アプリ開発という未知への挑戦
なぜ、アプリをつくろうと思ったのか?
「薬剤師に、もっと自由な学びを届けたい」
そんな想いからスタートした「ためとこ」プロジェクト。
以前は薬ゼミラーニングトレインというサービスで
研修認定薬剤師の単位を取得できるe-Learning講座提供を行っていましたが、
実際に薬剤師の声を聞くなかで、あるニーズが浮き彫りになりました。
「アプリで手軽に見られたら、移動中や休憩時間にも勉強できるのに・・・」
「90分以上のセミナーや学会はハードルが高い・・・」
薬剤師は忙しい。
けれど、学びたい気持ちはある。
それなら“アプリで手軽に学べること”が、学習の継続に大きな意味を持つと、私たちは考えました。
ただし、私たちにとってアプリ開発は完全に未知の領域。
でも、それを理由に止まっている場合じゃない。
「やってみよう」――その一言から、全てが始まりました。
アプリ開発は、私たちにとって“ゼロからの挑戦”だった
実は、株式会社医学アカデミーにとってアプリ開発は初めての経験でした。
開発の進め方も、UI/UXの考え方も、システム要件の詰め方も、すべてが未知の世界。
正直なところ、「何から始めていいかもわからない」という状態からのスタートでした。
最初は、エンジニアとのやり取りすらも専門用語に戸惑い、
「ユーザーにとって本当に使いやすいものは?」と悩み続けました。
その問いには、正解がありません。
スワイプの向き、メニューの並び、履歴の見せ方…。
あらゆる設計が、ほんの少しの違いで「使いやすい」か「煩わしい」かに分かれてしまう。
しかも、その“正解”が、使う人によって違う。
学習アプリである以上、ただオシャレなだけではダメ。
忙しい薬剤師が、見たい講座にスムーズにたどり着けて、受講履歴がすぐ見られる。
今自分に何が必要かが一目でわかる。
シンプルであることの難しさに何度も直面しました。
特にこだわったのは「スキマ時間に見たくなる」「継続したくなる」仕組みづくり。
ログインボーナスのようなゲーミフィケーションを入れる?
ユーザーのランキング機能を入れると楽しいかも?
学習履歴をとにかく見やすくすることでモチベーションが維持できるのでは?
仮説と検証の連続。
薬剤師を中心とした企画チーム、エンジニアを中心とした開発チーム、
そして実際利用してくださっているユーザーにも協力してもらいながら、
「今の薬剤師の生活」にフィットする設計を模索しました。
そして考えたのが、これまで薬剤師の生涯学習にはなかった「ポイント制」です。
「1分1ポイント」制ーー“ちゃんと学べば、それでいい”
従来の薬剤師向け生涯学習では、90分の講座を受けて1単位取得という形が一般的でした。
けれど忙しい薬剤師にとって、90分の講座を受けるのは大変。
実際には、
「とにかく再生して放置」「学んだ実感がない」――そんな声も少なくありませんでした。
そこで私たちは、“時間”ではなく“積み重ね”で評価する新しい仕組みを取り入れました。
それが「1分学習=1ポイント、90ポイントたまると1単位取得」という仕組みです。
たとえば、
お昼の休憩時間に、15分だけ。
通勤の電車の中で、10分だけ。
子どもが寝ている間に、5分だけ。
「ちゃんと見て、ちゃんと学んだ」という姿勢そのものを認定する。
これこそが、現場で働きながら学び続ける薬剤師にとって、本当に意味のある仕組みだと考えました。
社風が支えた「やってみよう」の文化
なぜそんな未知へのチャレンジができたのか。
それは、私たちYTLに根付く
「まずやってみよう」「失敗してもいいから試そう」という社風があったからです。
やってみた結果、うまくいかなければやり直せばいい。
メンバー同士でアイデアを出し合い、柔軟に修正していけるカルチャーが
アプリ開発の推進力になりました。
「アプリを作ってみたい」「ゼロからの開発に携わりたい」
そんなシンプルな好奇心を持った人にとって、ここは間違いなく楽しい場所。
バックグラウンドにかかわらず、一歩を踏み出せる環境があります。