本当に必要とされるコンテンツとは?
コンテンツは、答えのない問題集
アプリ開発と並行して続けていたのが、“本当にためになる講座”の企画と制作です。
これも簡単ではありませんでした。
なぜなら、薬剤師の現場で必要な知識は、試験対策のように「正解が1つ」ではないからです。
●医師からの処方の意図をどうくみ取るか?
●患者さんの生活背景までどう想像するか?
●「疑義照会すべきかどうか」の判断軸は?
現場で日々悩みながら判断している薬剤師の役に立つには、
「正解を教える」講座ではなく、「考える視点を届ける」講座が必要だと確信しています。
また、薬学ゼミナールと同じグループのサービスであるという特色上、
新人~若手の薬剤師も多く登録してくださっています。
そのような薬剤師にとって、これまでの講座は専門性が高すぎるという意見がみられました。
この意見を受け、「ためとこ」では
新人~若手薬剤師や、その指導者となる方向けのコンテンツも提供を始めました。
これらのコンテンツは、
異動や転職により新たな環境での業務に挑戦する方や、
「今さら聞けない・・・」と感じている中堅~ベテラン薬剤師の方、
産休や育休から復帰する方などにも見ていただけると感じています。
それでも、やってよかった
コンテンツチームでは、動画やテキストの内容が正確かどうかはもちろん、
分かりやすい説明なのか、現場で本当に役に立つ内容なのかなど、
チームメンバーで頻繁に意見を出し合っています。
そのような試行錯誤のなかで、
チームとして一貫していたのは、「もっと便利に、もっと分かりやすく」という気持ちでした。
学ぶためのツールで、逆にストレスを感じさせたくない。
忙しい日常のなかで、“薬剤師に寄り添う存在”でありたい。
だからこそ、妥協せずに改善を重ねてきました。
そんな中、リリース後に届いたユーザーの声のなかに、忘れられないメッセージがあります。
「ためとこで得た知識は大変役に立つものばかりです」
「夜子供が寝たタイミングでちょっとずつ受講できるようになり、とても助かっています」
・・・ああ、やってよかった。
報われるのは、こういう一言なんだなと、思いました。
これからも、“薬剤師の今”に向き合い続ける
私たちは、ためとこを「一過性の学習ツール」にしたくありません。
薬剤師が働きながら、自然に学びを積み重ねていける、
“生涯学習の土台”として存在し、進化し続けていきたいと考えています。
制度が変わっても、働き方が変わっても、
「薬剤師にとって、いちばん頼れる学びの場所」であり続けるために。
これからも、ユーザーと一緒に考えながら、挑戦し続けます。
私たちの“正解のない開発”は、まだまだ続きます。