こんにちは!root採用広報担当です。
私たちrootは「Design Doing for More〜デザインの実践を個から組織・事業へ〜」をビジョンに、クライアントの事業と組織の成長によりそい、デザインを実践しようとする人々を支え、世界をより良く前進させていくことを目指すデザイン会社です。
先日rootは、社外のデザイン活動に関わる皆さんとノウハウや情報交換・交流を通し、それぞれの“〇〇の芽”を育てるデザイン活動の場をつくるデザすぷ(Design Sprout Bar)Vol.5を開催しました!
5回目となる今回は、デザイン・フィロソフィーを体現したデザインの活用に注力するVisional さんと共同開催しました。
「事業や経営に接続するためのデザインマネージャーの視点」をテーマに、若手デザインマネージャーと、それぞれのマネジメントも担う各社のCDO,CEOと共に、事業や組織の戦略から落とした目標設定や、事業部を超えて成果を出していくために、事業部間の連携を強めるには?といったことを、セッション形式でお送りしました。
今回は、Visional さんの素敵なオフィスにて開催させていただきました!
それでは、それぞれの会社における取り組み事例について会話いただいた模様をお伝えしていきます。
セッションの登壇は、以下4名、そこに44名の参加者の皆様、またrootとVisional さんの運営メンバーが加わり、総勢60名近くの方々にお集まりいただきました。
Visionalグループ 株式会社ビズリーチ 執行役員 CDO:田中 裕一さん
Visionalグループ 株式会社ビズリーチ デザインマネージャー:福田 佳世子さん
株式会社ルート CEO:西村 和則
株式会社ルート マネージャー・プロダクトデザイナー:佐藤 理子
左から、田中 裕一さん、福田 佳世子さん、佐藤 理子、西村 和則
事業や組織の戦略から落とした目標設定や、事業部間の連携を強め事業部を超えて成果を出していくために、どのような壁にぶつかり、デザイン組織がどのようなコミットを通してその壁を乗り越えてきたかについて発表していきました。
それでは、セッション内容について、見ていきましょう。
目次
- それぞれの会社説明について
- 1. それぞれの自己紹介と仕事内容
- ーー 1-1. 登壇者の自己紹介
- ーー 1-2. rootの支援内容について
- 2.マネジメントの視点で、事業と組織を接続していく上で挑戦していることは?
- ーー 2-1. 社内体制と視座について
- ーー 2-2. 目標設定について
- ーー 2-3. 様々なステークホルダーとの関係値構築について
- 3.挑戦していく上で必要な考え方やスタンスは?
- 総勢60名のデザイナーで話し合う懇親会
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それぞれの会社説明について
最初に、2社の簡単な会社説明からスタート。それぞれの企業が取り組んでいる事業や組織について説明しました。
まずは、福田さんよりVisionalの紹介。
福田さん:
Visionalでは、HR Tech領域の事業を中心に、M&A、サイバーセキュリティ領域などで新規事業も展開しており、時代がもたらす様々な課題を解決し、社会にインパクトを与え続けることを目指しています。
コア事業にあたるHR Techの領域の事業は、採用プラットフォーム「ビズリーチ」、人財活用プラットフォーム「HRMOS」シリーズを展開していまして、事業を通じて一人ひとりが活き活きとはたらける社会の実現がビジョンです。
その中で私たちデザイナーは、狭義のデザインに留まらず、経営や事業、モノづくりなどで責務を持ち、“デザインのチカラ”を活用しながら、Visionalのすべての仲間が“デザインのチカラ”を活用できる状態を目指しています。
現在、Visionalさんが掲げている「融ける“デザインのチカラ”」についてはこちらの記事をご覧ください。
続いて佐藤よりrootの紹介。
佐藤:
rootは、事業会社に対するデザイン支援を行っているデザイン会社で、
事業フェーズに合わせたデザインの実行支援を行うことに合わせ、内製化に向けた体制構築、デザイン組織までをサポートしています。
「Design Doing for More〜デザインの実践を個から組織・事業へ〜」をVisionに、プロジェクト平均3年という中長期での支援を行い、デザインの力を通して事業や組織を成長させています。
1. それぞれの自己紹介と仕事内容
ーー 1-1. 登壇者の自己紹介
それぞれの会社紹介が終わった所で、セッションのスタート。
登壇者兼ファシリテーターとして、今回も素晴らしい進行をしてくださった田中さん!
