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【メンバーインタビュー】プランナーとは異なる視点からコラボレーションを起こす、「空間設計支援」の仕事

木下商会の「空間設計支援」チームではCADを使用した空間設計・デザイン業務をメインに行なっており、現在は正社員メンバーの富永さんを中心に、数名の業務委託メンバーが働いています。

「空間設計支援」とは耳馴染みのない部署名ですが、どのような仕事をしている部署なのでしょうか。

仕事内容から仕事のおもしろさ・楽しさについてまで、富永さんにお話を伺いました。


空間設計支援チーム
富永さん

新卒でパソコンなどのオフィス機器を扱う商社にて、CADインストラクターとしてお客様をサポート・指導する。退職後ニュージーランドでの1年間のワーキングホリデーを経て海外オフィス家具のディーラーでCADオペレーターとなる。その後フリーランスのCADオペレーター経て2021年木下商会に入社。



—まずは、富永さんの実際の仕事内容について教えてください。

  • 作図:紙の図面の躯体をCADデータに起こす
  • レイアウト:躯体に対して部屋やデスク等の家具を配置する
  • 法律の適合チェック、避難距離のチェック
  • 工事指示書(電源位置、壁の種類、空調、扉の種類、鍵の種類など、実際に工事をするときに必要な図面)の作成
  • VRCG(CGで作成するVRオフィスステージング)のレイアウトとデザインの作成
  • 現地調査:躯体の採寸、移転前のオフィスにある家具の採寸など
  • 検収:できたものの確認
  • 提案書の作成
  • パースの指示
  • CG作成 など……

仕事内容はこのように多岐にわたります。もともとは「CADオペレーター」チームという名前だったのですが、一般的なCADオペレーターよりも仕事の幅が広いと思い、弊社独自の「空間設計支援」チームという名前に改めました。

基本的にオフィスのデスクで2Dの図面で作業をしますが、頭の中では常に実空間にも向かっています
竣工して実物を見たときに「あ〜もっとこう設計すればよかった」、「ここまで気が回らなかった」と反省することがあるんです。お客さんも一緒に仕事をした人も気にしていないような小さなことでも、私はめちゃくちゃ気になることがあって……。図面だけでなく実空間にも責任を持っている自覚はありますね。



—いわゆる「CADオペレーター」と「空間設計支援」はどのように違うのでしょうか?

いわゆるCADオペレーターと呼ばれる人たちは、主に図面に向かって設計士やデザイナーの指示通りに作図することを得意としていて、実空間には向かっていないことが多いように思います。

実空間になったときに適切な通路幅や、使いやすい動線や、社内の部署間の関係性や動き方を踏まえて、利用を始めたときにうまくいく状態を空間として「成り立つ」と言います。図面を描いている時点で実空間に向かっていないと、あとで例えばデスクが動線上で邪魔になってしまったり、なんだか使いづらい形になってしまったり、空間として「成り立たない」ことがあるんです。

一方で、「空間設計支援」は実空間が「成り立つ」ように図面を描きます。私は2Dの図面を描くときにも頭の中で3Dに起こしながら、家具の高さや構造も含めて考えています。指示通りに作図するだけではなく、自分で考えることが必要です。

「支援」と言っても「お手伝い」のニュアンスとは違います。自分の知識と判断を活用して設計として成立させて初めて「支援」となります。



—自分が主導するプロジェクトと「設計支援」をするプロジェクトへの向き合い方は違いますか?

「空間設計支援」で入るプロジェクトは、プロジェクトをメインで動かすオーナーがいるので、ついその人のやりたいことを優先させたいと思ってしまいます。それから、自分の言い方がちょっときついのは自覚しているので(笑)自分が発言することで意見が全面に出てしまわないように、出しゃばらないようにしています。

でも、会社としては言うべき意見はちゃんと言ってみんなでよりよいものを作っていくべきだとは思うので、空間支援設計で入るプロジェクトでもすすんで意見を言っていくようにしたいですね。


実際はお話ししやすい富永さん。



—「設計・デザイン」と言うとクリエイティブな仕事のイメージがありますが、オフィスの設計・デザインは実際どうですか?

