2025年7月より、FBC(フードビジネスカンパニー)ブランド事業部の部長に抜擢されたのは、関口一平さん(通称:ぺいぺい)です。
ブランド事業部は、EC Kuradashiで販売するマーケットプレイス型(産地直送型)商品の仕入れから、Amazon・au PAYマーケット・ファミマオンラインといった他ECモールへの出品・出店、さらには、自社ブランドである「Kuradashiオリジナル」や「GREEN DOLCE」、「Dr.つるかめキッチン」等、幅広い事業領域を担当しています。
今回はそんなブランド事業部をまとめ、日々チームのみんなを牽引している、現クラダシ役職者の中で最年少のぺいぺいに、部長就任までに乗り越えてきた壁や挑戦、そして今後の目標について伺いました。
目次
- 未来を自ら切り拓く決断
- 小さな成功と葛藤が育てたリーダーの覚悟と自信
- 信頼と挑戦で紡ぐ成長の輪、新たな挑戦の始まり
- 経験を力に変え、ブランド事業部を確固たるものへ
- 変わるのは自分、広がるのは世界
未来を自ら切り拓く決断
Q. ぺいぺいは、大手企業からクラダシに転職したんですよね。
新卒で自動車関連の大手メーカーに入社しました。1年目から海外向け営業や新商品立ち上げの仕事を任せて頂くなど、大手企業ならではのスケール感とサプライチェーンを横断した業務を経験させてもらい、とても充実していました。一方で、安定している業界でもあるがゆえにこの環境で10年・20年を過ごしたときに、なんとなく「こうなるんだろうな」という未来像が見えたのも事実です。そう思い始めたタイミングで新型コロナウイルスが流行しはじめ、これまで当たり前だったことが大きく変わり、より不確実性の高い世の中になりました。それであれば、自分自身も将来どうなるかわからないけど、面白そうと心動いた環境でチャレンジしてみても良いのではないか?と思い、転職を考えはじめました。
Q. 転職するときに軸にしていたことを教えてください。
1つは裁量をもって働ける環境であること。自分で考え、自分で動き、事業を前に進める経験がしたい。その思いが強かったからです。
もう1つは業界として、食やエネルギーといったインフラ領域で世の中を前進できるような会社であること。生活の根幹を支える領域だからこそ、社会へのインパクトが大きい。そんな仕事に関わりたくて、インフラ領域のソーシャルベンチャー企業を中心に見ていました。
そんなときに届いたのが、クラダシからのオファーでした。
クラダシは、フードロスという新しい社会課題に真正面から挑みつつも、その根底には「楽しくないと続かないよね」という持続可能性も兼ね備えている会社です。それはサービスだけでなく、創業者の関藤さんの考え方や、他の社員の雰囲気からも強く感じとれました。消費者にとって、自分ごと化しやすいフードロスの問題を、楽しく解決しようとするサービスの考え方と、事業に対して真剣に取り組み、経済性と社会性のインパクトの両立を目指す会社の考え方に惹かれ、この環境でチャレンジすることに決めました。
小さな成功と葛藤が育てたリーダーの覚悟と自信
Q. 挑戦や変化を求めた先がクラダシだったんですね。クラダシではどのようなキャリアを歩まれてきましたか?
入社して最初の半年は、正直自分が想像していた以上に組織の力になれなかったですね。自分自身の力不足をありありと感じつつ、自分なりにできること・貢献できることを考えながら、一歩一歩前に進んでいった感覚です。
入社して1年が経った頃、現在のブランド事業部が担当しているマーケットプレイス型(以下「マケプレ」)の仕入れモデルを一人で任されることになりました。Kuradashiの仕入れの基本形は、メーカーさんから商品をすべて買い取って販売するというスタイル。その中で、既存のパートナー企業をベースに、マケプレ型で出品してくれる企業や商品の開拓に挑戦しました。営業の進め方や出品してもらう方法、企業との連携の仕方など、自分なりに手探りで型を築いていきました。その結果、半年間で大きな売り上げをつくることができ、会社としても「マケプレの可能性をもっと広げよう」という動きが生まれ、クラダシのバイヤーチーム内に「マケプレグループ」が設立。その1年後には、そのグループのリーダーを任せていただくことになりました。
1から試行錯誤しながらも、パートナーと信頼関係を築いて事業を大きくしていくプロセスを経験できたことは、自分の中で大きな財産になりました。また、結果を出せば組織を動かすことができることを実感したとともに、それによって自分自身がさらに大きなことに挑戦できることも学びました。