それぞれの自己紹介からスタートしました。
田中:
Visionalグループ 株式会社ビズリーチ CDOの田中です。入社したのは2017年。今年の4月で7年目になります。
2018年にCDOに着任してから、デザイン戦略の推進やデザイン組織づくりを、4年ほど進めてきました。2022年にデザイン組織を解体し、デザイナーを各事業部に配置してからは、「融ける“デザインのチカラ”」を掲げ、各デザイナーが事業や組織の中に入り込んで“デザインのチカラ”を発揮しています。
現在、私自身も組織や経営に融け出し、組織変革や全社戦略の設計・推進にチャレンジしているところです。その中で苦労や大変なこともあるので、今日はそれらも踏まえお話しできればと思います。
福田さん:
Visionalグループ 株式会社ビズリーチでデザインマネージャーをしています、福田です。
2018年に新卒入社し、去年デザインマネージャーに就任したばかりですが、マネージャーとして成果・組織・人材、この3つを軸にマネジメントを行っています!
佐藤:
rootでプロダクトデザイナーをしている佐藤です。
デザイナーをしながらプレイングマネージャーをしています。
クライアントへのデザイン支援をしながら、マネージャーが行うような人事業務(人材・組織づくり)、特に現在は採用に注力しています!
西村:
root CEOの西村です。スタートアップや新規事業へのデザイン支援を行っている中で、事業拡大する際にデザイン体制が拡大出来ない企業がとても多いことに課題意識を持っていて、それらを解決するために、デザイン会社という立場からデザインマネジメントや組織づくりを伴走しています。
今日は悩みながらもマネジメントをしているリアルについて話せればと思います。
ーー 1-2. rootの支援内容について
次にrootの支援内容について、田中さんよりご質問をいただきました。
田中さん:
デザインマネジメントって外部から行うのは、すごい難しそうですが、実際どうですか?
西村:
実際難しいですね。(笑)
本来は事業会社内ですべきことですが、特に組織が立ち上がっていくような若いフェーズだと、プレイヤーはいるが、マネジメントが機能させれる組織になっているかとなった時に、課題のある企業は多いですね。
そういった企業に対して、rootではDPM(デザインプログラムマネージャー)を筆頭に、マネジメント機能の代替というか、組織が形成できるような状態を促しています。
田中さん:
ありがとうございます。実際そのようなことに取り組まれていく中で、挑戦されていることや挑戦する上で必要なスタンスなどを、本日は深掘りしていければなと思います。
2.マネジメントの視点で、事業と組織を接続していく上で挑戦していることは?
ーー 2-1. 社内体制と視座について
それぞれの紹介が終わったところで、テーマ「マネジメントの視点で、事業と組織を接続していく上で挑戦していることは?」について、それぞれ話していきました。
事業と組織の営みを同期させることはとても難しい中、キーパーソンを担うマネージャーにおいて、どのような挑戦をしているかをそれぞれに聞いていきました。
まずは、福田さんに挑戦していることについて、語っていただきました。
福田さん:
挑戦していることとしてはデザイナーという立場から、事業におけるキーパーソンであるボードメンバーたち(=各職種のマネージャー) と横の連携をして、視座を合わせるために動いています。
というのも、エンジニアやプロダクトマネージャーと職種が違えば、同じ事業部のボードメンバーでも抱える課題感は様々です。
その中で「根本の課題は何か?」を話し合った際に、ボードメンバー同士が視座を合わせ、共通の認識を持ち、メンバーに共通の課題を説明できる状態を作らないといけないねとなったのがきっかけでした。
その状態に向けて、ボードメンバーとの隔週のミーティングや各メンバーとの1on1などを行っています。
田中さん:
大変だったポイントはありますか?
福田さん:
2年ほど前にエンジニアチームとデザインチームが統合されたのですが、もともと異なる職種だった人たちと視座や認識を揃えることが大変でした。
エンジニアやプロダクトマネジメントのマネージャーと視座を揃えるべく、
具体的な課題の話を通してそれらを抽象化し、共通のものとして扱えるようにしていく中で、視座を揃えていきました。
ーー 2-2. 目標設定について
続いて佐藤より、挑戦していることとして、目標設定にフォーカスしお話ししました。
佐藤:
rootでは自社内の事業と組織の目標設定としてOKRを導入していて、私は自身でチームの目標を立ててメンバーをマネジメントすることに挑戦しています。
田中さん:
Visional でも以前導入していましたが、OKRって難しいですよね。
気をつけているポイントってありますか?
佐藤:
ビジョンを実現するために集まっている組織であることを前提に、全社OKRから落として目の前の3ヶ月、何に注力するか、軸がブレないようにこだわっています。
西村や他のマネージャーとも話しながら、ビジョンを咀嚼し、解像度を上げていきながら、目の前の業務に取り組んでいます。
田中:
西村さんから見てどうですか?
