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「人」の発信で愛される薬局へ! 地域密着型薬局の採用戦略

薬局・薬剤師のコミュニティ「MusuViva!」で2ヶ月に1度開催される薬剤師のオンライントークライブ「Viva! Cast 〜調剤室の小窓から」。

2023年1月に開催された第5回では、前回に引き続き、兵庫県姫路市の「ぼうしや薬局」高橋亮平さん、井上良祐さん、そしてお二人のオファーをうけた、福島県会津若松市の「会喜地域薬局グループ」高橋亮太さんをお招きしてトークライブを開催しました。

Twitterやnoteなどの各種ツールを活かしながら地域密着型の薬局として発信を積極的に行う「会喜地域薬局グループ」の高橋さん。YouTubeでの情報発信を続ける「ぼうしや薬局」のお二人と共に、薬局の情報発信において意識すること、大切にしていることなどをお話いただきました。

<スピーカー>
ぼうしや薬局 薬剤師 高橋亮平さん
ぼうしや薬局 薬剤師 井上良祐さん
会喜地域薬局グループ 高橋亮太さん

<モデレーター>
株式会社メタルファーマシー 代表取締役 川野義光さん

目次

  1. 地域密着型の薬局が取り組む、独自の採用手法
  2. 採用体制をゼロから構築
  3. 限りある採用母数を広げるために実践したこと
  4. 薬剤師としての強みを活かせる場所に。求職者に自社の魅力を伝えるには?
  5. 前へ進むために常にトライアンドエラーを繰り返す
  6. 毎朝30分、Twitterに張り込み。「人」を届けるためのSNS活用法
  7. 地域密着型の薬局として「オープン社内報」を公開

地域密着型の薬局が取り組む、独自の採用手法

川野:みなさまどうも、よろしくお願いいたします。毎度おなじみ、モデレーターを務めます、メタルファーマシー・川野です。今回で5回目の開催となる「Viva! Cast」を開催していこうと思います。ゲストは前回に引き続き、ぼうしや薬局より高橋さんと井上さんにお越しいただきました。

ぼうしや薬局・高橋:兵庫県姫路市にあります、ぼうしや薬局の高橋と井上です。前回に引き続きよろしくお願いします。今回は会喜の高橋さんにお声がけをして来ていただきました。「高橋亮◯」と名前が似ているので親近感があるなあと感じています。

川野:誰をどう呼んだらいいのかわからなくなりますね(笑)。今回は、ぼうしや薬局の高橋さんを“ばっしー”、会喜の高橋さんを“高橋さん”とお呼びすることにしますね。

ぼうしや薬局のお二人には、前回“フラフープブラザーズ”とあだ名を付けさせていただきました。お二人ともレンズの入っていないメガネをかけられているようにお見受けしたので、フラフープを意識しているのかなと思って……(笑)。

そして、今回のニューカマー“一蘭性ソーセージ”こと、会喜の高橋さんもよろしくお願いします。

高橋:一卵性双生児ではなく一蘭性ソーセージなんですね(笑)。由来が気になりますが、よろしくお願いいたします。

ばっしー:高橋さんとは以前「MusuViva!」の採用イベントでご一緒させていただいており、その際にシステマチックに構成された採用活動をされていることがとても印象的でした。Twitterやnoteなどの活用も積極的にされているので、本当にすごいなと思っているんです。

地方でかつ地域密着型の薬局という点で弊社との共通点もあるなかで、自ら行動していらっしゃる姿勢からいろいろと学び、お話を伺えたらうれしいです。よろしくお願いします。

採用体制をゼロから構築

ばっしー:会喜さんは採用スタイルが特徴的だという印象があるんですけれど、改めてそのスタイルや取り組みの成果について教えていただけますか?

