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株式会社KIRINZは、『MODECON』をはじめ、ライブ配信を通じたさまざまなイベントを多数企画・開催しています。多様な人々が「夢への道筋」や「新しい自分らしさ」を発見、発掘する場を提供し、「人類の可能性を引き出す」というミッションの実現を目指しています。2025年4月、同社初の地方拠点となる高知支社が設立されました。今回は、弱冠25歳で支社長に抜擢された和田さんに、インターン生から支社長へと至るキャリア、そして高知で描く未来について聞きました。
和田 尚士 / 高知支社 支社長
香川県出身。東京都立大学在学中の大学3年時にインターンとしてKIRINZにジョイン。イベント責任者を経験後、2023年に新卒で入社。入社3ヶ月でイベントマネジメントチームのリーダーに昇格。その後、マーケティングチームのリーダーとして年間億単位の広告運用と組織拡大を牽引。2025年4月、同社初の地方拠点となる高知支社の支社長に就任。
「何者かになりたい」。その想いを胸に、圧倒的な熱量で駆け上がったリーダーへの道
ーーまずは、KIRINZに入社されるまでの経緯について教えてください。
大学進学を機に、地元の香川県から上京しました。大学2年生の時にコロナ禍で授業がフルリモートになり、3年生になる頃にはほとんどの単位を取り終えてしまったんです。時間ができた中で何か新しい挑戦をしたいと思っていた大学3年の夏に、KIRINZと出会いインターンとしてジョインしました。
ーーインターンではどのような業務を?
イベント運営全般に携わりました。イベントに興味を持ってくれた方へのご案内から、Zoomでの面談、参加が決定したライバーさんのマネジメントまで一貫して担当していました。配信のフィードバックをしたり、電話で相談に乗ったりと、一人ひとりに深く向き合う仕事でした。 普通のアルバイトでは味わえない経験ができたと感じています。特に、大学4年生の夏にイベント責任者を任せていただいた経験は大きかったです。アルバイトでは「自分がどう稼ぐか」という視点でしたが、初めて「会社にどう利益を残すか」というPL(損益計算書)を意識する視点を持てました。自分の視座を一段階引き上げてくれた、貴重な経験です。
ーーそこから新卒で入社し、わずか3ヶ月でリーダーに昇進されています。すごいスピード出世ですが、ご自身では何が評価されたのだと思いますか?
正直、自分自身が他の人より能力が高いとは全く思っていません。だからこそ、誰の目から見ても明らかな「仕事量」でコミットすることは常に意識していました。当時は、誰よりも遅くまで会社に残って仕事に向き合っていたと思います。特別なスキルがあったというより、任されたことを愚直にやり切る姿勢を評価していただけたのかもしれません。
ーーリーダーになってからは、ご自身の役割にどのような変化がありましたか?
イベント責任者の時は「自分のイベントで利益を出す」ことだけを考えていましたが、リーダーになると「メンバー一人ひとりが利益を出すために、自分はどう動くべきか」という視点に変わりました。これは大きな変化で、最初はかなり苦戦しましたね。メンバーはそれぞれやりたいことや価値観が違いますから。 会社が進みたい方向に足並みを揃えてもらうために、経営陣が掲げるMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)を、僕がハブとなって、メンバー一人ひとりの価値観に合わせた言葉で伝えていく。自分の考え方や役割の領域が、また大きく広がった転機でした。
会社の課題を自分事に。事業の核となるマーケティング領域で組織と売上を牽引
ーーイベントマネジメントのリーダーとして、素晴らしい実績も残されたと伺いました。
僕がリーダーを務めていた時期に、チームで1イベントあたり3,400万ポイントという大きな売上を記録することができました。これは当時の弊社の中でも非常に大きな成果で、その月の単月売上は過去を含めてもトップクラスだったと記憶しています。
ーー成果を上げている中で、なぜマーケティング領域へ異動されたのでしょうか。
イベントを運営する中で、集客とマネジメントは使う脳みそが全く違うと感じていました。どんなにマネジメントを頑張っても、そもそも集客がうまくいかなければイベントは成功しません。事業の根幹である集客の領域に、自分自身がコミットしたいと考えるようになったのが一番の理由です。 会社のフェーズ的にも、合併に伴って複数の集客チームが存在していたのを統合するタイミングでした。僕自身も、より大きな視点で集客に関わりたいと思っていたので、会社の課題感と自分のやりたいことが合致した形での異動でしたね。
ーーマーケティングチームのリーダーとしては、どのようなことをされていたのですか?