Q. 入社から約3年でグループリーダーを担当されたんですね。難しかったことはありますか?
グループ化した際には、自分が取り組んできたことを人に伝えるために言語化し、体系化することに非常に難しさを感じました。また、チームで動く場合は仕組み化が必要だけど、仕組み化すると一人ひとりの業務分担が明確になりすぎて、チーム全体のスピード感や熱量が落ちてしまう。バランスのとり方にも悩みましたね。
その後、グループリーダーを任せて頂いた際にはチームの意思決定を自分で行う覚悟と推進力を持つことに難しさを感じました。自分自身の業務における判断なら、責任範囲は基本的に自分のみですが、チームとしての意思決定はチームメンバー全員に影響を与えると思うと、その責任の重さに怖さを感じました。チームで動くということの責任と、自分の意思決定の重さ。その両方と向き合う経験は、非常に難しかったですね。
Q. そういった課題をどのように乗り越えていきましたか?
仕組み化、体系化は、社内に上手な人が多かったので、彼らの手法や考え方を学ぶことを通して、徐々に身につけていくことができたと実感しています。
意思決定については、そのあとの1年間の自分のテーマとして向き合いました。
1つは、そもそも「意思決定」とは何か?を学びました。
- 判断が難しい状況は、基本的にメリットとデメリットの割合がほぼ拮抗している、いわば51対49の状態であること。
- 意思決定の質を高めるためには、前提となる知識や選択肢を多く持つこと。
- 最後は決めたことを正解にするための覚悟と努力、パッションが大切であること。
社内で開催していた有志参加の放課後HR(社内寺子屋)や、外部の勉強会・セミナーに横断的に参加したことで、これらの考え方を体系的に身に着けることができ、漠然と感じていた意思決定の「怖さ」みたいなものを手放すことができました。
もう1つは、意思決定する場数を増やしてみることです。
クラダシでは2021年からロスおせちの販売を行っていますが、2024年に初めて「おせち大臣」の名を襲名し、ロスおせちのプロジェクトリーダーを任せていただきました。
おせちプロジェクトは、仕入れチームだけでなく、倉庫と連携して物流をサポートするチーム、ユーザーとサイトを通じてコミュニケーションを図るマーケティングチーム、おせち商品を広く世の中に広める広報チームなど、全社を巻き込む大きなプロジェクトです。
開始の段階から、目標設定・商品の獲得戦略・オペレーションの推進体制などを決めて、他部署のメンバーも巻き込みながら推進したり、進める過程で壁にぶつかった際に、方向性を決めてリードしたり。この経験は、まさに学んだものを活かして取り組むことができた貴重な機会でした。
結果として、2024年の年内のおせち売上件数は過去最高を達成し、全社の業績にも大きく貢献することができました。この経験を通して、自分にできることの幅がさらに広がったと同時に、また一つ大きな自信にもつながりました。
部長になった現在では日々が意思決定の連続で、1年前に悩んでいた時に比べると、少しは精度・スピードともに成長したのではと実感しています。
信頼と挑戦で紡ぐ成長の輪、新たな挑戦の始まり
Q. 今年の7月よりブランド事業部の部長に就任されましたね。現在のクラダシ役職者の中では最年少での就任ですが、率直な気持ちを教えてください。
会社として上場3年目を迎え、「第三創業期」を掲げるタイミングで、部長就任のお声をかけていただけたことは、率直にとても嬉しかったです。
正直にいうと、これまで「部長になりたい」と意識したことはなかったですが、チャンスをいただいたからにはモノにしたいし、しっかり結果で還元したいという気持ちでした。また、自分自身クラダシに入社して多くの先輩に助けていただいて今があるので、これまで自分が受けたものを他のメンバーにもつないでいくことと、任せていただいた事業領域を成長させることで会社のより良い未来をつくっていくことにはコミットしようと決めました。
Q. 部長に就任されてから、約半年。実際にどのように取り組まれていますか。
まず最初に、チームの組み方を変更しました。これまでブランド事業部では、2人1組で同じ案件を進めるバディ制を採用していましたが、これを見直し、1人1プロジェクトを担当し、個人がオーナーシップを持って取り組む体制に変更しました。ブランド事業部の目的は、既存のマケプレ型の成長だけでなく、Kuradashiとしての販路を広げることと、自社ブランド商品を育成・成長させることです。そのため、一人ひとりが自分の役割にオーナーシップを持つことで、販路拡大に向けたPDCAサイクルをより早く回し、スピード感を持って取り組めるようにしています。
また、フードロス削減の取り組みを広げるにあたり、フードサプライチェーンにおけるクラダシの影響力をより大きくしていきたいと考えています。そのためには、サプライチェーンの出口だけではなく、上流にもクラダシが関わる必要があります。
そこで今進めているのが「GREEN DOLCE」の取り組みです。「GREEN DOLCE」は、未利用素材を活用し、世界大会などで受賞した経験のあるパティシエの手によってこれまでにない唯一無二のスイーツを開発するブランドです。この取り組みをさらに拡大していくことで、既製品のフードロスだけでなく、原料や加工前で発生するフードロスにも取り組むことができ、メーカーや農家の方々に新たな出口を提案することが可能になります。
事業領域が多岐にわたるのと、新規探索の事業も多いので、意志を持って進めつつも状況に合わせて柔軟に変えながらチームの運営をしています。とはいえ、想定通りにいかないことも多いので、試行錯誤を繰り返しながら最適解を模索していますね。
