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【インタビュー】ストーリーがクラフト酒の魅力を最大限に引き出す

こんにちは。KURAND公式note編集部です。

クランドでは、小規模生産でつくられた、個性溢れた新しいお酒のジャンルをクラフト酒(しゅ)と呼んでいます。

クラフト酒には、お客さまの手元に届くまでのストーリーがあります。土地の魅力がたっぷり詰まったお米や果物をつくる農家、こだわりの原料と職人の技術で美味しいお酒をつくりあげる酒蔵。

そんなクラフト酒のストーリーを、飲み手であるお客さまに伝えるために、クランドではお酒の購入ページの商品紹介文や、読みもの、季刊誌の「クランド MAGAZINE」など、さまざまな方法で発信しています。

今回は、クラフト酒のストーリーをはじめとした、クランドのあらゆるライティング業務全般を担当しているOgushiさんにお話しいただきました。

プロフィール:Ogushi
CRMチーム ライティング担当

クランドのテキスト全般のライティングや、Webマガジンや小冊子では編集責任者として、企画からライティング、編集までを担当。そのほか、クランドらしいテキストのレギュレーションの設計を行っています。

だれが読んでもわかりやすいように

ークランドらしいテキストのレギュレーションの設計を行っているとのことですが、具体的にはどういったことをしているんですか?

Ogushi:どんな人が読んでもわかりやすいテキスト、そしてクランドらしいテキストとはなにか、社内のメンバーの認識が同じになるようにルールを定めています。

私が定めたレギュレーションをもとに、SNSやメールマガジンなど、媒体に合わせて各担当者が発信しています。

ーだからどの媒体の発信でも、トーンが統一されているんですね。ライティングのお仕事は今までも携わられたことはありますか?

Ogushi:前職で業界紙の記者と、雑誌の編集をやっていたんです。もともとマスコミに興味があって、学生のころも新聞の学生記者をやっていたりもしました。

ーライティング経験があるOgushiさんが、クランドでのライティングで難しいと感じたことはありますか?

Ogushi:今まで携わった新聞も雑誌も業界・プロ向けだったため堅いテキストが多かったのですが、クランドのテキストは一般のお客さまが読むものなので、まずトーンが全く違っていました。

特にクランドのお客さまは、普段お酒をあまり飲まない人や、お酒の知識が豊富ではない人の利用も多いので、できる限り専門用語を使わないなど、だれが読んでもわかりやすい表現にするよう心がけるようになりました。

ストーリーが伝わること

ー購入ページのストーリーはどのような感じで作成しているんですか?

Ogushi:商品のコンセプトによっても変わってくるんですけど、例えば飲み方を提案するときは、こんな飲み方で飲んでもらいたい。だけでは魅力が十分に伝わらないと思っています。

このお酒をどんなシーンで飲んでもらいたいかを想像して、読んだ人にそのシチュエーションを思い浮かべてもらえるような、世界観を作り上げていくことで魅力がより伝わると考えています。

ーストーリーによって魅力が伝わっているなと感じる商品はありますか?

Ogushi:個人的には日本酒の「絶 -zetsu-」は、特にシーンをイメージしやすくて、いい商品だなと感じています。

ー超辛口の日本酒ですね。

Ogushi:超辛口の味わいが特徴になっているのですが、その味わいを刀の一太刀で表していて、ストーリーで味わいのイメージを補完できたかなと考えています。シリーズでも人気の高い商品です。

ストーリーが伝わるってこういうことなのかなと思っています。

ポイントは、あえてひらがなを使うこと

ーストーリーを作成するうえで、意識していることや決めているルールはありますか?

