rootのメンバーをインタビューで紹介するシリーズ、第一弾。 写真家を目指して単身イギリスへ渡り、紆余曲折を経て帰国後、気鋭のベンチャー企業BASEでゼロからデザイナーとしてのキャリアをスタートさせた弊社古里のインタビューです。 恵まれた環境だったという事業会社をあえて辞め、デザイン会社であるrootへやってきた理由とは?
写真とグラフィックが好きだった
大学時代から写真とグラフィックが好きで、半年間イギリスのロンドンで写真家のアシスタントをしたりと、真剣に打ち込んでいました。一時は写真家も目指していたのですが、帰国後、大学を中退することになってしまって。すぐにできる仕事を探している過程で、偶然の出会いからWebデザイナーとして働くことになりました。
最初にWebデザイナーとしてのキャリアをスタートしたのは、ネットショップを無料で作成できるサービス「BASE」や、オンライン決済サービス「PAY.JP」を開発するBASE株式会社。BASEのロゴや初期のトップページを制作したデザイナーが知人の知人だったため紹介してもらい、その縁で入社が決まりました。
BASEには、2014年の5月にジョイン。当時、BASEは20人ほどの規模で、渋谷に自社オフィスを構えた頃でした。自分は、PhotoshopとIllustratorが使えるくらいで、デザイナーとしてのスキルはほとんどない状態。まずは、バナーのデザインからスタートして、ランディングページのコーディングを経験し、本サイトのデザイン改修などに携わりました。
写真やグラフィックなどビジュアルデザインが好きだった自分が、コードを書くようになるまでには多少の不安もありましたが、次第に慣れていき、BASEでは多くのことを学ぶことができました。
事業会社でデザインを経験できたことによる学び
事業会社でインハウスのデザイナーとして活動するのと、デザイン会社でクライアントワークをするのとでは、経験できることが異なります。私は、BASEという事業会社でキャリアをスタートできてよかったと考えています。
BASEは、ベンチャーでありながら、ユーザー数の規模が大きいサービス。私がジョインした時には、すでに開設された店舗数は8万を超えていました。ユーザー数が多い分デザイナーの責任も大きい。コードレビューやデプロイのタイミングはいつも緊張した空気で張り詰めていました。
サービス運営にデザイナーとして携わり、自分がデザインしたものをユーザーさんが使って、実際にどのくらい効果があったのか、すぐに結果が出る日々。自らのデザインが、どの程度事業成長に貢献できたのが数字で可視化されるため、デザインの力を実感できていました。
トップとUI・UXについて議論するやりがい
BASEでは、CEOの鶴岡裕太さんを含めたUI・UX会議がありました。全社員から集まった意見を整理して、優先順に対応して次の週で発表、OKが出れば実装して新機能としてリリースしていたんです。
UI、UXに関する最終決定権を持っているのは、CEOである鶴岡さん。会社のトップに対して、デザインに関するロジカルかつ、データに基づいた説明ができないと、自分の意見は通りません。このときに、デザインをロジカルにプレゼンテーションする力が磨かれました。
これは今でも活きている経験だと思います。ただ、私はこれが苦手でした。なかなか自分のデザインを説明することができなかったんです。同じ職場で働いているデザイナーの先輩に、説明が上手な人がいて、その人は前職でクライアントワークを経験していました。
その先輩デザイナーから「古里くんは一度受託を経験したほうがいいんじゃない?」と言われたことは、転機のひとつですね。
幅広いデザインワークの現場を求めて
しばらくBASEで働くと、BASEでは経験できないことも目にとまるようになってきました。
当時のBASEは、機能を増やしていくフェーズだったので、機能実装が自分の主なデザインワークでした。また、運営されてしばらく経ったサービスは、もうペルソナが決まっているので、トンマナ(コンセプトや雰囲気の一貫性)を合わせたデザインを展開していくのがメインでした。しかし自分は、「そもそもこのユーザー設定でいいのか」といったペルソナに関する議論をもっとしたいと考えていました。