高橋:成果についてはまだまだという段階ですが、採用自体は2013年〜2014年頃からしっかりと取り組みはじめました。それまではリファラルというか、研究室の先輩後輩関係があって入社ということがとても多かったので、採用活動として行うことが少なかったんです。

新卒を中心に採用していこうという方針だったので、そういったつながりを活用して採用していて……。

それに当時は、会社のパンフレットも存在しないような、今考えるとすごい状況だったんですよね。社長からの「パンフレットからつくろう!」という提案があって、まずは採用活動の一歩目としてパンフレットづくりに着手しました。

また、なかなかハードワークな職場だったので、社内の働き方を整えて長く勤められる会社にしていこうという機運もその頃から高まってきていて。そういった背景が絡み合い、本格的な採用活動に着手していきました。

ただ、仰っていただいたようなシステマチックなところに関しては、実は昨年の今頃にやっと意識したところなんですよね。僕らなりに一生懸命考えてさまざまな施策を行なってはいたんですが、施策同士がつながっていないとの指摘もあって。

お世話になっているコンサルタントさんや社長からの助言もあり、ストーリーをつくって施策の流れを生もうっていう動きにシフトしてきました。

川野:すごいですね、ゼロから採用活動を始めてはいるものの、しっかりと施策全体の流れを考えてっていうところまでを担当されていると。

高橋:そうですね。そこは社長と二人三脚といいますか、引っ張ってもらいながら一緒に頑張ってきました。

限りある採用母数を広げるために実践したこと

川野:ゼロから採用体制をつくるなかで一番大変だったことってなんですか?

高橋:とにかく採用できる人がいないってことですかね。福島県の薬剤師試験合格者数は毎年150人程度なんですが、そのうちの多くは30万都市であるいわき・郡山・福島市内に就職します。

弊社の店舗のある会津若松市エリアでの合格者となると、6人程度。そういった状況で、いかにして興味を持ってもらうきっかけをつくるのか。そのストーリーづくりが一番大変でした。

ばっしー:地方での薬剤師採用は人数が少ないからこそ、エリア外の人材を採用することが重要になってきますよね。我々がYouTubeでの発信を始めたのも、全国の薬剤師さんに知ってもらいたいという思いからでした。

会喜さんの場合もその6人を全員採用しようっていう方向性ではなく他の地域からどれだけ呼び込めるかを念頭に置かれていると思いますが、そのための施策はどのように考えられているのでしょう?

高橋:そうですね。Twitterやnoteなどの発信がその役割を担っているのかなと思います。やっぱり存在が知られないとそもそも就職の選択肢にすら入らないっていうのはずっと社長と話していたことだったんです。

社長は「一番身近な医療専門職の集団をつくりたいんだ」とも言っていたので、その身近さを感じてもらえる場所としてSNSの活用を始めました。


前回の「Viva! Cast」でばっしーさんも仰っていましたが、やっぱり“会う前に知りあえる”状態をつくっていかないと、わざわざ福島に来てくれるなんて人はいないのだろうなと感じていたんですよね。

だからまずは、薬局の存在を知ってもらうこと、会津若松で生活するイメージを持ってもらうことを念頭に置いて発信に力を入れていました。

それと、外からではなく地域の人を採用する目的で考えた施策がひとつあります。採用資料をつくる際に求人倍率を調べていて気づいたことなんですが、厚生労働省の発表( 一般職業紹介状況 職業安定業務統計)によると薬剤師をはじめとする医療専門職の求人倍率は、パートタイムを含む数値が正社員のみの数値の約75%と低かったんです。

ということは、さまざまなご事情で退職された薬剤師さんやパパママ薬剤師さんなどのパート需要もあるかもしれないなと。

幸い弊社は長く働き続けられる職場づくりにもここ10年間くらい注力してきたので、そのあたりのターゲットの明確化とメッセージングも行うことで、採用につなげられるのではないかと考えています。

ばっしー:すでに地域で活躍されてきた方が、引き続き輝ける場所をつくるということですね。そういったストーリーはあまりイメージしていなかったので、すごく新鮮な考えです。なるほどなあ。

高橋:採用母数が少ないので、なんとか掘り出さないとと思っていたんですよね。たとえば、パートナーの転勤を機に会津若松に来た薬剤師さんとかが、仕事を探し始めたときに最初に目に入るのが会喜だったらいいなと。

実際にそういった経緯で昨年入社した方もいますが、うまく馴染んでいただいているので安心しています。

ばっしー:そういった方々への訴求って具体的にはどのように行なっているんですか?

