてください。
私の経歴、ちょっと変わってて(笑)。
始まりは高校3年生のときにアメリカへ1年間留学したことですかね。
もともと、英語は大嫌いだったんです。だからこそ逆に「留学に行かなかったら、一生英語アレルギーは治らないだろうな」と思って決めました。
もう、最初は『イエス』と『ノー』しか言えないくらいで、何を言っているかもわからないけど、1年アメリカで食らいついて勉強しました。
大学に進学するかはすごく悩んだんですけど、大学で学びたいこともまだわからなかったし、大人になってからでもいつでも行けるのが大学だと思っていて。
それより今はもっと英語力を伸ばしたいと思って、高校卒業後、オーストラリア・シドニーにある職業訓練校で、興味のあった動物看護師の勉強を1年間しました。
「私って、何に心ときめいていたんだっけ」
——オーストラリアから帰国後は、どんなお仕事を?
結局、勉強する中で動物看護師は自分がずっとやりたい仕事ではないと気づいて。
日本に帰ってから選んだのは、下着メーカーでの接客販売です。
人の悩みに寄り添うことに興味があって、2年ほど勤めました。
カウンセリングしながら、お客様に長く向き合うというお仕事で、すごく好きでしたね。
でも22歳になって将来のことを考えた時、ずっとこの業界でいいのかな?と思い始めました。
人に寄り添うこととビジネスとして売ることの折り合いが、自分の中でうまくつけられなくて「金稼ぎ」という違和感が出てきてしまいました。
それで一度考え直して、オフィスワークで週5日勤務、土日休み、留学経験も活かせるという条件の外資系のバルブメーカーの営業職を選びました。そこで3年間、それまでとは違うBtoBの世界を経験できました。
ただ、離職者の穴を埋める形で仕事量がどんどん増えていって、2人分近くまで膨らんでしまい、心身ともに限界がきて辞めました。
その頃、条件だけで仕事を選んでいたせいで、自分が本当は何をしたいのかわからなくなっていたんです。
「私って何に心ときめいていたんだっけ」って立ち返ったときに、ずっと興味があった手話にたどり着いて、事務の仕事と手話の派遣を掛け持ちしながら、国際手話の勉強を始めました。
手話って、目と目を見ないと話せない言語なんです。
声で話してると、携帯をいじりながらでも、メモを取りながらでも聞けてしまう。でも手話は相手を見ずに話すことができないから、もっと繋がっている感じがするんですよね。
「人と人が出会う、職場でも家でもない場所をつくりたい」
——手話の勉強は、その後どうつながっていきましたか?
勉強を始めて2年後、東京で100周年のデフリンピックが開催されることになって。
それにボランティアとして参加することを目標に、勉強を続けていました。
ちょうどその頃、国際手話の団体があるデンマークへワーキングホリデーにも行きました。
私は聴者なのでその団体には入れなかったんですけど、デンマークみたいな小さな国なら、飛び込めば何かしら繋がれると思って。
結果的には団体に入ることは叶わなかったんですが、デンマークでろう者の高齢者の方々が集まる会に参加させてもらう機会に恵まれました。
大きなテーブルをみんなで囲んでいて、普通なら声が届かない端と端の席でも、目線さえ合えば会話ができてしまうんです。
何も道具を使わずにコミュニケーションできる、そのすごさに触れた経験を通して、自分が将来つくりたい場所の輪郭がはっきりしてきたんです。
地方都市から車や電車で1時間ほどの、ちょっと田舎な場所にコミュニティをつくりたい。
観光じゃなくて、日本の暮らしや文化に興味がある人が長期滞在できて、私みたいに人生のどこかで迷った人も一旦立ち寄れる。
地域の人にとっては、学校帰りに寄ったり、自分の時間を持てたりする場所。
それから、手話を使う人が泊まりやすい宿泊施設にしたいですし、コミュニティスペースやイベントを通して、ろう者と聴者を分け隔てなく、同じ場所に存在させられるような人になりたいと思っています。
そんな、人と人とが分け隔てなく出会う、職場でも家でもない場所をつくりたくて。
その実現に向けて、まだ経験が足りないと思っていた時に見つけたのが、LINNASでした。
LINNASは小さい会社だからこそ、私が一番苦手なビジネスの続け方、たとえば数字の見方や理由の分析の仕方を、Akiさんから聞けます。
働いてみてもギャップがなくて、自分の狙い通り、それ以上をやらせてもらえていると感じますね。
「自分を殺さず仲良くできる、セミドライな距離感」
——社内の雰囲気はどうですか?
