これまで5回にわたり、『Human-centric AI Lab』の新規事業を紹介してきました。
過去の記事はコチラ ➾
- 新部署『Human-centric AI Lab』紹介 #1:設立の背景と展望
- 新部署『Human-centric AI Lab』紹介 #2:室長のキャリアストーリーと人物像
- 新部署『Human-centric AI Lab』紹介 #3:スクーリング事業の紹介
- 新部署『Human-centric AI Lab』紹介 #4:フルコース講座
- 新部署『Human-centric AI Lab』紹介 #5:カスタマイズ講座
今回は、スクーリング事業の中でも入門編の「生成AIと機械学習入門講座」に焦点をあて、その内容や特徴を詳しく紹介していきます。
- 新部署『Human-centric AI Lab』紹介 #6:生成AIと機械学習入門講座 ⇚ 今回です!
Q : 木村さん、よろしくお願いします!
木村:はい、よろしくお願いします。
Q:「生成AIと機械学習入門講座」はどのような内容ですか?
木村:この講座では、話題の「生成AI」の 使い方 考え方について、様々な視点から学ぶことができます。
Q : 生成AI!ニュースなどで聞いたことがありますが、私を含め、よく理解していない人が多いと思います。まずは言葉の意味を教えてもらえませんか?
木村:わかりました。「生成AI」は、名前の通り人工知能(AI)の一分野で、「新しいものを作り出してくれるAI」になります。
Q : なるほど。機械といえば、指示に従うというイメージがありますが、そうではなく、生成AIは自ら考えて回答するということですか?
木村:そこまではまだ到達していませんが、目指している方向性はそうなります。「生成AI」をもう少し説明すると「学習した過去のデータから、状況に応じて新しい情報やコンテンツを作り出すAI」というような感じになります。ですから、作れるものには限界があります。生成AIの技術が使われている例には、自動翻訳や対話型(音声やテキスト)のチャットボットなどがあります。チャットボット自体は以前からありましたが、「生成AI」技術を使うことで、より自然で高度なやり取りが可能になりました。その中でも、一番有名なのは「ChatGPT」ではないでしょうか。
Q : ChatGPT!私もこの記事の編集に利用しています。Google検索よりも便利ですからね。
木村:具体的に、どんな所が便利だと感じていますか?
Q : 何よりも、答えを直接教えてくれる点ですね。検索の場合は「よし、調べものをするか!」という気持ちで利用していますが、ChatGPTでは、文字通り「~について教えて」とそのまま聞けるところが便利だと感じています。
木村:素晴らしいですね。「検索」と「生成」の違いがまさにそこにあります。従来の検索という手法は、対応の悪い先生みたいなものでした。例えば、こんな感じです。
- 生徒:先生~ここがわかりません!
- 先生:あぁそれね。この本のこのページ読んでおけばわかるよ。
- 生徒:ありがとうございます・・(結局、自分でやるのかよ・・)
学校の先生などは相変わらずこういう人が多いかなと思います。
生成AIが行う回答は以下のようなイメージです。
- 生徒:先生~ここがわかりません!
- 先生:あ~それね(この瞬間に過去の膨大な生徒との対応を検討する)、それを理解するためには、今まで学んでいたAのことを確認してから、Bという計算をすれば、できるよ。
- 生徒:ありがとうございます!できました!
ポイントは、同じような箇所でつまづいた生徒との対応を思い出し、生徒に応じた形で正解までの道筋を説明するということになります。
Q : なるほど。確かにそういう印象はありますね。改めて両者をくらべると、「検索」は図書館の司書さんみたいな感じなんですね。
木村:そうなんです。関連する資料を調査し、関係がありそうな情報を提示してくれるのが「検索」になります。当時はこの技術だけでも革命的で、Googleが世界的な企業に成長する大きな要因となりました。しかし、「生成AI」は「検索」をはるかに凌ぐ進化をとげ、今まさに成長している最中の技術になります。
Q : それは、すごいことですね!
木村:本当にすごいんです!Googleも生成AIの可能性を早くから見越して、デミス・ハザビス氏(Demis Hassabis)らが設立したDeepMindを早々に買収しています。デミス・ハザビス氏は、Alpha Go(囲碁のプロ棋士に勝利したAIソフト)や、2024年にノーベル化学賞を受賞したタンパク質の立体構造予測AI「AlphaFold」を開発した天才です。Googleも様々な独自の技術を開発しており、自然言語処理でのブレークスルーとなる「Transformer」を開発したメンバーはGoogleの研究者たちになります。このTransformerの「T」が「ChatGPT」の「T」に繋がっているんですね。本講座ではこうした生成AIの発展史なども具体例を交えながら、じっくり解説していきます。
Q : いい話を聞けて私は満足ですが、講座ではさらなる話題を取り扱っているということですね!
木村:はい。期待して下さい!
Q:改めて「入門講座」の全体的な説明をお願いします!