西村:
僕の見ている視点だとかなり先の時間軸から考えてしまうので、試行錯誤しながら取り組んでいます。
ただ、さとりこ(佐藤)は僕の解像度や視点を自分から取りにくることを積極的にしてくれるのは、とても良いなと思っています。それによって、僕の見てる視点とさとりこの視点が上手く突合出来ているなという感触があります。
田中さん:
私もクライアントワーク経験がありますが、その時は目標設定なんてなかったので事業会社に近い新しい取り組み方ですね。
西村:
そうですね、設計は事業会社の構造に寄せていて、いかに僕らがクライアントの思考に近づけるかを見ています。
ーー 2-3. 様々なステークホルダーとの関係値構築について
次は社内やクライアントなど、様々なステークホルダーと行っている関係構築について、まずは福田さんより話していただきました。
福田さん:
正直、関係構築で苦労していなくて(笑)
私は新卒からずっと同じビズリーチ事業部で、お世話になった先輩も一緒のチームにいて、そこに対するコミュニケーションのハードルはないんです。
信頼貯金が貯まっている等、長くいるからこそ発揮できるバリューを最近感じます。
田中さん:
アサインの1つの考え方として、じっくり関係値を作ることを狙うのはありますね。
デザインマネジメントの仕事って、つながりを作ってその生態系を作っていくことだと思っています。
なので、人間関係が前提になってくる中で、人材の移動やアロケーションを考えていくと、関係値や信頼貯金が積み上がりやすいアサインになるかなとは思ってます。
田中さん:
rootさんも、1つのプロジェクトは長いですよね?
佐藤:
長いですね。私の場合だと、入社してから2つのクライアントプロジェクトにアサインされて現在まで継続しているので、約3年ほど同じプロジェクトです。
田中さん:
それだけ長いと関係性はばっちりですね。
デザイナーってどうしても色々な経験をさせてあげたいとアサインメンバーを変えたり、プロジェクトを変えたりしがちですが、どこかでじっくり腰を据えて、関係値を作り、ドメインの深さを知ることはすごく重要かなというのは、アサイン側の視点からも感じる所ですね。
3.挑戦していく上で必要な考え方やスタンスは?
最後は、挑戦していく上で必要な考え方やスタンスについて話していきました。
佐藤:
先ほどの話と重なってしまうのですが、挑戦していく上でのスタンスとしてはVision→事業の戦略や計画から下ろすことを大切にしています。
そこからブレずに、施策の目的、ゴールを設定したり、メンバーへフィードバックすること。マネージャーは人と向き合うので、感情に対面するケースも多いかと思います。
でも、最終的には組織として何がやりたいか?に向き合ってコトに向かいたいと思っています。
田中さん:
それは何か失敗から気付いた経験ですか?
佐藤:
はい。最初は個人の個性などに目がいき、組織として何がしたいかになかなか立ち戻れない時期がありました。具体的には全社総会の設計を担当し、メンバーの振り返りなどを設計していた際に、GOALをどこに着地させたらよいか分からないことがありました。
その時に、自身の上司(GM)からフィードバックをもらい何度も練った結果、皆が「共通している部分」(=Vision)に目を向けると、組織として最大化できるなと思えることが出来ました。
組織やチームは、そこに向かって一緒に走ることが幸せな状態だなと感じています。
田中さん:
さとりこさんの事前の資料に、「愛する力」と書かれていたのですが、これはどのようなことですか?
佐藤:
先ほどの自身の師匠(GM) に言われたことなんですが、(色々なステークホルダー、チームメンバー、CEOや上司、クライアント等等)何事も「自分から」向き合っていく姿勢に対して、愛する力として評価してもらっています。コミュニケーションや信頼を自分から発していく点が良いよと言われ、嬉しかったので大事にしています。
田中さん:
良いですね〜。最初マネジメントするとどうしても人に寄りすぎるというか、メンバーが可愛くて仕方ない状態になってしまうと思うんですが、皆が目指している方向をアライメントしてあげることが、発展に繋がるということですね。
これは本当にマネージャー1年生あるあるなので、もし皆様のところでマネージャーがいらっしゃれば、ぜひ伝えていただければと思います。
続いて、福田さんからもご自身のスタンスについてお答えいただきました。
福田さん:
“スタンスがない” のがスタンスですかね(笑)
というのも、今行っている業務はデザイナーという肩書きだとやらないようなことも行っており、
自分の役割を限定せず、変化を受け入れて楽しんでいくことは、自分のスタンスかなと思っています。 あ、じゃあ、これがスタンスですかね(笑)
田中さん:
変化を受け入れるという、スタンスですね。もともと、そういったスタンスだったんですか?