LINNASのいいところは、似た人が集まっているんじゃなくて、みんな個としてバラバラなこと。
それぞれに合わせようがないから、自分を持たなきゃいけない。
自分を殺さずにみんなと仲良くできる、一番いい形だと思います。
サバサバしていて、ドライすぎない「セミドライ」な距離感も心地いいです。
ご飯に誘うのも「今日どう?」の一言で、行きたければ行くし、行かなくても気まずくならない。
スタッフとは家族ぐるみで仲良くなっていて、初めて顔を合わせた東京のメンバーとも、何年も一緒に働いているような感覚で話せました。
——LINNASらしさを感じる瞬間はありますか?
LINNASの接客は、おもてなしだけじゃなく、プロフェッショナルなサービスとフレンドシップが両立しているんです。
初めて会うけど、友達の親友みたいに大事にする——そんな絶妙な距離感が、ゲストとの間にもあります。
今でも、泊まってくださったゲストと手紙やメールのやりとりをしたり、シェアキッチンで一緒にご飯を食べながらお話をしたり。
1ヶ月の長期滞在をしているゲストもいるので、仲良くなることもあります。
また来た時に「おかえり」と言える距離感。それがLINNASっぽいなと思っています。
チームという観点では、LINNASのコアな価値観を定期的に確認し合う機会も設けられています。
毎月のチームミーティングで、「Be Humble(地域やチームに誠実であろう)」、「Be Unique(自分らしさを大切にしよう)」、「Be Brave(挑戦者であれ)」というMission・Valueを共有しています。
特に「Be Brave」は、最近弱気になっていないか、受け身になっていないかを振り返るいいきっかけになっています。
——Shioriさんのつくりたいコミュニティ作りに向けて取り組んでいることはありますか?
金沢にどんなコミュニティスペースがあるのかを知るために、ご飯を一品ずつ持ち寄るイベントに参加したり、いろんな方にお話を聞いてまわったりしています。
業務内では、業者の方や住民の方もゲストと同じくらいの距離感で話しています。
荷物を運んでくれる業者さんも「〇〇くん」みたいな感じで仲良くなったりしています
今勤務しているINOVAは6階建てで、上半分がマンションになっているんですが、そこでお話ししてくださる住民の方には名刺を渡したりして、なるべくホテルとの垣根を低くするよう努力しています。
私、昔から仲間外れがすごく苦手で、学校でも仲良しグループをいくつも掛け持つタイプだったんです。
人と関わる時の初期設定が「友達」というか——そういう性格が、今の働き方にも自然とつながっている気がします。
そして、そういうメンバーがLINNASには多いなと感じています。
「全ての経験をつなげて、夢を叶えていく」
——今後の目標を教えてください。
今はまだ売り上げや稼働率など、経営的な数字のことを理解しきれていないので、そこも学んで、いずれは責任者やマネージャーのポジションを目指したいです。
これまでしてきたいろいろな経験は広さはあっても深さが足りないと思っていて。
もう少し自分にかかる負荷を増やして、マクロな視点を持てるようになりたいですね。
俯瞰して、視座高く見られるようになれば、今は「つなげられない」と思っていることも、きっとつながっていくはず。
今はまだ様々な経験を積み重ねている段階ですが、LINNASのを含めてすべての経験をつなげて、「人と人とが分け隔てなく出会う、職場でも家でもない場所をつくる」という夢を叶えたいと思っています。
——貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございました。