医療やヘルスケア分野をデジタル技術で革新することを掲げるジェイフロンティア。法人の広告支援事業であるBtoB領域だけでなく、自社オリジナル商品を通販で展開するBtoC領域、オンライン診療・服薬指導のファーマシー領域まで、幅広い事業を展開しています。 本シリーズでは、これら3事業の部長から役員まで計6名にインタビューし、ジェイフロンティアで働くメンバーのさまざまな視点からみたリアルな声をお届けします。
今回ご紹介するのは、ヘルスケア事業本部 通販事業部長の井上麻美子。これまで劇団員やテレビ通販広告の営業や制作ディレクターとして活躍してきた彼女が、「事業をまるごと見ることのできるメーカーに行ってみたい」「Webにも携われる通販・ダイレクトマーケティングの世界でさらに幅を広げたい」と選んだのが、ジェイフロンティアでした。
近い将来、売上高100億円達成を目指し、社員50名規模のベンチャーながら目覚ましい成長を遂げる同社。中でも井上が統括する通販事業は50億円規模の売上を誇り、全社売上の半数以上を占める主力事業として同社を支えています。そんな通販事業を部長として牽引するのが、メーカー未経験入社3年目の井上。彼女が感じているジェイフロンティアの魅力とは。キャリア遍歴、将来の展望について話を聞きました。
【プロフィール】
井上麻美子
ヘルスケア事業本部 通販事業部長(Webマーケティング部長兼任)。慶應義塾大学在学中に劇団員として活動。卒業後、テレビ通販広告、いわゆるインフォマーシャルの営業兼制作ディレクターに。5年間勤めたのち、2018年3月ジェイフロンティア株式会社へ入社。
<目次>
- 直接お客様の声を聞き、メーカーのあらゆるプロセスに関われる
- 劇団員、テレビ通販の広告会社を経て、ジェイフロンティアへ
- みんなが意思を持って自走できる組織にしたい
直接お客様の声を聞き、メーカーのあらゆるプロセスに関われる
――井上さんの現在の役割を教えてください。
通販事業とWebマーケティングを掛け持ちし、いわゆるダイレクトマーケティング全般に携わっています。当社のビジネスは実店舗を持たないモデル。そのため、すべての商品をWebや新聞、テレビなどの媒体選定をして広告出稿するところからまずは始まります。
Web上では代理店様に委託をしながらYDN・GDN、SNS系などの運用をおこなっており、TVや新聞などのオフライン媒体では、お客様からのお電話をコールセンターで受注し、商品を流通させるまでの一連の流れを私はマネジメントしています。もちろん、ファンづくりのためのCRM(顧客関係管理)も大切です。商品開発に関わることもあります。これら全体を含めて通販事業と呼んでいます。
――とても守備範囲が広いですね。全社的な売上の9割を占める通販事業部だからこそ、醍醐味も大きいと思うのですが。
そうですね。ダイレクトマーケティングの醍醐味は施策の反応が目に見える形でわかること。お客様の声も直接返ってくることも多く、感謝のお手紙をいただけることも多くあって本当にありがたいです。
例えば、ブランディング広告だと、直接、数値で効果を測ることは難しい。もちろん大切な施策だとは思いますが、私は数字が見えるほうが好きなんです。通販であれば、小さなバナーの広告文を1つ変えるだけで格段に反応が変わり、クリック率や受注件数としてわかりやすく数字に反映されます。
ーー前職とはどのような違いが?
以前は関われる範囲が広告だけでした。製品開発にも顧客との接点にも関われず、見ている数字もほぼCPA(顧客獲得単価)だけ。「いい(電話が鳴る)広告ができた、次またいい広告を作ろう! 」の繰り返しなんです。メーカーや商品の売上を上げることよりも、広告の売上を上げることに躍起になってしまい、発想が偏っていた部分もあったかもしれません。それに顧客流入の数値など、一部分しかKPIを見ることができなかったので、クライアント様の社員さんをうらやましく思っていました。
――2021年現在、売上高は全社で70億円規模と伺っています。ダイナミックな案件に関われることも魅力のひとつかと思いますが、いかがでしょうか?
「規模の大きさ」だけがやりがいとは捉えていません。もちろん入社時に40億円規模だった売上が70億円規模になってきたことは嬉しいです。実際、広告運用においては月額数億円レベルの広告を扱えることもあるので、大きな広告予算を任されたい方には最適なフィールドと言えるでしょう。
ただ、私としては、事業全体を見渡せることの方が面白い。今はWeb、オフライン広告、コールセンター、受注関連、CRMの5チーム20名ほどをマネジメントしているのですが、 新規広告のレスポンス率、コンバージョン率(流入数に対する成約率)、継続率など、商品開発以外は全て指標となる数字をKPIとしています。プレッシャーもありますが、ここまで広範囲に事業を任されることに喜びを感じています。
ーー見るべき指標が増えて大変ではありませんか?