高橋:まずは、求人を検索したときに上位表示されるような状況をつくることがひとつですね。たとえば「会津若松 薬剤師」「会津 薬剤師」とかを検索したときに、きちんと情報が表示されるようにと意識しています。

さらには、検索で会喜のWebサイトに辿り着いた求職者の求めている情報が見つかるようサイトの設計を見直したりしています。

あとは、今後やりたいことのひとつとして、パパさんママさんが日々寄るような場所にチラシを置いて見つけてもらうみたいなことも実践したいとは思っています。保育園とか幼稚園とかになるのかなと構想していますが、まだ実行には至っていません。

ばっしー:なるほど〜。めちゃくちゃ素晴らしい戦略ですね。瀬戸内も結構化学工場が多くて、全国から転勤してこられる方がいるんです。地元へのUターンは検討していましたけれど、地元が姫路ではない方をターゲットにすることもできるのかあ、見落としていたなあと思いました。

かつ、学生に刺さる求人内容かどうかを考えることは日頃から行なっていましたが、中途の方に刺さる内容はとても難しいなと思っていたところだったので、高橋さんのアプローチ方法が大変勉強になります。

薬剤師としての強みを活かせる場所に。求職者に自社の魅力を伝えるには?

高橋:私は個人的にぼうしやさんのYouTubeを観させてもらっているんですけれど、十分情報が得られる段階にあるからすごいなと思っています。一つひとつの動画もすごく綺麗につくられていますし、インパクトのある発信になっているなと。

前回の「Viva! Cast」で話されていた三脚を買ってもらったエピソードなんかも印象に残っていて、そういった素朴さも人を惹きつける要素なんだろうなと感じていました。YouTubeでの発信、どういった点に苦労しているとかってありますか?

ばっしー:苦労という苦労はないですけれど、撮影時間の確保が少し大変かな。

昔は業務時間外で勝手にやっていたんですけれど、今は業務内で撮影してもOKになってしまって自分たちでそのあたりのマネジメントもしなければならないので、むしろいつ撮影するのか迷ってしまうっていう。結果、一度の撮影で4〜6本撮りするスタイルに落ち着きました。

井上:中途採用について高橋さんに伺ってみたいんですけれどいいですか。弊社も中途はもともと採用していなかったんですが、最近2名ほど入社していただいたんです。

新卒であれば、会社の理念や文化の浸透がスムーズだと思うんですが、中途はそうもいかないよなと思っていて。そのあたりの研修方法なんかをどうされているのか聞いてもいいですか?

高橋:実はうちも今そこが課題なんですよね。正直なところ、第二新卒や中途を採用していくのなら浸透具合は少しずつ薄まるだろうなと思っています。

共感はしてくれていても、これまで歩んできたそれぞれの人生がありますから。私自身が非薬剤師なので、仕事の進め方についてうるさく言うのも違うのかなって思いますしね。

むしろ新しく入ってきてくださる方からは、これまでの会喜にはなかった目線を取り入れていきたいです。研修とか施策とかに対する意見を聞いて改善していきたいなと思います。あまり具体的な改善策ではないですが、そんなことを考えています。

井上:そうですよね。僕らにはない考えを持っているのが新しいメンバーの良さだと思うので、そこを上手に融合していきたいなと思っています。そのあたりも引き続き情報交換させてください!

川野:ちょっとここで参加者の方から質問をいただいているので挟ませてください。「給料以外の面でどのように薬局の魅力を提案しているのか?」とのことですね。SNSでの発信やチラシなどで訴求する際、なにをフィーチャーして自社を宣伝しているのかという点、いかがですか?

高橋:どの場面で訴求するのかっていうのにもよると思うんですけれど、一例として挙げられるのは「薬剤師×〇〇」というご自身の強みを活かせる環境だという点は積極的に伝えるようにしています。たとえば、中途採用の面接をする際も、これまでの活動や付随する想いを丁寧に伺うようにしているんです。

薬剤師も転職活動の際にエージェントを活用することがあるので、その際に提示された会社との比較や検討ができないと難しいですよね。だから、うちでは「一人ひとりと向き合っていること」をきちんと伝えるよう意識しています

どうしても大手と比較すると休みが取りにくい可能性があったり、条件面で必ずしも優位に立てるわけではないと思っていて。その代わり、一個人が承認される環境であることを伝えることで、先ほど話したような初めてこの土地で暮らす方なんかへのアプローチにしていますね。

川野:「承認」ってめちゃくちゃ大事ですよね。同じ質問について、ぼうしやさんはどうですか?

