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2022年8月、カラダノートは15期目に突入し、期初より事業名称を変更するプチ変化がありました。
ユーザー・お取引企業様へ大きな影響はないと考え、外部へ発信していませんでしたが、上場して2年が経過するタイミングでもあり、代表佐藤へ変更に至った背景と思いについて新入社員 安好がインタビューしました。
今回は、その模様をお届けしたいと思います。
目次
- 事業名称の変更に至ったわけ
- 収益と想いのバランスを両立し、事業を通して社会課題を解決する。
- 今後見据えるライフイベントについて
- 新しいことに挑戦できなければ、ベンチャーである意味がない。今は挑戦のための基盤を作る時期。
- 投資家の皆様へ
- カラダノートに興味を持って頂いた方へ
事業名称の変更に至ったわけ
安好:直近、事業名称が変わりましたが、その背景と関連して企業理解を深めるために個人的に伺いたいと思ったことを本日はお話できればと思います。よろしくお願いいたします。
早速本題ですが、事業名称を変えようと思ったきっかけと、なぜ今変えようと思われたのでしょうか?
佐藤:2020年10月に上場してから前期までは、組織を強化するために「社内のルール徹底」に取り組みました。当たり前のこと、簡単なことができなければ強い組織が生まれないという考えです。そういった前期の取り組みをレベル1とすると、今期はレベル2として、ミッション・ビジョン・バリュー(以下:MVV)を意識できる組織にしたいと考え、MVV浸透を目標に掲げています。
組織デザイン部が社内アンケートを実施したところ、日々の自分の仕事とビジョンとの紐付きの解釈に手間取るという声が挙がった。もちろん、事業名称を変更すれば解決するわけではないですが、MVV浸透のためにも日々使う言葉である事業名や部署名から変えようと判断しました。
安好:MVV浸透ということは社内の意識改革が目的ということでしょうか・・?
佐藤:意識を変えたいというよりは、MVVと日々取り組んでいることとが密になることで、浸透がしやすくなるだろうという考えです。日々使う言葉の影響や言葉から想像する事業の幅というのは思っている以上に大きいと思います。
プロダクト名等にも、今までもこだわってきました。例えば、人材紹介サービス「かぞくとキャリア」は、家族“と”キャリアですが、「かぞくのおうち」は家族”の”おうち。アプリの名称も、「陣痛きたかも」「ステップ離乳食」という風に、シンプルでわかりやすい名称がカラダノートのサービス名には多い。同様に事業名称においても、日々どのようなことをやっているのか、わかりやすくしたいと思いました。
【家族サポート事業】は、名前の通り家族を直接サポートする事業。カラダノートが深く入り込み、家族ユーザーの課題やお困りごとをサポートする事業です。保険代理事業や宅配水事業などが該当しています。
【ライフイベントマーケティング事業】は、ライフイベントを起点としたマーケティング最適化の事業。マーケティングオートメーションなども強化をしつつ、できる限り長期的にカラダノートが伴走し、家族ユーザーと企業のマッチングを行っていきたい。
【家族パートナーシップ事業】は、家族を取り巻く社会環境を変えるべくパートナーシップを規模の大きな企業様と築き、社会の変化を促していく取り組みをします。
いずれも前からある事業ではありますが、”DX推進”や”データベース・マーケティング”など、一般名称の事業名にしていたものを「MVV」と「なぜ、それに取り組むのか」の一連がすっと入るようにしたというわけです。一般名称ではない形にしたので、全くカラダノートを知らない方からすると理解しにくいと思いますが、今は社内の自己理解のしやすさを重視しました。
安好:たしかに、各事業のゴールやコアをイメージしやすくなったように思います。
気になったのは、家族パートナーシップ事業についてで、私たちが深く入りこむというよりは、企業と連携していくということなんですね。
佐藤:家族パートナーシップは、ほか2つの事業とは異なり、ビジネスのノウハウを活かしながら、toCの顧客基盤がたくさんあるような企業様と、少子化や子育て環境の改善に繋がる取り組みを支援したいと思っています。直近の事例でいえば中部電力様との取り組みです。
場合によっては、カラダノートが生活者と関わることなく、ビジョンパートナーシップとして、カラダノートのビジョン実現が一歩でも前進するなら事業化したいというもの。何をやるか、というよりも、ビジョンパートナーシップによって私たちの力だけでは足りないところをテコ入れし、社会への影響力を高めたいというのがコアにあります。
収益と想いのバランスを両立し、事業を通して社会課題を解決する。
安好:これまでのお話で、名称変更の背景と各事業の役割について伺いまして、ここからは、個人的に気になっていたことを質問できればと思います。
まずは、家族サポート事業の生活インフラサービスのなかで、保険代理事業とウォーターサーバーを選択されたのはどのような背景でしょうか。
佐藤:我々の事業判断軸として”収益と想いのバランス”というものがあります。「収益」という点では一定水準の加入・利用率等を見込めるかということ。一方で「想い」というビジョンの視点でユーザー目線やユーザーの課題感の大きさから選択しました。
元々、保険は送客型事業モデルの時点で売上最上位でした。大きな買い物という点でも、住宅に次ぐ二番目ですし、妊産婦さん家庭の9割近くが保険の検討や見直しをしたというデータもあるため、収益期待が持てると判断しました。
また、ウォーターサーバーについても、ユーザー調査をすると妊産婦さん家庭の4世帯に1世帯は導入経験がある。それだけ大きなパイがあるであれば進出せねばという判断です。
ユーザー目線やユーザー課題という点では、まず自分が経験してどう感じるか?やユーザー課題の調査なども重要視しています。
例えば、ウォーターサーバーは我が家で相当ヘビーに使っていて、ミルクを作る際やこどもの水分補給としてとても便利に使っています。時短や効率化において便利です。また、”将来のお金の不安”は家族ユーザーの不安調査では常に上位にいます。その課題を潰す上で、FPさんとのライフプラン相談や保険の見直しはとても重要なサービス。そうした判断軸も入れながら事業優先順位を決めています。
今後見据えるライフイベントについて
安好:カラダノートのビジネスモデルは、ライフイベントを起点に家族をサポートするということが軸にありますが、今後見据えているライフイベントはありますか?
