ビジョンの源泉ー現社長が見てきた景色とこれから見せたい世界ー
みなさんこんにちは。株式会社Leading Communicationの代表取締役の井上です。
本記事では、私自身のこれまでの歩みを振り返りながら、会社のこれまでの軌跡やこれから描いていきたい未来についてお話しさせていただきます。
クリエーター育成やマーケティングを通し総合的なプロデュースを実践
株式会社Leading Communication(以下LC)は、2020年にクリエーター育成とマネジメントを目的に設立されました。その後、2021年にSNSを基盤としたマーケティング事業を開始し、現在は業務提携含め1,500名以上のクリエーターが所属、主に縦型ショート動画を使った包括的なマーケティングや企業のアカウント運用、広告制作、キャスティングなどを行なっています。
消費されないキャリアをともに生み出していく
MCN(芸能プロダクション業務と広告代理店業務を融合させたビジネス)の中でも、私たちの大きな強みとなるのが、「所属するクリエーターやスタッフのキャリアを、ともに生み出すこと」です。クリエーターの影響力を一過性で終わらせることなく、本人の“やりたいこと”、“得意なこと”を見つけ、数年先のキャリアまで設計していく。このようにクリエーターの持つポテンシャルと、マーケティングで得た知見を掛け合わせ新たな事業を生み出すことで、“消費されないキャリア”を築くことができるのです。
また自社プロダクトの開発をはじめとするクリエーターの事業が増えれば、スタッフも事業部長や子会社の社長へステップアップしていく可能性があると考えています。
スキル採用よりも価値観採用
これまでLCは、人の可能性を信じ続けてきました。例えスキルや実績がなくても、それぞれの価値観や想いが会社のビジョンと共鳴することで、想像以上の力が発揮されることがあります。だからこそ常識やバックグラウンドに縛られず、個性を大切にしたい。潜在能力を解放する場を作りたいと考えています。
私自身も高校を中退し、一切のスキルがない中、あらゆる仕事に挑戦してきました。その多くの“挑戦”が今の自分をつくってきたと思っています。何事にもぶつかっていく勇気さえあれば、それで十分なのです。
入学1ヶ月で高校を中退、あらゆる仕事を経験
私は山口県で男三兄弟の末っ子として生まれました。高校はハンドボールの強豪校に推薦で合格したのですが、入学前の段階で朝5時から部活の朝練でしごかれるなど、さっそく濃密な時間を過ごすことになりました。女子もごく少ない学校で、工業分野を学びながら3年間も同じ日々を繰り返す…。
日々、部活に打ち込む中、「本当にそれが自分のしたかったことだろうか…」、ふと、そんな想いが頭をよぎり、その先の人生が急につまらないように思えたのです。
結局、入学から1ヶ月が経った5月の誕生日、母親を説得し、高校を中退することに決めました。母はそんな自分の決断を否定することはしませんでした。女手ひとつで子供を育ててきた彼女は、常に自分の子供のやることを否定せずに信じる、そんな人でした。
その母の気持ちに報いようとも思い、その時、私が自分自身に誓ったの「選択をすべて正解にすること」でした。中退したからには学校へ通う同級生とは差をつけなければならない。そのためには、まずはお金を稼ぐことから始めよう、そう思いました。
居酒屋店員、プールの監視員、引越しの作業員など、仕事をひと通り覚えたら次の仕事へ…と自分なりにいろんな職業にトライし、とにかくお金を貯めました。母子家庭だったこともあり、「これ以上家庭に負担をかけてはいけない」と思い、ある時福岡に拠点を移し、生まれてはじめてのひとり暮らしを開始。現地に顔見知りはいませんでしたが、仕事を通して出会った大人たちが可愛がってくれたおかげでたくさんのことを学ぶことができました。
すべてが未経験。“可能性だけ”で採用された東京での仕事
その後、福岡で出会った友達がきっかけで上京することに。縁があり、現会長の細矢が経営していた株式会社C-FUで事業の立ち上げに参加させていただきました。私はPCのタイピングも一切できないような人間でしたが、“やる気”と“可能性”だけに賭けて採用していただけたのは本当にラッキーでした。
C-FUではホストクラブも経営していたので、カメラマンとしてホストの宣材写真を撮影したり、PRなどの広報業務、広告制作やアパレルブランドの開発も担当したりしました。どれもまったく経験がなかったので、ゼロからぶつかるしかない。部署に上長もいない。 そんな環境の中、都度細矢に相談しながらとにかくがむしゃらに突き進んだことを覚えています。
その時、学んだことは「仕事の本質に目を向けること」。
表面的なことでなく、「なんのために、だれのためにそれが必要なのか」「相手はなにを求めているのか」という仕事の本質を徹底的に考えてみると、おのずと手段や手法が見えてくるのです。あとは常にマーケティング脳でいることを習慣にすること。単なるサービスや宣伝、販売のことだけでなく、顧客のニーズを深く理解し、それに基づいて戦略を立案していくこと。そうすれば道は自然と開け、自分で動けるようになってくるのです。
そういう私も初めは分からないことだらけで、すぐに細矢に聞きに行くばかりでしたが、その度に、細矢が仕事の本質を私に問い続けてくれたことで、自ら考える力が鍛えられました。
他責思考はNG、仕事をやる切る覚悟を持つ
もちろん過去には失敗もたくさんありました。できなかったこと、失敗の原因を他責にして言い訳を繰り返したり……。
でも、途中で気づきました。人のせいにしても、物事はなにも変わらない。大切なのは「どうやったら解決できたのかを振り返ること」。物ごとの捉え方を変えるだけでいろんなものが成長の糧になるし、高校を中退した時に「すべての選択を正解にしてみせる」と心に決めています。仕事に対しても、やりきる覚悟を持つべきだと気づいたのです。
LCの設立以降、33歳の時に初めて営業職を経験することになったのですが、当時は飛び込みの電話営業が苦手でほとんど成果が出せませんでした。でもある時に手法を変え、あえて知人からの紹介やメール営業に切り替えてみました。信頼している知人から紹介していただいた人から信頼を得て、また新しい人を紹介していただく……といった感じで、徐々に売り上げが伸びるように。それからは所属クリエーターの独自企画を逆営業させていただけるほどの自信もつきました。
その後、部長、事業部長を経て、細矢から私に社長就任への打診があった時は、正直驚きました。「中卒の人間が社長になれる」なんてことが現実にあるとは、夢にも思っていなかったですから。でも、あの時、細矢がなにもない私の可能性に賭けてくれたからこそ、今がある。
そんな自身の経験もあり、私はこれからのLCも人の可能性を信じ続けていきたいと思っています。
人の可能性を信じ、ホールディングスの輪を広げる
世の中にはあらゆる性質の人がいます。自分の意思がはっきりとしていて着実にキャリアアップをしていく人もいれば、私のようにスキルやこだわりがなくても、課題と向き合いクリアしていくことに楽しみを見出せる人。LCは特に後者のようなタイプと一緒に成長していける会社だと思います。会社の掲げるビジョンに共感し、本人の興味とリンクするような事業があれば、たとえスキルや実績がなくてもやりきってくれる。それは今いるスタッフから私自身が教えてもらったことでもあります。
「もしかしたら自分でも事業部長になれるかもしれない」「大きな仕事を任せてもらえるかもしれない」といった夢を掲げて入社するスタッフとはぜひ一緒にキャリアを作っていきたいと思いますし、そのためにはまずは私たちが楽しみながら仕事をすることを心がけています。
同じ価値観を持つ仲間たちと新しい事業を生み出し、ホールディングスとしてより大きな輪を広げていきたいと考えています。