ばっしー:そうですね。基本的には姫路のドミナント展開が大きな特徴なので、ヘルプの行き来がしやすいとか、異動があっても転居を必要としないなどの生活の部分をまず伝えています。

あとは、地域の薬局で在宅まで取り組んでいるとか外来もやっていますとかあるんですが、それらをしっかり伝えるのはやっぱり難しい。

なので、最終的には薬局で働く姿をなるべく見てもらうようにしています。こちらから求職者に合わせにいくというよりは、現場を見ていただいてマッチングするかどうか検討いただくのが、双方にとっては一番いいのかなと思っていましたが……高橋さんのお話を聞いていて、承認へのこだわりが足りなかったのだなとちょっと反省しました。殿様商売みたいなので、良くないなって。

川野:高橋さん、僕からも質問していいですか? さきほどお話のなかでコンサルタントさんがいらっしゃると仰っていましたが、お願いすることになった背景って教えていただけますか?

高橋:採用コンサルタントではなく、人事評価制度を一緒につくっていただいている方なんです。

以前、評価制度を自分たちだけでつくったことがあったんですが、しっかり運用できなかったし、検討に時間を割くこともできなくて。そういった背景でコンサルタントさんに専門領域としてお願いすることになりました。

川野:なるほど。一度チャレンジしてはみたものの、時間もリソースも足りないっていう課題感から外部の方の力を借りるようになったんですね。そういった周囲の人の声を素直に聞く力って高橋さんの魅力なのだなと感じました。

前へ進むために常にトライアンドエラーを繰り返す

ばっしー:会喜さんとうちとの共通点には「地域密着」という点もあるので、そういった話も教えてください。

今、ぼうしやは地域の薬局として電子化やDXなどをうまく進められていないと感じていたり、専門家が社内にはいないのでシステムひとつ入れるのも社員全員で検討して判断して……って感じで意思決定をしているんです。試しに一ヶ月だけこのシステム使ってみようか、みたいな。

そうすると、どんどんスピード感が遅くなってしまうと感じているんですけれど、会喜さんはその点すごいスピードで新しいものを取り入れて前に進んでいくじゃないですか。そのあたりってどう考えて行動していらっしゃるんですか?

高橋:中小企業あるあるだと思うんですが、多くの仕事が属人化してしまうことって多いですよね。それで回っているときはまだよかったんですが、担当者がいなくなることで「誰も対応できない」という事態を経験する機会があって。

「人がいないからわからない」では困るので、仮に欠員があっても誰でもわかるような状態をつくろうと社長からの発案があり、IT化やDXなどを積極的に推進してきたという背景です。

うちの社長はTwitterとかを駆使していろいろな情報を見つけてきてくれる人なので、そのなかからやるべきことを決めて、私もサポートして進めるみたいな動き方をしています。中小企業はスピードが大切なので、トライアンドエラーをとにかく繰り返していきたいなと。

また、私自身は、社長の一番の賛成者でありつつ、一番の反対者でありたいと思い行動しているんです。彼が本当に目指して実現したいと言うものであれば、一生懸命トライするし、社員にも理解してもらえるよう全力を尽くしています。

ばっしー:たとえば、新しいツールを導入する際、多少なりとも反発というか使ってくれないみたいな導入への温度差ってあるのかなと思うんですが……そういった温度差をなくすために心がけていらっしゃることもありますか?

高橋:まずは、自分が一番使ってみることですかね。公には発信していないんですが、社内向けにラジオとか体験記みたいなものを配信しています。新しいツールを使うときの導入方法とか、使ってみてどうかとか、導入後1年経過してからも使い方の振り返りや新機能解説を動画にしたりして。

そういったメッセージを用意するっていうのは意識しつつ、あとは店舗ごとに上長に協力いただいている部分も多いです。社長からのメッセージだと距離感を感じることがあるかもしれないけれど、日頃から一緒に働いている上長からの言葉なら身近に感じられるかなと思うので。

ばっしー:やっぱりそういう状況が一番理想ですし、必要なことですよね。うちではまだできていないことなので、頑張らないといけないなと思いました。とても刺激になります。