竜也:一つは”定年”というライフイベントです。やはり高齢化が進んでいるので、ビジネスチャンスも多いと感じています。ここ2-3年、多少収益化は出来てきたものの、まだまだ全社に占める割は小さいので、更に伸ばしていきたいです。
もう一つは”結婚”です。”定年”ほどのビジネスチャンスがあるわけではなく、減少傾向のライフイベントではありますが、我々が解決したい”出生数”とも相関をしているため取り組まなければいけないと考えています。特に動けているわけではないですが、婚姻数増加に繋がる取り組みができるんであればしたいと思います。
安好:なるほど。カラダノートのユーザー層はだいたい子どもの年齢が3歳ぐらいまでの方が多いですが、それ以降を伸ばしていくというよりは前段階の結婚に着目されているんですね。
佐藤:そうですね。もちろん、現在のライフイベントマーケティングを伸ばす点では「入学」や「就学」があります。例えば、「結婚のX年後には妊娠・出産」とはならないのでライフイベント追跡が難しいですが、「生まれて6年後は入学」というように追跡もしやすいので確実性が高い事業機会も作りやすいと思います。
ただ、少子化課題を解決するという点では、より上流に取り組むほうが効果が見込める。そうした判断で、期間を伸長するよりも上流にいきたいと考えています。
新しいことに挑戦できなければ、ベンチャーである意味がない。今は挑戦のための基盤を作る時期。
安好:かぞくの保険やカラダノートウォーターといったストック型のビジネスを強化すると、社内発信でもおっしゃっていますが、今後はずっと家族サポート事業に注力するということでしょうか?
佐藤:収益的に安定するストック型ビジネスは、経営基盤を作る上で重要だと捉えています。ただ、それは挑戦するための基盤でしかありません。ベンチャー企業は、新たな挑戦や何かしら仕掛けをすることが重要だと思い、長年経営をしてきました。大きく挑戦しようとすると、それ相応の基盤が必要になるわけですが、これまではそこが盤石ではなかった。
例えると、今までは社会情勢や取引先の状況によって業績が左右されやすい狩猟型で、変化に弱かった。そういった状態では新しいことへの挑戦に気を向けられなかったので、現在は積み上げ型での基盤を作ることを優先しています。もちろん、あくまで基盤なので次の展開を見据えて種まきもしています。
安好:家族パートナーシップ事業、ライフイベントマーケティング事業で狩りにでるために、家族サポート事業を通して基盤を作るということなんですね。
佐藤:十数年経て強く感じたのですが、アプリなどのプロダクトを通じて社会を変えようとする取り組みも重要ですが、それと同時に社会の意識や雰囲気を変えるという挑戦も必要だったということです。
我々が妊娠・子育てのアプリを提供し始めた11年超前に比べると、他社アプリも増えましたし、子育てにアプリを活用するシーンは圧倒的に増え、便利になったと思います。ですが、なんなら子育てしにくくなったという声すら多い。妊娠・子育て周辺をDX化しただけでは、子育てしやすい日本社会を実現することができなかったと捉えています。
例えば、「イクメン」という言葉がでてきた時、今よりは好意的に受け入れられていたと思いますし、男性の子育てを促す良いきっかけになった。言葉の力で社会の意識が変わりました。子育て環境を変えることに手段は選びません。アプリなどのIT化ツールが得意ではありますが、言葉の力で風潮を変えることも選択肢ではあります。そのくらい幅広に事業を考えていきたいと思っています。
社会課題を解決するには「戦い方」を変化させないといけない。現在はまさにその過程にあたります。
2020年の上場を機に、フロー型モデルからストック型へビジネスモデルを転換し、取り扱うサービス幅も広がりました。しかし、最終的なゴールは現在も変わらず、未来の社会に貢献すべく、組織一丸となって2023年度も邁進してまいります!