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【社員インタビュー】感性で判断しても、意外と正しく着地する

建築事業部 設計 主任

2012年入社 山本 清尊

建築事業部の設計チームをまとめる。
自身が努力で積み上げた経験を元に、新人の設計スキル向上を仕組化。


なんとかなる。としか思えない

ニートから中途採用で入社しました。元々は、建築学科で意匠設計を学んでいました。大学から大学院に進むうちに、なんとなく「働くのまだ早いかな」っていう気持ちをずっと抱えながら、就職活動に突入したのを覚えています。応募した企業には全て内定を頂きながらも、それでもモヤモヤは消えませんでした。次第に、社会に出ることよりも海外に行くことに関心が傾いたこともあって、急遽、休学し海外で2ヶ月間は生きていける程度のお金を稼いで日本を飛び出し、オーストラリアに向かいました。英語はもちろん話せませんし、もう思いつきでしかなかったですね。ノリです。(笑)

オーストラリアでの楽しい生活もそこそもに、想定よりも早くお金が底をつきました。笑

これは困ったなと思い、なんとかして稼がねばと考えた末、路上でドラゴンボールに登場するキャラクターの絵画を描いて販売することにしました。昔からドラゴンボールが大好きで絵を描くのが得意だったんです。亀仙人などのキャラクターを描いては「アップトゥーユー!(金額はあなたが決めて)」と言うと1枚、2,000円や3,000円で買ってくれるんですよ。その日銭でパスタ買って空腹を満たしていました。

そんな1年近くのオーストラリア生活を通じて、価値観はきちんと変化。復学して引き続き学業に励む予定だったのですが、何もできない自分を痛感したこともあり、早く社会に出て働かなきゃなと思う気持ちが強くなっていました。

日本に戻り働こうと決意し、チケット費用分だけなんとか現地で稼ぎ、帰国できることになったので財布はスッカラカンの状態。「まぁ、とりあえず帰ってこれたし、なんとかなるか」と楽観視しながら2度目の就職活動がスタートしました。

地元静岡県のベンチャー企業を受けていたのですが、なかなかピンとくる企業に出会えない日々が続きました。その中にアイジーコンサルティングの建築事業部での採用面接がありました。当時、設計の即戦力を求めていたようで、社会人経験もない私は対象外だと思いながらも面接官と話をしていたのですが、身の上話などの雑談から私の海外経験やドラゴンボールキャラクターのスケッチ商売に興味を持ってくださり、その場で面接担当者の似顔絵を描くことになりました。「男前に描けたらひょっとして入社させてくれるんですか」など冗談混じりの会話も膨らみ、気づけば拾って頂けることになっていました。念願だった住宅系の設計をできると喜んだのを覚えています。

研究生時代、当時の教授がバウビオロギーと呼ばれる、人の健康と自然環境に可能な限り配慮した設計手法を研究している方だったのですが、アイジーが目指している家づくりもこの考えに通づるものがあり、私が培ってきた研究内容とアイジーの建築コンセプトの親和性も高く、自分でも納得した家づくりに携われることがやりがいですね。自分が好きじゃないものを商品・サービスにするのはどうも性に合わないんで。

水面下で、もがき苦しみ、人前ではスマートに

しかし、入社後は死に物狂いで先輩の設計士に食らいつく日々が続きます。学生時代に建築学科だったとはいえ、実務経験がないので、何がわからないかもわからないんです。先輩が電卓で何を計算しているのかもわからない。ですから、その数字を暗記してどこの何の寸法を計算しているのかを考え、あの計算がここに生きてくるんだ。と一人でこっそり答え合わせをしながら一つ一つ知識を身につけていきました。業者さんとの打ち合わせの会話で出てくるわからないことを後から調べたり、教えてもらったり、本当のゼロから教えてもらいながら今日まで生きて来られたんです。(笑)

設計職として配属されたのにも関わらず、プランニングの仕方さえわからないって恥ずかしいじゃないですか。でも、10時間かかろうがプラン一つ完成させることもままならない状況だったんです。しかし、周囲には悟られない様に涼しい顔はいつも保っていました。スラムダンクという漫画があるじゃないですか。その主人公で桜木花道のような天才という言葉が大好きなんですよ。頑張っている感じを消してうまくやりたいというイメージです。スマートに生きているように見せるために、頭の中で先回りして考えておきたいんです。カッコつけたいんですよ。スマートに見せながらも、水面下では必死にももがき苦しんでるようなアヒルの足です。