BASEが最初のキャリアで、経験の浅かった私は、もっと体系化されたUI・UXの勉強をしたいと考えるようになっていきました。
デザインでクライアントの事業成長に寄与したい
少しずつ、デザイン会社に転職して、自分のスキルをもっと磨きたいと考えるようになりました。体系化されたUI・UXを学び、ロジカルで、かつ再現性があるデザインをしたかった。
ただ、いわゆる受託のデザイン会社には行きたくありませんでした。ただ「見た目」だけのデザインを作るデザイン会社には転職したくない。ただ見た目を良くするというのは、自分にとってデザインの本質ではないと思ったからです。
rootは、デザイン会社でありながら「デザインを通じて、事業成長に貢献する」というコンセプトを掲げていて、そこに惹かれました。UI・UXに特化したデザイン会社でありながら、ゴールはクライアントの事業成長に寄与すること。rootの姿勢が、自分がなりたいデザイナー像とマッチしました。
rootなら、ユーザー設定から議論でき、直接決定権を持つ人にプレゼンテーションもできる。外部のデザイナーとして事業会社の成長に関わりながら、幅広いデザインも経験できて、自分にとってちょうどいいバランスでデザインができる、そう思いました。
rootで経験している幅広いデザインワーク
rootに入社した直後は、名刺やブログなど社内のデザインを担当。徐々に、クライアントワークにアサインされていきました。慣れないクライアントワークに関わるようになって、まずフィードバックをもらったのは、外部の人間とどうコミュニケーションをするかでした。
コミュニケーションを図りながら、まとまっていないクライアントの要望を整理していき、ユーザーのニーズを定義していって、それぞれのニーズに合わせたデザインを提供しています。自分がデザインを担当する際はウェブデザイン、アプリ、CI(コーポレートアイデンティティ)のデザインも行い、HTML、CSS、JavaScriptなどコードを書いています。
rootでは幅広いデザインに対応する必要があります。ユーザーのペルソナやトンマナによっては、自分がデザインすると合わないケースもあります。そんなときは、デザインワークの上流を担当し、デザインを外部のパートナーに発注して、ディレクションするのが私の役割です。
ディレクションを担当する際は、ビジネス側とデザイン側の間に立ち、それぞれの言葉を翻訳して橋渡しする役割も担っています。ビジネス側とデザイン側はなかなか共通の言語がありませんから。
rootでは、クライアントや外部のパートナーさんなど社外の方との関わりが多いので、コミュニケーション力が存分に鍛えられています。一つのサービスをグロースさせるのではなく、様々な案件に対応するので、デザインの振り幅も必然的に大きくなっています。
より上流からデザインできるデザイナーを目指して
今後、rootで経験していきたいことは、ディレクション、デザインワークの2つのベクトルで描いていることがあります。 ディレクションの領域では、より上流から携われるようになりたいですね。現在は、初期の要件定義を代表の西村が行っていますが、自分も要件定義のような初期段階からデザインを担当したいと考えています。
デザインワークとしては、アプリのデザインをもっと経験したい。現在、ストアのランキング上位にランクインしているアプリであっても、使いやすいと言えるものはけして多くありません。自らの手で、もっと使いやすいアプリを作っていきたいですね。
加えて、ひとつのサービスのアートディレクションから、数字を見ながらロジカルな改善までトータルで担当したいという思いがあります。BASEにいたころからずっと抱いているのが、「街を作るようにサービスを作りたい」という思いです。
街は、誰もが自然と生活する空間になっています。私は、嗜好品としてのデザインではなく、誰しもが自然に生活できる空間・プラットフォームを設計したい。人が自然に触れられるデザインであることは、最適化されているということ。表層のデザインと、裏側のシステムが綿密に設計されている空間を創造したいですね。
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