川野:世の中便利なシステムはたくさんあるけれど、たとえばSaaS系だと使い出すまでのハードルが高かったりしますもんね。

せっかく導入しても使われなければ意味がないので、実際に使いこなしてもらうための落とし込みがやっぱり苦労する部分だよなと思います。僕もすごいそういったところにパワーを使っていますもん。

高橋:その点、YouTubeで動画をまとめているぼうしやさんはすごいですよね。どんなシステムを使っているのかっていうのを外に発信することもできるし、社内向けのものをまとめることもできるのは素敵だなって思います。

毎朝30分、Twitterに張り込み。「人」を届けるためのSNS活用法

川野:少し話題を変えてSNSの使い方についてもお話できたらと思います。以前、ばっしーが「高橋さんはTwitterの投稿に対する“いいね”をいつも一番に押してくれるんですよ」と話していて。なにか運用方針があるんですか?

高橋:そうですね。すごくネガティブなことを今から言うんですが、僕って面白いこともつぶやけなければ、頭が切れることも言えないんですよ。

なので、どこで戦うかっていうのを考えたときに「いいね」っていうのをひとつ武器にしようと。バズろうとツイートする方は多いですが、リプライとかいいねを積極的に行う方法ってブルーオーシャンだと思っていて。

ただ、フォロワーの多い方だと、リプライが多すぎると困ってしまったり返信が面倒かもしれない。ということで、投稿した直後すぐにいいねするくらいの存在感の出し方で生きていこうと思ったんです。いいねするために、毎朝、出勤前に30分くらいトイレにこもってTwitterを徘徊しています(笑)

ばっしー:絶対にそういう戦略的な取り組みだと思っていました。あのスピードは尋常じゃないですもん(笑)。

でもたしかに、どういうことをツイートするのかって考えれば考えるほどハードルが高くなっちゃうこともあるけど、タイムラインで一回見つけてもらうより、相手の通知欄に一回登場するほうが認知されやすいかもしれないですよね。

高橋:Twitterを始めたばかりの頃は200人くらいしかフォローしている人がいなかったので、ツイートも追える量だったんですよね。

でも、やりすぎていたらとある薬剤師さんに「いいねされすぎて、私のことをどう思っているのかと疑心暗鬼になるんですけれど……」って言われたので、ほどほどがいいのかもしれません(苦笑)。

川野:なんですかそれ、めちゃくちゃ面白い(笑)。SNSにおいてはやることとやらないことを決めるってものすごく大事ですよね。僕、薬剤師としての薬の知識の発信とかって一度も投稿したことがないんです。それよりもキャラクターを知ってもらいたいって気持ちのほうが強いので……。

ばっしー:最近はなかなかしっかりSNSに向き合えていないなとは思いつつ、僕も薬局の情報発信よりも個人を表現する場としてSNSを使うことは意識していますね

公式の採用担当としてインターンシップ情報を流し続けるだけでは、やっぱり見てもらえなくなってしまうだろうと思うので、週末に子どもと遊んだ話とか、仕事のなかでの嬉しかった話とか、そういうそのままの僕を投稿したほうがいいかなと。

そうすると、YouTubeを観てもらったときの僕とも矛盾がないと思うんですよね。こんな雰囲気で、こんな話し方をしているのかって思ってもらえると、薬局とか僕へのイメージができあがるので印象にも残るのかなと考えています。

地域密着型の薬局として「オープン社内報」を公開

川野:高橋さん、noteでも積極的に発信をされていらっしゃいますよね。最近はnote運営にも記事をピックアップしてもらっているとのことでしたが……。

高橋:noteで発信すると、中の人たちが良いと思ったコンテンツを見つけて「note pro運営がすてきと感じた法人noteまとめ」としてご紹介してくださるんですよね。会喜のオープン社内報ってかたちで発信していたnoteを、最近はそうしてピックアップいただけるようになってきました。



川野:「オープン社内報」っていろいろな企業でも話題になっている発信形態ですよね。どうして発信を始めたのか、経緯も聞いていいですか?