福田さん:
よくチームでは話すんですが、新しいことを知ること以上に楽しいことってないと思っていて、新しいものを試すときはワクワクします。固執しないというのは自分のスタンスかもしれないです。
また、田中さんからもマネジメントで大切なスタンスについて触れていただきました。
田中さん:
マネジメントにおいて、3つのスタンスが大切だと思っています。
- ギブから始めること
- 真理を追求すること
- それらを楽しんでいくこと
全部を楽しめるようになると、複雑なことや面倒と思えることなど、やる意味が見出せないことに対して、コアな部分が見えてきて、組織を動かす解像度を上げられたりと、新しい気付きの瞬間があったりするかなと思っています。
西村:
僕が大切だと思う点として、新しいものに対して未来を見ることが重要だと思っています。
どうしても過去や今に目が行きがちになる中、マネージャーは時間軸を長くし、未来を見る視点をもてることで、楽しさが出てくると思ってます。
田中さん:
すごくわかります。デザイン出身の経営者やCDOってこの視点を持たれている方が多いと感じています。
トップマネジメントですら足元の課題やお客様の問題、数値に目が行きがちな時に、デザインの人が時間軸を遠くまで投げ、未来を描いて見せることで、みんなにゴールを再認識させる。
これがデザインマネジメントの楽しさなのかなと思います。
と、色々と語り尽くせぬところもある中ではありましたが、セッションの時間はあっという間に終了となり、Q&Aの時間では、X(旧Twitter)からの質問内容をオンタイムで挙げていただき、
❓視座を合わせるとはどのように設計されるべきか?
❓デザインが事業と接続されている状態とは?
等を回答させていただきました!
質問くださった皆さん、ありがとうございました!
(当日は全部は回答できてないので、少しずつできる限りXで返信していければと思います!)
総勢60名のデザイナーで話し合う懇親会
セッションが終わり、最後は懇親会を開催!
第5回目を迎えた今回のデザすぷでは、総勢60名の方々にお集まりいただき大盛況の中、終えることができました。
デザインマネージャーになりたての中、日々悩まれながらも奮闘している方や、デザインマネージャーを目指して取り組まれている方、デザインマネージャーの育成に奮闘されている方々など、セッションや懇親会を通して、同じ悩みや課題感を持つ他社のデザイナーさんとの交流ができる素敵な場となりました。
最後は皆さんと、スプラウト(芽)のポーズで集合写真!
また、参加者の皆様、アンケート、Xでのシェアのご協力、ありがとうございました!
時間が限られていた中で、お答えしきれなかった点などは今後のイベントやXで発信していきたいと思います🙇♀️
🗣️アンケートやXでの皆さんの声
「目標設定の時期だったので、考えさせられました。今まさに悩んでいるポイントについて新たな観点から気づくことができました!」
「プログラムの質の高さもありますが、参加者の方が素晴らしくかつ熱量が高かったので、懇親会の場が素晴らしかったです!」
「最後の質問くらいまでは、事業自体の話があまりなかったので、つぎは事業についても深く聞いてみたいです!」
今後目指していきたいこと
デザすぷ Vol.5では、総勢60名ほどの方々が参加くださるイベントとなりました!
デザインチームのマネジメントにおいては、ナレッジも少ない中、様々な企業さまが懸命にトライされているように思えます。業界としてもまだまだ、初手段階であることを確信しています。横のつながりはとても大切だなとあらためて実感したイベントになりました。
そもそもマネジメントという変数も多く、かつ壮大なテーマにでもありますので、ぜひ、デザインマネージャーを増やす、ひろげられる活動をrootとしても皆さんと共に加速させていけると嬉しいですし、具体的に考えていることもあるので、ぜひ、楽しみにしていてください!
rootでは共にビジョン実現できる仲間を探しています!
私たちは、「Design Doing for More〜デザインの実践を個から組織・事業へ〜」をVisionに、様々なフェーズのクライアントの事業と組織の成長を共に実現するデザインパートナーです。
クライアントと共に事業の本質(芯)を見いだしながら、事業本来の価値をユーザーに届け、デザインの根源的な力を個から組織・事業へと広げることで、世界をより良く前進させていきたいという方!
ぜひ一度カジュアルにお話ししませんか?ご連絡お待ちしています!