Q. チームで事業やブランドを育てていこうとされているのが伝わります。そんなチームを築く上で大切にされていることはありますか?
2つあって、1つ目は挑戦する機会の提供とサポートを両立すること。
ブランド事業部は事業として新規領域に取り組んでいるので自分達でもがきながら最適解を探っていく粘り強さが求められます。まずは自分なりに仮説を立てて、オーナーシップを持って取り組む機会をつくりつつ、躓いた時、道に迷った時にしっかり方向性とアクションを明示できる存在でいたいと思っています。ただ、私自身も正解を知っているわけではないので、メンバーの意見や知見から学ぶことも多いし、メンバーに助けられている面も多くあります。だから、日々のコミュニケーションを通して双方が成長していける、そんな関係を大切にしていきたいですね。
2つ目は「モメンタム」を常につくること。
会社の今期テーマ「突破せよ」はブランド事業部に非常に合ったテーマだと感じています。若いメンバーで新規領域に取り組んでいるので、仕事を進める中で壁にぶつかることも多いんです。そんなときに、「できない」と諦めるのではなく、突破するためにはどんな方法があるか、何が必要かを考え、その手段や知識を自ら取りにいって、行動に変換していこうという話はよくしていますし、そのプロセスの積み重ねが結果的に事業・個人の成長につながると考えています。そのため、ブランド事業部では「突破せよ」ではなく、「突破してるよね?」を合言葉にしており、毎週の定例MTGでは、先週突破したことと今週突破することをチーム内で共有する時間を設けています。
経験を力に変え、ブランド事業部を確固たるものへ
Q.今後、部長として注力していきたいことを教えてください。
事業としては、部のミッションである「自社ブランドの育成・成長」を確固たるものとして確立させることです。
従来のEC Kuradashiが有している、フードサプライチェーンの出口戦略から、よりサプライチェーンの上流における食品流通の課題解決に寄与できる事業であり、会社としても自社商品をもてることで事業基盤の安定性にはつながるので、この領域で勝てる体制を早期に築くことに最注力したいと考えています。
また、直近では8月に資本業務提携をした日本郵便さまとのプロジェクトも任せて頂いています。彼らが有する日本全国のネットワークを活かして、多くのお客さまに「Kuradashi」を届け、社会貢献の輪を拡げていけるインパクトの大きい事業を創っていきたいですね。
組織としては、メンバーが意志を持ってさまざまな事業機会・課題に対してチャレンジできる機会とスピード感をもって実行できる環境をつくっていきたいです。
クラダシでは昨年から新卒採用を始めており、若いメンバーも年々増えています。役職者の中では自分自身が一番年次的にも近いし、自分も社会人3年目からクラダシで成長する機会をいただきました。だからこそ、クラダシを選んだメンバ-が想像している以上にエキサイティングな仕事に取り組み、結果的に会社としても個人としても成長していける環境をつくる責任があると感じています。
変わるのは自分、広がるのは世界
Q. 最後にこの記事を読んでくれている人に向けてメッセージをお願いします。
私自身が、迷ったときやモヤモヤしたときに自分に問うのが、「自分を変えるか」「環境を変えるか」のどちらを選ぶか?ということです。
たしかに環境を変えることで、見える景色が変わると意識・思考が変わりますが、最終的に行きつくのはその先の行動面で「自分を変えられるか」ということ一点だと思います。その過程では素直に現状を受け止める強さと、変わることを恐れず前進する勇気やスピードが必要で、言葉で書くのは簡単だけど実行するのは大変だなと日々思っています。
その点でクラダシは、社会性×経済性の両立という、難しい事業領域に挑戦しており、さらに現在は事業環境も変化の過程のど真ん中にいます。常に自分自身のアップデートが必要な環境で仕事をすることは、自分の弱さを見つめる機会も多く、時に苦しいときもありますが、とことん向き合うからこそ、個人としても大きく成長できる機会と未知の可能性に出会える機会があると感じています。
もし「成長したい」「挑戦したい」「何かを変えたい」という気持ちがあるなら、まずは一歩、行動に移してみてほしいです。行動には勇気もいるし、エネルギーも使うし、上手くいくことばかりではないけど、その一歩を踏み出すことで、きっと見える世界もひろがっていくはずです。
自分自身もまだまだ歩みを止めるつもりはなく、チームメンバーとともに、より大きな目標へ挑戦しつづけていきます。