木村:はい。本講座では生成AI関連の技術やその考え方を紹介していきます。実際にプログラムを書くことはありませんが、AIがどういう仕組みで動いているのかをきちんと理解したいという方に向けた講座になります。「生成AI」に関連する専門的なテ―マを、数式を使わずに解説する各回1時間ほどの講義を5種類用意しております。コチラがその項目になります。
- (1) 画像処理:「消しゴムマジック」などの紹介から、その仕組みまでを解説
- (2) 自然言語処理:ChatGPTなどの解説と、その裏側にある考え方を解説
- (3) 生成AI:「検索から生成へ」の道筋を解説
- (4) 機械学習:生成AIの生みの親である「機械学習」の仕組みを解説
- (5) 深層学習:脳の仕組みを模倣した深層学習から生成AI誕生までの道筋を解説
生成AIの活用例は「画像」と「自然言語」が標準です。2回の講義で、この内容を個別に解説する予定です。続く「生成AI」の回では、その基本にある考え方、ブレイクスルーになった技術の紹介を行います。残りの2回では「生成AI誕生秘話」のような講義を行う予定です。「STAR WARS」シリーズが未来の4部から始まり過去に戻ったように、生成AIの親といえる「機械学習」と「深層学習の仕組み」を解説していきます。
Q : なるほど。それは楽しみですね。
Q:価格を教えて下さい!
木村:各回1万円からお申込みいただけます。それぞれ独立した講義なので、どこから聞いても大丈夫です。もちろん、順番通り参加してもらえたほうが楽しめると思います。(1)-(3)がつながっているので、まずはこれらを聞いてもらい、それが面白ければ(4)-(5)にも参加してもらえると嬉しいです。
Q : これまでの「E資格」講座とは関係ないのでしょうか?
木村 : 「E資格」講座の内容との親和性はありますが、本講座を修了してもE資格の受験資格は取得できません。この講座で話した内容を聞いて、自分でも実装してみたい!もっと理解を深めていきたい!という方は「フルコース講座」を始めてもらえると嬉しいです。
Q:私のような文系人間でも参加できますか(講座を受講するための条件はありますか)?
木村:参加できます!これまでの講座とは違い、条件はほとんどありません。生成AIの書籍を読んでみたけれど、いまいちピンとこない、もう少し広い視座から学んでみたいという方向けの講座になります。もちろん、知識ゼロで何となく流行っているらしいから知りたいとかでも大丈夫です。
Q : 「ほとんど」・・ということは条件はあるんですね・・
木村:少しだけ。中学校の数学で学んだ関数の考え方だけは必要になります。
説明のために、関数のイメージを下図に書いてみました。ハテナマークの黒い箱が関数のイメージです。
これは、何か(例えば、お金)をいれたら(入力)、ある種のルールに従って(これを関数という)、何か(飲み物など)がでてくる(出力)という関係を図にしたものになります。
Q : ??これだけですか??
木村:はい、これが「関数」のイメージで、これだけ理解してから参加してほしいです。
Q:講義の日程はどうなりますか?
木村:講義は各回1時間で完結します。これまでの「フルコース講座」、「カスタマイズ講座」と同様、平日の夜と土曜日に開催します。
- 平日:週1回ほど
- 土曜日:午前もしくは午後開催(月に1~2回ほど)
講義の内容と順番は事前に決めてありますが、具体的な日程は、各講座への皆さまの希望を踏まえた上で決定します。
Q:本講座を受講することで何が得られますか?
木村:皆さまの頭の中に散らかっている断片的な知識がつながることが期待できます。
Q : どういう意味ですか?
木村:大河ドラマを例に説明させて下さい。今年の「光る君へ」では紫式部が主人公でした(昨日12/15が最終回でした!)。誰もが名前は知ってる「源氏物語」ですが、藤原家の人々や時代背景を知らないと、なかなか「源氏物語」も「光る君へ」も楽しめないですよね。
Q : そうなんですよ。藤原のなんちゃらが多すぎて・・。私はあまり知らないので、紫式部も藤原家なんだ、ってビックリしたくらいです。
木村:わかります。でも、主要な人物とその背景を知るうちに、時代の流れがだんだん見えてきて、行動の動機などもわかり面白くなりますよね。これが、点である知識が線になり、さらに面として広がっていくというプロセスになるわけです。
Q : わかりました!それが、断片的な知識が結びついて全体像としての理解が深まる瞬間なんですね!
木村:そうなんです。この講座では、皆さんがすでに持っている日常的な知識や経験から始め、それらを関連付けて生成AIという枠組みにおさまるような講義を目指しています。
Q : なるほど。それは楽しそうですね。ということは、全5回の講義は、ある意味つながっているということですね。
木村:はい、各回完結の話題ではありますが、色々と紐づくような仕掛けを考えております。
Q : 楽しそうですね!私も参加してみようと思います!
Q:本日もありがとうございました。
木村:こちらこそ、ありがとうございました。
ここまでご覧いただき、ありがとうございました!
今回は、「Human-centric AI Lab」で新しく始まるスクーリング事業のひとつ「生成AIと機械学習入門講座」の紹介をしていただきました。
次回は、新しいテーマで2025年1月から開始する予定です。どうぞお楽しみに!