最初は僕を含め社員2名、あとはフルリモートのアルバイトスタッフ数名という小さなチームからのスタートでした。まずは、応募者の方へのナーチャリング業務のフローを見直し、最適化していく、いわゆるカスタマーサクセスに近い領域から着手しました。 そこから徐々に領域を広げ、2024年の冬頃からは広告運用も兼務するようになりました。年間で1億円を超える広告予算の予実管理を任せていただき、最終的には十数名規模のチームを率いるまでになりました。事業の課題解決から始まり、ゼロから組織と事業をスケールさせていく経験ができたのは、非常に大きな財産です。
個人の想いと会社の未来が交差し、高知支社長への挑戦が始まった
ーーそして、2025年4月に高知支社長に就任されます。これはどのような経緯だったのでしょうか。
もともと地元である四国にいつかは帰りたいという想いをずっと抱いていました。そこに、会社の新たな展開が重なった形です。
実はその2年ほど前から、高知県から企業誘致のお話をいただいていました。高知県は若者の人口流出が深刻な課題となっており、若い世代が興味を持つようなKIRINZの事業に注目してくださっていたんです。当時は会社の状況から一度保留になっていたのですが、僕自身の想いと、会社として地方に拠点を展開し優秀な人材の活躍の場を創りたいという考えが、巡り巡ってこのタイミングで重なりました。
ーー和田さんご自身が感じていた、地方に対する課題意識もあったのでしょうか。
ええ、その気持ちは僕自身も地方出身なのでよく分かります。東京には強い憧れがありましたから。そして、実際に目の当たりにしたのは、入学式に有名人が挨拶に来るような、まるでテレビの中のような日常でした。地方にいては決して味わえない「キラキラした世界」と、圧倒的な「機会の多さ」。これが若者を都会に引き寄せる大きな要因なのだと肌で感じました。
その時、強く思ったんです。嘆くのではなく、自分たちの手で創ればいいんじゃないかと。若者が「ここにいたい」と心から思えるような、胸が躍る面白い仕事をこの地方に創り出す。いつか地元に貢献したいという想いもずっとありましたから、この高知への挑戦は、僕にとって単なるUターンではありません。地方に対する課題意識に、自分なりの答えを出すための、大切な一歩だと考えています。
0→1で事業を創るやりがい。高知から、日本の地方創生のモデルケースを目指す
ーー支社長として、会社からはどのようなミッションを託されていますか?
大きく二つあります。一つは「採用の拡大」です。高知県にもポテンシャルを秘めた優秀な若者はたくさんいます。しかし、彼らが挑戦したいと思えるような面白い仕事が、特にマーケティングやエンタメの領域ではまだ少ないのが現状です。そういった方々に、東京と同レベルの挑戦ができる環境を地元に提供し、新たな雇用を創出していくこと。これは何としても成し遂げたい大きなミッションです。
ーーでは、もう一つのミッションとは何でしょうか?
はい。もう一つが「新しい事業の創造」です。ここがまさに高知で挑戦する醍醐味であり、僕自身が最もワクワクしている部分です。KIRINZの資産と高知ならではの魅力を掛け合わせ、地域課題を解決する新しいビジネスをゼロから創り出すことです。
例えば、高知県は農業放棄地の割合が高いという課題があります。土地はあるのに作り手がいない、あるいは作っても販路に困っている。そういった課題に対し、僕らのタレントがライブ配信でその魅力を伝え、全国のファンに届ける「ライブコマース」なら、新しい販路を切り拓けるはずです。
これらはまだ構想段階のアイデアに過ぎません。だからこそ、今このタイミングでジョインしてくれる方には、この0→1の事業創造を「中心人物」として担っていただく大きなチャンスがあります。高知を舞台にしたリアルなマーケティングの実践。こんなに面白い挑戦はないと思っています。
ーーまさにゼロから事業を立ち上げるフェーズですね。そこに、どのようなやりがいを感じていますか?
自分の手で新しい事業の戦略を考え、実行していく。その一つひとつのアクションが、高知県や、僕自身のキャリア、そしてKIRINZの未来にプラスに働いているという実感があります。自分の仕事に大きな社会的価値を見出せる点に、今、すごくやりがいを感じています。一人で事業の立ち上げをしているので、人脈をゼロから作っていく大変さもありますが、それすらも「小さな起業」をしているようで楽しめています。
ーー今後の高知支社の展望を教えてください。
短期的には、高知支社単体でしっかりと利益を生み出せる、10人、20人規模の強い事業所に育てていくことです。中長期的には、この高知での成功をモデルケースとして、同じように若者の流出に悩む他の自治体にも展開していきたい。「KIRINZの地方拠点を設立する」という形でネットワークを広げ、日本の地方創生を前に進める足がかりになれたら最高ですね。
ーー最後に、この記事を読んでいる方へメッセージをお願いします。
この記事を読んで、少しでも私たちの活動に興味を持っていただけたら、とても嬉しいです。今のスキルや経験は問いません。
例えば、地方にいて「面白い仕事がなかなか見つからない」と感じている方。あるいは、かつての私のように都会で暮らしながらも、「いつかは地元を盛り上げたい」と考えている方。そういった方々と、ぜひ一緒に働きたいと思っています。
大切なのは「何かを始めたい」「今の自分を変えたい」という、その気持ちです。「自分に何ができるかまだ分からない」という方も、全く問題ありません。私たちもまだ始まったばかりのチームですから、一緒に考え、挑戦していきたいんです。
高知を、そして日本の地方をもっと面白くしていきましょう。