「以前は、ただ給料をもらうためだけに仕事をしていました。」
そう笑って振り返るのは、現在、株式会社humbullでディレクターとして活躍する上松岳友(うえまつがくと)さん。前職は大手メーカーの工場勤務と、Web業界とは無縁の「完全未経験」から、現在はTikTokなどのショート動画マーケティングの最前線に身を置いています。
「今の自分に点数をつけるなら80点。」 かつての自分からは想像もつかないほど、仕事に熱狂し、人生を楽しめるようになったという上松さん。
今回のインタビューでは、年功序列の安定した環境を捨て、なぜあえてスタートアップの世界へ飛び込んだのか。そして、未経験からどのようにして「仕事を楽しむ」境地に辿り着いたのかを紐解きます。
「出勤=仕事終了」だった工場勤務時代
ーーまずはhumbullに入社される前のキャリアについて教えてください。前職ではどのようなお仕事をされていたのでしょうか?
前職では、三菱ケミカルの工場で働いていました。テレビの中に使われる特殊なフィルムを製造するラインにいて、3交代勤務のチームの一番下で働いていました。
具体的には、製造ラインから6〜7メートルもあるめちゃくちゃ幅広いフィルムが流れてくるんです。それを機械でセットして、適切なサイズに分ける「機械オペレーター」という役割でした。
ーー工場での仕事と今の仕事、かなりギャップがありますよね。当時はどのようなスタンスで働いていたんですか?
正直、そこまで仕事が好きだったわけではなかったんです。典型的な「年功序列」の組織だったので、仕事ができる・できないに関係なく給与は上がっていくし、上の世代には正直あんまり仕事ができない人もいて…。そういう人が上にいると、結局本来その人がやるべき仕事が自分に回ってくるんですよね。
「仕事は給料をもらうためだけに出勤するもの。出勤したら、もうその日の仕事は終わりや〜!」という考えで4年間くらい働いていました。隙間時間があれば遊びに行くことばかり考えていて、仕事に対しての情熱はほとんどありませんでした(笑)。
役員陣の滋賀訪問が人生を変えた
ーーそんな状態から、なぜ設立間もないスタートアップであるhumbullへ?
一番は、メンバーの西(humbull社員・西 遥希さん)の影響が大きかったです。彼とは中学・高校からの親友なんですよ。西が東京でお笑いをやったり、福岡に行ったり、挑戦し続けているのはずっと知っていました。当時、僕が仕事を楽しそうにしていないのを見かねて「福岡に来て一緒に働こうや」って誘ってくれたんです。
ーーそこからすぐに決断されたんですか?
いや、最初は不安でしたね。西がいる環境は不安定に見えたし、ずっと滋賀の実家から職場に通っていたので、外に出る勇気がなかなか出なかったです。でも、西からの紹介でCEOの上妻さんとCOOの高橋さんが、わざわざ僕に会うためだけに滋賀まで来てくれたんです。3人で食事をしながら、僕自身の当時の仕事のことやお二人の仕事に対する想いなどをじっくりお話させていただきました。
ーーそれは緊張しますね。
もう、とても緊張しました!行く直前まで西に電話して「ほんまに大丈夫かな?」って確認してたくらいです(笑)。でも、お二人の話を聞いて「あ、面白そうやな。行こうかな!」って直感的に思ったんです。結局、ご飯を食べた次の出勤日には、上司に「辞めます」って伝えていました。
「圧倒的量のクリエイティブディレクション」という壁
ーー実際に入社してみて、どうでしたか? 前職とのギャップに驚いたことも多かったのではないでしょうか。
もう、驚きしかなかったです(笑)。まず、業務量が異次元でした。うちはクライアントの売り上げを上げるために複数の施策を同時に走らせるため、各施策の肝を押さえて他メンバーやAIを活用してゴリゴリ進めていく必要があるのですが、最初は、この量に本当に驚きましたね。
でも、単に数を作るだけじゃ意味がなく、TikTokなどのSNSでバズる動画を作らないと意味がないんです。狙いを持って、PDCAを回しながら作り続けることが求められるので、流れ作業だった工場勤務とは、脳みその使い方が180度変わりました。
ーー入社してから1年、一番大変だったことは何ですか?
初めてディレクターとして案件を任された時ですね。これが一番しんどかったです。台本を考えて、クライアントとやり取りして……初めての体験だったというのもありますが、何より辛かったのは、社内の他の案件はバズっているのに、自分の案件だけ全然再生数が伸びなかったことですね。
「なんで自分だけ……」「何をしたらいいんだろう」って、路頭に迷うような感覚でした。周りと比べてしまって、精神的にもかなり追い詰められましたね。
ーーその困難を、どうやって乗り越えたのでしょうか?
「トップマーケターの思考を真似る」と「ただがむしゃらにやる」の二つですね。結局、これしかなかったです。代表を含め既に成果を出しているマーケターに質問しまくり、思考方法をインプットし、施策に挑戦しまくり、バズらせるまでやり続けることを徹底しました。結果として、目標を達成しクライアントの売上向上に貢献できた時は本当に嬉しかったですね。
前職ではミスをしようが大したことにはならない環境でしたが、今は僕一人の判断がクライアントの売上に直結するので、責任感という面では全く違いますし、責任重大ですが、その分、やりがいも桁違いです。
メンバーの働く姿勢
ーーhumbullのメンバーについても教えてください。上松さんから見て、どのような組織だと感じますか?
「すごい仕事をする人が集まっている」という印象です。 一番衝撃的だったのは、皆さんの働く姿勢ですね。工場時代は3交代制で、時間が来たら帰れるのが普通でした。でも、humbullでは、夕方になっても誰も帰らないどころか、そこからさらにギアを上げて仕事が進んでいくんです。
毎日夜遅くまで当たり前のように働いている姿を見て、「そんなに働くんだ!」と最初は衝撃を受けました。でも、それはやらされているんじゃなくて、皆が成果に対して必死だからなんですよね。
ーーそんなハードな環境で、なぜ上松さんは「仕事が楽しい」と思えるようになったのでしょうか?
自分が狙った通りに動画が伸びるというのが、純粋に面白いんです。基本的には伸びないことが多い世界だからこそ、伸びた時の喜びは大きいですね。以前は、仕事は「こなすもの」という感覚が大きかったですが、今はスポーツを楽しんでいるような感覚に近いかもしれません。人生の中で一番長くする可能性がある仕事が、楽しくなったのは自分にとって本当に大きな変化でした。
目標は「稼げる人材」になること
ーー今後のビジョンについてお聞かせください。どんなビジネスパーソンになっていきたいですか?
「正直、よりたくさん稼げるようになりたいです。」これは包み隠さず言いたいんですけど、やっぱり頑張った分だけ評価されて、稼げるようになるのは大事だと思っています。そのためにも、Webマーケティングという枠に特化させるわけではなく、「何でも自分に任せてもらえるような、色んなことで稼げる人材」になりたいです。
ーー最後に、humbullに興味を持っている読者の方へメッセージをお願いします。
もし、現状の仕事に満足していなかったり、「楽しい仕事をやってみたい」と思っているなら、環境を変えるのが一番だと思います。
humbullは、未経験でも半年しないくらいで案件を持たせてもらえるような、チャンスに溢れた環境です。「がむしゃらに仕事を頑張ることができるエネルギーがある人」なら、絶対に活躍できるはずです。
僕みたいな工場勤務だった人間でも変わることができたので、興味がある方は是非、挑戦してみてください!