【コミュニティ推進事業部マネージャーインタビュー】LFAだからこそできる、組織の枠を超えた支援に取り組みたい
こんにちは!Learning for All 広報です。LFAで働くメンバーが、どのようにLFAと出会い、普段どんな想いで働いているのかを紹介する【LFAメンバーズの履歴書】。今回は、コミュニティ推進事業部で企業連携チームマネージャーとして働く高際 俊介(たかぎわ しゅんすけ)さんです。
高際さんは、2024年7月に40代でLFAに入職しました。このインタビューでは、高際さんが担当した「ふるさと納税クラウドファンディング」や、高際さんがこれからのLFAのために取り組みたいと考えている支援の形についてお話を聞きました。
「面白い人に会えそうだ」と感じ、LFAに入職
――高際さんの、これまでの経歴を教えてください。
私は最初、新聞社で広告の企画営業の仕事をしていました。その後、社会課題に関わる事業を行っている会社で事業開発を経験し、そしてLFAに入職しました。
――社会課題に携わる経験があったとはいえ、40代でNPOに転職することに不安はなかったですか?
40代だから不安というのは特にありませんでした。退職自体、なんとなく区切りをつけたくなって次のことも決めずにといった感じで……。幸い、退職後にいくつかのお誘いをいただき、その中にLFAからの話もあったんです。
――次を決めていなかったということは、いろんな選択肢があったということですよね。LFAを選んだ決め手はなんだったんでしょうか?
LFAが取り組もうとしていることに違和感がなく、しっくりきたのがひとつですね。何を仕事にするかについて「今、人生の時間をどう使うか」という観点で考えているのですが、その意味でもありだなと思ったこともあります。
LFAに誘ってくださったコミュニティ推進事業部長の石神さん(現在の上司)をはじめ、「LFAなら魅力的で面白い人に会えそうだ」と思ったのも大きな理由です。
――実際入職してみて、どうですか?
仕事自体は想像とのギャップもなくやるべきことを粛々と進められています。子どもひとりひとりに向き合う繊細な視点と、政策提言など大きな視点を両立させる必要があることに難しさは感じますが、この高い要求に応えるために考え続けているメンバーに囲まれているので、仲間をリスペクトできる環境です。
目に見えるリターンのない寄付には、企業が納得できるストーリーが重要
――高際さんは今、企業連携チームで主に法人相手に資金調達のお仕事をされていますが、前職の民間企業での社会貢献事業とNPOの違いは感じますか?
NPOでも民間企業でも、究極的には何らかの課題解決を目指しているという点では同じだと思っています。
ただ、対価をいただいて目に見えるリターンを提供する商品・商材と違い、いまLFAで担当している寄付には明確なリターンが内包されているわけではありません。いただいたお金の還元先が社会だからです。そのため相手側に「なぜ自分はこの寄付を行うことをよしとしているのか」をご自身のなかで納得感を得ていただく必要があります。その点において、前職時代と今では、相手とのコミュニケーションには大きな差があると感じています。
――目に見えるリターン以外の理由が必要になる寄付は、実際どんなプロセスを経て決まるものでしょうか?
企業側が納得できるストーリーを持てることを大事にしています。例えば「自社で子どもや教育に関する取り組みはできないが、LFAに寄付することで自分たちの思いを実現したい」といったように、「自社のお金がどんな課題解決に活き、その実行主体がなぜLFAなのか」といったことを描いていきます。そのために、時には企業と議論を交えながら、寄付の目的や意義を共有し、納得してもらえるようなコミュニケーションを心がけていきます。
前職でも広告企画や事業開発支援など、“形のないもの”に価値を感じてもらって案件化する仕事でしたが、提供価値が定まっていないものを提案していくというのは初めてで、難しさも感じています。
LFAだからこそ、組織の枠を超えた支援に取組みたい
――LFAで仕事を続けていくうえで、高際さんが挑戦したいことやビジョンはありますか?
LFAの代表の李さんが、昨年10月に新公益連盟の共同代表理事に就任するなど、LFA単体ではなく、いろいろなつながりをもって挑戦していける環境になってきていると感じています。今の状況を最大限活用するためにも、もっとまわりを巻き込んだ動きをとっていきたいです。
例えば、LFAは6歳から18歳の子どもを主な支援対象としていますが、未就学児や高校卒業後の若者も等しく支援したいと考えている企業もあります。そんなときでも、今のLFAなら、横のつながりを強化して、その企業が納得感を持てる包括的な活動を支援できる仕組みを作れると思っています。
企業内で寄付を検討する場合でも、特定の一団体への寄付よりも複数のNPOが連携した包括的な取組みのほうが理解を得やすいというケースもあると思いますしね。
――まさに、LFAだからできる役割ですね。
はい。それから、寄付の支援をいただける方に加えて「寄付などの支援の輪を広げてくれる仲間」をどうつくっていくかも大事だと思っています。誰しも、信頼している人からの話のほうが耳を傾けやすいですよね。例えば拠点での活動に参加してくださっている地域の方々との取り組みを強化していけると、大きな力になると思います。
初めてのふるさと納税は、全職員を巻き込んで全方位でチャレンジ
――高際さんは2024年7月に入職されたあと、個人版ふるさと納税のクラウドファンディングの担当になられましたよね。そちらの話も伺いたいのですが、まずは「ふるさと納税でのクラウドファンディング」について簡単に説明していただけますか?