クリエイティブな仕事だと思います! ただ、独自の・創造的な・自由な発想によるクリエイティブというよりは経験と知識に基づいたクリエイティブです。ある程度どんなクリエイティブにも言えることだとは思いますが、その側面が強いように思います。

最初はすでに世の中にあるオフィスの写真やレイアウトから学んで真似するところから始めます。それを繰り返しているうちに経験や知識が自分のなかに貯まってきて、だんだん参考写真を見なくても自分の頭の中でイメージできるようになり、作図もできるようになります。徐々に図面の時点で空間が「成り立つ」か「成り立たない」かに気づくことができ、企画の条件を満たす方法がいくつも思いつくようにもなります。

こうして、図面を見ただけでどんなものが出来上がるかをイメージできる経験・知識がついてくると楽しくなってきます。

私の場合はオフィス家具屋で働いていた経験があり、そのときに家具の構造や実寸法に詳しくなったので実空間をイメージしやすいというのがあるかもしれません。

オフィス家具屋にいたとき、アイソメ(アイソメトリック図:立体を斜めから見た視点で示した図)を描くことがあって、そのときに家具の構造や実寸法に詳しくなりました。例えば、ちょっと大袈裟ですけど、「デスクにモニターアームをつけたい」というときにまずデスクの脚の位置を見ます。クランプ式のものがつけられればそのように設計し、つけられない場合はデスク天板に穴を開ける方法をとるのですが、天板のビーム(天板を支える梁のようなもの)の位置によって穴を開けられる位置が決まってきます。
あとよく見るのはデスクの脚と椅子の位置関係です。デスクの脚にぶつかるところには椅子を置きたくないので、デスクと椅子の寸法を見ながら位置をしっかりと計画します。

これらは家具の構造や実寸法を理解していないとなかなか難しい作業ですが、当時の経験が今の仕事に生きているなあと思うことがあります。



—そういったお話を聞くと、「実物を知る」ことの大切さを感じますね。

そうですね、「実物を知る」というのは本当に大切だと思います。図面を描くときもですが、家具、壁、床を選ぶときにも言えることです。

カタログの写真や小さなカットサンプルだけを見て実物を想像するのには限界がありますし、実物を知らないと想像力が育たないので、木下商会ではきっかけを見つけてはショールームに足を運ぶようにしています。

あとは、大きなオフィスで働いた経験のない人が大きなオフィスの図面を描くのはなかなか難しいです。小さな設計事務所で働いている人は、自分が働いているオフィスと設計するオフィスの規模や環境が乖離しているということがよくありますが、その点、木下商会のオフィスは小規模ながらもフリーアドレスで、ハイカウンター・通常の高さのデスク・ソファ席と3種類の高さの働く場所があり、いわゆる大規模オフィスに近い環境がつくられていると思います。

自社オフィスの環境以外にも、色々な企業のオフィスに見学に行かせてもらったり、インターン生がいるときには建築ツアーに出かけたり、勉強の機会は多いと思います。実際に実物に触れられる機会は貴重なので、これからも時間を作ってみんなで学習するようにしていきたいですね。


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—空間設計支援の仕事のおもしろさはどのようなところにありますか?

パズルがピタリとハマる感覚が味わえるところです。

設計の仕事は、頭の中で3Dのパズルを組み立てるような感じだと思っています。正解がこれだと決まっていない、複雑な条件が複数重なっている仕事を期限内でベストを尽くして、一番バランスのいい答えに辿り着いたときに楽しさ・おもしろさを感じます!

後編では富永さんが思う「空間設計支援の仕事の醍醐味」や「一緒に働きたい人物像」について掘り下げます。

空間設計支援の仕事に興味を持っていただけた方、ぜひ後編もご覧ください。

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