高橋:以前勤めていたスタッフのひとりが「noteやりたい!」と提案してくれたのがはじまりですね。カケハシさんもnoteでの発信を行われているし、会喜の情報を発信できる場をつくりたい、と。

ただ、noteの運用を始める前に、その方が退職してしまって。どうしようかなと活用について悩んでいたところ、SmartHRさんが取り組んでいた「オープン社内報」を勝手に継承しようと、試しに実践してみたという感じです。

薬局だからといって薬の話や薬剤師のインタビューなんかを載せてばかりだと、薬局に興味のない人はそもそも見る機会すらないんじゃないかと思っていて。

そこで、これまで社内で溜めてきた情報やおいしいラーメンの話なんかを通して、薬局と地元のことを知ってもらう「オープン社内報」って枠組みを採用したんです。

川野:「オープン社内報」って考えつかなかったなあ。ぼうしやさんのYouTubeもそれと似た役割を持っているのかもしれませんよね。

ばっしー:すごく似ていると思いますよ。日頃の取り組みを公開するのもそうですし、実は姫路のラーメン屋さんとか焼肉屋さんとかを紹介する動画も公開しているんですよね。再生回数が伸びるからっていうのもありますが、地域とつながる意味では薬局情報ばかり配信するのは違うなと思うんです。


また、Instagramでは特にそういった情報を多く投稿しています。週2更新なんですが、半分以上は地域のおいしいごはん屋さんを紹介して地域の方に見ていただくことを目的にしていますね。

ぼうしや薬局 (@boushiya_pharmacy) • Instagram photos and videos766 Followers, 463 Following, 463 Posts - See Instagram photowww.instagram.com

その点、会喜さんは同じ情報発信をnoteでテキストの情報として更新するっていうとても大変なことをされているので真似できないなと思いますね。制作に時間がかかるのもそうですし、見てもらうための戦略が僕には思いつかなかったです。

高橋:これまで社内向けに伝えてきた情報を改めてまとめなおすイメージなので、そこまで負担はないですよ。ラーメンを食べながら写真撮って……っていうのが少しだけ大変なくらいかな。

あとは、他のスタッフに書いてもらうこともありますし、外部に編集長も置いているので記事の質はそこで担保されていますね。

ばっしー:えっ、外部に編集長を置かれているんですか……!

高橋:そうなんです。編集長が外にいることによって第三者的な目線でのフィードバックも得られますし、記事のクオリティも安定するので安心して運用できていますね。

川野:すごいなあ。ということで、まだまだお聞きしたいことはあるんですけれど、そろそろ時間が迫っているので最後の質問です。高橋さんにとって「MusuViva!」ってどのような存在ですか?

高橋:まずは「MusuViva!」のキャッチコピーにもある“ともに考えともに創る”という点がすごくしっくりくる場所だと感じています。

同じような意思を持った方々と一緒に、薬局の取り組みや未来についてまで、一緒に考えて前に進むことができる。集まった人同士、お互いにヒントを得て、持ち帰って実践してフィードバックして……っていう、とても大切な場です

川野:今のコメント、全カケハシ社員に聞いてもらわないとですね(笑)。改めまして、今日は本当にいろいろとお話いただきありがとうございました。

ばっしー:今日はありがとうございました。お話するなかで自分に足りていない視点に気づけたり、同じ悩みがあることを知れたりして、とても有意義な時間を過ごすことができました。

井上:僕は採用担当でこそないものの、ばっしーの相方として社内外で会社について話すことが多いので、お話を伺うことができてとても楽しかったです。

まだチャレンジしていかなければいけないことがたくさんあるので、引き続きばっしーの相方として採用面も頑張りたいですね。今日は本当にありがとうございました。

高橋:このような機会をいただくことができたおかげで、自分自身の取り組みを振り返るきっかけにもなりとても良かったです。なにより、お二方とお話できたことがモチベーションになりましたし、すごく元気もいただきました。ありがとうございました。

川野:本日も大変盛り上がりましたね。それでは、また次回! さようなら〜!

今回も充実した内容でお送りした「Viva! Cast 〜調剤室の小窓から」、お楽しみいただけましたでしょうか。「MusuViva!」ではこのようにユーザーコミュニティとして多くのユーザーのみなさまと場をつくる活動を行なっています。

来たる2月22日(水)には、本企画のモデレーターであり発起人の川野さんとともに、「MusuViva!」のコミュニティの裏側やユーザーのリアルな声を届けるイベントを開催いたします。

日程が迫っているタイミングではありますが、コミュニティ運営にご興味のある方、お時間の合う方はぜひ遊びにきていただけると嬉しいです。どうぞよろしくお願いいたします!

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