特定の活動・目的のために寄付を募るということで「クラウドファンディング」と銘打っていますが、仕組み自体は通常のふるさと納税と同じです。例えばふるさと納税でカニを選んだ場合、寄付を受け取った自治体がカニの生産者にカニを発注することで寄付者にカニが届きます。LFAを寄付先に選んでいただくと、自治体(今回で言うと尼崎市)を通じてLFAに寄付金が届く仕組みです。
――LFAとして、ふるさと納税で寄付を募ろうと考えた理由はなんでしょうか。
いままではLFAへの直接寄付という形式を主として行っていましたが、資金調達の選択肢を増やしてみるためのチャレンジといった位置づけです。ふるさと納税ですと控除上限額の範囲内であれば、実質2,000円負担で行えるという特徴があります。2024年9月から準備して、11~12月の期間で募集し、500万円余りの寄付をいただきました。
――ふるさと納税でLFAへの寄付を選ぶ場合、「高価な食材や家電を受け取るよりもLFAに寄付したい」と思ってもらう必要がありますよね。寄付をお願いするにあたり、工夫された点はありますか?
はじめての施策ということで、とにかくできることは全部やろうと思い、全職員を巻き込んで全方位で行いました。大きく分けて、3つのアプローチをしました。
1つめは、対企業。すでに寄付をいただいている企業へ、従業員のみなさんに働きかけていただくようお願いしたり、仕事でお会いする経営層の方などへ個人での寄付をお願いしたりといったことです。2つめは、対個人。個人で寄付してくださっているマンスリーサポーターさんにご案内したり、アルムナイ(※)にアプローチしたりしました。3つめは、対関係者。LFAとかかわりのある行政や地域の人たちへ向き合っている職員を通じてご案内しました。
※同窓生、卒業生、人事分野では退職者を指す言葉。ここでは主に、過去にLFAでボランティアやインターンをしていた人達を指しています。
――3つのアプローチに共通点はありますか?
関係値が深い、顔が見える関係の人からのアプローチに重点を置いていることです。わたしは期間中、組織内コミュニケーションツールであるslackで毎日のようにLFAのメンバーにも呼びかけていたのですが、入職したての自分より他のメンバーが拡散してくれるほうがずっと有効だと思ったからです。
――それで500万円もの寄付をいただけたのは、すごいことだと思います。2025年度以降もふるさと納税の取組みを行うとして、次回以降はもっとこうしたいといった想いはありますか?
今回は準備の時間が短かったこともあり、ふるさと納税単体で動くしかなかったのですが、次回以降はふるさと納税も「数ある寄付方法のひとつ」として提案するような形にしていきたいと思っています。バラバラで話が来ると、寄付を依頼される側も違いを理解しづらいと思うので、「通常の寄付ならこう、ふるさと納税ならこう」というように一緒にご説明できるようにしたいです。
熱意にあふれるLFAの仲間をバックアップしていきたい
――入職されて半年余りですが、LFAやLFAのメンバーへの想いを教えてください。
「LFAに入ると面白そうだ」と感じた入職時の想いは、入職後により強まっています。みんな「本当に社会を変えるにはどうすればいいのか」と考えているのは同じですが、頭がやわらかく受容性があるなと感じています。わたし自身はメンター気質というか、熱意がある人をバックアップするのが性に合っていると思っているので、LFAメンバーの熱意のアウトプットを手助けしていきたいと思っています。
ただみんな本当に真面目でなので、「もっと肩の力を抜いてね!」とも伝えたいです(笑)。
――では最後に、LFAへのジョインを検討している方へのメッセージをお願いします。
今のNPOは「資本主義では解決できない課題に取り組みたい」と挑戦している人が多いですし、中にはビジネスセクターで成功した経験のある人も少なくありません。なので、「NPOはよくわからない」といった理由でなんとなく避けるのは本当にもったいないと思います。
LFAも目標に向かって果敢に挑戦しているNPOです。マクロな視点を持って政策提言につながることを本当にできる仕事なんてなかなかありません。
「NPOで働いて社会貢献をしたい」と考えている人だけでなく、インパクトスタートアップなどビジネスでの社会課題解決に興味がある人にも関心をもってもらいたい組織だと思います。