むしろ楽しさしかないですね。ただ、事業売上は各指標の掛け算なので、満遍なく指標を追いかける難しさはあるかもしれません。例えば、レスポンス率×受注率×継続率……のようにどれかひとつがゼロになると、全体の数字がゼロになってしまう。
いくら売上が良くても、定期購入いただける率が低いと事業が成立しません。極論、商品と広告が良くても、コールセンターでの受注対応が悪ければ、購入いただけない。さらに、お客様に繰り返し同じものを買っていただくためには、いかに商品価値を感じていただけるか、いかに我々が寄り添えるか、などのCRM施策も重要なんです。
そういった意味でジェイフロンティアでは「目先の広告費」だけに終始しない、幅の広い経験ができます。例えば、ひとりのお客様の顧客獲得単価(CPA)が1万円だとしても、そのお客様が一気に10万円分買ってくださるなら、そのCPAは効率がよいという判断になる。
しかし広告代理店では、KPIが始めから決まってしまっていることが多い。「初期のKPIがCPA5千円」と決まっていたら、その中でやり繰りせざるを得ない。でも、ジェイフロンティアなら提案ができます。そんな環境はほかになかなかありません。
劇団員、テレビ通販の広告会社を経て、ジェイフロンティアへ
――ジェイフロンティアに入社するまではどんなキャリアを?
実は学生時代、劇団に所属して役者をしていました。大学時代に休学して都合6年間、役者として活動していた時期があります。その後就活して、いずれは演劇を世に広めたいと思い広告業界など情報を広める業種で探している中で出会ったのがテレビインフォマーシャルを用いた通販広告の仕事でした。そこで通販事業の魅力にすっかりハマってしまい、今に至ります(笑)。
ーー具体的にはどんな仕事だったのでしょうか?
インフォーマーシャル(インフォメーションとコマーシャルを組み合わせたもの)というテレビ広告の営業や制作ディレクションを担当していました。よくテレビで健康食品をタレントさんが紹介しているCMで最後に「お申し込みは0120~」というのがあると思うのですが、まさに「あれ」です(笑)。
その時、良い経験になった一つの出来事は担当しているクライアント様と新しいインフォマーシャルを制作し大当たりしたときのこと。最初は反応が悪かったものが、改訂を重ねることで売れるようになったのです。それをきっかけに、出稿の幅が大きくなり、クライアント様もとても喜んでくださって。今ではその企業様も年商200億を超えており、CMを見るたび嬉しくなりますね。
ーーそんなやりがいある仕事を辞めてなぜ転職することに?
仕事の幅を広げたかったんです。最終的に広告代理店は5年間勤めてやりがいを感じていたのですが、メーカー側でチャレンジしたいと思うようになって。BtoCのメーカーで一気通貫に通販とWebを展開し、一般消費者のお客様と向き合いたいと思い、転職を決意しました。
「せっかく転職するなら、やりたいことをやらせてもらいたい」「でき上がった風土を打破したい」そんな思いでいくつか面接を受ける中で、老舗企業を受けたりもしました。しかし面接の際に雰囲気や社風に堅苦さを感じ、「ここは自分には合わない」と思うこともあって……。そんなときに出会ったのがジェイフロンティアでした。自由で風通しの良い社風が私にはぴったりだと思い、入社を決めました。
――転職当時は課題も多かったと聞いています。
そうですね。当時は今ほど組織の形が整っていなかったので、メンバーが目先のタスクに追われていて……。全員が目標達成に向けて動けていませんでした。そこでまず、できる部分はマニュアル化・外注化していくことから始めました。
今も継続して改革は続けているのですが、以前に比べると働き方は入社時よりもだいぶ変わってきました。タスクに追われるだけだったメンバーたちも、目標達成に向けた意識付けができるようになったんです。社内でやらなくていい部分は外注化してタスクを減らすなど工夫した成果が実ったんだと思います。
みんなが意思を持って自走できる組織にしたい
――現在は働き方への取り組みも重要だと思います。ジェイフロンティアはその点いかがでしょうか?
2021年1月現在はコロナ禍の中、出社頻度を週1~3回程度にしています。残業時間はもともと少なく、季節にもよりますが、今はひとり平均の残業時間が15時間以内に収まっている人がほとんどです。一方、リモートワークはお互いに信頼関係がないと難しい。すでにリモートワークは導入していますが、手探りの中で進めている状態ですね。
――最後に今後どのような組織をつくっていきたいですか?
既に各々が責任を持って高速で通販サイクルのPDCAを回せるチームだとは思うのですが、よりスピーディーに大きな1つの歯車を回せる組織を目指したいと思っています。 広告はどうしても属人的な要素が大きく、スキルのマニュアル化だけでは対処できません。だから、なるべくメンバーにスキルを落とし込んで、自分がいなくても回るようにしたい。
当社のメンバーは私が思っている以上にポテンシャルを秘めています。ある程度の道筋を引いてあげれば、想像以上のパフォーマンスを発揮してくれるはず。みんなの力で、もっとイケてる事業にしたいですね。
取材・文:山岸 裕一