もう時効だと思うのでぶっちゃけますが、業務時間が過ぎても、延々とプランニング作業をしていました。空間ゾーニングを入れ替えてみたり、玄関の向きを変えてみたり、どうすれば住みやすい間取りができるのか何百通りも描いていました。冗談みたいな話ですが、夢の中でもプラン作業している自分が出てきましたからね。夢の中ではプランが完成して喜んでいるのに、目が覚めるとまだ作業途中だったことを思い出し、朝に慌てることなんかしょっちゅうでした。これぞ地獄ってやつですね。(笑)

色々育ててもらった恩返しではないですが、今ではそういった設計ノウハウをマニュアル化しているので、体系的に学んでいただける環境も整えたつもりですから安心してください。
ただ、この当時の試行錯誤があるからこそ、どんな住まいのニーズが来てもきちんと打ち返すことができるようになったんだろうなあとは思います。

その練習の賜物だと思うのですが、ご家族様とのお打ち合わせでどのような暮らし望まれているのかなど、住まいに求めていることをお話しさせて頂くと、お打ち合わせが終わる頃には、私の中では住まいのプランニングは出来上がっています。きっとこういう住まいなら喜んでくれるかなと。そのためにも、ご家族様へとことんヒアリングさせて頂いてます。ご家族様も家づくりは初めてのことが圧倒的で、様々な希望や理想のイメージを持たれています。ですからご質問の角度をずらしながら色々とお話しを聞かせていただき、その回答同士を頭の中でぶつけながら住まいに求める優先順位を丁寧に整理していくイメージです。

私たちは自分の住まいを建てるわけではありません。あくまでご家族様の求める暮らしができるような住まいを建てるんですね。ですから、こうあるべきだと決めつけず、ご家族様の理想に真摯に向き合う姿勢が必要です。また、ご家族様のご要望はもちろん揺れ動きます。その揺れにも柔軟に対応できるためにもなるべく凝り固まった考え方を排除してフラットな状態でいるべきです。
過去の蓄積した経験や知識は大切ですが、そこに頼りすぎてもいけません。

一方で、会社として目指している家づくりや理想の暮らしは全メンバー共有しています。アイジーとして、家づくりのコンセプトからずれた提案はどの職種のどんなメンバーもしないです。各スタッフが個人的に好きな家づくりを好き勝手に提案するのではなく、コンセプトに沿って、私たちが提供したい価値観をきちんとご家族様にお渡しすることで、一致団結しているので働きやすい環境が整っているのだと思います。

課題もあるが、伸びしろはもっとある

アイジーコンサルティングは人を大切にし続けることをコアバリューとして位置付けています。在籍している人は事業部関係なく良い人ばかりというのは感じます。良い人というと漠然ですが、口に出すわけでも態度に出すわけでもないものの、きちんと私たちの使命はわかっている。みんながその使命に向かって一所懸命だなというのは、上司や部下関係なく伝わってくる組織です。忖度なく、意見を言ってくれるので、真剣にメンバーのことを考えてくれているのだということも感じています。

ですが、課題も感じています。まだまだ各事業部との相乗効果を発揮しきれていないようには思います。逆に言うとこれからまだまだ伸び代があるということでもあるのでしょう。アイジーコンサルティングは、住宅業界の中でもメンテナンスに特化している事業部や、私たちが所属する家を建てる事業、不動産仲介・売買する事業、リフォーム・リノベーションする事業など多岐に渡ります。これほどの事業領域を一社で扱う企業はありません。ですから、今後事業部の垣根を超えて、人材だけでなく、データやナレッジ、ノウハウ、また各事業部で抱える地域のパートナー企業がシームレスに循環し出すと、競合他社では真似できない可能性を見出すことができるはずです。

家を建てた後もずっと一社で面倒を見てもらえるってこれまでの日本ではなかなかなかったんじゃないでしょうか。何十年とご家族様に寄り添い続けられる住宅産業総合企業になることができれば、ご家族様も安心してもっと頼りにして頂けるはずです。そうなることで、短期サイクルで建てては壊してしまう日本の住宅事情を持続可能へと導ける一助にもつながっていくのではないでしょうか。
そのためにも、私たちがずっと存続し続けることが何よりも求められます。

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