Ogushi:わかりやすい、親しみやすいと感じてもらうために、柔らかい文体で書きたいというのはいつも考えていて。柔らかさを出すために、あえてひらがなを使うことを意識しています。

もちろん、すべてをひらがなにしてしまうと読みにくくなってしまうので、一文の中に漢字がたくさん並びすぎないよう、全体のバランスを見ながら調整しています。

ーあえてひらがなを使うことで、柔らかさを表現しているんですね。

Ogushi:あとは、先ほど専門用語を使わないようにしていると話したと思うのですが、専門用語はできる限り誰でも理解できる言葉に置き換えています。

ストーリーを読み進めていて、知らない言葉が出てくると読みたくなくなってしまうと思うんです。なので、できる限りわかりやすい表現に置き換えることで、気がついたら読み終わっていたくらいの感覚で気軽に読んでもらいたいなと思っています。

ーでも、やっぱり私たちもお酒のプロなので、当たり前に使っている言葉が専門用語だったということもあると思うのですが、それはどうやって判断してるんですか?

Ogushi:客観的な意見がもらいたいときは、社内のメンバーにヒアリングしています。例えば日本酒のことなら、あえて焼酎には詳しいけど日本酒は詳しくないメンバーに意見をもらってみたり。

できる限りお客さまに近い感覚を無くさないように心がけています。

ー大切な考えですね。知識があるからこそ、わかりやすく説明できるときもあるのかなとも思いました。

Ogushi:そうですね。クラフト酒って個性があって、その個性を伝えるために専門用語を使いたくなることもあるんですけど、どんな人が読んでもわかりやすいような表現に翻訳して伝えるのが私の役割なのかなと最近は感じています。

紙に書いて整理してみる

ーストーリーを組み立てたり、世界観をつくるときのコツはありますか?

Ogushi:毎回ではないですが、なかなか進まないときや、あまりしっくりこないときは、一度紙にキーワードを書き出してみるようにしています。

1番伝えたいこと、魅力を伝える上でキーになりそうなもの、そのお酒にまつわるキーワードを一度羅列してみて、そこから広がるイメージが他にないか、別の言葉に置き換えられないかを整理することができるんです。

パソコンの画面上で考えると、どうしてもどこか機械的になっていってしまうことが多くて、そういうときは紙に書き出したりしています。

ーありがとうございます。すぐに取り入れられそうですね!ちなみに抽選販売の商品は高価格帯なものが多いですが、表現を変えることはあるんですか?

Ogushi:先ほどひらがなをあえて使うという話をしたのですが、抽選販売の商品は、通常の商品に比べて漢字を使う割合を多めにしています。

ひらがなは印象が柔らかくなる反面、高級感とは真逆のイメージを与えてしまうので、あえて漢字を使うことで見せ方を差別化しています。

ー商品の見せ方によって、少しずつルールを変えているんですね。商品ごとに幅広い表現をされている印象ですが、どのように表現方法をインプットしているんですか?

Ogushi:日常生活の中で意識的にインプットをすることはしないんですけど、商品チームがあらかじめ決めてくれている商品コンセプトや価格帯、味やデザインのイメージに合わせ、表現方法を都度インプットすることが多いですね。

例えば熟成焼酎だったら、ウイスキーの表現方法をリサーチしてみたり、お酒に限らず様々なものの表現方法からも学んでいます。

ストーリーがクラフト酒の魅力を最大限に引き出す

ーいろいろとお伺いしてきましたが、クラフト酒のストーリーとはなにか、教えてください。

Ogushi:お酒を選ぶとき、パッケージデザインやネーミングだったり、味わいや原料から見る人が多いと思います。最後に購入するかを判断するとき、最後のひと押しをするのがストーリーなんじゃないかなと思っています。

表面的な情報だけではわからない商品の魅力を、ストーリーの力で最大限に引き出せると考えています。

ー商品のパッケージやネーミングと同じくらい大切な役割ですね。

Ogushi:クランドのお客さまって、今までお酒との接点がほとんど無かったという方も多いんです。アニメやゲームなどとのコラボ商品や、人気サービスの「酒ガチャ」が初めてのお酒との接点になるパターンも多くて。

だからこそ、お酒に興味がなかった方やお酒の知識が無い方にも、ストーリーの力で「気になる」と思ってもらえるきっかけになるといいなと思っています。

ーOgushiさん、インタビューありがとうございました!


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