転職活動は強みの棚卸しから、とよく言われますが「これが自分の強みだ!」なんて軽い気持ちで言えなくないですか?
僕は転職時にそのことで深刻に悩んでいましたが「強みのSIGN」という考え方と出会って価値観が変わったので、その話をします。
強みと言えるほど、尖った能力が見つからない
僕は4年前にこの会社に転職しました。それまでは地方の小さな会社で、紙とWebのデザイナーとして働いていました。
有名な企業と仕事したことはなく、クリエイティブやWeb開発の技術はあっても飛び抜けて高いレベルでもない。そして若手と言える歳ではないこともあり、同年代の人のハイクオリティな制作実績や輝かしい受賞歴を見ているだけで、ジリジリとした焦りに飲み込まれていました。
もちろん業界のトッププレイヤーと比べてしまうのは問題かもしれません。しかし、自分よりクオリティの高いものを作れる人は数多くいるのに、その中でどうして自分の技術を「強み」だとか言ってしまえるのだろうと考えていました。
一方で「誰にも負けない努力家です!」みたいな伝え方も抽象的すぎてピンと来ませんでした。これは性格の話であって、実務において何の役に立つのかを具体的に伝えられません。年も年だったのでもう少し地に足のついたことを言いたかったのですが、その武器がまるで見当たらなかったのです。
成功はあくまで一側面でしかない
不安を抱きつつも、少しでもことを前に進めようと色々な情報にあたる中で『最高の成果を生み出す 6つのステップ』という本を読みました。この本には「強みのサイン」という、強みに気づくための、活動の評価方法が記されています。
- Success(成功):その活動で成功したり、賞賛されたことがある
- Instinct(本能):毎日ついその活動をしてしまう、その活動は自分にとっての本能的反応だ
- Growth(成長):いつもその活動のことを考えている、その活動の習得が楽しい
- Needs(必要):その活動をいつも心待ちにしている、思い返すのが楽しい
(頭文字をとると、なんとSIGNになってますね。うまい!)
なるほど、こういう活動が本当にあったら、それは間違いなく伸び続ける能力に違いありません。自分の経験を勝手につまらないものとせずに、事実と気持ちをバランスよく見直してみようと考えました。
受賞したとか実績を作ったという話だけではなく、例えば他の人が大変だからできないこと、普通は投げ出してしまうようなことも、自分が何気なくできるならそれは強みかもしれませんよね。
何気ない行動に強みが隠れていた
そして仕事や生活を振り返るうちに、SIGNに当てはまりそうな活動が見えてきました。僕の場合は、情報を分解して整理するという活動です。
例えば業務フロー図やコンテンツリストといった中間成果物は、誰に頼まれずとも作っていました。サイトに掲載する情報がどこで生まれ、誰がそれを必要とするのかの論理を「何となく」で済ませられなかったのです。もしかするとビジュアルよりもずっとこだわって作り込んでいたようにも思います。
またその資料を「わかりやすい!」と褒めてもらえたことや、その活動が結果とつながったことも、印象に残る記憶でした。
生活の中でも、自分や家族の困りごとを対処するために、似たようなことを自然としていました。事実と思い込みを切り分けたり、図にして因果関係を整理したりしないと、ちゃんと腹落ちできなくて気持ち悪かったのです。
つまり「あやふやな情報を地道に分解して整理する」ことが、周囲にいる人の中では上手く、本能的に、かつ楽しみながらできていました。今おもえば「強み」に対する違和感も根っこは同じなのかもしれません。
一度そういう腹落ちがあると、この自分の特性を強みだと言うことへの抵抗はかなり薄れました。少しでも誰かのためになった事実があり、かつ好きでもっと続けたいと思っていることは、誰が何と言おうと強みです。
もしも「強み」という概念に違和感や畏れを抱いているなら、まずは強みのSIGNを探して、事実に基づいた強みを探してみるのが良いと思います。
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