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こんにちは、スクウェア・エニックス 人事部 採用担当の服部です。
今回は、当社の出版事業にて契約書に関わる、重要な仕事を担当する社員に話を聞きました。専門知識を活かしながら、書籍作りをサポートする仕事のやりがいと難しさについて語っていただきましたので、ぜひ最後までお読みください。
出版事業本部 小谷 駿介
大好きなゲームやマンガに関わる仕事がしたかった
―スクウェア・エニックスに入社した経緯を教えてください。
前職では公務員として、某省庁で働いていました。元々ゲームや漫画が好きだったので、転職先としてコンテンツを扱う業界を広く見ていたところ、ちょうどスクウェア・エニックスの求人が目に留まり、応募しました。
最終的にスクウェア・エニックスを選んだ理由としては、自分が好きなコンテンツを扱っている会社だったことと、今後のキャリア的にも良い環境だと考えたためです。
「鋼の錬金術師」などのコミックス作品や、ドラゴンクエストやファイナルファンタジーといったゲームなど、自分がこれまで楽しんできたコンテンツの近くで働けることはとても魅力的でした。
また、自分が前職で法律関係の勉強をしてきたこともあり、仕事内容のイメージがしやすく、かつその後の長期的なキャリアから見ても、ここで経験を積むことは今後につながっていくだろうと思えたので、最終的にスクウェア・エニックスへの転職を選択しました。
―業界と仕事を変えることに不安はありませんでしたか?
不安はありました。エンタメ業界は自由なイメージがありましたが、実際はどうなのか全くわからなかったので。
入社してみて感じるのは、たしかに自由さもある一方、体制やコンプライアンスの面では想像よりもしっかり整っていて良い意味で驚きでした。
―前職との仕事のやり方に違いを感じることはありますか?
前職と比べて、仕事の進め方において個人の裁量が大きいように感じます。書類の作り方ひとつとっても融通が利き、「こうした方がいいのでは」を実現できる幅があります。
また、ほぼすべての仕事がパソコンで完結することも大きな違いでした。アナログで行っていたことが、デジタルでより効率的にやりやすくなったという感じなので、戸惑うことはありませんでした。
事業により近い立場で、契約・法律の専門性を活かす
―具体的な現在の職務内容を教えてください。
作家さんとの出版契約を始めとした諸契約の対応、社内外問わず契約に関連する質問への対応、漫画に関連する権利侵害への対応などを行っています。
法務・知的財産部と編集部との間に入り、契約書のレビュー、調整を行うのが中心ですが、契約書を介して他社と直接契約内容について交渉を行うこともあります。
また、企画について法律的に問題はないか、こういった条件で企画をしようと思うが、過去の事例的にどうかといった、契約に関連する質問への回答も行っています。
その他にも、お客様や、作家さんからいただいた権利侵害の情報を確認し、必要に応じて編集部、法務知財部と相談しつつ、権利侵害への対応を行うこともあります。
―出版事業本部の中の専門家といった印象でしょうか。
どちらかといえば、代理人の方がしっくりくる気がします。編集さんや作家さんと法務知財部など、人と人との間に入ることが多いので、何を、どのように伝えるかを考え、うまく橋渡しをすることが求められます。
―ほとんどの出版物の契約に関わると思いますが、一日どれくらい多くの契約書に目を通しているのですか?
日によりますが、簡単なもの含めると一日10本弱の契約書に目を通していると思います。
交渉項目の多いような重たい契約書だと1日に数本で終わることもあります。数ページほどの契約書から、中には数十ページにおよぶ契約書もあり、案件によって様々です。様々な案件を扱うので、ベーシックな契約書を読む力は必要になってくると思います。私は前職で法律を扱う仕事をしていたので、全く抵抗はありませんでした。
―毎日決まった仕事をこなしていくような感じではなさそうですね。1日の仕事の流れはどんな感じですか?
出社してすぐにメールチェックから始めます。急ぎの案件から返信し、契約書の添付があれば読みこみます。また、並行して、稟議起案や、諸申請など、契約に関連する事務作業を行ったりしています。
そうこうしていると夕方になり、優先度の低いものに着手して一日が終わります。並行して多くの案件を見ているので、一日中マルチタスクで、PCの前に座っていることが多いと思います。
また、多くの案件を一人で抱え込まないように、チームで契約管理表を共有しており、各進捗状況をチームメンバーで確認するようにしています。
最初の段階でしっかりと情報収集し、手順を見積もる大切さ
―仕事上の失敗エピソードはありますか?
あまり具体的なことは言えないのですが、失敗例として、最初に立てた見立てが甘く、契約内容の調整で、各部署に大きく手間をかけてしまったことがありました。
過去に似た事例があったことから、契約的に、その対応を行うにもそこまで工数はかからないだろうと思っていたのですが、実際に始めてみると、複数の部署の確認と、かなり細かい調整が必要になったことがありました。
大きな原因としては、知識が不足していたことなのですが、後から見返すと、途中で方針を修正するなり、もう少し各部署に負担をかけない方向はあったなと思いました。
最初にしっかりと情報を収集し、手順を立てる大事さを改めて実感する出来事でした。
―入社当初は手順の見立てに苦労すると思いますが、周りからのサポートやアドバイスはありましたか?
先輩社員が出社して隣にいてくれたので、わからないことが出たらすぐ聞くことができたのがありがたかったです。細かい手続きは都度聞いて慣れていく必要がありますが、出社勤務だとすぐに慣れていくことができたと思います。
また、部門責任者との距離も近く、トラブルが起きたときにすぐに相談できるのもありがたいなと感じています。
作品とのほどよい距離感で、純粋に一読者でいられる
―どんな時にやりがいを感じることができますか?
この仕事の一番の魅力は、面白い作品やコンテンツと、ちょうどいい距離感で仕事ができるところかなと思います。
契約として作品には関わりますが、作品制作には直接関わらないので、作品の内容はまったく知らず、社外のユーザーさん、読者さんと知るタイミングが同じだったりします。
そのため、純粋に一読者、一ファンとして楽しむこともでき、社内の人間として、コンテンツに関わる仕事ができるというのは、この職種の魅力的な部分だと思います。
また、作品の内容には関わらない、小さな範囲ではありますが、編集さんや作家さんの力になれることは、この仕事のとても好きな部分です。
契約や法律の知識だけでなく、コミュニケーションがとても大切
―この仕事の厳しさ・難しさを感じるのはどんな時でしょうか。
定期的に難しさを感じるときはありますが、やはり複雑な調整が必要な契約を行う時が一番難しさを感じます。
契約内容によっては、当社、契約相手の両者とも、譲れない内容があるなどで、条件が折り合わず、交渉が難航することがあります。そういった場合には、各部署と相談しながら、その取引の重要性や相手方の立場、内容がどのくらい影響するかなど、情報を集め、伝え、交渉する必要があります。
その量が多かったり、内容が複雑だったりする中で、正確に、過不足なく情報や意図を伝え、交渉を行うには、各部署の業務の知識や、どういった情報が必要なのかなど、多くのことを考える必要があるので、難しさを感じます。
―関係者が多い中で、うまく橋渡しをする必要があるのですね。どんな人がこの仕事に向いていると思いますか?
苦なく人とコミュニケーションを取れる方が向いているかなと思います。
もちろん各種法令などによる決まりはあるので、その点は勉強する必要はありますが、結局、どんな契約も現場の企画や取引があって初めて発生する約束ごとで、相手方や状況によって取るべき選択肢が違うため、どうしてもコミュニケーションが必要になるからです。
編集さんや作家さんがどういう思いでその企画をしているか、相手方との関係性がどのようなものなのかなども知ったうえで、仕事ができると、とてもいい仕事になるのではないかなと思います。
ちなみにその点について、私はまったくまだまだなので、そういった意味でも、人とのコミュニケーションが苦でない(贅沢を言えば得意な!)方が来てくださると、大変嬉しいです。
ご自分の今後の目標や夢を教えてください。
将来的にこう、といった目標は探している最中なので、あえていうなら目標を見つけることが目標です。この業界に関われるところにはまず来たので、その中でよりどういう風に関わっていきたいかを考えながら仕事をしています。
例えば、より法務的に関わりたいのか、それとも編集さんや営業さんのように、現場に近い場所で関わるのか、今のポジションでよりレベルを上げていくのか、など、あまり決めきらず、考えるようにしています。
そのために、少しずつですが、今はいろいろな仕事に関わることと、範囲を広げて勉強をするようにしています。
―あらゆる可能性が広がっているのはいいですね。この業務で身につく知識と経験は、どの方向性でも活かせるものだと思いますか?
例えば、編集さんであれば作家さんと話すときに知財の知識は役に立つと思いますし、どんな仕事でも契約、法律に無関係な職種はないと思います。そういった意味で、今の仕事はあらゆるキャリアパスで活かせる経験になると考えています。
これから当社へ応募される方へのメッセージをお願いいたします
大所帯な会社ではありますが、上下関係は厳しくなく、居心地のいい会社です。
色々なコンテンツや仕事に関わることのできるチャンスがあるので、幅広くコンテンツに興味がある方、出版の仕事に興味がある方、ぜひご応募いただければと思います!